2019/05/07

第205号:貧すれば鈍する、格差と差別の大国日本

<コンテンツ>
この夏、経済政策大転換がなければ、企業防衛の戦いを要す!
実質賃金を、ますます低下させる政策の狙いとは
 ★例えば今、個別の中小企業で実効性のある方式とは、
 ・先立つ資金、税収がなければ、のウソとは?
肝心な知恵は、「意欲・感動・希望」のArt域労働が決定打
 ★経済政策とか通貨発行制度の、似非財政学的学説が流行
やけっぱち! じゃなくって、腰が浮くような話が重要なのだ
【いまや、生活防衛をするにあたって、貨幣として機能する物は何か】
【生活防衛13項目】今年の夏秋は、「海外への脱出」を着想したならば

【書評 読書案内】
  『ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存』

  (むらおかコメント:現代の日本、麻薬類と覚醒剤)


§この夏、経済政策大転換がなければ、企業防衛の戦いを要す!
1.結論から言えば、国際経済への大胆な切り込みがなければ、夏までは円高傾向でも、今の中途半端な経済政策では、日本経済への投資は激減⇒秋から一気に為替の円安を招来する。今日の円安は、「技術力も輸出力」も転落してしまった大手企業にとっては、何らの“円安による輸出増加”といった効果が生み出せないのである。為替が円安になれば、輸出が伸びるといった貿易環境は今は昔、あくまで前提に技術力とそれに伴う輸出余力が存在しての話であった。
2.かすかに“期待できる?”とささやかれている、「働き方改革」による高齢者(65歳以上男女)に若年労働者(16歳~24歳男女)それと外国人雇用による、「最低賃金ギリギリ」の低賃金構造による、「ダンピングによる値引き輸出」でしかない。現在の大手企業とか政府機関にはびこる、全くやる気のない官僚主義者の考えることは、この程度なのである。
3.もちろんそれは、海外からの国際経済摩擦に日本経済封鎖を生む。
4.国内賃金引き上げによる経済摩擦は保護主義国として敬遠されるかもしれないが、ダンピングによる安売り輸出は戦前日本と同様に、“日本が経済封鎖される”ことになりかねない。
5.要するに他国からすれば、ダンピングをする日本は潰してしまえば競合国がいなくなるだけで都合が良いのである。それも、中国・韓国・台湾をはじめとして東アジア各国からすれば、円安の日本が資産をはたいてナケナシの金で輸入増加にでもならない限りは、日本がいなくなってくれた方が都合が良いのである。
6.東アジア各国の通貨高×円安で、日本観光は割安となる。それはまるで昔の日本人が、発展途上の東アジア各国に、大名旅行や買春旅行に出た姿である。今は昔、そんな日本に逆転してしまう。
7.全くやる気のない、官民にはびこる官僚主義者の考えることは、この程度である。「笛吹けども踊らず」。
8.「日本をダメにした。生きる道は、下請け大国!」 4/24衆院・経産
元中小企業庁経営支援部長、元産業再生機構執行役員 古賀茂明
https://www.youtube.com/watch?v=_bloDmaVD_k


§実質賃金を、ますます低下させる政策の狙いとは
統計偽装で実質賃金の低下があらわになったが、その後は益々実質賃金が低下している。
ぼーっとしている政治家は迂闊だった! と言いたいところだろうが、実はそんなことはとっくの昔に、“分っている”人はいる。
ゲーテ(1749年~1832年)の言葉によると、
『学の在る方々は、
   必ず私の着想をまったく笑止である。
 自分ならもっと上手くやれると考えたり、上品なそぶりで完全に無視するでしょう。
   なぜ、そうするのかごぞんじですか。
 彼らはいうのです。
  自分はその分野には詳しくないと』

~すなわち、
まず彼らは気がつかないけれど、気がついたとしても世間受けしないから、そんな話題には乗らない、また政争の具にもしないのである。
指摘されれば、「いやー、あの時は知らなかったんです」と言うのは目に見えている。戦前の日本もドイツもそんな人ばかりだった。私こと筆者の話も、この総務部メルマガを始めとして様々な方が見るけれど、「着想をまったく笑止」である。
……けれど実務部門では実効性があるから、昔から筆者の話の着想は徐々に取り入れられている。

例えば今、個別の中小企業で今実効性のある方式とは、
 「賃金日払いのアルバイト、大量導入方式」である。
あるいは、朝8時から夜20時までの12時間を、4時間単位三交代で回す。
 →即座に人手不足は解消、少しArt域工夫をすれば生産性が上がり賃金もあげられる。
 (こういったことは多くの実績があり、それは中小企業の輸出も支えている)。
※注意、これを素人がやれば人手不足は解消する。だが、生産性と賃金は上昇しない。だから早晩効果は薄れる。上昇志向はプロの助言が必要だ。それがArt域労働による固有文化価値となる。

先立つ資金、税収がなければ、のウソとは?
それは全くの、知恵を出さない言い訳である。確かに、どこの国の事例を見ても、みんながみんな知恵を出せるわけではない。
受験勉強のやり過ぎ、傾向と対策で優良点数を取るといった思考は、“知恵を出す雰囲気”の足を引っ張るという訳なのだ。
シビアに言えば、傾向と対策は誰かが考えてくれるが、売り上げと利益の決定打は“知恵の勝負”と度胸で決まる。
~さらには、傾向と対策の思考パターンは、中国や韓国などには敵わないし、“AI化される労働力”に過ぎない。
再び、ゲーテの言葉によると、
『学の在る方々は、必ず私の着想をまったく笑止である。
 自分ならもっと上手くやれると考えたり、上品なそぶりで完全に無視するでしょう。
     なぜ、そうするのかごぞんじですか。
 彼らはいうのです。自分はその分野には詳しくないと。』


§肝心な知恵は、「意欲・感動・希望」のArt域労働が決定打
これであれば、現在の虚無感、人間関係拒絶、生活苦を打開することができる。ここでいうArt域とは、言語で言い難い常に時代を先取りした思考パターン=五次元(時空を飛ぶ結合)を指す。
http://soumubu1.blogspot.com/search?q=%EF%BC%A1%EF%BD%92%EF%BD%94%E5%9F%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D#197-02

もちろん、高齢者(65歳以上男女)、若年労働者(16歳~24歳男女)においても、その生きる上での「意欲・感動・希望」となるものである。

その際に話題となっている概念が、“幸せと満足”だ。近代以後の学問的解明で、「“幸せ”とは=社会や集団の中で自由拡大を認識する状況(カント)」そして、「“満足”とは=様々な集団の内部で他人と比較して平均以上であると認識する状況(ダニエル・カーン)」であることが解明されている。
したがって、“厚生”を充足するだけでは、閉鎖された社会関係内部にあっては満足するかもしれないが、“厚生”自体も単なる“幸せ”を追求するひとつの道具に過ぎず、自由をもたらす一助に過ぎないということだ。なので厚生労働省は“幸せ”を追求する行政機関ではないのだ。
そして、「“自由”とは=生活全般にわたり、自らの希望する他人に対する特定の人間関係を、労働生産や消費その他の行為を通じて“その自由”を感じ取ること。その場合には義務も自由として感じられる(ジンメル)」。
にまでに、文化についての共通解明を達している、そういった表現が十分になされているかどうかは別として。すなわち、いくつかの選択肢から、そのいずれかを選ぶといった行為は自由ではないのである、そして自由を与えないために様々な理屈を並べたてる。だからこそ、幸せはわい歪曲され自由は制限され、ますます経済も文化も社会も貧困化が進むのである。
☆人間は自由を求めるには三段階を踏む。それは連続して同時にではなく、三段階に分けエスカレートし①~③へ進む。
 ①食物、衣類、住居といった生存または厚生に関わること
 ②貨幣で自由を得る。(通貨は自由を制限する)~Innovationは自由に関わること
 ③音楽や創作全般を促進するリズム(リズムrhythmと拍子timeは異なる)に乗って
  ~Creativeな仕事や労働に関わること
http://soumubu.jp/documents/20180902_discussion_paper.pdf

経済政策とか通貨発行制度の、似非財政学的学説が流行
だけども、そういった行政機関のテクニック手法だけでは、普通の人は“笛吹けども踊らず”である。「意欲・感動・希望」が醸成とか湧き出てきてこそ、開ける経済政策であり、終戦直後の失業対策事業で国土インフラを整備したようなことでも初めて可能となる。
「改革を止めるな!」といった威勢の良いスローガンも、その実は税収を使う立場になりたいだけの人が言い放つだけ。あげくは税収に頼り、予算分配権にしがみついて保身を図りたいだけのことである。~こちらは学ではなくてJapanな精神力だけれども、経済政策としての見通しが立たない、それは大阪での中小企業事業主がJapanな精神力を応援していないことで証されている。

やけっぱち! じゃなくって、腰が浮くような話が重要なのだ。
将来を見るには、地域経済(基本は中学校区単位)を見据えた「日本文化・国土リゾート・福祉の極東国」
これが最も現実味のある、都市や地方の地域経済策。それは哲学ではなく現場の学問である。
http://www.soumubu.jp/alliance/index2.html
市場経済一辺倒の学問だと、この先は全く見えなくなる。
加えて、財務省や経産省の着想自体は、この間に民主主義を度外視し、計画経済を推し進めたが、市場経済一辺倒の視野の狭さもあって崩壊してしまったという訳だ。
そもそも、資本主義を育てるための社会運営技術の柱は、自由平等のための民主主義(一定程度の社会主義)であったし、後に基本的人権が加わったのが歴史である。とはいえ経済活動は、貨幣を道具として“自由”の拡大を人々は求め、それは「モノやサービス(服務)」とを交換する方法だ。

「通貨」とは、貨幣蓄積増進の重要手段として用いられ、「通貨」とはそれ自身は“経済価値のない貨幣や電子マネーなどの「器材」”を用いることであったし、これも何千年と人類が用いてきた資本主義とは異なる社会運営技術の方法や手段なのだ。貨幣と通貨は機能も価値も違う。人を欺く学者はあえて貨幣と通貨の言葉を混同することで論理の不備を見えなくしている。「信用は貨幣を無用とする。(ジンメル)」、これが人類共通文化であり、信用の存在するところに、現代では“通貨の貸付”が舞い込んでくる仕組みとなっているわけだ。

【いまや、生活防衛をするにあたって、貨幣として機能する物は何か】
貨幣の機能は通貨によって規制されてはいるが、通貨が崩壊すれば、何かが貨幣として表に現れる。
金地金は流通市場性は限られ日常生活では使えないが、細やかながら国際経済での貨幣の役割は果たしている。また、通貨発行は世界中誰でも出来るが、貨幣蓄積増進の重要手段に差し障りそうな通貨は、崩壊させられる。日本でも通貨偽造が重犯罪になるだけである。
なお、金地金は希少価値にて価格が決まるとする学説は迷信である。
それは、金本位制以前の、あくまで市場経済におけるオマケ品=金地金が装飾や記念品といった程度の考え方であり、現代に希少化理論は通用せずかつ金地金が国際貨幣の役割を果たしていることも注視する必要がある。
現在、ドイツ、ロシア、中国などは、大量に金地金を買い付けている。日本は、終戦直後に日銀大阪支店地下金庫の金地金をGHQに持ち去られたと聞いたが、その後は何処に貯めているのかを聞いたことがない。
要するに、地域住民が金地金などの貨幣を持てば、通貨政策には弊害なのだ。1997年のアジア通貨危機で韓国は国民に金地金を供出させ、中国文化大革命では紅衛兵の少年少女が金地金や金貴金属を略奪没収をして回った。
なお、海外口座の開設は、相当の富裕層でなければ効果はない。2017年からスタートした。CRS(共通報告基準)の結果、海外口座を所有し、利息やその他の収入を得ていながら日本で納税申告を行っていない者も、自動的に日本の税務当局に情報が流れる仕組みがある。
https://www.youtube.com/watch?v=x6dFflADspg

【生活防衛13項目】今年の夏秋は、「海外への脱出」を着想したならば
~あなたの経済感覚は極めて正常である、日本経済は一気に転落しているから。
①タンス預金はやめること、外貨預金は分散して持つこと。
②この夏に、官僚らの経済政策変更はないとみるや、外貨預金を要す。金地金の現物資産では、小口の身動きが取れない。
③秋からの円安で物価高に襲われるから、外貨預金をして、それを細目に下ろして円安損から生活防衛をする。
④食糧衣類などその他様々な物資は国内自給率が低い、だから輸入品を買うには円安日本円では損をする。
⑤金地金などは1回の取引あたり200万円未満、それを超えると住所氏名の届出が要る。
⑥将来、お金持ちや事業家になりたいのであれば、マイナンバーは使わない。
⑦一部を除いて地方銀行には、1,000万円以上の貯蓄はやめる。相続財産を含められるから念のため。
⑧借金をしないこと。今ある借金は今のうちに解消すること。思い切れなければ転落の危険が増す。
⑨国内製造業は一般的に、技術レベルはアジア諸国よりも落ちてしまっているか、円安でもせいぜい下請仕事だ。
⑩海外の“労働力製品(より良いものをより安く)”を日本企業は仕入れ、Art域労働で海外や来日者に買ってもらう。
⑪文化は人間関係を築く素であり、礼節などの育ちが悪いと人間関係で相手にされない。
⑫電子マネーとは、輸入大国日本で、円安為替損の直撃を受けること。そうやって、あなたの資産は国家に取られる。
⑬~その活躍分野は、「日本文化・国土リゾート・福祉」の事業であれば、経済経営は成功する。
(その経済根拠を示す)
http://www.soumubu.jp/alliance/index2.html


【書評 読書案内】
『ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存』
 ノーマン・オーラー 出版社:白水社(2018/9/26)
a)著者のノーマン・オーラーは、数多くの公文書や公開文書を調査し、ヒットラーと第三帝国の背景には様々なドラッグが利用されたとしている。
b)ドラッグがナチスの思考内容や思考パターンを、薬物投与によって、その精神促進と身体行動を過激激烈にさせたのだと説明している。ナチスやドイツ軍が大量使用した覚醒剤は、ドーパミンおよびノルアドレナリンの分泌を強制促進するもので、主に日本で言うヒロポンである。さらにナチス党員たちは、この覚醒剤と酒類を同時併用して、暴行などを含む実力行使の党活動を促進させたとの研究結果である。
c)それが、第三帝国の末期に至ると、ヒットラーを含め親衛隊や軍の幹部は、覚醒剤の薬物依存症状から思考が侵される。軍の幹部たちはヒットラーと面談するにあたっては、ヒットラーの精神的好みや気分を削ぐような言動による左遷や解雇を恐れて、ほぼ全員がヒットラーの主治医から覚醒剤投与を進んで受けていたとしている。著者のノーマン・オーラーは、公用文書や発言記録などを裏付け証拠に、第三帝国維持のためには覚醒剤は仕方がないとか、当時の薬事法に違反してでも闇で利用するとかの結論に、彼らは至ったと説明している。ヒットラーの主治医テオドール・モレルの手記も紹介している。
d)ところで、1850年、初めて注射器が発明された。コカ・コーラとは、1886年にアメリカの薬剤師:ジョン・ペンバートンJohn Stith Pembertonが発明した。コカ・コーラの名称コカの起源はコカイン+カフェインだと書いている。そしてコカイン+カフェインをコーラの実(kola nuts)エキスの水溶液と混ぜ販売した。
e)そんな時代背景を踏まえ、著者のノーマン・オーラーは次のように語る。第一次世界大戦で敗戦、その賠償金や資源不足で貧困するワイマール共和国憲法の下、ヘロインやコカインの麻薬類が氾濫していた。ライン川に沿って数多くの薬物メーカーが乱立成長し、資源の乏しかったドイツは、人工合成による一大薬物製造国となった。ことにベルリンでは、それらの薬物常習から社会や町の荒廃と低落、そして文化の薬物依存による極度の退廃も激しさを増していたと述べている。(なお、現代脳科学は、当時に生まれたアバンギャルド、タンゴやスイング、ダンスリズムが酒や薬物で思考停止はしても、それで創作されることはないと解明している)。
f)そこでナチスは、「民族健全化」を唱えた。ナチスは1933年に政権を奪取した後は、ドイツ軍幹部をナチス党員で占める、ないしはナチス党員以外の者は排除した。また雪崩を打ってこの機にナチスに入党したものも多い。
g)ところが、健全化を唱えたはずの彼らも全体主義の思考に陶酔するばかりか、アルコールを飲み、そこに覚醒剤を投与して、ナチス党員たちの士気を支えたとの発見をしている。
h)ちなみにナチスは合法的に政権を奪取したと言う。だが実は奪取と言う意味は陶酔・酒類・覚醒剤での集団化したナチス党員が、反ナチス人物を森の中で殺害、街では暴行を働き、これを警察が捜査しなかったという意味である。さらにドイツ軍の将校を独占したナチスは、それ以降、事あるごとに覚醒剤を服用させて戦闘に至った。
i)フランスに対する電撃作戦、その4日間の昼夜を徹しての侵略に覚醒剤を飲まないフランス軍は負けた。ドイツ軍の戦車や装甲車の機動部隊は最強だと言われているが、実は陸軍歩兵部隊の旧来戦法である幹線道路行軍の作戦中に、手柄を立てたい機動部隊が抜け駆けをして、そのために覚醒剤を服用させ戦車や装甲車が農地を突っ走っただけのことだった。
j)すなわち彼らは、全体主義思考の陶酔を、薬物で実行行動に移したに過ぎない。決して科学技術とかイノベーションではなかったのだと述べる。
k)もちろん、覚醒剤の調達には税金と赤字国債乱発による通貨マルクが用いられた。ことに、ドイツ情報部は膨大な覚醒剤を仕入れ=その使途や使い道は今もって不明であると特筆している。
l)覚醒剤は主に、ドーパミンおよびノルアドレナリンの分泌を強制促進する。ドーパミン=楽しくなる。ノルアドレナリン=全身の体が動く。そのため充実感の気分が味わえるとのことだ。当時のドイツでは、薬だと思って医師が自ら服用している。
m)軍事産業関係では、戦争捕虜に覚醒剤等を投与して、体力維持の限度とか脳細胞破壊といった実験データを集めた。あげくは軍靴業者までが、戦争捕虜を何日間も不眠不休で悪路を歩かせて兵員用の「靴(くつ)」の耐久実験まで行っている。
n)覚醒剤の危険を簡単に解りやすく言えば、薬物により肉体や脳細胞のエネルギーを前もって先取り促進するわけであるから、その疲労は極めて激しい。さらに必ず依存症に陥るのだから、エネルギーが枯渇しても覚醒剤を更に服用してしまい、肉体や脳細胞に破壊が生じるというわけだ。
o)最近の危険ドラッグは服用しただけで脳細胞が破壊されるが、そこまでの副作用がないとして覚醒剤を利用したことを明らかにしたのだ。陸軍から兵士に覚醒剤(ドイツ名ペルビチン、日本名ヒロポン)の錠剤を配るのだが、それでも前線兵士の息子は、親にペルビチン錠剤を送ってくれと何度も手紙で懇願していたことも紹介している。そしてドイツ軍、では40歳以降の将校が、次々と心臓疾患、脳卒中症状を発症し死亡している記録を紹介している。

むらおかコメント:現代の日本、麻薬類と覚醒剤)
(ア)これは統計も無く実態も数値的には把握できない。だが相当程度に蔓延していることは間違いない。
(イ)全体主義者の国会議員の覚醒剤使用は次々と、その噂は後を絶たない。国会議員だから捜査取り止めを指示するとの警察官僚の名前までもが噂に流れる。今の首相夫人は「大麻」に非常に関心が高い、それは考えすぎだろうか。もしかすれば、1930年代のナチス党員集団と同じことが発生しているのか?
(ウ)覚醒剤は、脳を疲れさせない新緑や青葉、そして森林浴成分の青葉アルデヒドとか青葉アルコールとは訳が違う。クエン酸と重曹を配合した炭酸入浴剤で全身の毛細血管を拡張して体力をつける方法とは異なる。食物栄養、コエンザイムQ10、ビタミン剤コントロールなどとは根本的に異なる。
(エ)確かに、麻薬、覚醒剤、ステロイド剤などは、人生・世界観・哲学宗教を激変させた。麻薬は痛み止めであり医療手術には欠かせないが、第一次世界大戦以後の戦争形態では、負傷の緩和としての麻薬は欠かせない、むしろ麻薬が無ければ戦争遂行は出来ない。ステロイド剤もそうだ。抗炎症に役立つが服作用も強い。が危険物質である。
(オ)日本でも戦時中の軍部はヒロポンを常習していた。だが、その日本での研究は進んでいない。日本陸軍は戦後にヒロポンを大量放出したことは間違いないが、戦時中の日本軍:ヒロポン使用の扱いは終戦直前に証拠が焼き払われている。時の特攻隊の水杯とかキャラメルと称する中味は覚醒剤との話がある。恩賜のタバコ(天皇陛下支給)は、突撃前に兵士らに一服ずつ回し飲みさせるのだが、「大麻」だと言われている。
(カ)そして現在日本で。筆者自身がインタビューで幾度も聴いている。出来高制の自営業者、ダブルワーク・トリプルワークを繰り返す低賃金労働者、過度に活躍するエリートサラリーマン、=彼彼女らは覚醒剤と知りながら、また覚醒剤を飲まなければ働き生活していけないと吐露する。そして、第三帝国のドイツと同じように、家庭の主婦が家事その他をこなす目的で、また「セックス目合い」の薬物による促進に使用する目的で投与するとも言われる。
(キ)更に、著者のノーマン・オーラーの研究により、労働意欲の研究にもヒントが与えられた。それは、第三帝国で、ヒットラーの使った退廃音楽の概念とは、ヒットラーの全体主義統治に馴染まないジャズとかスイング、ナチス党員たち全体主義者の陶酔に合致しない音楽を、退廃音楽だと概念規定するのだが。その偏った促進効果を覚醒剤が果たしたのではないか。確かに音は間違えて聴くらしい。そんな効果を持っていたのではないか。
(ク)だとすると、文化や組織的文化促進を考える上で重要な研究ヒントが浮かぶ。人間は自由を求めるには三段階を踏む。それは連続して同時にではなく、三段階に分け、①~③へエスカレートして進む。
 ①食物、衣類、住居といった生存または厚生に関わること
 ②貨幣で自由を得る、通貨は自由を制限する。~Innovationの自由に関わること
 ③音楽や創作全般を促進するリズム(rhythmとtimeは異る)でCreativeに関わること
  http://soumubu.jp/documents/20180902_discussion_paper.pdf