2023/03/07

第251号:恐慌後の経営は、科学根拠と計算で

<コンテンツ>
世界経済大転換の「天王山」は、いつ?
 ・別の角度から見る、世界経済の動き、
 ・日本で公式には、およそ18万社程度の倒産を!
 ・日本経済の底は2025年!!
 ・日本政府の経済政策は、
 ・日銀を倒産へ? → “新Japan Bank”中央銀行
商品や消費財の、今の価格決定方式の変化!
供給物(商品ほか)の価格決定権方式は、数学計算ではない
「価格決定権」方式 = これが、その決定要件の解説表
価格決定思考の、巷の空理空論を防ぐこと
自由市場経済の初期、その発展を支え促した思考
 ★著作権の世界の認識(労働の報酬ではない)
 ★Art域労働の品物価格=見積積算単価(例)

【新しい経済社会で役立つ、本の拾い読み 20230307】
 『自己啓発の罠、AIに心を支配されないために』


§世界経済大転換の「天王山」は、いつ?
その「天王山」は、この春の終わりから夏にかけての時期だ。この7月からアメリカの政府予算の上限規制が行われる。アメリカ主導:G7各国のウクライナをはじめとする経済・外交にかかる資金も止まる。これが世界経済の不均衡バランスを更に激変させる。
その「天王山」の影響を目前にして、日本は、統一地方選挙が行われ、その後の体制を見計らってから日銀が新政策を執行する。新しい総裁の許(もと=日銀はこの漢字を使う)に、日銀は緊縮に向かうが、それまでは金利上昇をつづけ、その緊縮方針が何時の時点になるのか、夏か秋か年末か、その実施の瞬間が、中小・中堅に至る注目ポイントという訳だ。
そこで表面だって目に見え予想される事は、金地金相場の暴落、急激な円安への為替変動、単なる物価高現象ではない本来のインフレ政策である。この「天王山」といった表現の奥に潜む本質的な物事の解説は、今月のところは省略して後日に示す。
別の角度から見る、世界経済の動き、
簡単に言えば、アメリカの国家予算増額の制限が法律によって、この夏:7月~9月に行われる。それは確定している。これを初めとしてG7各国は軒並み財政制限(意識的バブル経済崩壊)に陥る。すなわちウクライナ向けの戦費も予算も底をつき、“いわゆる金融経済の循環”が止まるわけだ。ことに軍事や武器に集中しているものだから、予算や債務を消化するほど、“破壊・殺戮・インフラ崩壊・産業設備崩壊”が、進展するわけだ
★注目は、G7各国の現状である超マイナス経済は更に下落進行する。
G7主導のグローバリゼーションも徹底して崩壊する。日本の岸田政権は、林外相を、過日のG20外相会合で欠席をさせた。それは日本が中国との無意味な対立を激化させないための布石だ。
片や、G7外の各国は資源国とか労働力国が多いことから、現状から更に経済成長するという見通しだ。ここにウクライナ戦争の背景もあり、金地金の相場とか為替相場も、ここを背景に上下している訳だ。相場のチャート分析など関係ない。
日本で公式には、およそ18万社程度の倒産を!
政府はいよいよ迫る。日本の金融恐慌は、そのように予測されている。こういった程度の予測をシンクタンクとか識者は、挙って語っている。要するにバブル経済を崩壊させることになっている訳だ。
ところが、休業とか廃業の道を選び、“倒産の法的手続き”を取らない中小零細企業は、どの程度あるのか、これは統計にも現れず予測がつかない。実のところは、まだ資金が存在するからこそ“倒産の法的手続き”を行って、債務を消す手段で、倒産の方法に出るのである。~こういった手法を“学者”は想像もできないし、評論家や新聞・TVといったマスコミ記者の記事には出てこない。
さらに細かい手法を示せば、“倒産の法的手続き”を掛ける法人は、何年度も粉飾決算をし、それで融資を受けている場合が多いから、法人税の“遡り修正”を目一杯行って還付金を入手するケース(その多くは税理士や弁護士報酬に充当する)が多い。

日本経済の底は2025年!!
いずれの変革が始まるとしても、そうとなる。アニメや映画ではないから、
  • 変革の開始時期の政策切り替えは何事にも停滞をもたらし“どん底”を迎えることとなる。
  • 次に大転換するための新施策が実行され、効果が出てくるまでは、“底が続く”のである。
  • 何事もそうで、奇跡が起こるわけでもなく、劇場型に変化変換するわけでもない。
  • 少なくとも、何らかの効果が表れるのでは、このメルマガで示したように、それぞれ個々の品物の価格設定&提供体制を、個別企業ごとに組み替えて、身の丈にあった経営と共に、人的知的資源を蓄えることである。
  • 時代や社会の変化が訪れるといって借金や融資を受け入れると墜落・倒産を招来するから、互いに仲間同士で注意しあうことである。
  • そして、常日頃に文句ばっかり言う“文句言い”は、その間ずっと威勢よく、文句ばっかり言い続けるだけだ。社内でも仲間内でも、“文句言い”は、SNSやマスコミでも、持てはやされるが、具体的政策など建議する能力は無い。
  • だから、そういった文句の類を題材に話し合ったとしても、時間の無駄どころか、焦点の核心を無意識のうちに、ずらして的を外すことになる。
  • ★要は、個人も個別企業も自治体も政府も、何事も目の前の現実に対応できる具体的な新転換策なのである。“文句”ではなくって、実践と行動だ。

日本政府の経済政策は、
今の仕組みの下では世界経済に振り回されるだけだ。だから日本国内を集約して、何かの抜本的政策を行うとしても、その政府に主体的な力がない、それは能力的にも金銭的にもである。たとえ、何らかの方向性が出たところで、具体的な足も無いのだ。その要諦は量子力学で言う、「光は、波であり・粒である」だ。もちろん、いまどきの対策の流行は、古典的物理学でもない。
すなわち、例えば、返済期間99年の借金棚上げの「経済政策または投資資金バラマキ」を実施したところで、様々な“浪費型利権集団”に投資資金を、再び食い潰されてしまうだけのことである。それは第二次世界大戦後での、先進各国の歴史が証明しているし、“食いつぶし”集団の再生産に過ぎない。日本の戦後経済復興においてもその傾向が強かった。
日銀を倒産へ? → “新Japan Bank”中央銀行
世間で言う“デフレ経済?”と言われるものから、世間では“インフレ経済?”と言われるものに切り替わる。現象だけ見て簡単に言うとすれば、「一方で物価高への誘導&他方で物価安への誘導」である。

本質は昔ながらの単純な、「インフレ政策&資産食いつぶし&増税政策」なのである。したがって、企業経営の要諦は、過去を捨ててイノベーションでもって、本当に売れる商品や消費財を用意して、売り上げを増加させることである。
今後は、決して“現在商品の販路拡大”とか“流通コスト削減”ではない。まして世間で言う“デフレ経済?”と言われる時期の経営手法では、“まがい物”(検査ミスで言い逃れ?)ばかりであるから、信用失墜=廃業を免れないのである。

よく例に出る話は、トヨタは織物機械メーカーであったが突然自動車に切り替えた。今そのトヨタは、自動車とは何らの関連も無さそうな分野に進出するとの噂もある。日産(財閥)も、元は化学肥料から始まり、日本の産業のためなら何でもしてきたし、今は自動車なのだ。細かく歴史を振り返れば、日本の産業というものは逆転&大転換の繰り返しなのである。
そして衰退産業は、軒並み何の業種でも、全く同一パターンでの衰退である。商店街あるいは商業も、全国の高度経済成長期における商工中金が融資で支えたが、ここでも商店街の衰退は全国同一パターンである、それは商業史の研究を見れば一目瞭然なのだ。
今この瞬間、日本は、ICT産業革命の真っ只中である。封建時代に終止符を打ち、近代文明Civilizationを打ち立てた、=“200数十年前の時代”を振り返り、個人の自由と自律のエネルギーで以て、ICT機器とか新抜本的SNSを使いこなして、新しい社会システムを構築した方が早い。そこでは、“200数十年前”と同様に、(戦後のような労働力の統率ではなく)人間の労働全般能力が“物を言い”、「自由・平等(利権犯罪規制)の社会システム」を得るための武器である民主主義も、改めて新しい発明が成され、ICT機器や抜本的SNSが使用されることになる訳だ。
その時にお荷物になるのが、日本政府が行っている似非「デジタル化?」と言う代物だ。日本政府のデジタル化は=DX:Digital Transformationと言われてるものとは似ても似つかない。とりわけICT=Information and Communication Technologyといっても日本では、肝心のコミュニケーション(“会話の中で会話を通して、新鮮な気付きを得る”といった行為)は丸ごと抜かれている。だから、似非「デジタル化?」は、廃物であり、その追加改修の発注も無駄散財なゴミ同然だから、不要である。まさに日本の似非「デジタル化?」
とは利権欲しさ上意下達=全体主義なのだ。


§商品や消費財の、今の価格決定方式の変化!
戦後に始まり変質した今の“金融投資経済システム”は、G7経済崩壊と共に改めないことには、累積赤字が蓄積され、更なる→破綻と踏み倒しを招来するばかりである。日本もそうだが、企業が生き残るためには“合併後繰り返す”しかないと戦後一貫して認識されていた現象が、実は当該の“金融投資経済システム”では益々負担を招来するシステムでしかなかった。これが本質だったのだ。見出しのには、“迷信”の文字が入る。
さらに付け加えれば、世間で言う“新自由主義”というものは、新自由主義の経済学者が説いたものではなく、それを口にする輩らの、単純な刑事事件(詐欺・横領・脅迫・と恐喝など)の隠蔽工作に過ぎないことも明らかなのだ。犯罪人の逃げ口上とか理屈なのであり、彼らの行為には刑事法上の犯罪が必ず存在している。だから、ある意味そのチェックや訴追だけで大概が解決する程度って訳なのだ。
ICT産業革命とともに、適正な価格決定は、事業継続&適正利潤が確保の重要な課題となっている。何でもかんでも、適当に価格決定をするという経済構造はなくなっている。背景で全体主義などの権力と結託するとか、まやかし(詐欺罪すれすれ)を繰り返すことの繰り返しで、招くは事業後退とか、挙句の犯罪を自ら招来するしかないカラクリになるのだ。それは自由市場でも商業でもない犯罪で、通常は誰も行わないことだ。
また、その道の人から起業を煽られる際に、よく惑わされることは、(どうも世界共通である様なのだが)、“3分の1”とか“30%×3”といった“価格決定の屁理屈”の類である。
“3分の1”とは、仕入れ価格3分の1。+経費や確報値3分の1。
 そして、+利潤や利益が3分の1といった似非概念である。
 もちろん。分かりやすいが、全く不正確で似非だ。
もっとひどいと、“30%×3”である。起業で心が浮たち血が上り、
 金貸しとかに乗せられ、騙され資金を注ぎ込むタイプだ。
 退職金や貯金などを素人の“取らぬ狸の皮算用”でもって、
 残り10%に欲が絡み(利益と錯覚し)白昼夢を見るのだ。
経済経営学や経理では、取引は供給物(商品ほか)と扱われる。
 但しその中で「役務の提供」と言われるモノについては全て根拠無しだ。
 ・その人物に支払う賃金の3倍を、その役務提供の価格とする。
  それらはあくまで大雑把、なぜか分かり易いから流行している。
  (計算例)時給1,000円の労働者によって会社の役務提供は。
       1,000円×3倍=3,000円→これが役務提供料金/時間
         ……そこには根拠も無ければ、経験則もない。
 ・ちなみに経営コンサルタント業の企業(事業経験)では、
    40%が人件費、後60%が事務所を含めPR費用である。
 ・様々な国家資格者は、団体が定める報酬規定を念頭にする。
  (ただし独占禁止法のカルテルに当たるから表向き規定は無い)
過去の価格決定方式は、まるっきり“迷信に基づく”方式と何ら差は無いから、そもそも経営管理とか利潤の確保といったものは成就できない。これが日本の商習慣なのである。この現行:価格決定方式の、“改革と変更”を要するわけである。
ところで、学者の多くは、
個別企業や労働現場の実態=とりわけ価格決定や見積もりについて全く無知であるから、彼らの説くところの学説はほとんど空理空論とならざるを得ない。
私の過去に発表した“文化価値商品”の価格決定論は世界初と評されたが、実のところは実際に見積もりを行っている個別企業のやり方を論文にしたに過ぎないのだ。


§供給物(商品ほか)の価格決定権方式は、数学計算ではない
それは、“身の丈にあった経営”を徹底して行うことである。
常に黒字を保てるように、そのための人材を確保し、供給する品物でもって利益を生み出し、資金繰りがつく。=これが“身の丈にあった経営”なのである。
インフレ政策だから金利は上昇する。よって借金は減らすことであり、余分な在庫や設備は消すことである。イノベーションを現実対応でもって徹底し、未来志向での解決を繰り返すことに尽きるのだ。

日本の経済産業省とか財務省は、ほぼ全ては利権がらみである。
したがって経済政策も、次の表に掲げる③配給(委託)品ばかりに目が向いている。
もちろん彼らの行う、似非「デジタル化?」とは、マイナンバーを初めIT機器でもって、文句を言わない人間のロボットrobot化を焦点に、そのことばかりを目論んでいる。だから、政治も全体主義を徹底しようとするのだ。ことに日本は、“岸信介ら”の、ソ連スターリンの計画経済を見習った社会主義経済を成功させた実績がある。だから、官僚たちはその前例成功実績に従うわけである。
読者のあなたは、うかつに乗せられてはいけない。
余談かもしれないけれど、革新政党や左派と言われる人たちも、過去の“日本経済成功?”の成功体験しかない訳だから、議会選挙での票数の欲しさに落ちた。学者と言う人たちも同類だから、政府の仕切る大学や研究補助金で安穏と暮らしたい人物は少なくないのだから。
それこそ、国連憲章第1条で定める民族自決権でもって、他国に侵害されない幸せが得られるかどうかの安全保障でもあるのだ。
その日本での具体策が、次の表に示す①本来の商品での“価格決定権を確保する”、国際ルールに従った具体的手立てなのである。(長文を避けるため表記した)


§「価格決定権方式」=これが、その決定要件の解説表

供給物資の種類 その経済圏単位 仕入れ・加工の差異 流通(交通)の違い
①本来の商品
(利潤の額・率ともに確保できる。)★文化文明(恋愛・宗教観・芸術観)のArt域全般労働での3分野の自由性が担保されることが肝
世界に広がる自由市場(ICT機器など媒体介在する)それは、過去と現在を取り持つ連携(同盟)にはこだわらない。 過去と現在を取り持つ“起源・方法・手立て”にとらわれない。
自然法の成り行き。【価格見積りは】
顧客購買力で決定

人的将来投資の源
ブランド化している
=歴史・伝統・印象

そして、極め手は、
お金持ち顧客リストの、熟成&醸成を進めること。
②消費財
(生活関連物資で、利潤までは無い
そのパフォーマンスの技能は、地域の“宝”であり、外部からの業種参入障壁
生活圏の範囲での(例:中学校区単位)諸:ネットワーク

実に文化は中学校区ごとに異なる。
地産地消での協力
【価格見積りは】
仕入と人件費そして経費・投資の、原価積上げ方式による域内無数の団体や“絆”とかの集合
生業とか、なりわいとの、流通範囲内。
それを基盤に成立、持続可能の流通システム。路面電車や遊歩道にリヤカーとかが活躍する交通。
③配給(委託)品
民間の量販店とか事実上の国策国営企業が受け持つ。
スキル労働で充足
(学校教育とか職業訓練の限定的役割)
配給が目論める。限定地区への職人タイプのSE=職業訓練修得者の公的配置。 その人材の:比率の高さが決め手。(福祉・保険の充実) “より安値+運送費”
“市場&新規参入”
の規制をすることが
ポイント。
【価格見積りは】
原価積み上げと
利権合算の方式
現実投資に見合う目論見、及びその権力機構が根幹。
“憲法25条の給付”
全ての生活部面
での社会福祉・社会保障・公衆衛生向上増進の給付品や役務や現金を給付
給付や役務の予算を目論む。マニアに基づいた就労者のスキルに依存。上意下達の官僚機構が差配し官僚利権の温存は否めず。 “国の積算単価”
すべてが積算単価の積み上げ方式。
予算とか積算単価に含まれない項目は扱われない。
自由・平等のための社会が認めた、権力(国や自治体その他)の運営に依る。

§価格決定思考の、巷の空理空論を防ぐこと
とにかく、計算表を作って数字を書き込んではいけない。なぜなら、先ほど述べたように、日本人の価格決定方式は、まるっきり“迷信水準”であるから、その古代思考方式の表記をしてはいけないのである。数字を並べれば科学的に見做し得るといった着想は詐欺師と同じだ。また自己欺瞞をして、自らに言い聞かせているに過ぎない。訳のわからぬ先輩から言われても褒められても、ICT産業革命の中では排除されるべき存在の方式なのだ。
さて、ここから思考手順を箇条書きにしてみる。
成功している経営者も、実際に行っているものの、その成功した価格決定要領を文章にしたとか学術発表されたことはない。筆者が初めて学術発表に耐える個条書きを記してみる。
イ)同じような品物を、国内や海外の他人らは、どんな風に売っているか。
ロ)試しに真似て価格設定して推測し、不都合不具合を探り、反省改善。
ハ)実務改善実践から、改めて解説表に示した方式を行ってみる。
ニ)すると実践的実務的に、全体の費用や価格の流れやコツが現れる。
ホ)その流れやコツをふまえて、仕入れ・人件費・その他経費を診る。
ヘ)取引は、誘引から先ず交換の意思から契約行為が開始され契約成立。次に代金支払いへと至る。この微妙な順に沿って交換が行われる。決して通貨(若しくは貨幣)と品物の物々交換が、納得して“同時に価格が決まり”、交換が成立する訳ではない。この各々のステップと過程がとても重要だ。実際に、営業や販売で成功している人は、こうやっている。
ト)①本来の商品にあっては、ブランドと顧客名簿でもて、価格決定権を行使できて、価格決定権を確保している。
チ)すなわち、この表に示す商品だけが、誰もが認める利潤を確保する。
リ)これこそが自由市場主義経済の本旨であり、その余は自由平等のための社会が認めた権力による利潤の確保に依る訳である。その権力に認められない利潤は犯罪であり、不正利潤確保には必ず刑事犯罪を伴っている。凡その学問的研究は、古典経済学で既に確立している。

利は仕入れにあり』は、→現代では「利潤はイノベーションにあり」となる。
次に『倹約(ケチではない)は→『次のイノベーション投資に充当』である。
(イノベーションとは、シューペンタ―の発見を復習)
★現在日本での、取引交換の契約成立の要件とは、★
申し込む側の意思と、承諾する側の意思の合致でもって成立


§自由市場経済の初期、その発展を支え促した思考
19世を迎えるに至り、自由平等のために“社会”といったものを市民革命で開発したフランスを柱として欧州では、「見る物だけを分析と経験によって発見出来るものだけを信じる」といった文化・文明が形成されていった。ことに市民革命で商業や事業経営が自由になり、経営者の団結権(株式会社や有限会社)が確立されたフランスなどでは、急速に自由市場経済が発展していった。スタール夫人やハインリヒ・ハイネなどは経済・経営学が存在・充実していない中でも社会分析を充実させていった。

先ほど述べた「見る物だけを分析と経験によって発見出来るものだけを信じる」に対して、★当時のドイツ方面では『物事の起源とか方法あるいは手立てにおいて、伝統的であり、過去と現在との同盟(固い連携?)の決め事』が強調されていたようだ。(後に紹介する書籍:哲学史の変奏曲の80~82ページ)
このフランスとドイツとの差異について、現在のイノベーション(経済学者シューペンターの発見)を知る者にとっては、次に示すスタール夫人の、最も利潤を産むとする科学的学説は、イノベーションの萌芽と受け止めてこそ妥当である。だからこそ市民革命後のフランスは、一躍経済発展をして、ナポレオン率いるところの今で言う国民国家を形成するに至ったわけなのである。
すなわち、大切なことなので繰り返し述べるが、今や日本も、文化・文明の大転換に匹敵する現在、個別企業も個人もイノベーションを推し進めるには
 「見る物だけを分析と経験によって発見出来るものだけを信じる」であり
 ×『物事の起源とか方法あるいは手立てにおいて、
伝統的であり、過去と現在との同盟(固い連携?)の決め事』
~といった要件は徹底排除を要するのだ。その道具にICTは使える。

【スタール(1766年~1817年)ルイ16世の財務大臣の娘】
『どんなジャンルであれ天才の出現は極めて稀な現象であるので、現代の国民それぞれに、もし自国の財宝しか与えられないとすれば、その国民は貧しさから抜けきれないだろう。さらに思想(観念)の流通は、あらゆる商業のうち、最も確実に利潤を生む』、『しかし、この仕事から本当の利益を引き出すためには、フランス人がするように翻訳しているもののすべてに自国語の色合いを加えてはならない。仮にそうすることによって手に触れるもの全てを金に変えることが出来たとしても、そのために栄養が少なくなってしまうと言う結果を招くことが避けられないだろう。自分の思考にとって新鮮な感じに食物を見出すことができないだろう』(後に紹介する書籍:哲学史の変奏曲の100ページから引用)
スタール夫人の父は、フランス:ルイ16世の財務大臣であったスイスの財政家ジャック・ネッケルである。そのネッケルが財務大臣を罷免される危険が迫った瞬間、“経済政策の最悪化を危惧した農民や市民”による、1789年フランス市民革命が火蓋を切った7月14日のバスチーユ占領が行われるきっかけに登場する人物である。そしてスタール夫人は、深夜ナポレオンを突然訪問することは度々で、その場合、いつも顔パスであったとのことだ。

【ハイネ(1797年~1856年)詩人、職業はジャーナリスト】
『天才のみが、新しい思想のために新しい言葉を持つ。』、
『天才は学問の世界に活動の場を持たない。』、
『天才の活動は、芸術の領域にふさわしい。』
(後に紹介する書籍:哲学史の変奏曲の100ページから引用)その他ハイネの多様な社会科学に関わる経歴はNetを参照。

哲学史の変奏曲―文学と哲学、伊東道生【著】晃洋書房(2015/08発売)
https://amzn.asia/d/73yDYRP

【哲学者:カントの名言・はじめての幸福概念分析】
『人はさまざまの仕方で幸福でありうるが、自己流の幸福観念は無い。幸福観念は人権概念によって整えられた国家体制の産物である。タヒチ島の幸福は、人間の代わりに羊や牛の方が相応しい。』

【ゲーテ(1749年~1832年)の名言・処世術】
『理屈をこねるな。生きよ。ルールに従え。全力を尽くせ。戦え。あえて成せ。そうすればあなたは赦(ゆる)される。善は赦(ゆる)され、悪は呪われる。』

著作権の世界の認識(労働の報酬ではない)
著作権の社会的認識は、その作品などの販売組織における売買取引の価格安定性を高めることに、実際の目的がある。労働能力の一部である“労働力”あるいは労働全般能力を発揮発揮するArt域労働といった能力発揮には、いずれにしろ労働価値を優先させ保護する概念として、著作権は用いられてはいない。それは、先進国などの労働団体や個人の契約交渉においても、仕事の派生的事象としてしか取り上げられるに過ぎない様が現在までの傾向である。
はっきり言えば、先進諸国の芸術家たちが加わる労働組合の、業種別交渉における賃金や労働条件の根拠として、著作権が用いられる事はないのである。著作権は制作者(労働者を含む)の「生活費用や利益の確保のため」と“いった風な似非話”が、よく持ち出されるが、そういった主張をするのは出版・版権とか録音原盤権などを主張する販売者(販売組織)だけが、独り主軸となっているだけなのだ。ちなみに料理や飲食の世界に著作権は無い。現旧:社会主義国にも著作権は無い。そもそも、著作権の無い方が、いわゆるイノベーションを率先するには、抑圧や制限をする勢力を排除出来て都合がよいといった事情なのだ。
《実演家の権利に関する法制度及び契約等に関する調査研究報告書》
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chosakuken/pdf/h27_chosa_hokokusho.pdf#search=%27%E8%B2%B8%E4%B8%8E+%E5%8A%B4%E5%83%8D+%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E6%B3%95%27

Art域労働の品物価格=見積積算単価(例)
『Art域労働』の詳細は、このメルマガ画面・右最上の検索機能でどうぞ


§【新しい経済社会で役立つ、本の拾い読み 20230307】
『自己啓発の罠、AIに心を支配されないために』
(この段落は先月号と同じ)筆者の仕事は、読者の解決手助けのために、あなたの正確な選択へと導くことである。なので、記事分量は少なく、あなたの判断材料となるように書いていく。(購入して読む必要もなく、あなたの秘書に代読する必要もない)。それは、学術系書籍などは学者が同業学者に向けての論理構成だから、学者以外に正確な理解が出来る訳はないのだからである。
一般ビジネス書というものは、厳しい出版業界の状況から、多数の読者が、さも喜んで買うような内容に編集しているから、買った人が喜ぶように出版する。そんな出版物から、役立つ部分のみを理解することは、時間をかけても無理である。とかく、近年の学校教育は、“その意味内容が解らなくても覚えるだけ”といったAI頭脳教育に陥っているから、頭脳明晰であっても知識偏重主義(主知主義)であれば、プロセスを踏まえないから応用できないばかりか、誤読の頻発も招いてきた。(ここまで先月号と同じ)

①自己啓発の罠、AIに心を支配されないために
マーク・クーケルバーク 2022/10/26:青土社
(むらおかコメント)
この本の、とりわけ(解決策第二部)を読んでみて、この本の著者は、「何が言いたいんだろう?」と受け止めた方は、スマホ認知症やPCの偏った使い方の認知症に陥っているかもしれない。もしくは、従前から知識偏重主義に陥っていて、論理構成の組み立てが出来ていないのかもしれない。だから、くどいようだけれど、この本を読んだところで、本の内容を応用することも出来ない。だとしても、今の受験制度によって大学入学に合格し、卒業している人は少なくない。それも国立有名大学だったりもするが、残念ながら、第一線のエリートにはなり得ていない。中堅・大手企業になればなるほど、さすがに企業は人物を見抜いていて、早期退職をさせている。今回は厳しいコメントをするが、時節柄:曖昧なコメントをする訳にもいかない。そういった人たちは、能力が子供時代から身に着いていないから、少なからずサイコパス傾向であったり、DVとかモラル・ハラスメント常習者の可能性も極大である。
もとよりこの本は、様々な現象や事象の寄せ集めであったり、関連する統計資料の寄せ集めではない。実に、人類に係る長い歴史の英知をおしなべて知る著者が、『いわゆる自己啓発といった強迫観念を持つ人たち』とか、『現代に現れ出た新型禁欲主義者』に陥っている人たちへの警告である。加えて、著者の言う「AIに心を支配されないために」の処方箋のひとつと考えられる。ないしは、それにまつわる思考のヒントを数多く与えてくれる本だ。
それは戦前のナチス・ドイツによる“敷かれたレールを走る人生”であるとか、近年話題となっている“予定調和”→極端に言えば≒うつ病と治癒を何度も繰り返し挙句は統合失調症に至るといった社会病理現象への対処法のヒントもありそうだ。ちなみに、ナチス・ドイツによる“敷かれたレールを走る人生”の基盤には公然と大々的な覚醒剤(日本人が発見したヒロポンが原料)の普及が介在したが。現代は、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンと、流行る薬物に違いはある?が。

(出版社の紹介)
私たちは自己啓発に夢中だ。自己啓発の文化は、古典、宗教、資本主義などから生まれたが、今日では人工知能、ソーシャルメディア、ビッグデータという新しいテクノロジーが自己啓発の意味を書き換えている。それは数千億規模の産業だが、私たちを決して幸せにしてくれない。むしろそのせいで私たちは落ち着きを失い、不安になり、自暴自棄になっている。本書は自己啓発がなぜこれほどまでに有害になったのかを分析し、自己啓発の罠から抜け出すための新しい自己の概念と社会変革がなぜ必要なのかを具体的に示す。
https://amzn.asia/d/e7yAeXZ