・経済経営コンパス・ナビ
・経済の階段転落、その真相暴露の学術本~掲載意図
★この夏にかけ、次々暴露される、日本政府の失策!
★日本の個別企業での、イノベーションとその人材確保
★イノベーションは、経済学者シュンペーター定義の用語だ。
・【特集=ある最新の経済書籍からの引用】
大蔵省や通商産業省の将来有望な二人の元官僚が、
官僚経験も踏まえ、学者・研究者と成り成長、
政府や各与野党・大手マスコミ等の言い分を、ここに来て
学問的に暴露&批判した。その書籍の原文抜粋引用である!
①『日銀の限界』野口悠紀雄名誉教授の書籍から原文通り引用
②『入門シュンペーター』政治経済思想評論家 中野剛志(著)
・【新しい経済社会で役立つ、本の拾い読み20250603】
前述2冊の書籍から、A4判にして 8ページに渡る、原文通り引用の 記事開始に飛ぶ。 |
§経済経営コンパス・ナビ(総務部門は経営の情報収集参謀です)
①日本経済“階段転落”の嵐。落ち着き構えられる↓特効の本⇒掲載した“階段転落の真相暴露の学術本”なら↓学べる! ②身近目前のイノベーションが大事←それ人間関係現象に観える。 ⇒同調圧力の無い、迷信やシキタリで我慢を強いられない。 ③イノベーションが起きなくなる経産省政策が⇒貧乏を招いた! ④夏に向け次々暴露=日本政府の失策を注視し学ぶ。 ⇒新しい常識(皆がやってる事)を知る。真実を早くつかむ! |
§経済の階段転落、その真相暴露の学術本~掲載意図
大きな流れの日本を振り返れば、40年ほど前の1980年代(昭和55年頃)から日本経済は、大雑把に10年程度の、“事あるごと”に、下りエスカレーターの如く、根底的な下降階段転落で以って経済後退をして来た。21世紀に入ると、落ち込みの「骨太の方針」、更には、令和の「コロナ禍失策の後」ともなれば、
「イノベーションが起きなくなるような政策を、次から次へと断行」
するといった、日本の財務省や経済産業省の失策(官僚の学問的無知or無能力の疑い)を招来した。この点を、与野党もマスコミも取り上げきれない様が、最大の問題であり、病的なのである。世間の自発性も好奇心も、自律性Autonomyまでもが、なえてしまうのは、自然の摂理なのだ。
今月のメルマガでは、この日本経済の失策招来を、元官僚の学者&研究者の2名の方が、昨年末に、内部を含め暴露した書籍を、紙面を大きく割いて紹介することとした。
原文引用でもって、メルマガ読者のみなさん達には、そのまま読んで頂く方が、且つその緊迫・迫力をもって、この2冊の書籍の筆者が言わんとするところの暴露内容を、加えて、政府の施策が学問的にいかに根本的に間違いであり、それが、政府省庁の官僚らが、自ら職業倫理を踏みにじる程のものであるかを、両名の著者は、高度な学問的解析で以って記しているからだ。
確かに、この2冊の書籍は、一見平易に両著者は記しているものの、極めて学問的レベルは高度だ。確かに、与野党共に国会議員の学問水準は衰え、マスコミ関係記者やジャーナリストでは微妙な学問的分析に至る解説も無理からぬところかもしれないからだ。とはいっても、所詮マスコミは、その道の専門家の解説を直に、40年ほど前の如くに、“紙面掲載”や“裏付け根拠報道”等をすることは無くなっており、それらの不掲載・不報道は、マスコミの(ジャーナリストの倫理も併せて)不作為でもあるのだ。
★とはいえ、この両名の暴露内容は、この夏の直面する通常選挙戦の、各与野党、各大手マスコミ、各一般有権者その他にとっては、便利に「使える“試金石”」になり得る。~個別企業の経営管理者や依拠する方にとっては、“試金石”どころか、生きる上での、自由平等・幸福権の“羅針盤”でもあり得るのだ。
★くどいようだが、両名書籍の、「原文引用」部分は、 「学問的に科学的に、極めて有益に解りよく説明された文章」なのであり、 かつ「学問的に科学的インテリジェンスIntelligence」でもある水準だ。 |
★この夏にかけ、次々暴露される、日本政府の失策!
それは、“闇とか癒着”そして、“政治失策や刑事犯罪”に留まらず、次々と暴露される傾向にある。それは、トランプ米国政府が、米国経済の立て直し目的の一環として、普遍的な「自由・平等・幸福権」に係る、“あらゆる政府に対する抵抗権”として日本にも行使しているからだ。これが、トランプ大統領の公約であり、昨年11月の大統領当選その日から、翌月の大統領就任日まで、SNSその他で連日公表していた事柄(但し日本のマスコミは、この連日の実の“抵抗権報道”の意図が読めなかった)だ。……最近、米国企業の、北海道から九州沖縄に至るまでの各地での、工場や研究拠点の日本国内へ進出ニュースが流れているが、その中で併せて、これらの進出企業は日本人を数多く雇いもするが、先ほど述べた「普遍的な「自由・平等・幸福権」に係る、日本政府に対する抵抗権」の行使も当然の施策なのである。(その武器道具と成る、日本の行政機関の“不明瞭さを抑止”する目的の、行政手続法:第35条は、既に日本では施行済みで、市町村まで、その受け入れ配備も成されている。)
★日本の個別企業での、イノベーションとその人材確保
この夏からは、更なるインフレ政策が加速。併せて別建ての物価高容認が激しくなる。そういった経済環境の中で、個別企業でのイノベーションを徹底して進展させ、その人材の確保とか、天才的人物の発見・育成は不可欠なのである。「厳しい経済状況の中」で、“ほっかむり”をして“難”を逃れる」ことは出来ない。それは、“社員や従業員として採用できるかどうか”といった、昔ながらの、視野狭窄のタテ社会=全体主義的着想では、時代に付いてはいけない。とにかく事業主などが、
①先ほど来述べる人材の卵として、
「自発性があり、好奇心があり、自律性Autonomy」を期待できる人材を、
年齢や男女問わず探し求め、自ら知り合いに成ること(社長が人材確保)である。
「自発性があり、好奇心があり、自律性Autonomy」を期待できる人材を、
年齢や男女問わず探し求め、自ら知り合いに成ること(社長が人材確保)である。
②新しい常識(成功しつつある皆がやっていること)を知り、早く掴むことである。
社内の同調圧力で人間関係を築かないことも新しい常識。
社内の同調圧力で人間関係を築かないことも新しい常識。
③行動経済学、行動心理学、脳科学、神経科学などの集積で確立しつつある、
天才に近い(定義付け)人材を見つけることである。
天才に近い(定義付け)人材を見つけることである。
④職人的な技能技術レベルを、AI(人工知能?)に求めるならば、
当分の間は、日本的職人の徒弟制度の内に、その人が“自分を見つける事”だ。
当分の間は、日本的職人の徒弟制度の内に、その人が“自分を見つける事”だ。
★イノベーションは、経済学者シュンペーター定義の用語だ。
文字掲載容量の都合で、詳細は省略するが、分かり易い概念をイメージするには、シュンペーターが述べた新商品開発の例が、オリジナルで適切である。
このメルマガで最初に、詳しくイノベーションを解説した記事(後でどうぞ) https://soumubu1.blogspot.com/2016/10/blog-post.html#174-04 |
- 新しい財貨、新しい原材料などの発見
- 新しい生産方式の開発・導入(製造地域の文化。確保できる熟練技能文化=日本人の熟練技能など)
- 新しい市場の開拓(今までになく使いやすい商品。新しい使い道。とても便利な品質を備える)
- 新しい原材料、新しい半製品(いわゆる文化基礎の商品)の発見
- 新しい事業組織を開発形成(社内・社外・ネットワークにわたり、タテ社会や全体主義では不向きだ)
- …要するに、シュンペーターは、収益性、生産性、労働意欲性、効率性の四分野にわたっても考えているのである。「技術革新」とは、当時の経産省官僚が誤訳をした。
- ~戦後日本の高度成長で用いられた、金融資本投下とか、縦型組織の標準均一統制型企業組織での運用は、今の時代には不適合だ。
§【特集=ある最新の経済書籍からの引用】
大蔵省や通商産業省の将来有望な二人の元官僚が、
官僚経験も踏まえ、学者・研究者と成り~成長して、
政府や各与野党・大手マスコミ等の言い分を、ここに来て
学問的に暴露&批判した。その書籍の原文抜粋引用である!
①『日銀の限界』野口悠紀雄名誉教授の書籍から原文通り引用
②『入門シュンペーター』政治経済思想評論家 中野剛志(著)
大蔵省や通商産業省の将来有望な二人の元官僚が、
官僚経験も踏まえ、学者・研究者と成り~成長して、
政府や各与野党・大手マスコミ等の言い分を、ここに来て
学問的に暴露&批判した。その書籍の原文抜粋引用である!
①『日銀の限界』野口悠紀雄名誉教授の書籍から原文通り引用
②『入門シュンペーター』政治経済思想評論家 中野剛志(著)
ここから、A4判にして、8ページに渡る、 前述2冊の書籍から原文通り引用の、開始 |
政府や官僚が言い換えた、政策項目での《各章》暴露!
以下が、野口悠紀雄名誉教授の、1章~10章ごとのまとめです。書籍からの原文通りの引用です。当時の政府政策の裏を、学問的に暴露しています。 ~要は、政治家や政治課題ではなく、財務官僚の無知無能を暴露したのだ。
(なお、転記ミスが在るかもしれません。書籍を是非お読みください。)
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第1章まとめ 「異常な円安」に依存した株価は大暴落
- 【p.46~】2024年8月初めに、日経平均株価は歴史的な大暴落を記録し、その結果、年初来の上昇分のほとんどが消滅した。
- 2022年以降のアメリカの利上げに世界各国の中央銀行が追随して利上げしたにもかかわらず、日銀だけが異常な低金利を継続した。このため、円の独歩安が続き、日本企業の利益が増大して、株価が上昇した。
- 株価暴落の原因は、「アメリカが利下げに踏み切れば、円高が進み日本企業の利益が縮小する」との見通しにある。これまでの日本の株価上昇を支えてきたのは、円安による企業利益の増大だった。アメリカの金利引き下げでその状況が大きく変わったため、株価が暴落したのだ。
第2章まとめ 円安がもたらした弊害と混乱
- 【p.90~】円安のために、国際的な技能工獲得競争で、日本が破れる場合が生じている。必要な技能工を外国から獲得できなければ、企業は事業を続けられない。「製造業には円安が良い」という考えを改めるべき時が来た。
- コロナ禍の水際対策が緩和され、しかも円安が進んだため、外国人観光客が再び急増した。これに伴い、観光公害も増え、ホテル代や外食費も高騰する。円安は今後も続けば、日本人の生活はさらに圧迫されるだろう。
- 円安のために、マナーの悪い外国人旅行者が増え、観光公害が地域住民の生活に無視できぬ影響を与えている。旅行者数の増加だけを求める政策から転換し、質の高い旅行者を求めるべきだ。観光税の導入は、公共サービスの利用に対する費用負担を求め、質の低い旅行者を排除するために必要とされる。
- 日本から海外への留学生数は、2004年頃から傾向的に減少している。最近の円安の影響で、それがさらに加速されそうだ。韓国の留学生は、日本よりずっと多い。日本における人的資源の劣化は、将来の経済成長を大きく制約するだろう。
- 新NISAと円安によって、資金の海外流出が増えている。それは、経済発展のために国内で使える資金が減少することを意味する。「貯蓄から投資へ」のスローガンで導入された新NISAが、かえって日本経済発展の阻害要因になっている。
- これまで日本では、円安が望ましいとする意見が強かった。それは、円安が企業利益を増大させるからだ。しかし、円安になっても、日本の輸出数量が増えることはなく、したがって日本国内の生産は増加しない。円安で企業利益が増えるのは、原材料価格の上昇を消費税に転嫁するからだ。だから円安は日本に何のプラスの効果ももたらさない。
むらおかの補助コメント(発行日付け)
世界的な中国発の梅毒、市中肺炎、(かのコロナVirus)インバウンドでは、梅毒に・肺炎~中国訪日感染者の大阪万博集結。ヒトメタニューモウイルス感染症の国内流行↓ https://www.doctor-map.info/knowledge/disease/hmpv/ 現在、日本人の梅毒と肺炎~罹患者が急増している。厚労省は、⇒未だ具体的な防疫も水際の対策もせず。 |
第3章まとめ 「円安カジノ経済」の分析
- 【p.140~】最近の異常な円安は、日米の金利差だけが原因なのではなく、日本経済の構造に原因があるとの見方がある。しかし、日本が抱える構造問題は、それ自体として深刻なものではあるが、円安の直接の原因とは考えられない。他方で日本経済は利上げに対する耐性を持たないため、金利を十分な高さに引き上げられないという問題がある。これこそが円安をもたらしている最大の構造要因だ。
- 2024年7月末の暴落以前の株価は、為替レートが1ドル=153円程度より円高にならないことに賭けた「カジノ経済」だったが、これが崩壊した。ここ数年間の急速な円安は、日米金利差の急速な拡大によって生じた「円キャリー取引」の膨張による。ただ、この説明だけでは不十分であり、なぜ日銀が金利を上げられないかを明らかにする必要がある。
- 日本の自然利子率が低下し、その結果、日米間の金利差が開き、持続的な円安がもたらされていると考えられる。
- 2022年以降、円安の進行で企業利益が増加し、日本の株価が上昇した。24年にはさらに顕著になったが、7月末から8月上旬にかけて株価が暴落した。これは株高を支えてきた「異常な円安メカニズム」が崩壊したからだ。
- 株価暴落の原因のひとつは外国人投資家の日本株売りだが、彼らのヘッジ取引が下落を増幅した面がある。本来なら、円売りによる円安圧力と、日米金利差縮小による円キャリー取引の巻き戻しが円高を緩和するのだが、ヘッジ取引のために、その効果が働かなかった。
- 日銀は2024年7月に政策金利の引き上げを行ったが、これはあまりに遅すぎる決定だった。また、利上げの理由として「賃金と物価の好循環が始まっている」ことを挙げているが、これが好ましい現象だとの判断は誤っている。これは、コストプッシュ・インフレだ。必要なのは、円安の進行を抑え、物価上昇を抑えることだ。
- IMFの「世界経済見通し」によると、今後、日本の消費者物価上昇率は2%程度になるが、実質GDP成長率は0.4%程度にしかならない。物価上昇率が高まっても、経済は改善されるわけではない。日銀は物価目標を廃棄すべきだ。
第4章まとめ 日銀は円安を放置するが、株価下落には敏感
- 【p.157~】(注:2024年)4月26日の日銀総裁の発言は、「日銀は円安を放置する」と受け止められ、急激な円安が進んだ。これも問題なのだが、もっと大きな問題は、岸田総理大臣が植田総裁に発言の修正を求め、植田総裁がこれを受け入れたことだ。これは、日銀の独立性を侵す行為ではないか?
- 株価が下落すれば、日銀は利上げしないのか? この点に関する日銀の態度は、はっきりしない。日銀は、金融政策に影響する経済指標は何かを、明確に、かつ首尾一貫して示す必要がある
第5章まとめ 正常な世界になれば、どこまで円高になる?
- 【p.177~】2024年夏の日本の株価下落率は、他国と比べて際立って高かった。それは急激な円高が進んだからだ。それまでは円キャリー取引によって円安が進んでいたが、それが逆転したのだ。
- 為替レートの将来値を予測することは原理的に不可能だが、市場為替レートを決める「ファンダメンタルズ」を見ることによって、見当をつけることができる。為替レートのファンダメンタルズとして、経常収支の動向、新NISAなどによる資金流出、デジタル赤字などが挙げられることが多い。しかし、資金額の規模からして、これらが大きな影響を及ぼしたとは、考えられない。
- 市場為替レートのファンダメンタルズは、「購買力平価」だと考えることができる。ビッグマック指数は、ビッグマックというひとつの商品だけを取り上げて、購買力平価を計算したものだ。しかし、ひとつの商品だけでは適切な評価が出来ないかもしれない。
- そこで、さまざまな商品やサービスの価格を考慮して、国際的な一物一価を成立させるような為替レートを計算することが考えられる。OECDやIMFは、このような考えによって購買力平価を計算している。それによると、2023年の円の購買力平価は、1ドル=90~95円程度だ。
- 市場為替レートは投機的取引で大きく動くが、その均衡値が購買力平価だと考えると、1ドル=100円程度だ。そこまで円高が進むことなどありえないと、多くの人が考えるだろう。しかし、為替レートが購買力平価より円安になるのは、歴史的に見るとむしろ異例のことなのだ。
第6章まとめ インフレに便乗して利益を増やす「強欲資本主義Ⅰ」
- 【p.205~】企業は、円安による原価の上昇分をほぼ完全に販売価格に転嫁した。これは、GDPデフレーターがほとんど上昇しなかったことからわかる。円建て輸出額が円安によって増えたので、粗利益が増えた。そして人件費を凍結したので、利益が増加した。大手企業では粗利益が増加して、経常利益が著しく増加した。こうなったのは、円安による輸入物価の上昇分を販売価格に転嫁したからだ。この効果は中小零細企業では働いておらず、経常利益も停滞気味だ。そして、大手企業でも中小零細企業でも、粗利益に対する人件費の比率は低下している。
- 賃金が上昇しているのは大手企業のことであり、中小零細企業では、賃金は停滞している。これは中小零細企業は賃上げ分を取引の次段階に転嫁できないからだ。どの範疇でも、労働分配率は低下している。最近の大手企業の利益増加は著しい。消費者の負担においての利益を増加させる「強欲資本主義」が、日本でも見られる。
第7章まとめ 輸入物価の下落を歓迎しない「強欲資本主義Ⅱ」
- 【p.224~】輸入物価が上昇したときには、企業は販売価格を引き上げ、消費者などの最終財の購入者に負担を転嫁してきた。しかし、2023年に輸入物価が下落したときには、これを消費者物価に還元しなかった。このため、大企業の粗利益が増大した。他方で賃金を引き上げなかったので、経常利益が著しく増大した。「強欲資本主義Ⅱ」を排し、消費者物価引き下げを実現させることが必要だ。
- これまでほとんど伸びていなかったGDPデフレーターが、急に伸び率を高めた。これは、企業が輸入物価の下落を販売価格に反映させなかったことによる。それが、企業利益を拡大させたのだ。
第8章まとめ 価格転嫁で賃上げを実現する「強欲資本主義Ⅲ」
- 【p.248~】2024年6月に、実質賃金の対前年同月比がプラスになった。同様のことは、GDP統計でも確かめることができる。ところが、「単位労働コスト」は上昇している。これは、労働生産性が低下していることを示している。労働生産性の上昇によらないで実質賃金を引き上げるには、企業利益を減らすか、消費者に転嫁するしかない。
- 2023年春闘から、賃金上昇が目立つようになった。しかし、これは賃上げ分を販売価格に転嫁することによって実現しているものだ。賃上げによって消費者物価が上昇するため、実質賃金は上昇しない。この状況が進めば、スパイラル的な賃金と物価の上昇に陥る危険がある。
- 本来、賃上げは生産性向上によって実現すべきものだが、日本では販売価格に転換されて消費者が負担する「悪い賃上げ」が始まろうとしている。日本はいま、重大な岐路に立っている。
- 実質賃金下落は長期的現象だ。1980年代の日本は、デマンドプルの賃金上昇だった。現在のアメリカも同じである。本来は、こうしたプロセスで賃金が上昇しなければならない。
むらおかの補助コメント(発行日付け)
アメリカでは、各州ごとに、世界的な中国発の梅毒、市中肺炎、(かのコロナVirus)インバウンドでは、梅毒に・肺炎~中国訪日感染者の大阪万博集結。ヒトメタニューモウイルス感染症の国内流行↓ https://www.doctor-map.info/knowledge/disease/hmpv/ 現在、日本人の梅毒と肺炎~罹患者が急増している。厚労省は、⇒未だ具体的な防疫も水際の対策もせず。 アメリカでは、各州ごとに、こういった「強欲資本主義」に対して、法令で契約無効の訴訟判決が出される。例えば、住宅戸建てであれば、相場の倍以上であれば、違法契約と成り、業者へ返金が命じられる。契約の自由は尊重されるが、“所謂強欲”を相互の自由確保の為に徹底して規制している。日本の新自由主義者への対応概念とか、詐欺まがい等への対応は、米国では全く異なるのだ。 |
第9章まとめ 円安に頼らず長期成長は実現できるのか
- 【p.271~】日本経済の長期成長戦略は、政治での重要な論点となるべきだ。しかし、実際には実効性のある政策論争には至っていない。デジタル化を中心として、具体的な政策論を展開すべきだ。
- アメリカや中国では、ライドシェアが普及し、広く利用されている。しかし日本では、タクシー業界の強い反対で、これまで原則的に禁止されていた。バス路線の廃止やタクシー不足などの問題を背景として、日本版ライドシェアが導入されたが、極めて限定的な導入に留まっている。
- AIはこれからの世界の基本方向を決める、極めて重要な技術だ。AIは長期成長戦略の核にすべきものであるのに、政治の場では、あまり関心が持たれていない。
第10章まとめ 日米新政権で、日本経済はどうなる?
- 【p.299~】世界の中央銀行が利下げを始めている。FRBも利下げを開始した。資源利子率の概念を用いて評価すると、現在の日本の政策金利の水準は低すぎる。
- 2024年7月から8月にかけて急激な円高が進んだが、その後、再び円安が進んだ。この原因は、日本側というよりは、主としてアメリカ側にある。FRBの大幅利下げにもかかわらず、アメリカの長期金利が低下しないのだ。その背景には次期政権で予想されるバラマキ財政政策がある。
- 自民・公明が過半数割れになり、今後の政権運営は極めて困難になった。政権基盤が弱体な新内閣は、必要とされる政策を後回しにし、バラマキ経済対策などの人気取り政策に走る可能性が高い。その結果、財政赤字が拡大する危険がある。日本経済は、重大な危機に直面している。
- トランプ氏の経済政策は、企業寄りのものと考えられている。しかし、中長期的な観点からすると、様々な問題がある。高関税の試練は、日本の自動車メーカーにも大きな影響を与える。それだけではなく、長期的に見れば、アメリカの成長も阻害することになる。
- アメリカ大統領選挙では、経済問題に関して国を二分する大きな問題が議論された。これは、経済成長に取り残された人々が居るためだ。そうなるのは、アメリカの産業構造が変化しているからだ。これに対して日本では、産業構造はさほど変化していないので、総選挙においても経済問題での本格的な対立はなかった。
___以上で各章ごとのまとめは完結している(野口悠紀雄名誉教授の書籍『日銀の限界』から原文通り引用 むらおかの補助コメント(発行日付け)
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②『入門シュンペーター』政治経済思想評論家 中野剛志(著)
多くの日本人が、煙に巻かれた論理の暴露!
『ここからは、旧:通商産業省の官僚、現:政治経済思想評論家の中野剛志氏の、昨年末発行の『入門シュンペーター』から原文通り引用である。極めて学術的に紳士的に表現されている書籍ではある。が、「シュンペーターを誤解した日本の改革」といった表現、あるいは「主流派経済学の市場均衡論を念頭においている」といった表現』。これらは、この表現の額面通りの記述というのは、官僚であるとか学者であるとか、そういった職業においては、極めて重大なミスである。よって、このメルマガで引用した原文が、その奥で何を暴露しようとしているかは、あなたには理解してほしいわけだ。 (入力ミスが在るかもしれません。是非、この書籍をお読みください。) |
【p.160~原文引用】 シュンペーターを誤解した日本の改革
2001年6月、小泉純一郎政権の下で、「今後の経済財政運営および経済社会の構造改革に関する基本方針」、いわゆる「骨太の方針」が初めて閣議決定されました。
この最初の「骨太の方針」は、小泉政権が進めようとする構造改革を宣言したものですが、その中で、「創造的破壊」という言葉を使ったことで知られています。
その該当箇所を抜粋しましょう。
グローバル化した時代における経済成長の根源は、労働力人口ではなく、「知識/知恵」である。
「知識/知恵」は、技術革新と「創造的破壊」を通して、効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い成長部門へヒトと資本を移動することにより、経済成長を生み出す。
資源の移動は、「市場」と「競争」を通じて進んでいく。市場の障害物や成長を抑制するものを取り除く。
(中略)「構造改革」は、こうした観点から、日本経済は本来持っている実力をさらに高め、その実力にふさわしい発展を遂げるためにとるべき道を示すものである。
なお、この「骨太の方針」は、冒頭に「概要」がつけられており、そこには「創造的破壊としての聖域なき構造改革は、その過程で痛みを伴うこともありますが、構造改革なくして真の景気回復、すなわち持続的成長はありません」と書かれています。
この根底にある経済理論は、次のようなものだと考えられます。
まず「効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い成長部門へヒトと資本を移動することにより、経済成長を生み出す。資源の移動は、『市場』と『競争』を通じて進んでいく」とあります。
これは、市場における自由競争が資源配分を効率化するという主流派経済学の市場均衡理論を念頭に置いているものと考えて良いでしょう、
実際、「骨太の方針」の案を取りまとめた経済財政諮問会議には2人の主流派経済学者が議員として参加していますし、当時の経済財政政策担当大臣は、新自由主義者(市場原理主義者)として知られる主流派経済学者の竹中平蔵氏でした。
また、「骨太の方針」は、市場と競争を通じた資源の移動を進めるため、市場の障害物を取り除くことを「構造改革」と呼んでいます。
さらに、「骨太の方針」の「概要」では、あらゆる競争制限を取り除き、市場による資源配分を機能させることを目指す「聖域なき構造改革」それ自体が、「創造的破壊」であるとうたっています。
もうおわかりだとは思いますが、2001年に閣議決定された「骨太の方針」における「創造的破壊」の意味は、シュンペーターが意図したものとは、まるで正反対のものだったのです。
シュンペーターは、「創造的破壊」という表現を通じて、主流派経済学の市場均衡理論を完全に否定しました。
ところが、2001年の「骨太方針」は、市場原理主義(新自由主義)にのっとった構造改革、つまり、シュンペーターが否定した政策を、「創造的破壊」と呼んでいるのです。
もちろん、「『創造的破壊』という言葉の使い方がシュンペーターと違うというだけで構造改革が間違いだというのは乱暴だ」という反論をもあるかもしれません。
ですが、実際、その後の日本経済は、20年にわたりほとんど成長せず、停滞し続けました。構造改革が失敗に終わったことは明白です。
【p.266~原文引用】
これ以降、プライマリーバランスの黒字化が目標として設定されるようになり、政府支出は抑制され続けることとなりました。
この2001年の「骨太の方針」が、「預貯金中心の貯蓄優遇から株式投資などの投資優遇へ」と称して、株主資本主義化を推し進めた事は、すでに述べました。
シュンペーターの言葉を引きながら、イノベーションが起きなくなるような政策を次から次へと断行するという、目を覆いたくなるような愚行。それこそが日本の構造改革だったのです。
___ここまでが中野氏の次の書籍↓↓↓の、日本の経済産業省の論理構成を、学問的に暴露した主要部分です。(むらおかの補助コメント:発行日付け)___
https://amzn.asia/d/ctToZUD |
§【新しい経済社会で役立つ、本の拾い読み20250603】
なお、今月このコンテンツでは在りません。が、今月の特集記事で取り上げた、次の2冊は、筆者の推薦本だ。
①『日銀の限界』野口悠紀雄名誉教授の書籍から原文通り引用
②『入門シュンペーター』政治経済思想評論家 中野剛志(著)
……物事を、学術的に暴露する具体的事例として、暴露本としては珍しい学術本。曖昧な批判に縮まらず、徹底して科学的(何時でも、何処でも、誰にでも通用する法則性として)に、暴露し矛盾や虚偽を明らかにする高水準書籍例のひとつとして推薦する。