2005/06/07

第38号

 今の中国の状況には、日本経済へのこれからの悪影響を8割が懸念し
 ているという。特に「運輸・倉庫」「卸売」「製造」業界で先行き懸
 念が高まっているとのこと。「大手の先行組は別として、中小企業は
 まさにこれから動こうとしているので、今後は様子を見ながらという
 事になりそう」(被服製造)とか、「中堅企業はストライキなどが直
 接的に影響している。政府の対応を考えるとインフラの整備が整いつ
 つあるベトナムへの転換を早めに考える」(産業用電気機器卸売)と
 いった、他地域への見直しの声も、との報道も聞こえる。2008年オリ
 ンピックに向けて、ますます「保証のない国」となってきた。
 長い歴史の中で、アジア大陸のこの地域一帯(中国領土の大半)は、
 自然を食い散らし、産業を食い散らし、「育成する文化」の無い地域
 である。産業革命が各国で完成しても、この地域一帯では産業育成が
 ままならなかったから、イギリス政府(アヘン戦争)も日本政府(満
 州事変)も「アヘン(麻薬)」を大量に売りつけた。その上で短気に
 なり、思い通りにならないものだから武力で押さえ付けようとした。
 日中戦争のときアヘン中毒者相手の戦闘は勝つのが当たり前。これら
 が誰もが認めるA級戦犯らのことなのである。戦後、中国人民解放軍
 (略奪厳禁・アヘン禁止)が政権を握り、近年の改革開放となったが、
 16年前にはやはり天安門事件、それから今に至り、やはり思い通りに
 ならないといって、唯一日本だけが再び短気になり…、「今度は何を
 するか!」と、単純に焦りイデオロギー(靖国神社?)に走っている
 日本…と見た方が妥当である。
 日本の主義主張、文化、価値観は、中国ではまったく通用しないこと
 を忘れてはならない。中国はすべての財産をいつでも実力で差押えら
 れる体制となっている国…経済活動自由の権利の無いことを忘れては
 ならない。もうひとつ、中国のオリンピックバブルで、日本の経済数
 値が回復しても、日本経済が豊かになったのでもない。
 では、日本経済が豊かになるにはどうすればよいのか? 有力ポイン
 トを3つ挙げると。日本がバブル政策をとったとき、当時、「通貨と
 いう名の道具」を追い求めた人たちは、それに振り回されて、その後
 は、みじめになった…これが教訓である。将来の明るい希望では、日
 本では百万人程度しかいない大金持ちが、中国には4千万人、すなわ
 ち、日本の人口の3分の1に相当する顧客が居るということだ。この
 人たちは Made in JAPAN の高級品がほしいのだ。あの、アニメの「ク
 レヨンしんちゃん」が流行する文化水準であるから、日本の高水準サ
 ービス提供は彼らにとっては信じ難い夢で理想なのだ。

 腕力・体力のない人間でも、ターミネータのような器具を全身につけ
 れば、異様な力を発揮する道具ができた。人間の腕力や脚力を飛躍的
 に向上させるロボットスーツ。重さは20キロだが、それをつけたとし
 ても、さらに40キロまでの重さのものはラクラクと持ち上げることが
 できる。この装置は、人間の脳から出る微量の電気信号を受け止め、
 手足などに伝えるものだが、体の骨格を金属で補強しているために重
 さが軽減されるとの原理のようだ。クレーンがなくても工場で、腕き
 きの熟練高齢者がハイパワー化、建設現場とか悪路での運搬作業にと、
 アニメの世界が現実になる。筑波大学の大学院生で、「若者」が考え
 たところに、将来の夢が開けできた。

 パワーハラスメントの解決が、なぜ重要になるのか? 日本経済オリ
 ジナル戦略である、「高付加価値商品」および「高水準サービス提供」
 を開発するには、創造性や自主性が重要で、仕事の進め方も、問題を
 発見し、解決策を思考・アイデアの交換などを繰り返すことが大切な
 のである。このような基本戦略を持ち、かつ「高度情報化社会」にお
 ける事業活動であるから、パワハラが経済活動阻害要素となるのであ
 る。パワハラが発生する原因が放置されたままの状態では、成果主義
 などの制度は、事実、そのすべてが上滑りしている。それは、JR西
 日本を見れば、よく理解できるのである。ZD、QC、TQC、小集
 団のときもすべてそうであった。

【パワハラとシツケの見分け方。】
 いわゆるパワーハラスメントかどうかの判断については、イジメなの
 かシツケなのかをめぐって、調査や議論を重ねるごとに曖昧になって
 くる傾向がある。現在まで法廷法理はなく判例法理も数少ないためな
 おさらである。そこで判断材料をまとめてみた。先ず、脅迫やセクハ
 ラと同じように被害を受けた者の「被害意識」の存在が重要である。
 それは労働能力の発揮において創造性や自主性が欠落し、人間ではな
 くなり、文句を言う機械に陥るからである。そして、イジメとシツケ
 について、次のような明確な区分をもって分析をする必要がある。
 @いじめ…被害者を現在の存在領域から排除する事を目的として、精
      神的または物理的に圧力を加えて、被害者の人格を否定し、
      結果として物理的排除する行為。
 @しつけ…その人が社会や職場との交わりの中で通常の社会共同生活
      ができるために、個々人の行為や権利行使による、人間関
      係間での相互の摩擦を防ぐために、その人の参加を促すル
      ール(義務等)を、もっぱら社会的制裁(私的制裁は含ま
      ない)を受けるまでに教育訓練する行為。

【パワーハラスメントとは、】
 職務権限を背景にしたものである。経営管理もしくは事業主の統治責
 任事案である。労働者からすれば就労権・労働環境権であり、一方で
 会社からすれば、労働能力損壊行為である。具体的には、上司が部下
 に、できもしない執拗な要求や嫌がらせで精神的に苦痛を与えるとか、
 言葉や態度による精神的圧迫や暴力(物理的力)を振るとか、出来も
 しない目標を掲げさせる事態をも該当し、ノルマを与えて達成しなか
 ったときは徹底的に部下を精神的に追い詰めるなどもそうである。こ
 の場合に、業務はプラン・プロジェクト・スケジュールに基づかない
 特徴がある。
 正常な人間は、人格攻撃を受けると、自分を見失い仕事上もさらに失
 敗が重なるという悪循環に陥るケースが多い。発見するための観察点
 は、被害者に自信喪失・刹那の発想・理由なき反抗の同居している点
 に注意する事である。
 
【いわゆるパワーハラスメントの調査】
 にあたっては、次のような留意点が必要だ。パワハラなどの加害者は、
 主に次の4つの「世間体」に立脚した論理や行動で自らの弁解・保身
 を図り、本質の焦点をごまかそうとする。
  A.「証人が居る。これが証拠だ。文句はあるまい!」の証人証拠
    優先主義。
  B.「私は頑張ります!」とのジャパンな大声決意表明主義。
  C.「辞めさせてもらいます。」などの騒動玉砕(図頼)主義。
  D.「相手にすると手間がかかるので…」との放置穏便主義。
 これらのごまかしによって、事業主も管理職も、周りの従業員が共に
 具体的措置をとろうとすることを躊躇させ、業務上も人間関係上も
 「泣き寝入り」させられてしまうケースが見られる。加害者意識は、
 今や時代が一挙にグローバルになり、社会共同体基準に変わっている
 ことなどに耳を傾ける意思など、まったく無く極めて自己中心的であ
 る。

【経営管理の切り口では、】
 パワハラ発生現場には次のような共通点がある。
 1.朝礼、朝夕の挨拶、報告・連絡・相談…をやっていない。
 2.作業計画を立てる。実際の作業を行う。反省をして改善をする。
   …plan do check をやっていない。
 3.やってみて、言ってみて、やらせてみて、褒めなければ、人は動
   かない。…の育成教育訓練の基本が無い。
 4.成り行き管理(走りながら考える)のため、技能向上、ノウハウ
   蓄積は先細り、悪循環を繰返している。
 該当する監督職に「プラン、ドゥ、チェック」の基準を導入すれば、
 すぐさま悪循環から脱するのであるが、いくら命令しても、いくら指
 導しても、パワハラの加害者はハナからこれを採用しようとしない。
 その原因は職業能力が低い上に保身しか頭に無いからである。