2011/05/10

第109号

<コンテンツ>
原発事故の「レベル7」と発表させられた思惑
OECDが政府や経団連に要求した内容
「日本を世界経済から孤立させるぞ」の外圧
社会や経済の崩壊の中で個別企業が
原発事故による電力不足、その他の追い打ち
モノマネの模倣商品は限界
岐路に立たされた時代、個別企業での
とりわけ、若い労働力が確保されなければ、
労働者性は実態優先で判断する、最高裁判決の波紋
人事管理者の「素質」育成教育プログラム 日程を決定


§原発事故の「レベル7」と発表させられた思惑
原子力安全・保安院が4月12日、「レベル7」発表、その時点から日本政府の態度は一変した。アメリカ政府は日本に対して、「レベル7」と発表するよう相当の圧力を加えたとされている。一説によると、東芝や日立の原発輸出を封じ込め米国製原子炉輸出の目的があるとさえ言われている。給水バルブは全品がアメリカ製、日本の原発システム技術には不具合があると言いたいのだ。
この「レベル7」の発表に乗る形で、世界各国が日本の工業製品の放射能汚染を口実に、自国の産業保護政策に転じる姿勢を示している。日本が放射線量測定値を詳細に公開しなかったばかりに、競争相手国に隙を突かれた形だ。
これに慌てた政府は、それまで故意に隠していた放射線量の情報公開、被災産業や被災地への謝罪とテコ入れ、エネルギー政策転換へと政策の舵を切り替えている。そもそも、情報公開、地場産業育成、エネルギー転換といった政策の哲学を持って政権に就いたにも関わらず、座についても一向に実行する気配なく、今回の地震・津波・原発事故が起こっても、「淀みに浮かぶ泡沫ならぬ、浮草の如く」日々を過ごす毎日から、アメリカをはじめ外圧が掛かるや否や、日本政府は「レベル7」の発表を機に一転している。マスコミの多くは、政権の延命策と報じているが、実際はグローバルな展開をもとに、「世界から孤立する日本」を突き付けられたゆえの「恐怖心」が原因で、政策転換を行ないつつあると見た方が妥当だ。世論が政府を動かしたわけでもない。


§OECDが政府や経団連に要求した内容
OECD(経済協力開発機構=自称:民主主義を原則とする34ヵ国の先進諸国が集まる唯一の国際機関)は、4月下旬にOECDのグリア事務総長を日本に送り、復興国債、一時的増税、消費税引き上げ、法人税引き下げなどの政策提言を示し、「日本は短期間で回復を告げると確信している」との強力なグローバル世界との協調を日本に求めてきたのだ。これには「恐怖心」が原因の政策転換だけでなく、財務省をはじめとした官僚たちも完全に面従腹背した。(戦後、日本の官僚は外圧を利用して生き延びたとの説がある)。
OECDが求めている骨子は、他の資料を合わせて考察すると、次のように日本経済に対して決断を求めたことがうかがえるのである。
□新成長戦略の推進
グリーン・イノベーション(エネルギー転換など含む)、
ヘルスケア(単なる医療介護ではない)、
アジアとの経済連携、地域活性化などをあげている。
□労働市場の改革
日本の労働市場に圧力がかけられたのは、50数年前にアメリカが行って以来である。
二極化の是正(非正規労働者のセーフティーネットや安定的雇用の労働市場など)、
職業訓練の充実(雇用調整助成金の規模縮小、職業能力標準化と訓練システムなど)、
女性の社会進出(税制、給付制度、保育施設などで有能な労働力)を重要課題として、
これを企業行動に求めている。
□教育分野の改革
幼児教育の充実(端的にいえば、マニュアル習得・改良に重点をおいた教育の変更)、
研究開発での大学の役割向上(要するに、大学を「学習の場」としてきた約15年来を改め「研究開発の場」に変更)を求めている。


§「日本を世界経済から孤立させるぞ」の外圧
を受けて、日本が世界の中で「いないふり」を続けようとした政策から突如転換、OECDのお導きに従い進路変更しようとしている。さて、OECDの動きをマスコミはどの程度報道したのか? グリアOECD事務総長は、4月20日から24日までの日程で訪日している。4月21日:経団連、夕刻:外務大臣、22日:総理大臣と面談。マスコミは報道もせず、何かを隠したいのだろうか?
筆者は、OECDの回し者でもなければ、これといったファンでもない。あまりにも日本が官僚に支配され続け、民間の有効な建議やアイディアが踏みつけられた歴史から、OECDは一つの問題提起をしているにすぎないと、筆者は見ている。とにかく日本は、OECD34ヵ国の諸指標でも下から数える方が早いのが現実なのである。
こういったOECDの政策提言を日本が進めない限り、日本を世界経済から孤立させるという訳だ。これに対して現政権は迎合した。前政権であれば自発的に迎合ポーズだけ取ったであろうことは間違いない。
(4月21日発表のOECD対日審査報告書2011年版)
http://www.oecd.emb-japan.go.jp/Overview%20Japan%202011_JAP.pdf
だとすると、これを踏まえて、賛成であろうが反対であろうが、個別企業はOECDからの要求への対応を、何かの方策で迫られることになるのである。とりわけ、「高付加価値製品&高水準サービス」の商品提供を、直接間接にもグローバル展開する必要があるのだから、思い切って「隗より始めよ」なのである。


§社会や経済の崩壊の中で個別企業が
如何に成長して行くかが、このメルマガを読んでいる貴方の「ミッション」という訳である。
ちなみに、焼肉屋チェーンと食肉業界の大腸菌O111食中毒事件のみならず、地方での大事業所である地方公共団体の財政破たん、中堅中小企業の資産枯渇と疲弊、労働者個人の購買力激減といったことがデフレ脱却を阻害する要因とする経済学説がある。近年、カール・マルクスの「資本論」がブームになり、漫画本が出され、2007年リーマンショック後の米英では評価が高まった。こういった学説に対抗する、一時期華やかだった経済学者たちは、全くの反論が出来ないでいる。その人たちは、「資本論」は労働者階級が戦うための理論としてまとめられた学説であるといった目的論にすら気がつかず、アダム・スミスやジョン・スチュアート・ミルの論理を誤借用した新自由主義の経済学者でもあった。そればかりか、今ほぼ三十六計で影を潜めてしまっている。経済学説が100あるとして、そのうち3つほどの金融論に限定して弁舌を振っていた者たちの末路であった。
頼みの個人消費は、地震・津波・原発事故後、「買いだめ?」があったにもかかわらず3月は8%ほど激減した。一気に他の経済指標もダウンしている。売掛金名とか債権といった語句に惑わされず、売れて入金して初めて経済が成り立つ=これが原則=を踏まえることである。社会や経済の崩壊を肌で感じ取ったから、一時実態は、流通経済からストック経済(封建時代の主流)に変化している。資本主義経済に戻る転機がいつなのかが問題なのである。


§原発事故による電力不足、その他の追い打ち
これに加えて、原発事故による重要な課題は工業地帯電力不足(東電・中電の料金値上げ)が影響して来るのだ。地元の原発反対運動が強かった原発では比較的安全設備が充実しているとのことからすると、原発の発送電コストは高くついていたのだ。また、電力会社の官僚的体質は、原発など元来重視していなかった電力会社が、「意欲のない原発運転」を今も進めているようで、(例えば、この3月末は下請け業者への支払延期や賃金ダウン)、エネルギー供給を担っている責任企業とは考えられない。
戦前の水力発電から戦後の火力発電に電力源転換を図るため、終戦直後は政府官僚を蚊帳の外に出して、GHQと対峙して戦った電力会社(日本発送電と9配電会社)の歴史があるが、今は忘れさられている。このときGHQは、労働者の賃金は職務給で良いとして「技能や年功」を無視せよと言ってきたのだ。これに対しで労使が協力して(裏で一体となり)、火力発電の技術・技能者を育成獲得するために電産型賃金(後に銀行業界に導入され、年功序列型賃金となり日本に広まる)導入のため、電力スト(停電作業)を繰り返し(占領軍基地のみ停電させるストライキも)、こうやって労使がGHQと体を張って戦い、火力発電の事業体制を作ったのである。闘いの矢面は、日本電気産業労働組合であり、送電停止は会社の「送電指令所」が指示を出して、きめ細かく配電を停止してストライキを行った。したがって、病院は停電させず占領軍基地は集中して電力配電を止めた。さて、今の発送電・配電事業に携わる者に、頭だけは明晰であることは間違いないが、体を張って経済産業を支える気概があるのだろうか?
冒頭に述べた通り、官僚は自らが生き延びることを目的としているから、今回のOECDの要求に対しても面従腹背(欧米の発想=公務労働は奴隷の仕事だとしても)は常であるから、個別企業にとっての、いわゆる東日本復興需要は来年以降の話である。阪神大震災を引き合いに出しても仕方がないが、あの時は規模が小さいながらも、「復興事業と公共事業は予算保障する」と言い切ったものだから、供給基地である大阪から瞬時一斉に業者は出かけた。ところが、今はそういった経済状況とは、全く異なっているのだ。
したがって、
ある意味では、日本の経済政策は、「株式会社ニッポン!」を辞めてしまったことでもあるのだから、個別に民間の個別企業がガンバルしかないのである。企業が集まってとか、事業を共同して等の話が湧いて出るが、「リーダー&作戦家」に事をゆだねない限り、成功した例はない。ただ集まっているだけでは、調整を繰り返すだけにすぎない。大手企業のサラリーマン出身の経営者が、株主・顧客・労働者の間に立って調整役(コーポレートガバナンスの実態?)として濁してきた事実が、これを物語っている。


§モノマネの模倣商品は限界
大阪の某大手電気メーカーで、中心的に商品開発を行ってきたN氏によると、日本の工業は、世界の先駆者の真似をして模倣品を、日本流にマーケティングをしてできただけだと、過去の反省を語っている。そして、市場ニーズの変化で一転して瞬時に模倣商品は終焉するのであり、地震・津波・原発事故の後は、日本国内産業の役割は模倣の工業製品にはないと断言している。
まして、技術技能を頼りに部品供給をしてきた個別企業の復活を急がなければ、海外の非精密部品に市場をとられてしまう。東北や北関東の部品供給地域に限定して復興を考えてしてしまうと、日本国内を通り越して海外から供給に頼ってしまうことになるのだ。まして、偽装請負や製造業派遣労働が茨城・福島に、時間給870円止まりと高速道路に近い立地を理由に集中していた形態の部品供給事業の復興には実りがない。日本の高級精密部品を敬遠して、アジア各地に散在する普及部品を使用して、ソフト面を充実させ、低価格の便利な商品を提供しようという商品戦略に、輸出相手国が切り替えることになるのは当然である。だとしても日本のことだから、「国破れて、官僚は太って行く」ことは当面続きそうである。


§岐路に立たされた時代、個別企業での
総務部門の役割はこうなる。労働者の待遇向上などが労働意欲を向上させた事例はない。出世も労働意欲を向上させた事例はない。世界経済での日本の位置を考えれば、ありとあらゆる個別企業の新しい経営スタイルへの変更対策は、次の3つが柱となる。
■その産業に応じた労働者の標準的職業教育を開発し、訓練を施し、
 (その手段は:競争相手をよく観る&日本一になる幹部の気概)
 このことで、企業の発展法則である
  1.競争力のある企業が
  2.若い労働力を集め
  3.新商品・新市場に進出して行くことが出来るようになる。
■いち早く女性の社会進出の受け入れ、
 社内作戦的には母子家庭の母に焦点を当てた雇用やキャリアモデルと、その情報提供と助言に人材育成の議論と試みを実行することである。(OECDの労働市場改革2010年版でも母子家庭の母への支援を特別掲載)。
 このことは、現代的モチベーションである
  ア.仕事そのものが楽しいこと
  イ.仕事の達成感がある(それなりの計画性)
  ウ.プライベートが充実している
 といった若年層の労働意欲と合致する、最も近道である。
■その上で、恐慌の中を企業が残るための守りが
  A.在庫編成、負債圧縮、肝心なのは現金を守る具体策
  B.設備削減、アウトソーシングで長期コスト削減
  C.社会整合性のある業務改善や低価格イメージ
 すなわち、財務基盤強化、事業基盤強化、売り上げ基盤強化を行うことなのである。要するに、それをやりとげる素質と能力のある労働者を育成確保することが肝要だと言うのである。
旧来からの経営スタイルをとりたいのであれば、
それは経営者の自由ではあるが、旧来型であることの事前説明を採用前に行う必要があり、時代の経営環境に合わせないことによる多大な出費を覚悟する必要がある、といっただけの話ではある。この■3つの柱を経営者に提言し、こういった細かいチェックを的に行うのが、総務部門本来の役割、社長ではなく貴方の仕事なのである。
ちなみに、最近の筆者が携わっている労使トラブルのあっせん代理人業務は、もっぱら会社側であるが、この新しい経営スタイルへの変更に伴う前向き解決のものが多くなってきた。


§とりわけ、若い労働力が確保されなければ、
個別企業にとっては致命的である。今から深刻になる恐慌においては、住宅ローンを抱える50代の男性とその妻の負債返済欲が高まることから、ややもすれば若年労働者を職場から追い出す動きが出ても当然なのである。この動きはストレートに現れるものではないから注意が必要であるのだが、経営者が高齢者の誘惑にはめられてしまえば、「報われない苦労の連続」経営に陥ってしまうのは間違いないのだ。
とにかく、大卒・短大卒、高学歴女性を、とりあえずは非正規で良いから採用して、
 ◇業務改善としての仕事標準化
 ◇予見計画性を高くして業務を遂行
 ◇個別性を分析して能力別業務分担をする方法
を進める必要があるのだ。採用面接の事前提出用職業経歴書(簡易職務経歴書)もこのほど開発、事業所ごとに加筆でき、ジョブカードよりも汎用性と利便性を重視した物だ。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/jinji/skeireki.html
現在の生活保護は、1ヵ月の生活保護費が定められ、ここから前3ヵ月の平均額を算出して手取りの収入を差し引かれた額が支給される。大都市圏なら住宅扶助を合わせ、20~40歳の単身者は月額125,700円である。だとするとフルタイムのパートが、生活保護を受給すれば、最低賃金+生活保護=1,100円程度の時給となる仕組みだ。また、母子家庭で子供3人の母であれば他の社会保障を合わせれば月額手取30万円程度であり、最低賃金で月に20時間残業した場合の3倍弱となる。ただし、貯金を使い果たし、必要不可欠でない家財道具を売り払うまでは、生活保護の認定をされないから、仕事に対する意欲さえ持っていればという条件付きではあるが…。個別企業がそういった方法で、職業能力素質を持っている母子家庭の母を確保する方法(これこそが現行制度の趣旨に沿うもの、不正受給排除対策だ)があるのだ。
非正規労働者であっても、勤務時間短縮、短時間労働力、育児中労働力を導入することで、個別企業全体の労働生産性を思い切って引き上げることは可能である。
こういった思索(思い)を繰り返すことで、時代に適合した個別企業に急速接近することが出来るのだ。他人依存では何事も進まない時代である。


§労働者性は実態優先で判断する、最高裁判決の波紋
個人請負とか業務委託といった契約を結んで仕事をしていても、業務実態を優先して労働組合法上の労働者に当たるとする判例が、平成23年4月12日最高裁第3小法廷から出された。直接に契約を結んでいる場合はともかく、派遣会社や業務請負会社が間に入っていた場合に業務実態が労働者と判断されれば、職安法の労働者供給に該当する「二重派遣」と見なされることとなる。
・住宅設備大手INAX(現在LIXIL)の子会社の製品修理の業務委託契約個人事業主の事件。
INAX事業運営に不可欠な労働力として組み入れ、委託契約内容は一方的に決定、子会社の指揮監督を受け個別の修理業務に応じる実態だったと認定した。この個人事業主とされていた人たちが待遇改善を求めた団体交渉に応じないのは不当労働行為としたもの。
▽平成21(行ヒ)473 不当労働行為救済命令取消請求事件/裁判判例情報
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81243&hanreiKbn=02
・新国立劇場運営団(東京)のオペラ合唱団女性メンバーとの契約更新事件。
合唱団メンバーは決まった公演に従い、財団の指揮監督下で歌唱の労務を提供しており、劇場に通った回数も年間230日に上り、時間や場所的にも一定の拘束があったと認定した。メンバーらが加入する労働組合との団体交渉拒否が不当労働行為に当たるとしたもの。
▽平成21(行ヒ)226 不当労働行為救済命令取消請求事件/裁判判例情報
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81241&hanreiKbn=02
これらの事件をめぐって、経営側と労働側の激しい対立や戦いが行われていた。経営側が主張していた個人事業主との契約が書面でなされている点を、最高裁は否定して、「業務実態を優先」としたものだ。出来高制労働者をはじめとして業務委託の名目で個人事業主の名目で契約すれば労働者ではないとの奇策で、個人に対して発注がなされているケースは非常に多い。とくに昭和61年の労働者派遣業法施行と同時に労働者派遣となることを回避するために個人事業主として業務委託したケースも多い。
その導入理由は、労働法上の責任が回避されると誤解したことと、国民健保&国民年金の適用で社会保険料負担を免れる目的とか、確定申告による所得税節税につながるといった金銭的利害が労使双方に存在したからだ。
ところが、今回の最高裁判決で事態が変わった。
従来から業務実態を重視して、労働基準法、労働者災害保険法などが適用されていた。
労働契約法においては、第2条で、「この法律において労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われるものをいう。」とし、第2項で「この法律において使用者とはその使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。」と定められ、厚生労働省 労働基準局長の施行通達 (平成21年1月23日)の、法第2条(定義)の解説において、「名称のいかんを問わず労働の対償として支払われる全てのもの」として、使用者に使用されて報酬を受けた場合は実態として労働契約に定め労働者としている。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/11.pdf
これで労働基準法、労働契約法、労働組合法の3つの法律解釈が出そろったとなるが、
労働組合法に基づく団体交渉権が、現代社会においてオールマイティの実行力を持つことから、大きな波紋が生まれているのだ。
もとより労働法の基本概念からすれば実態優先は当然のことだったところ、似非法律家に乗せられて業務委託名目の契約を結んだ可能性が高い。実際、目先の各種保険料金の負担回避を理由に、そういった奇策を着想する事例は後を絶たず、長期的リスクを考えて改善していった個別企業も多かったのである。とりわけ、現在の経済状況からすると、労働力管理=有能な労働力を確保し、労働意欲を引き上げ、業務改善を進めることが至上命令である段階であって、経営側が労働者の良識を真っ向から否定するような行為は取れないのである。
労働団体の連合もが早速談話を発表した。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2011/20110412_1302608852.html
全労連は、早速メール配信を行い
【労働実態に基づく労働者性を認めた最高裁判決を活かそう】と呼びかけをしている。
http://www.zenroren.gr.jp/jp/opinion/2011/opinion110413_01.html

加えて、
有期契約雇用の更新手続をめぐって、労働側弁護団では、「日立メディコ事件」の判旨を取り上げて、論理的攻勢をかけようとしている。
その主な攻勢ポイントは、次の日立メディコの場合での4点としている。
(1)採用が簡易な手続で行われた
(学科試験・技能試験がなく、家族構成、健康状態、趣味等を尋ねるのみだった)、
(2)同じ時期に採用された90名の臨時工のうち約1年後の本件雇止めの時点で雇用継続していたのは14名のみだった、
(3)臨時工は前作業的要素の作業、単純な作業、精度がさほど重要視されていない作業等に従事させる方針がとられていた、
(4)上告人自身も比較的簡易な作業に従事していた、等の事実が認定
今回の最高裁の判例と相まって、正規労働者と非正規労働者の、いわゆる「二極化」にブレーキがかかることになる。


§人事管理者の「素質」育成教育プログラム 日程を決定
新時代・新経済環境に応じえる人事施策の創造力や立案能力を次の養成プログラムに基づいて、人事管理者としての素質育成をはかります。
http://osakafu-hataraku.org/contents/personal/education.html
前回(昨年末から本年2月24日、全7回)の参加者のアンケートです。
◆法律・経済・コンプライアンス等々、抽象的ではなく、具体的な内容で分かりやすかった。
◆ある課題の答えを導き出すために、全く別の題材を用いてディスカッションするといった手法を取り入れることで、発想力、創造性が培われる内容となっていた。世間にありがちなセミナーでは経験できない深みのある内容であった。
◆新時代の人事・総務の担うべき業務の重要性について、目からうろこが落ちる思いだった。
◆将来の経済を見据えた人事管理社内システム全般の方向性が見えた。
◆ディスカッションに積極的に入り込めなかった場合であっても、やりとりを聞くだけでも勉強になった。
◆講師の進行が巧みであるため、ディスカッションが充実したと思う。
◆激変する社会で生き残るために、このセミナーは必見である。
◆受講料は、世間にあるうわべだけのセミナーの場合、2、3回でこのプログラム費用以上の金額が必要なものもあるのに、これだけの内容でこの金額は安いと思った。
◆部下にも今回の研修を受けさせたい。
◆配布された資料についても、非常に参考になるものであった。
◆最後に近づくにつれてだんだん難しく感じてきました。しかし、労働紛争を経験するうえで疑問に感じていたことが、何点か答えが見出せました。資料は今後役立つものだと思います。
◆旧来の凝り固まった考え方から、新時代に向け、発想の転換、着想のポイントなどが新たな視点で見ることができるようになったと思う。
◆「新時代・新経済環境に向け人事管理者の「素質」育成教育」セミナーは、「訓練型」であると思うので、この教育プログラムは重ねて受講するほど、スキルアップが図れると思う。

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