<コンテンツ>
今月は、通常月の2倍を超える分量です。
面白そうな小見出しから読んでいただいても、
多くのヒントを得ていただけるでしょう。
・日本経済の行方は混沌としていて、
・円安誘導政策で、日本経済を立て直そうとする幻想は、
・生活必需品の物価高は秋から顕著
・日本経済と縁を切りつつある中国
・どこを探したところで良い話の存在する訳がない。
・日本で初めて、職業能力=自己診断&向上の無料ゲーム誕生
・改正:高年齢者雇用安定法の=駆け込み相談
・ビジネスはタイミング、その主要な中身は、
・もう一つは、仕事のできる人材がいなくなったこと
・混沌とした状況なら、根本的な所から考えれば答えが出て来る。
*今の不況原因は、商品の価値を「使用価値」に固持するから
*なぜ便利な経営手法や学説が広まらないのか。
*これからも売れる商品には特色がある
*商品価値の「固有価値」理論の果たす役割
*〔補足A〕昭和27年、職業安定法の施行規則改正で…
*〔補足B〕固有価値の萌芽(Intrinsick vertue)
・豊かな経済再生の、個別企業具体策
・ビジネス創造性(芸術性)育成と鍛錬のポイント
§日本経済の行方は混沌としていて、
どちらにどう向かっているのか、不透明としか言いようがない。TVやマスコミは、ICT産業革命により経営危機を喰って、ポピュリズム(大衆迎合)に陥って、安上がりで視聴率の高い番組、売れさえすれば良い新聞雑誌に狂奔している。したがって、読めば読むほど、見れば見るほど、社会や経済の行方から遠ざかってしまう。ただはっきり言えることは、前も今も政権が代わったとしても、いずれも今の財務官僚あっての経済政策なのである。華々しく派手な話も、財務官僚がブレーキをかけるからうやむやになっている事柄が目立ってきたのは、読者のみなさんもご存じの通り。
§円安誘導政策で、日本経済を立て直そうとする幻想は、
幻想自体が見えなくなってきた。円安で輸出が伸びるかと思えば、幻想ばかりの話だけ、実際の数字が伸びていない。むしろ、輸入品や食料品の値上がりが相次いでいる。その影響は、輸出品の原材料である輸入品のコストが上昇し、円安になったところで輸出品の値上げをせざるを得なくなる…こういった構図は目に見えている。日本は加工立国であり、技術立国を目指したが失敗した。家電企業からリストラされた有能な日本人技術者たちは、今やサムスン(韓国)、ハイアール(中国)で大活躍している。工業製品で重要な物は「金型」であるが、その金型職人は海外へ海外へと異動している。
加えて、今年夏の参院選挙が過ぎれば、金融庁は金融機関に対して「貸しはがしOK!」の通達を出すと言われている。金融業界ならだれもが知っていることだ。今日現在の銀行員は、貸しはがしリスト作成のための情報収集である。中小企業金融円滑化法の終了とは、この動きの口実にすぎないのが実態である。だから、中堅・一般企業も貸しはがしの対象である。某信用調査会社の話によると、きわめて多くの中堅中小企業は、これまでの貯金を食い潰して生きているとしている。不動産をはじめその他投資にしても、過去に経験したように、本年8月12日までの現金回収が生死の分かれ目を決める。8月のお盆休みを過ぎれば急落することは目に見えている。そんなことが分からない経済学者は、評論家であり学者ではない。
§生活必需品の物価高は秋から顕著
になってくる。これは財務省も予想しているところだ。その前に、さまざまの法改正で労働者の手取り収入が、この4月1日分から5%前後マイナスとなる模様だ。益々、景気は落ち込む。こういった経済状況見通しを認識した上で、経営管理が必要なのである。
多くの人が好まない近江商人は、企業は残さず人材を残す。会社や商店などは、浮き上がったり沈んだりする道具としか思っていない。「会社組織に執着する近江商人はニセモノです」。すなわち、「いちど死んで、次に復活する」といった発想である。ただし、本当に企業を潰すのではなく、一挙に有能な社員に入れ替え、事業転換する、現実的方法だ。だからこそ、日本で商品経済が芽を出したころであろう鎌倉時代の末期から、戦国時代、江戸時代の大不況、昭和大恐慌といった長い歴史を乗り越えてきているのである。ある有名な財政学者から、私に学術的証明を依頼されたが、それは幼少の頃からの家系と地域の会話による伝承なのであるから、祖父母・両親・当事者の共通センス&哲学としか言いようがない。話は経済に戻って…。
§日本経済と縁を切りつつある中国
中国が、日本に対して経済封鎖をかけてきていることなど、全く報道されない。尖閣諸島関連のジャパン熱病でワクワクする話ばかりをマスコミが流す。お人好し・現実知らず(記者の多くは現地取材しない)のマスコミたちは、「日本がいなかったら、中国経済が困るだけだ」といまだに話す時がある。もう半年前から事態は変化し、中国に対してドイツがユーロ安を武器に進出、中国への資金投資と技術協力は今やドイツである。中国からすれば、日本にはもう用事がない。だから尖閣諸島に関しても、アメリカを警戒しながらギリギリまで挑発して来る。ついでの話だが、北朝鮮もドイツと経済協力に入ったから、「日本経済なんかあてにしない!」といった状況に入っている。こういったニュースは、日本のマスコミ以外から次々と入って来る。
§どこを探したところで良い話の存在する訳がない。
そんなことすら分からない経済学部卒業者が蔓延、日本の高等教育の弱点がさらけだされている。だが所詮、日本の企業は大企業を先頭にそのほとんどが、経済・経営・法律関連の大学院卒を採用拒絶していたから、欧米の企業とは落差が激しい。なぜ採用しなかったのか?それは能力のない社長を先頭に管理職が大学院卒にとってかわられるからにすぎない。ではどうすれば良いかは、根本的なところから考えれば答えが出て来る。それは、これからの文章を読めば解る。解らなければ、経営管理のセンスがないから、転職した方が良い。
Aエコノミクスに公共事業の期待をする人も多いが、まさに無知の象徴である。生産もせず、能力低下を起こす労働者、そこに架空財源を作り借金をする。これをめぐって「おこぼれ(利権?)」争奪に躍起になる。国内は乞食まがいの様相である。大手企業は海外へと身売り状態の出稼ぎ。こんな余波を受けて、業務改善・新規事業・優良企業までが余波を受けている。多くの企業は貯金の食いつぶしをしている。
…いまや有能労働者集団事業で無い限り、企業組織維持を図ろうとすると経営は破綻する。人も事業も「死ななければ復活しない」との心がまえ(本当に死ななくても良い)が必要となっている。現代日本には、そういった心構えを持つ経営者は激減している。
§日本で初めて、職業能力=自己診断&向上の無料ゲーム誕生
2月6日、株式会社総務部は、自己で職業能力と向上のための診断ゲームを開発した。現在無料版をFacebookで配信中。企業をおしなべて絶対評価と能力向上ポイントをマンガで作成している。「ゆとり世代」をターゲットに、彼らが教育されるのを嫌がることなく、自らの方向を学べるように設計されている。こういった情報能力関連のゲーム教育は日本での開発は初めて。
チャレンジ「自分らしさ」
第1弾 コミュニュケーション力
http://www.soumubu.jp/appli/fb01/
(スマホにも対応)http://bit.ly/THrYiY
第2弾 仕事実行力編
http://www.emotion-jp.net/check/soumubu/fb02/
(スマホにも対応)http://bit.ly/ZeqwI2
第3弾 「仕事能力アップ力」
http://fbapp.jp/soumubu/fb03/jump.php
(スマホにも対応)http://bit.ly/ZFdDqC
ゆとり世代の「学びたいけど教えられたくない」といった要望に応じた「職業教育」である。2月6日の発表後1ヵ月で、ほぼ口コミを通じ5万人以上に広がりつつあると推測。
「ゆとり世代」での、ひねてしまった子、ミエで暮らしている子、目的も夢もない子…この子たちが変化成長するよう仕込み、その効果は顕著である。芸術的要素も組み入れたことから、占いや性格診断の領域は超えている。従来の診断ゲームのように過去の分析と欠点の指摘ではなく、肯定的に自己診断し将来の能力向上と希望に真剣に取り組みたくなるような設計である。無料でPCでも試すことができる。若い子たちの採用、物になる若者の発見に役立つ。そもそも、光っている子は3ヵ月経てば何をやらしても格好は付ける素質があることに着目したもの。(それを潰すのは中間管理職かもしれない)。「ゆとり世代」の対策と叫ばれても、実態は排除とイジメが多い中、先進国基準での自己開発のひとつとしても日本初。春には、診断による適性相場賃金、職業能力向上の具体策、タイプ別セイフティネットを付け加えた詳細正確な自己診断開発アプリの発売を予定している。
===あなたの「自分らしさ」診断アプリ===
第1弾 コミュニュケーション力
http://www.soumubu.jp/appli/fb01/
(スマホにも対応)http://bit.ly/THrYiY
第2弾 仕事実行力編
http://www.emotion-jp.net/check/soumubu/fb02/
(スマホにも対応)http://bit.ly/ZeqwI2
第3弾 「仕事能力アップ力」
http://fbapp.jp/soumubu/fb03/jump.php
(スマホにも対応)http://bit.ly/ZFdDqC
§改正:高年齢者雇用安定法の=駆け込み相談
3月31日までの手続きがせまり、相談が急増。役所の説明は労働契約法との関連を解説しないものだから、手抜かりの個別企業も多い。満65歳まで定年を延長するのであれば、さほど問題はない。退職金もマイナンバー制導入とともに影響が出ることなど忘れ去られている。過去の総務メルマガに解説をしている。手抜かりがないかチェックが必要。
§〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
http://soumubu1.blogspot.jp/2013_01_01_archive.html
§4月1日、労働法改正にまつわる質疑
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
§改正労働契約法と効率的労働力確保
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_10_01_archive.html
§高年齢者雇用安定法、その改正の意味するところ
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html#11
・労働契約法=解説ドキュメント
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc
§ビジネスはタイミング、その主要な中身は、
「ビジネスチャンス」+「ビジネス時刻」である。これを間違えれば、「没」なのである。今の日本の多くの企業が、
1.チャンスがころがっているのに気付かない
2.ビジネス時刻が、会議や根回しをしている間に過ぎてしまう
この二つの原因でタイミングを失っている。人材、投資、時間、貯金、総てが「没」。
§もう一つは、仕事のできる人材がいなくなったことである、特に大手企業から。仕事が出来ないとは、誰かに言われたことは出来るのかもしれないが、自分で新たに切り開く能力がないことを意味する。そのため、混沌とした経済社会状況の中であれば、自ら事態を切り開く仕事を行うのが本来ではあるが、誰からも大局的指図をされないため、毎日を安穏と暮らし、毎日を惰性で過ごしているのが実態である。ビジネスは惰性では成り立たない。
§混沌とした状況なら、根本的な所から考えれば答えが出て来る。
│なお、相当専門的なので、面白そうな小見出し、項目から読んでください。
│読む順序がバラバラでも大丈夫。あなたを納得させんが為にレトリック(修辞学)
│は使っていませんから。
*今の不況原因は、商品の価値を「使用価値」に固持するから
である。使用価値とは、簡単にいえば商品の機能や数量そのものの価値を指す。商品を使うときの雰囲気や状況あるいは人間関係といったことなどは無視する考え方である。現在EUでは経済論議とともに哲学や社会学がない論議されているが、「人々の内心(注:良心や思想などのこと)を解放するために経済や商品が存在する」とまで訴えられているが、事実これがEU統合の柱となっている。
(1)現在の「いわゆる不況」の原因は、従来のような過剰設備による反動から来たものではない。日本の経済発展の社会状況を度外視して、使用価値にばかり焦点を当て商品を開発する理念だから、いつまでたっても個人消費の拡大が出来ないのである。だから何時までも景気低迷をおこしている。
(2)世界規模で見た場合では、たとえ不均衡に経済が発展するものだとしても、日本をはじめとした経済先進国にあっては個人消費の伸びが決定的に重要となる。発展途上国には経済先進国の資金や技術が投入されることで、数字での世界経済は成長だけはするかもしれない。しかしながら、経済先進地域にあって経済発展はおろか経済的豊かさが後退する可能性が高い。
(3)経済的豊かさとは、「個人消費と生活満足度が有機的に結合してこそ実現するもの」なのであって、とりわけ世界の経済先進地域においては、経済的豊かさにおいて、経済発展の原動力になっていると考えられる。この経済先進地域とは、日本国内での比較的に経済の豊かさを保つ地域(それは地方の中核都市であり、大都市圏に点在する地域)と考えられる。これらの地域は日本全体や流通経済圏全域ではなく、その内の局所的地域である。そこでは経済的豊かさこそが原動力となり追及され、確かにその傾向は少なくとも経済発展を果たしている。
(4)日本国内の「失われた10年×2回」が過ぎた現在、国内景気を回復させるには内需を回復させることだけでも十分可能である。そのことは、今や経済専門家の共通認識である。なにも無理して海外進出する必要は無い。ところが、国の経済政策担当者や多くの経営者が、ここまで認識しているにもかかわらず、国内景気回復の兆しは見えず、日本が失われた10年の3回目に突入しつつあるのはなぜなのであろうか。
(5)ややもすれば、「気力と熱意」ばかりを発揮するあまり従来型の政策や、伸るか反るかの事業経営を推進することの危険さに気がつかず、益々危機を深めつつある現象である。「通貨供給量が増えれば、金回りが良くなって、みんなが物を買う」といった「おとぎ話」では、現実の事業経営や経済政策は失敗する。「一方で儲かる者がいれば、他方で損をする者がいる」といったレトリックは、自給自足経済時代の「世間体」を優先する時代の代物で、経済学の学問ではない。
(6)そういった景気や経済のことを、抽象的には理解が出来ても、国の政策、個別企業の事業経営において、具体的な打つ手が明瞭にならない原因はどこにあるのであろうか。それは、いつまでたっても経済を論ずるにあたって、むやみに「使用価値論」をこじつけ、使用価値(効用価値等)と交換価値の交換へと、論理を教条的に進めるからであると考えられる。また、その原因を探るためには、なぜ人々は商品を購入するのか、なぜ物資が不足していても購入されない現象が出るのか、なぜ値下げしたからといって販売量が頭打ちとなるのかといった、数々の疑問にも、それも同時にこたえられる事が肝要である。
(7)経済先進国の販売の伸び、決してこれは、「経済のサービス化」であるとか人間の余暇・文化・芸術への関心の高まりなどと言われる経済現象の類の物事が原動力となって、個人消費の拡大がなされているとは考えられない。この経済現象は結果であって、むしろ個人消費の拡大に資するイノベーションが、もっぱら使用価値を超越した固有価値の創造にかかっていると考えられる。使用価値に何らかの価値を付加した、いわゆる「付加価値」論といったものではない。巷にあって、経済外的付加価値論として有名なものが、実態は詐欺行為であったり、陰湿な人間関係のしがらみを悪用した販売であったり、弱い立場の購入者に法外価格で売りつけることその他の横行である(8)したがって、不況からの脱却を大量生産型の技術革新、市場確保そして設備投資に求める定説は、百歩譲ったとしても、それだけでは不十分と言わざるを得ない。すなわち、先ほど述べたような経済外的付加価値論が織り交ぜられる実態が現状だからである。独占禁止法による規制、コンプライアンスの呼びかけ、企業の社会的責任などが注目されようとも、現実に水面下では、こんな風に無視されているケースが後を絶たない。
(9)大量生産するための技術面イノベーションは、その多くが商品の原材料や素材の柱となる、使用価値の部分にかかわっている。だから、原材料が安価で供給されるようなイノベーションが行われたとしても、むしろ最終消費商品の価格が上昇し、そのことで商品の利益を純増させているのが現状である。それは、大量生産の規模で事業の勝負をかける経営管理というものは、経済活動の牽引要素、経済波及効果、経済開発対象地域か否かといった事項を、「どんぶり勘定」方式で観察する習慣であるから、個人消費の実態分析に困難を極めている。もちろん、それぞれの商品を、どんな人が欲しがり、どの地域で良く売れ、地域ごとの販売価格差の善し悪し、地域ごとの採算割れ、現商品の将来展開調査といった物事は、ことごとく無視される実状にある。そもそも、「物事が存在するところに初めて真理が成り立つのであり、真理を発見した後になって実践を予定するとしても、既にそこには真理そのものが存在しない」といった基本命題すらも無視される。「金融資本の投下決定者の了承さえ採ればよい」、それが大量生産規模の事業経営での現在の実態なのである。
(10)ここで、今一度個人消費の拡大について考えてみる。
One 今や従前と同様の商品を提供したとしても、これに対する消費者の購買意欲は増加しない状態である。だからといって価格の値下げを断行すれば一時の販売量増加が認められたとしても交換価値の増加が図れるわけではない。そればかりか、むしろ売れ残り商品として交換価値がさらに激減し廃棄されるのが現実の姿である。こうやって自ら、売れたかも知れない商品が、売れなくなる道を招来する。
Two あるいは、単に賃金増加や福祉的に消費者の購買力増加策を行ったとしても、購買意欲が伴わなければ貯蓄が増えるだけで個人消費にはつながらない。「欲しくてたまらない商品を入手するために一生懸命働く」といった購買意欲は、やはり稀薄になるのである。若年層や子育ての世代にあっての商品購買意欲は著しく低下しており、その現象は「不要不急のものは買わずに貯蓄に回す」傾向が強い。ところが、これを将来不安に対する貯蓄説とも主張されている。だが、それでは国民年金保険料支払い拒否や厚生年金加入敬遠などの非効率的非安全な社会への思索傾向との辻褄が合わない。仮に、そういった意識の中にあっても、欲しくてたまらない商品であるならば、カードやローンで入手している若年層の姿が見られることに整合した正しい分析にはならない。やはりそこには購買意欲の希薄さが現れているのである。
Three さらに、貯蓄が増えたからと言って、また民間生産者側の資金需要は在ったとしても、売上高増加を目論むことが出来る投資先は見当たらない。そのことから、金融機関も当然のことながら不良債権リスクの高い資金貸付を見合わせている。消費者の「福祉(賃金水準)向上」、個別企業の「経営管理のイノベーション&商品技術のイノベーション」及び金融機関の投資による売上増加見通しすらが、有機的に結合しないベクトルが現状なのである。それは、中小企業も然りである。
(11)現代経済や現代生活とは遊離していることにも気づかず、「商品は使用価値(限界効用)のみが交換価値に転換される」といった、そんな視点やドグマに縛られているからこそ、個人消費を取り巻く矛盾若しくは不整合性が解明できないジレンマと考えられる。使用価値(あるいは限界効用)に付加される曖昧もことした「付加価値」の視点を取り止めて、商品の固有価値としての論理を当てはめている事例では、個人消費拡大のための着想・発想が次々と、経営の現場では組織的に生まれて出でている。それらは経済や経営の学問からは逸脱していると言われるところの、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、プレタマルシェ、DVDレンタル、カーシェアリング、テトラパック、ICTサイトその他である。
(12)ちなみに、1929年の世界大恐慌の後に売り出された商品、すなわち、現代では当たり前の商品は、アメリカでは低価格小型自動車、スポーツカー、IBM計算機(初期は手回し)、電気洗濯機、トースター、冷蔵庫、当時の日本ならば洋服、洋食、キャベツ、金属洗面器等などであった。だからここでも、「物事が存在するところに初めて真理が成り立つのであり、真理を発見した後になって実践を予定するとしても、既にそこには真理そのものが存在しない」のであった。だから「使用価値(あるいは限界効用)」や「付加価値」にこだわってはいけない。
(13)よって、個別企業の、「経営管理のイノベーション&商品開発のイノベーション」を進め、今の社会に適合した「高固有価値製品や高固有価値サービス」を、商品の固有価値として科学的に持たせることが注目されるのである。この方法を個別企業の経営に当てはめれば、適切な安定した価格決定も行われ、これにより業績拡張と利益増をはかることが出来る可能性が担保される。ことに「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」が有機的セットで行われる事業システムが、固有価値を生み出す源泉(ここが従来の労働価値説とは異なる)である。このことを自覚認識することで、正当かつ適正な賃金や報酬を維持することが出来る。「商品交換が活発化し+賃金も適正化され=具体的内需拡大」が図られる。それは、このことを自覚認識した経済グループ単位の範囲から率先して成り立たせることができる。これは、地域であり、地場産業であり、都市部の一角であり、ICTでネットされたグループである。
*なぜ便利な経営手法や学説が広まらないのか。
(1)それは、アメリカにおいてさえ、NPOといったスポンサー付きの経済学研究は所詮、そのNPO理事たちの(もしかすれば素人)思考水準に、研究程度を落とさなければならない。
(2)日本では明確に、政府の審議会であれば官僚の思考水準に、大学等研究機関であれば「教授会や理事会」の思考水準に、研究程度を一致させなければならないからだ。
(3)日本の出版社の多くも、話題になって売れさえすれば良いとの出版方針である。そういった思考水準の質・創造性・世間体といった中身を、見直す必要があるはずだが。…残念ながら、われわれ経営者はそう考えざるを得ない。
(4)機能や数量といった商品の使用価値とか限界価値ばかりに目を向けていれば、「より少ない財の消費」を追及する商品を多種多様に生産・販売し、結果的には安値を強いられる経済循環に陥らざるを得なかった。
(5)加えて、個別企業の販売営業マンに良識があれば、「よりよい品を、より安く売って来る」あげく、経済循環が出来なくなり、今や、「お金」がないから買えませんといった消費低迷の結末を迎えた。「より少ない財の消費」は、労働生産能力や賃金・報酬といった個人の消費購買力までを抑えることとなった。
(6)どうしても、機能や数量の商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、巨額の金融資本の先行きに翻弄される。ところが、近年のヒット商品、例えば、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、カーシエアなどは、商品の固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り、その関係は売り手と買い手の創造的和解(reconciliation)の関係を形成している。数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあった時代の商品価値は、固有価値であった。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値を3セットで見いだした。
(7)ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん=Made in Japanは見向きもされなくなった。仕事の出来る経営幹部や技術者は、この15年ほどの間にリストラされた。
(8)だから日本は社会主義の計画経済と同様の道をたどった。中国部品でもA級品はあるようだが、日本製より高品質ながら価格も高い品物が存在しているが、まず知られていない、当の中国も高品質製品の量産意思が無い。
(9)なので、 こういった原因 & 事情を克服しさえすれば日本文化に基づくMade in Japan製品とサービスを再び世界は買ってくれることになる。
*これからも売れる商品には特色がある
(1)従来から売れる商品というものは、次のいずれかに該当(重複該当する場合もある)している。
(1) とにかく価格が安いこと
(2) とにかく機械的かつ合理的であること
(3) いわゆる本物、もしくは本物指向
(4) 健康、遊びに関連していることこの4項目のうち、(1)と(2)が工業文化の支配的な工業文化型商品であった。
(3)と(4)は生活文化型商品、生活文化型が支配的になろうとする意図が存在する。生活文化型商品はいずれも、その商品を入手して使用することでもって、そこでの人間関係を改めて充実させることにはなる。
(2)すなわち、(3)と(4)は命と健康の維持範囲を超えて人間同士のコミュニケーションや意思疎通をより充実させる意味が込められる商品である。工業文化型商品は使用すれば経年劣化を起こすとして「商品価値」を換算するならば時と共に低下をしていく、若しくは廃棄される。生活文化型商品は、固有価値が高いほど「使い込んでいく」ことにより、(流通するかは別として)その価値量は増加していく。数少ないが、商品として流通する場合は高値を呼ぶ。例えば、大量生産の安いギターはスクラップにしかならないが、高級なギターは購入時よりも経年使用頻度が高くなれば価値価格は高くなっている。
*商品価値の「固有価値」理論の果たす役割
(1)商品には使用価値(若しくは限界効用)、及び交換価値の2つの側面の価値があるとされて来た。ところが、この使用価値よりも広い商品価値として、交換価値とは別に商品価値が存在し、交換価値として取引される世界が生活文化型商品や感性文化型商品の世界である。もちろん固有価値の存在を認識することから、「サービスと言われるものの業態」にも法則性論理性を認める萌芽が生まれてくる。
(2)現在までの経済社会の学術理論では、一方では、使用価値の範囲に限定しての交換価値が、価格決定要素として重要な位置を占めて来た。それは、労働価値説から労働力価値説(労働ではなく抽象的労働力投入時間価値)へと変遷であった。そしてさらには、今や政府や厚生労働省の日本型賃金決定理論基盤の共通認識となり、主要労使団体や主要政党の間での理念的概念の隔たりも無くなるに至った。この日本型賃金決定理論が現実の重層下請における発注価格を左右している。それは、労働者派遣価格や偽装請負価格以前の、いわゆる大手企業の外注工賃や構内下請価格に影響していた。〔補足A〕
(3)他方では、そういった、いわゆる古典派経済学に反発してなのか、効用価値から限界効用理論へとの方向に、「商品価値理論」(その商品価値を分析するのではなく取引価格決定理論なのだが)も理論変遷して来た。ところが、日本では近代経済学と言われている ケインズ、スラッファは、
(そもそも近代経済学とかマルクス経済学とかに色わけすることなど世界では行われていない)著作の中で労働価値増殖を認めていることが知られていない。〔注1:ピエロ・スラッファ『商品による商品の生産』1960年を参照〕。ケインズの著作『雇用・利子及び貨幣の一般理論』の題名の頭に「雇用」が冠されて、効用理論の教科書と言われる著書マーシャルの『経済学原理』(この著作は版を重ねるごとに理論発展する)で、高水準の賃金が生産能率(当時の能率とは現代用語よりも幅広い意味)を向上させると考えており、その意味で労働価値増殖を認識していたのである。
(4)最近の研究では、古典派経済学の集大成とされるマルクスは、その著書『資本論』の中においてさえ、商品価値=労働力価値説とは言っていないことが判明しつつある。いよいよ資本論研究者の中での論争も決着しつつある。
(5)ここ数年のアメリカにおける非資本主義運動のひとつの論理には、「貨幣による資本投下を唯一経済活動と考えることでは、いつの時代もどこの場所でも大規模生産優先に取りつかれている社会制度にあっては、労働時間で換算する“抽象的な労働力”を必要とし、労働時間換算だけでは換算することができない具体的な農業や職工業の具体的な労働価値を、社会通念労働者の労働時間賃金換算からはみ出てしまう具体的労働価値切り捨てるまでに至っている」、との理論(あくまで村岡の理解)も研究発表されている。グローバル経済を展開するアメリカ経済内部での、「ウォール街占拠運動(我々が99%)」などにおける、非資本主義運動の彼らは、伝統的階級闘争を否定して、“社会構造と哲学や価値観の変化を求める”としているようである。〔注2:モイシェ・ポストン(シカゴ大学)『支配・労働・時間』筑摩書房2012年10月翻訳出版〕。
(6)ところが、現場実務や実践的な商品価格決定や労働価格決定の世界では、こういった経済理論では解決は付けられようがなかった。しかしながら、商品生産が活発になり始めた時期、すなわち、産業革命が始まる直前の社会を紐解いて、固有価値の商品理論が存在することが発見・研究(池上惇京大名誉教授)がなされたのである。固有価値といった商品価値を最初に思いついたのは、ニコラス・バーボン(マルクスの資本論に「老バーボン」として登場)である。〔補足B〕
(7)こういった発見・研究の理論成果から、商品価値=固有価値及び交換価値との分析が明瞭に可能なのである。生活文化型商品や感性文化型商品の商品価値は固有価値であり、実際その世界での商品取引で固有価値が交換価値として明瞭に通用しているのである。それは、イタリア経済の生活文化型商品群、北欧経済の生活文化型商品群(これらイタリアと北欧の経済経営理論は、現在米英の理論とは分離区別され研究されている)においても、明瞭に商品価値(固有価値や交換価値)が解明できるのである。
(8)すなわち、固有価値とは、「需要者の購買・使用・保存の過程に具現化される意欲・感動・希望といった行動を生じさせるための商品に仕込まれた価値である」と定義づけられるのである。だが、固有価値といっても、まったく新たな価値形成ではなく、従来から世界各地で新商品、新規事業、新サービス、ベンチャーと言われる、もとより生活や感性に密着した商品群に含まれていたものである。曖昧極まりない「付加価値?」と言われる商品価値の一部でもあったし、「曖昧な付加価値論(寡占的価格や詐欺的商法)」に陥らないことによって形成されている商品価値でもあった。工業技術的イノベーションに基づく新製品や技術革新としての商品原価引き下げと、従来商品の販売価格との差益増大とは意味が異なる。
(9)現在の傾向は、「便利になったから高価格は当然」とするレトリックが受け入れられる社会になりつつあり、その最たる事例は、日本の携帯電話通信料金にみられる、設備投資の費用は少なくてすむにもかかわらず、通話料が異常な高値である、といった販売価格戦力とは異なることを意味している。
(事実、中国・インド・東ヨーロッパ大陸では、当初から光ファイバー敷設ではなく基地局増設やレーザー通信150メガが、設備費で進行している)。とりわけ、工業文化型イノベーションでは、商品を入手する側の希望といった要素が欠落しているところに特徴がある。
(10)したがって、この「固有価値」の理論解明がなされたことによって、生活文化型商品の産業展開、改められたマーケティング手法の基礎、商品の価格決定などに影響する。また、それ以上に、後の章で導入する、商品の受注販売活動の転換、商品開発の方法、職業訓練の方法へと、経済の豊かさを具体的現実的な事業行動にする理論開発や具体的経営手法の基礎が開かれていったのである。加えてこれこそが、市民生活や街づくりの世界を一躍させ、豊かさの経済としての事業行動を推し進める事(作戦)の具体化になる。
(余談:孫子の兵法と並ぶ呉子の兵法。呉子は心理的兵法とされ、「気=気力」、「地:地の利=条件」、「事=作戦」、「機=力量モーメント」が記されている)。
*〔補足A〕昭和27年、職業安定法の施行規則改正で…
イ)欧米では労働者供給事業として扱われていた外注工賃や構内下請を、日本では労働者供給の範囲から除外し、それぞれの「親方」を請負事業主と形付けてしまった。当時の労働省内部の法改正構想では、それを目的としていたわけではなかったようだが、それこそ民間企業の知恵と工夫は労働者供給を民法に規定する「請負」と変質させてしまったのである。
ロ)日本経済の特徴である、中小企業の重層下請といった特徴の根本は、この職安法の法令改正にある。大手企業の協力会系中小企業は、こうして発生し現在も継続されている。
ハ)また、今も流行りの異業種交流とは、そもそもこの大手企業の下請協力会が、専属下請から切り離される経済社会状況のなかで、「異業種交流会」と呼び名を変更したことが始まりであり、それとは違った意味で「異業種交流会」の表面的言葉の意味合いに期待して離合集散するところの異業種交流とも、その認知が経営学でも進みつつある。
ニ)しかしながら、そこには当時の社会契約論や経済理論の未熟さが感じ取れるのである。日本経済の中小企業論、中小企業政策論の社会制度(法律制度)との関わりを研究した文献は少ない。大手企業協力会社の商品価格理論と、地場産業や街で活躍する生活文化型事業(その大半が商工業者ともいわれる)の商品価格理論との隔たりは、とりわけ経営学では認知されて来たものの、そこまでの解明はされなかった。
*〔補足B〕固有価値の萌芽(Intrinsick vertue)
(ア) 発見した足跡はニコラス・バーボン(1640~1698)の『交易論』(久保芳和他訳、1966年3月、東京大学出版会)といわれる。バーボンは、マルクスの資本論にも登場する。これを美術評論家でもあったジョン・ラスキン(1819~1900)が固有価値(intrinsic value)と整理し、命名・理論化した。さらにこれを日本の池上惇京大名誉教授(1933~)が『文化と固有価値の経済学』(岩波書店、2003年)等でラスキンの固有価値論を再構成して固有価値論の経済学的基礎を築いた。ニコラス・バーボンは医師であり、土地銀行(Land bank:イギリス独特の土地制度によるもの)の経営者でもあった。その著書の『交易論』1690年著のなかの、「商品の価値と価格について」p16の項。
(イ) ジョン・ロック(1632~1704)はオックスフォード大学の英国聖公会神学校教授の職から、その後日本でも良く研究されているように、イギリス名誉革命後の政治経済宗教システムの構築に深くかかわった人物である。その著者『ロック政治論集』(山田園子他訳、2007年6月、法政大学出版局)の著述、p294「労働」1693年著の項、p314「売買」1695年著の項。
(ウ) これらを合わせると、次のことが言える。そのバーボンは、Intrinsick vertueとの名称や概念で固有価値発見の萌芽を表現していた。当時の英語はIntrinsickのスペル。現代のintrinsicとは異なり、まだvertueという言葉自体も存在しなかった。イギリス名誉革命当時のジョン・ロックとバーボン両者の著述から、
(1) 市場での価格こそを公平正義ととらえ、
(2) (程度の差こそ有れ)貪欲的経済政策を排し、
(3) 労働が指揮され分配されることによる価値
の3点政策を推奨していることがうかがえる。
(エ) 当時、この両者は書簡のやりとりも頻繁に行っている。両者ともがローマ・カトリックの影響を受けた絶対王政の国王支配のもとでの重商主義や重農主義とは論理展開が異なる。例えば、バーボンは1666年のロンドン大火の翌年に世界初の火災保険引受会社を設立、1688年からの名誉革命前夜の時代にあって、当時の絶対王政経済理論では奇異であった「現物支給・原状復旧」あるいは火災外の損害全般を扱い、ロンドン初の消防隊(当時は保険会社が運営)をも組織した。
(オ) ロックはオックスフォード大学の英国聖公会神学校教授の職業倫理を重んじ、絶対王政の国王支配の理論的要であったローマ・カトリックの理念である王権神授説あるいは、教会権力、カトリックの無謬性、法律、通商、労働その他について彼らローマ・カトリックとの論理的違いを、旧約聖書、新約聖書を用いて展開している。その集大成が『統治二論』(1690年から数版が発行)である。重ねて絶対王政に商業経済利益を独占させない点において、ローマ・カトリックとは際立つ経済政策や国家形成の理論となっている。当時のイギリス社会状況である、反カトリックの聖書論議(ロックの文献には必ず聖書論が重ねられ、ロックの社会契約論理解には反カトリックの聖書認識が必要)が不可欠であった時代を考慮すると、現代や日本とは異なる価値概念であった。
(カ) 加えて、これらは名誉革命直後の反カトリック政治経済社会をイギリス国内で完成しなければならない必要性があった。若しくはカトリックを利用した絶対王政の多くが商品経済の利益を独占していたことから、それをイギリスでは排除しなければならない経済重要性とも相まってしている。
(キ) ジョン・ロックの社会契約論及び、これらの経済政策(経済価値観)との一体関連で当時の Intrinsick vertue を認識する必要かあると考えられる。だから、Intrinsick vertueの意味合いには、「本来に具わっている、光り輝くもの(天使)」のイメージが考えられ得る。経済学はそこまで発展してなかったのではあるが。
(ク) その深淵にはエリザベス1世の前夜、当時はフランス若しくはスペインの属国になることを迫られた政治背景の中、イングランド地方中心の民族独立機運を確保する必要があった。そこでエリザベス1世は、英国絶対王政単独ではなく、領主・地主、商業・商人界、海運交易の海賊(後に英国海軍主力)をも協力し統一してスペインやフランスと戦う道を選んだ。ローマ・カトリックの収奪機構から英国を永久脱出させるために、エリザベス1世は財産権その他を英国に取り戻す宗教改革を推し進めた。その後、一旦はローマ・カトリックの影響を受けた絶対王政に戻ったものの名誉革命とその後の社会経済体制の改革により、ローマ・カトリックの宗教経済支配から英国は完全に永久脱出した。
(ケ) その名誉革命の準備と完成段階での社会経済にかかわる理論こそが、その後に影響を及ぼしたフランス革命やアメリカ独立戦争の歴史の表舞台に注目するにとどまらず、次々と商品経済を活発にさせたイギリス産業革命前夜の経済政策理論の基礎を確立したことにも注目する必要がある。
(コ) そして後の続く、アダム・スミス、リカード、マルクス、マーシャル、ケインズへと、その研究が待たれる。
§豊かな経済再生の、個別企業具体策
それは、【固有価値を創造するシステム形成】につながる。
(1)教育にあたって、およそ働くといった概念で括るところの人たち(経営管理部門、技術部門、技能部門、一般労働部門その他を問わず)の現代的モチベーションへの取り組みを念頭に置く必要がある。それは、個別企業が取り組む必要あるいは、もしかすれば政府の施策や社会共同体の援助を要するのかも知れない。世界的な到達点は、
(1) 仕事そのものが楽しいこと(共同体意識や意義ある仕事)、
(2) 仕事の達成感がある(自己計画性と自己コントロール)、
(3) プライベートの生活が充実している、この3つが共通概念化してきているところである。
おそらく共通概念は、いわゆる優良企業と言われる順に現実のものとされるだろう。だがそれより先の人間発達や教育については、はっきりいって未知である。
(2)ただ現在有力な方法と考えられる多くは、創造性を養うには、芸術や芸術性との関連が重要視されている。また、何よりも感動・希望とともに創造性の労働能力の向上や蓄積は楽しいからである。
イ)それは「意欲・感動・希望」の有機的結合した3要件は固有価値商品の柱でもあり、少なくとも芸術作品の柱と考えられる。
ロ)財貨に頼る物質的満足から、物質や人間関係の障害から内心の自由を解放する過程でも、「意欲・感動・希望」の有機的結合は効果があると考えられる。
ハ)美術にしても音楽にしても、およそ500年前から芸術論議は盛んであったが、それが経済として成り立つはずの美術や音楽が、世界各地では成り立った地域と成り立たなかった地域とに分かれている。
ニ)工業デザインは、19世紀、英国のモリスらが美術を庶民に普及する理論と行動から、現代先進国を中心に花開いている事例である。
ホ)映画産業も芸術が花開いている事例である。
これらは芸術を他産業その他に利用することを目標としているのでもない。このように、固有価値商品をより密着により広く普及させる機能としての「芸術」に関する研究が待たれている。
(3)商品に固有価値を持たせるという作業は、芸術と同じで、技巧や人工物の機能や数量として寄せ集めるものではない。一般に分かり易い表現をすれば、次のような言い方ができる。「毎朝食べる味噌汁のようなもの」。固有価値のある「ものづくり」は、出汁(だし)を利かしているので、様々な味噌や合わせ味噌その他技術を行使して、買い手が満足(意欲・感動・希望)するような「もの」を作っているのである。あるいは、買い手に改めて付け加えてもらったら更に満足価値が高まるような「もの」である。使用価値だけの品物は、出汁(だし)が効いていない味噌汁のようなもので、味噌の種類や合わせ味噌の方法を駆使しても、せいぜい口にしたときの感触に限られ、後味や買い手の希望に応ずることができないという風に言える。実にこれは美術品でも音楽でも同様のことが言える。
(4)ところが、およそ海外移転させられるような部品製造は、それは芸術ではなく工芸品であり、ただの味噌だけのようなもので、出汁(だし)が効いていないものである。したがって、もちろん直ぐ他人に真似をされるし、他の「ものづくり」や商品への技術転用が効くだけの出汁(だし)も無いのである。その出汁(だし)の部分は、「人をケアするサービスの仕事のイノベーションと教育要点」でも同様である。そして、出汁(だし)の部分を念頭に置くから、初めて「ものづくりのイノベーション手法」にまとめることもできる。
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
(5)さらに、「事業経営は芸術である」と言われる事も、事業としての固有価値をクライアントに提供しているからである。決して事業経営は技巧や人工物の機能や数量の寄せ集めでは成り立たない。(日本の音楽産業は経済には未熟なので)差し障りのない例えは、聞かせる音楽ではなく、「楽しみに行く音楽」は、もちろん興行収入で高値安定している。反面、「芸術」と言われはするが日本のクラシック音楽の大半は、「他人に聞かせるための自慢が先立つ演奏=聞きに行く音楽」となっているから経済として成り立たない。主催者も音楽家も最低限の生活が成り立たず、やはり貧乏だから結局は堕落の道を歩んでいるのが現実だ。貧乏だから芸術性と引き換えにパトロンの世話にもならざるを得ない。世界的にはクラシックその他の音楽でも、「クライアントを盛り上げ楽しませる=楽しみに行く音楽」との位置づけならば経済として成り立ちつつある、これが世界の流れだ。AKB48が注目されるのも、その興行アイディアに、「楽しみに行く音楽」の要素が含まれているからだ。今日本の老人層に流行っているのが、「合唱の会」とか「うたごえサークル」などの参加型音楽であるが、ここでも主催者や参加者同士の、「歌の上手さ」が自慢され始めると翌月から一挙に衰退するらしい。
(6)さらに、日本の音楽の例にとってまとめると、歌手や楽器を、機能や数量として寄せ集めても成り立たないが、
────────────────────────────────────────────────
歌手や楽器を使う業態
────────────────────────────────────────────────
A類 顧客の求めるものを提供する作業=カラオケ、コンサート
など、(販売員、案内、調理サービス、配膳サービス、曲芸師)
────────────────────────────────────────────────
B類 来訪者の要望や状況を聴き&それに応対する作業=合唱の会や
コーラス会、文化サロンや文化教室など、
(外科内科医類系、歯科医、弁護士、教師、指南役、理容師、美容師)
────────────────────────────────────────────────
C類 その時間帯と場所に特定の人間関係を形成し顧客ニーズを満足
させる作業=参加型音楽、うたごえ喫茶(来店者が調和して歌う)
(精神科医、芸術家、疑似体験提供、エステティシャン)
────────────────────────────────────────────────
といった各々のまとめ方の特徴にまで掘り下げて考えることができる。商品の領域に到達しているものは、使用価値ではなく固有価値として歌手や楽器を活かす具体的手法をもっている。それが発達していなければ、歌手や音楽が商品として成り立っていない。自称芸術家のほんの一部は、「芸術は金銭にまみれるべきでない!」と力説するが、そう言ったところで実は商品交換できる水準に至っていない中身であることが多い。音楽は、「勉強?」なんかしなくとも、まずリズムが良ければ、誰もがそれに乗せられる。
(7)また、飲食・販売に絞ると、
第一:店の見た目、
第二:温かいもてなし、
第三:新鮮高品質の順番に、
店舗運営の方針を展開している個別企業は伸びている。これは、日本においても同じだ。
接客接遇労働といっても、商品提供の現象面の「形」は、およそ3つ存在する。
(あえて、重複して記載)
ア.顧客の求めるものを提供する作業
…販売員受付案内、調理サービス、配膳サービス、コンサート
イ.来訪者の要望・状況を聴き、それに応対する作業
…外科内科医類系、弁護士、指南役業、歯科医、理容師、音楽教室、コーラスの会、絵画教室、文化サロンや文化教室
ウ.その時間帯と場所に特定の人間関係を形成し顧客ニーズを満足させる作業
…精神科医類系、芸術家、疑似体験提供、美容師、歌声喫茶、芸術空間
(8)様々な論理的解明よりもまして、教育やモチベーションそして「芸術」などが、実際に固有価値商品への効果が発揮され、生活文化型商品の普及にあっては、そこには創造性(芸術性)を併せもっている事実があり、確実に商品価値を増殖させている事実の存在である。こういった事実の存在を念頭において、この章では固有価値商品を創造するシステムを説明する。
(9)この多くのシステムも、個別企業に既に導入実証されている。おそらくそれは、現代の商品経済には当たり前の認識となっているような事柄でも、自給自足経済時期には考えられなかった事であるように、さまざまの成功事例が積み重なった後に、初めて「昔からの当たり前」のように認識される制度(=システム)であろうと考えられる。
§ビジネス創造性(芸術性)育成と鍛錬のポイント(1)端的に言えば、創造性(芸術性)を養うことで、人間は豊かになり、労働能力は増し、経済が発展する基盤となる。いちばん大切なことは、その創造性(芸術性)を養う人間発達・人材育成を、個人的消極的なものから自発的積極的なものへ転換することである。そして、この創造性(芸術性)は、それを養うための行動障害さえ取り除けば、人類は自発的自覚的に養うことを活発に行うのである。
(2)だが、ことに日本の経済活動においては、創造性(芸術性)を働かせる労働が「日陰もの」に位置づけられている。そのため、創造性や芸術性に関して数多くの誤解や錯綜が飛び交っている。日本における論理的な芸術論ともなれば、1954年に岡本太郎が発表した『今日の芸術』(光文社)くらいで、その後に出版されたものは見あたらない、若しくは感覚的すぎて意味するところが他人に伝わらない。
(3)芸術活動も盛んな各国地域にはさまざまな芸術論も存在しているが、共通していることは次のような用語でもって芸術に関わる能力について検討されている。そういった人たちの芸術論ともなれば、言葉(何らかの記号)を杜撰(ずさん)に用いない。次に様々な主題を一つひとつ順に扱い、混ぜる事をしない。何故、日本の需要者の間ではこういった芸術論の水準が低いのか原因はつかめていないが、言葉の杜撰さと様々な主題の混同が延々と繰り返されていることは間違いない、これが足を引っ張っている原因の1つではある。
(4)例えば、次のような分析は、欧米では当たり前のことなのだ。☆芸術の定義を、=供給者と需要者との間に創造され、「意欲・感動・希望」を一体セットで提供している如何なるもの。…とすれば、簡単に事実というものが整理出来る。
教育&訓練、3つの分野
A.スキル(技能)skill 見れば・聞けば、意欲は出る desires, will
B.パフォーマンス(芸当、曲芸、技巧)performance 芸当や技巧があれば、人間は感動する impressions
C.アート(創造、芸術)art 芸術になると人に希望を抱かせる hopes
(5)ところが、日本では世間体が優先され、社会共同体が根付いていないから整理されなかったと思われる。むしろ、世間体を維持するためのレトリック(修辞学・詭弁学)が幅を効かせたために、言葉の杜撰(ずさん)さと様々な主題の混同が延々と繰り返されて、ほとんどの才能者の芽が摘み取られ、本物とは縁遠い「芸術家」がはびこってしまったと思われる。ここに着目して、個別企業での教育&訓練を工夫すれば、努力が報われることは確実だ。
(6)教育で名高い「山本五十六」の言葉、実は続きがあると先ほどFacebookで教えてもらった。山本五十六は、海軍からのハーバード大学留学で、これを学んだのです。当時は研究段階で、山本五十六は大型艦船と戦闘に、この教育方法を編み出した。ポンポン蒸気船程度の艦船から、ディーゼルエンジン艦船や艦砲操作術向上によって日本は大戦艦を動かせた。ところが、アメリカも、戦時中はヨーロッパと太平洋の両戦線で、兵員3交代勤務(前線・移動・休暇)であったため、アメリカ国内は人手不足。経済活動低下を防ぐため、このような教育を女性に施し、アメリカ経済を格段に向上させたのだ。(男女同一賃金は、このときの政策が世界最初)。では日本国内は、実施したのは海軍の大型艦船、国鉄鷹取工場くらいしか記録には無い。一般人徴用、女子挺身隊と、日本の人海戦術には目を見張るが、国内生産力は伸びなかった。昭和30年前後、朝鮮特需の後になって、労働省の外郭団体「日科連」がA項目のみ導入し、大々的に国内導入して、高度経済成長を迎えることが出来た。B項目、C項目の手抜きをしなければ、今の日本は少しはマシだったかもしれない。
A項目「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」
B項目「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
C項目「やっている姿を感謝で、見守って、信頼せねば、人は実らず」
山本五十六
2013/03/05
2013/02/05
第130号
<コンテンツ>
・インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
・改正:高年齢者雇用安定法の対策
・あと30年はデフレ、これが真実。
・なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
・現在の「いわゆる不況」の原因は、
・同業他社より一歩前に出るだけ
・中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
・実体経済が一層の深刻さを増す実態
・現在の日本企業の社是・社訓というものは
・仕事の教育を行うときの順序
・監督職・技能職の教育ポイントは
・固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール
§インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
(1)これらが大変な流行している原因には、健康保険・医療制度に問題があると考えられるとはいっても、個別企業での目前の対策が必要である。
(2)インフルエンザは、……
予防接種をしておけば、まず罹ることがない。伝染で気を付けなければならないのは眼球の粘膜からウィルスが侵入することである。インフルエンザ予防にマスクは関係ない。ウガイも関係ない。それはウィルスが目に入れば10秒ほどで感染するからである。サーズ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザその他ウィルス性伝染病は総て粘膜から侵入する。侵入した後に手を洗っても仕方がない。だから眼鏡の方がまだしも有効である。とりわけ、世界中どこでも医者という人たちは手を洗わないから危険度は高い。自覚症状は喉から異変が現われ、そして熱が出る。あとの治療は医師と相談してどうぞ。
(3)風邪は、……
その感染経路が決まっている。まず鼻の粘膜が侵され、→喉の粘膜が侵され、→気管支が侵される。だから、変だと思ったら、0.45%の食塩水で鼻の中を洗うことである。0.45%の食塩水ならば、鼻は全く痛くない。鼻のタンを出し、耳を塞ぐなどして鼻をかめばキレイになる。黄色い色の病原体の塊を鼻から出さなければならない。感染当日なら、それだけで風邪を引くことはほとんどない。感染を防ぐにはマスクはそれなりに有効である。のどの粘膜まで感染してしまった場合、その後は、医師と相談して早く治すことである。水分補給には、0.3%食塩水を推奨、汗も出やすく心臓に負担がかからない。
(4)アレルギー性気管支炎は、……
風邪とは異なる。喉は痛くない。鼻水もほとんど出ない。突然、気管支から軽い咳が出るようになる。気管支のタンが咳をする程度ではなかなか切れない。風邪と誤診して抗生物質を処方する医者が多い。ところが3日や5日も薬を飲んだところで治らない。風邪薬は無用の長物である。アレルギー対策の薬を飲めば3日以内に治まる。怠惰な医者は直ぐ風邪と判断してしまうので数ヵ月たっても治らない場合がある。そういう場合は、アレルギー性気管支炎かもしれないと医師に、明確に告げて治療薬をもらう必要がある。とにかくこのアレルギー性気管支炎が大流行している。「今年の風邪は長引く」といった話はとんでもない誤解であり無知等である。
(5)肝心の厚生労働省は、そういったことを知っているのか知らないのか、それとも医師の水準が能力低下してしまったのか、疑問を抱かざるをえない。豚インフルエンザの時も、医師の誤診で学級閉鎖に追い込まれた事例があった。神戸の医師のように、保健所に強く迫って流行を食い止めた医者もいた。
(6)いずれにしても、この三つの病気が流行しているのは間違いないので、個別企業で率先して対策をとる必要がある。信じられない読者の方は、産業医に確かめることである。労働力や働く人たちの健康管理は、会社に責任があり、労働生産性の問題であるからだ。なお、中国の大気汚染や花粉症とアレルギー性気管支炎は、症状から異なるので、念のため。
§改正:高年齢者雇用安定法の対策
イ)これは、3月31日までに手続きを済ませなければならない。
ロ)満65歳まで定年を延長するのであれば、さほど問題はない。
ハ)再雇用制度や継続雇用制度、あるいは経過措置としての基準の労使協定といった手続きは、2ヵ月を切った今、もう無理かもしれないのである。
ニ)よく忘れているのが、昨年8月10日に施行された労働契約法の有期労働契約の部分である。相まって満65歳再雇用を考えなければならない。
ホ)退職金もマイナンバー制導入とともに影響が出る。それは税務署の退職金扱いは、確実に退職したときでなければ給与所得と見なすからである。
ヘ)次に示した、過去の総務メルマガに解説をしている。手抜かりがないかチェックが必要である。
*〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
http://soumubu1.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html#07
*4月1日、労働法改正にまつわる質疑
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html#06
*改正労働契約法と効率的労働力確保
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_10_01_archive.html#05
*高年齢者雇用安定法、その改正の意味するところ
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html#11
*労働契約法=解説ドキュメント
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc
§あと30年はデフレ、これが真実。
One 政府の記者会見や、それを鵜呑みにするTV・マスコミの報道で、何やら日本経済が明るくなりそうな幻想にとらわれている。ところが、確実に言えることは、その動きは8月のお盆休みまでのこと。7月に参議院選挙があれば、今の明るそうな余波も8月までも続かないかもしれない。「知恵より地位」、それに振り回される流浪の民といったところだ。だが、今回の金融トランプだけはジョーカーをつかみやすいのだ。
Two すなわち、どのような経済分析をしても、どのような世界経済状況だとしても、この半年に限って、株価・土地その他の数値がインフレ傾向を表すにすぎない。外国人投資家は現在半身の構え、兆候が出れば直ぐ引き上げる動きを示している。あらゆる評論家も、「政権与党がデフレ脱却に取り組むことができれば…」の仮定の冠を、必ず経済分析の文章に付けている。
Three まして、政府の「産業競争力会議」での経済成長戦略は相も変わらず。必要かつ日本経済を復活させる産業育成は、「口先」ばかりで現実性のない物ばかりである。直ぐ取り組める産業育成も、「今少し時間をかける」というばかりである。もちろん、大手企業は東アジアからインド方面に向けて、利益率も悪く事業構築も困難とは解っていても、薄利を求めて海外進出している。それは、新商品開発力を失った大手企業であるから、仕方のない話といえばそれまでであるが。また、いくつかの大手企業は腹のなかで、自社の技術をアメリカその他に買ってもらおうと虎視耽耽(こしたんたん)、腹の中はトップをはじめ仕事をする気なんかあるわけがない。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai1/siryou.html
Four エネルギー問題ひとつとっても、成長戦略から外れている。たとえば、富士電機が世界有数の技術を持っている地熱発電、発電を認めず熱効率だけに規制している。全国各地で小規模発電事業を始めようとしているが、官僚らは大規模な施設をつくるのと同じ基準や手続きを押しつけて妨害している。小水力発電などは水利権問題などを、無理矢理官僚が絡めて来る。農業用水路の小規模水力発電所設置に、大規模ダムの仕様・許可申請を官僚が求めて来るのだ。こういった官僚の動きは、経済成長戦略会議を開かなくとも、大臣の指示で通達を出しさえすれば解決する。
Five それにも増して円安になって喜んでいる人たちは、果たしてどれだけいるのか疑問である。輸出産業と言っても、今や誰も買ってくれない日本製品を作っても仕方がない。円安によって輸入品のエネルギーや原材料は次々と値上がりをしている。毎月13兆円日銀が日本国債を買い取ると言っているが、そのツケは一体誰が払うのかといった論議自体がない。
Six これとよく似たことは、戦争中に横浜正金銀行が行っていた。正金とは金地金を取り引きする銀行だが、当時、金地金ではなく証券発行にまで手を出して、あげく国債暴落を招いた。この証券をアメリカ国内で売った資金で、日本政府は中国侵略の武器と兵站に使ったものだから、アメリカが怒ってしまうのは当然であった。対日ABCD包囲網の経済封鎖をかけられても当たり前であったのだ。
Seven 日本経済が、本当にインフレに転換すると思っている人は多い。それは情報遮断の中だから、仕方がないのかもしれない。しかしながら、本当にインフレになるまで通貨政策を強行すれば、アメリカよりも先に日本の通貨、「円」と日本国債が崩壊してしまうのは目に見えている。
Eight 中国の対日経済封鎖によって、様々に日本経済の悪影響が出ているが、ほとんど報道されない。尖閣諸島をめくって中国人民解放軍の人事異動がなされていることも報道されない。日中経済関係は、「切っても切れない!」と幻想ふりまく評論家が後を絶たないが、既に中国(北朝鮮もだが)にはドイツ資本が入り、ドイツの生産技術が入りこんでしまっている。
Nine さながら、大本営発表→マスコミ報道→国民には情報が入らない→みんな貧乏になって行く、日本国内に物資や貯蓄はあると言いながら、半失業状態は広まるばかりである。
§なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
それは、アメリカにおいてさえ、NPOといったスポンサー付きの経済学研究は所詮、そのNPO理事たちの(もしかすれば素人)思考水準に、研究程度を落とさなければならない。
日本では明確に、政府の審議会であれば官僚の思考水準に、大学等研究機関であれば「教授会や理事会」の思考水準に、研究程度を一致させなければならないからだ。
近年は、政府の審議会の言いなりになる学者が少なくなり、聞いたこともないような大学教授?がテレビや新聞に登場する。良識ある学者は、学問や真実とは似ても似つかない話をしない。そのような先生はまだ多数!と観ることが妥当だ。
§現在の「いわゆる不況」の原因は、
A項目 従来のような過剰設備による反動から来たものではない。日本の経済発展の社会状況を度外視して、機能や数量の使用価値にばかり焦点を当て商品を開発する理念だから、いつまでたっても個人消費の拡大が出来なかったのである。現在もそうであるから何時までも景気低迷をおこしている。そういった日本製品は売れるわけがない。製造業に従事する労働者が1000万人を切った。だがそのほとんどは他業種に職業転換できたのではなく、失業・半失業・潜在失業なのである。日本製品が売れないばかりか、製品を作ってきた労働力も買う人が居ないのだ。
B項目 世界規模で見た場合では、たとえ不均衡に国ごとの経済が発展するものだとしても、日本をはじめとした経済先進国にあっては個人消費の伸びが決定的に重要となる。発展途上国には経済先進国の資金や技術が投入されることで、数字での世界経済は成長だけはするかもしれない。しかしながら、経済先進地域にあって経済発展はおろか経済的豊かさが後退する可能性が高い。
C項目 経済的豊かさとは、「個人消費と生活満足度が有機的に結合してこそ実現するもの」である。とりわけ世界の経済先進地域においては、「経済的豊かさ」において、経済発展の原動力になっていると考えられる。この経済先進地域とは、日本国内での比較的に経済の豊かさを保つ地域(それは地方の中核都市であり、大都市圏に点在する地域)と考えられる。これらの地域は日本全体や流通経済圏全域ではなく、その内の局所的地域である。そこでは経済的豊かさこそが原動力となり追及され、確かにその傾向は少なくとも経済発展を果たしている。
D項目 一部の学者は、防衛製品産業での輸出回復を主張している。ところが彼らは、世界最先端の防衛製品産業の現実を知らないのか、合理的思考が出来ないのかのいずれかである。ドイツは、昔のマルクであれば、マルク高で輸出は停滞しているところ、EU内の農業国のおかげでユーロ安、輸出は膨大に伸びている。EU域内、NATO加盟国などに、「騒音環境に優しい」ユーロヘリコプター、あるいは「ユーロファイター・タイフーン」戦闘機を出荷しているが、性能は日本とは比べ物にならない。スウェーデンは2010年に徴兵制を廃止、従来から超高性能銃器輸出産業を柱として社会保障を支えている。撃っている最中にネジが緩む機関銃?で有名になった日本製の性能に及ぶ物ではない。まさか、中国や北朝鮮の暴発率の高い粗悪品市場に日本が進出を出来るわけもない。コンピューター操作の日本製戦車・装甲車との夢物語も飛び出すが、日本の自衛隊に実践操作ノウハウなどありもしない。
E項目 どうしても、機能や数量の商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、巨額の金融資本の先行きに翻弄される。近年のヒット商品、例えば、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、商品の固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り上げた。その売り手と買い手の関係は、あくまでも創造的和解(reconciliation)の関係を形成している。「消費者に買わせて、利益率を高くして、消費者と対決して商売をする」といった発想は、ヒット商品を出す企業にはない。もとより、数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあった時代の商品価値は、固有価値であった。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値を3セットで見いだした。そして、「意欲・感動・希望」といった価値をわけあった。
F項目 ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん、あげく=Made in Japan は見向きもされなくなった。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのだ。中国部品にもA級品はあるようだが、日本製より高品質ながら価格も高価であるから日本企業の部品には使わない。そして中国も量産意思が無いのでどうしようもない話ではあるが。
G項目 日本経済は、こういった制度的悪循環の原因&事情を克服しさえすれば日本文化に基づく Made in Japan製品とサービスを再び世界は買ってくれることになる。
§同業他社より一歩前に出るだけ
で、今の経済状況であっても、その個別企業は高利益率で経営をすることが出来る。怠慢を続ける企業は経営が行き詰まるが、その市場は優良企業のもとに集まる。
ただし、使用価値商品を売るのではなく固有価値商品を売る、ことに末端の生活文化型商品を提供することを念頭におく必要がある。天然ガスは末端の家庭発電事業を進めている。某大手氷砂糖メーカーは機械製造に踏み切り料理材料商品を狙っている。還元型コエンザイムQ10は、安価で共有されているサプリメント食品、糖尿・心臓の疾患予防に、何よりも「健康意欲」を目指している。すなわち、素材原材料メーカーであっても、消費者の、「意欲・感動・希望」といった固有価値商品を念頭においているのである。
§中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
がある。そのOJT教育訓練は、固有価値商品あるいは生活文化型商品の場合は次のとおりに行うことである。
A.部下を育てたいのであれば、メールとは別に、部下を客先に連れて行くこと、あるいは部下に聞こえるように電話交渉は行うこと。
B.検討会議や報告会は所定時間内に行うこと。昼食を用意して昼休みを短縮して行う方法もあるが、ただ自由参加が原則。
C.メールのやりとり効果は、伝票や届出書面などの機能には、けっして及ばない事実を徹底すること。
D.社外の低料金の経営講習会・勉強会に出席させ、「事業の深化」を追求することとは別に、「事業の広さ」を追求するための視野を持たせること。
E.生活文化型商品の需要を肌で感じるために、夕刻は所定時間に退社させ、休日も十分に与え、消費者と同じ生活をさせること。
F.書面、文章、メールの効果は、物事や論点の整備確認には役立つ以上のもの、例えばアイデア、創意工夫、構想性、創造性などがないことを徹底すること。
G.着想、発想、創造、構想といったヒラメキは、議論を面と向きあって行われることを徹底すること。
H.どの分野に限らず、なるべく理論的な本を読ませて、合理的理論的に考えさせる訓練をすること。
I.「期限を決めて退社するつもりの人間」ほど、会社のことを良く勉強しているのが事実であること。
J.「打てば響く」と言うような単純思考(思い)を改善するには、「物事は時間とともに変化する」といった「X,Y,Z+Tの4次元概念」を教えること。
K.原因から結果への、いわゆる因果関係を日常的に考えさせ、文章にまとめさせること。個人が悪かったのではなく、自分で予見しなかった事または予見せず放置していた行為が悪かったことを徹底すること。
L.ずさんな言葉の使い方はさせないこと、様々な主題を一つ一つ順に扱うようにさせること。
M.仕事(契約行為)にかかわって「取り引き行為」をすることは、失敗を招く原因であることを認識させること。
N.上司がOJTを行うが、別にOJT教育担当者をおく。
ところが、大手企業では、ICT機器による効率追求、機密保持の機械的徹底、高度な労働能力水準の敬遠その他によって、OJT教育訓練面がなおざりにされている。その元凶は、東京大学大学院の中原淳教授が『経営学習論-人材育成を科学する』(2012/08/31、東大出版会)の中で調査をしているが、惨憺たる教育不足の現場である。
§実体経済が一層の深刻さを増す実態
そこでは、固有価値商品を先ずは内需の柱として、次に直接間接に多国籍展開することが柱となる。このままでは、大半の輸出製品は、採算割れの安値で輸出するしかない時代が来る。だから、まずは内需だけでも、生活文化型商品の産業化を進めることになるが、その教育の柱は次の5点である。実は内需だけでも相当景気は回復する。
イ.接客方法…親切な行為を現す、温かさを表現する。それには、客からの世間話には直ちに応じる手法である。それができてこそ、「意欲・感動・希望の3セット」である固有価値を紹介することができる。売り手からの世間話、売り手の押し付けは禁物であること。
ロ.商品知識の活用…お客の生活意欲・受容感動・将来希望の3点を同時に叶える、固有価値の商品知識を3点セットで提供すること。
ハ.提供する価値…とくに、巷の使用価値限定品(機能や数量)とは別の、どんな固有価値を提供しているのかを説明すること。
ニ.直接間接のリピート…リピートを念頭に置かず、廻り回って経済循環することを念頭に置く。それで買い手の共感も得ることができること。
ホ.具体的行為の中に、クレーム予防にとどまらず、クレームの創造的解決を、販売営業の最先端現場で行うこと。
§現在の日本企業の社是・社訓というものは
イ)今の時代になれば、昔の良いことばかりを思い出して、引っ張って来ようとする。ところが、それは創業時のものばかりであって、これから事業を継続するとか、今の時代環境に事業を合わせるといったものがない。
ロ)それは、第2次世界大戦後の米ソ対立の経済構造と、江戸から明治にかけて生き残った老舗といわれる企業が活躍した経済環境のものばかりである。
ハ)ことに、生活文化型商品を色濃く立たせる場合は、顧客と接する先頭社員は、「社是・社訓」が敬遠されるばかりである。ことに固有価値の内容を買い手と如何に共有するかが決定的ポイントなのに、「社是・社訓」が邪魔となるのである。
ニ)固有価値商品の由来・作り手の技・長きに重宝させるコツその他の、「地域と歴史のコンテクスト」を、買い手と相互理解することのプロセスが貴重となる。
ホ)これが、お客側の価格評価の基礎となり、商品価格が相場決定となる起因である。この場合はフェア取引が行われるから値崩れもしない。とにかく、より科学的な具体的な行動が、営業販売の末端にまで求められる。社是・社訓を社員が口にすれば、ほとんどの客は鳥肌が立つ! アイデンティティーが強いと、客は引く!
§仕事の教育を行うときの順序
A.これには定石がある。取扱商品や仕事の段取りが流れである。
(1)原理原則を教えること。
(2)基礎理論を教えること。
(3)歴史背景を教えること。
B.必ずこの「教育の定石3点」を示し、その内容を商品や仕事ごとに解説することが重要である。今日までの教育は、「歴史的背景」を教えなかった。すなわち、
One どういった具合で商品が開発されたか、
Two あるいは売るようになったのか、
Three 今の仕事のやり方を何故するようになったのか
といった事柄である。
C.「どうして実施・実行力が伴わないのだろう」といった疑問、すなわち教育訓練の行き届かなかった原因はここにあるのだ。
D.ではなぜ、それを教えなかったのか。その理由は、仕事や商品の売れ行きよりも旧態組織や人間関係しがらみを優先したからに尽きる。日本で資本主義が形成されて以来、その前時代の「世間体」を解消するシステムが社会に定着しなかったからである。明治以降、この「世間体」と戦って数多くの人が経済活動を発展させ教育を充実させたが、その闘いを全事業に行き渡らせる為のエネルギー消耗は多大なものがあった。そんな困難にあっても、その効果は、日々現われるものであった。
E.一昔前に大企業病といった言葉が流行したが、1977年職安法改正以後は、その大企業は仕事ができる有能な人たちを徹底してリストラしてしまった。その後は社内での教育体制は「人間関係しがらみ」を優先したものに、益々陥っているとの研究が発表されている。(前掲:東大大学院研究成果)であるから、
F.大企業の、大企業病は→心不全状態といっても過言ではない。
§監督職・技能職の教育ポイントは
今回のメルマガではその教育ポイントは省略する。監督職・技能職といった人たちは、新採用者・パート・一般職を経るなど(中途採用でも短期経験でも可能)した人たちに、次のとおりの教育をほどこして後、採用するものである。決して、監督職や管理職にふさわしい年齢に達したからとか、長年勤めているからといったものではない。
First 技術・理論を現場に落とし込み、重要者の多様性・一回性に答えられる技能の教育
Second 提言開発・企画プロセス、すなわち買手の受容動向により長くも短くも・効果的に調整できる技能の教育
Third 人材、機器材、基礎理論技術を、A及びBのために組み合わせる技能の教育
Fourth 業務の改善・改革、新商品その他は、個別事業の内外での主体的モーメント集約の結実であることを理解させる教育
例えば、日本の年功序列型賃金の基礎は、「電産型賃金」(日本初の人材確保型賃金体系)であったが、ここには年齢給ではなく経験給が用いられ、それは技術技能を積み上げるとの趣旨で組み込まれたのである。こんなことも、日本の電力産業のためにGHQと命がけで制度作った先輩のことは忘れ、電力各社では忘れ去られている。「電産型賃金」を、ちゃっかり真似した銀行や大手企業の多くは、命がけの制度であったことは知る由も無い。
§固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール
(1)ここに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なるサービスであろうが、仕事に従事する姿勢を示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動がおろそかにされていた。あげく、サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)にまで至る。すなわち、そのことが営業販売作業を極端に未熟になっていった原因である。
(2)機能や数量に目を向けた使用価値・効用価値ばかりの商品には、本来的にサービス(服務)を考慮する必要がなかった。さらに、サービスそのものが商品となって対価が発生するようになるのは近年のことである。それまでのサービスとは、生産物商品の販売完結の一手段であり、製品価格にサービスの対価が含まれることが多かった。工業文化製品にはサービス(服務)行動が存在すること自体を、多くの消費者が理解できなかった時代があった。
(3)ところが、サービスすること自体が発達することにより、経済活動が活発になったり、社会の安定が進められたり、事前に無駄が排除されたりと、その効果は見直され、今や経済効果は絶大なものになったのである。昔の、あまりにも文化が進展していなかった時代には、サービス(服務)行動の価値や重要性が分からなかったのである。
☆そもそも、サービスの行為は「文化の応用」の側面を持っていることから、その地方の文化も良くわきまえている必要がある。
☆サービスを進めている過程で使用する業界用語は技能を現している。
☆ノウハウを含め技術(社会、人文、自然の3分野の科学的裏付けを持つ)が発展するきっかけは、はじめに言葉の概念の変化から始まる。
☆さらに柔軟性があるということはパラダイム(固定概念・概念規定)の転換をすることなのである。
☆サービスの事業化には概念、シンボル、コード(方策や方法)の3段階を揃えることから始まる。
(4)だが、「サービスの事業化」が完成を待たずして、まずはこの13個のルールをサービスに取り入れるだけで、販売(収益性)は増加し始めるのである。とりわけ固有価値商品を交換する過程では、その価値を伝えるための不可欠な行為でもある。
(5)サービス(服務)行動を充実させる 13ルール
イ)自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる
ロ)スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
ハ)動作が軽快でスマートであること。それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
ニ)時間を厳守すること、時間を守らない人物は信用されない時代になった。
ホ)念には念を入れること。お客の「意欲・感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
ヘ)技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではない。
ト)案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・感動・希望」を決めつけないこと。
チ)お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
リ)受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
ヌ)依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
ル)突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
ヲ)何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
ワ)人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。
(6)ここに示した13個のルールは、「失われた10年×2回」の時期には、およそは確立されていた。ところが当時は、商品の固有価値といった概念が確立されていなかったために、残念ながらこれらルールは曖昧なものであった。しかしながら、曖昧ながらも導入した個別企業では、とても販売(収益性)向上につながっていたのである。
(7)だが当時その一方で、いわゆる「サービス産業?」として華やかに紹介されていた、スーパーマーケット、外食チェーンなどの実態といえば、「サービスレス(serviceless)」であった。すなわち、商品を選抜・運搬するサービスは客自らが行う、低価格の飲料は客自らが取りに行くといったわけで、店舗側のサービスが省かれたのである。小分けやパック詰めは商店街でも行われていたし、むしろ数量や販売量におけるサービスレスであった。さらに、ICT機器の普及で、ますます製造・提供者側の「サービスレス(serviceless)」は進行している。
(8)ところが、固有価値商品としてのサービスだけは省くことができず、その固有価値のサービス自体の全部または一部分を買い手との商品交換は継続してきたし、現在も変遷・進展が起こっているのである。それこそが、人類の文化・文化活動の変遷・進展により、売り手と買い手が相互に、「意欲・感動・希望」を託す行為であると考えられる。さらにそれは、平和平穏な人間関係にあって社会共同体が維持される状態でこそ、さらに変遷・進展することが担保されると考えられる。ちなみに、それは芸術性豊かな作品や商品が担保される要件と同じだと考えられる。
(9)13個のルールの解説は、現在、社会人大学院の教科書執筆中なので、そちらでまとめている最中なので、細かい解説は今回省略する。
・インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
・改正:高年齢者雇用安定法の対策
・あと30年はデフレ、これが真実。
・なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
・現在の「いわゆる不況」の原因は、
・同業他社より一歩前に出るだけ
・中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
・実体経済が一層の深刻さを増す実態
・現在の日本企業の社是・社訓というものは
・仕事の教育を行うときの順序
・監督職・技能職の教育ポイントは
・固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール
§インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
(1)これらが大変な流行している原因には、健康保険・医療制度に問題があると考えられるとはいっても、個別企業での目前の対策が必要である。
(2)インフルエンザは、……
予防接種をしておけば、まず罹ることがない。伝染で気を付けなければならないのは眼球の粘膜からウィルスが侵入することである。インフルエンザ予防にマスクは関係ない。ウガイも関係ない。それはウィルスが目に入れば10秒ほどで感染するからである。サーズ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザその他ウィルス性伝染病は総て粘膜から侵入する。侵入した後に手を洗っても仕方がない。だから眼鏡の方がまだしも有効である。とりわけ、世界中どこでも医者という人たちは手を洗わないから危険度は高い。自覚症状は喉から異変が現われ、そして熱が出る。あとの治療は医師と相談してどうぞ。
(3)風邪は、……
その感染経路が決まっている。まず鼻の粘膜が侵され、→喉の粘膜が侵され、→気管支が侵される。だから、変だと思ったら、0.45%の食塩水で鼻の中を洗うことである。0.45%の食塩水ならば、鼻は全く痛くない。鼻のタンを出し、耳を塞ぐなどして鼻をかめばキレイになる。黄色い色の病原体の塊を鼻から出さなければならない。感染当日なら、それだけで風邪を引くことはほとんどない。感染を防ぐにはマスクはそれなりに有効である。のどの粘膜まで感染してしまった場合、その後は、医師と相談して早く治すことである。水分補給には、0.3%食塩水を推奨、汗も出やすく心臓に負担がかからない。
(4)アレルギー性気管支炎は、……
風邪とは異なる。喉は痛くない。鼻水もほとんど出ない。突然、気管支から軽い咳が出るようになる。気管支のタンが咳をする程度ではなかなか切れない。風邪と誤診して抗生物質を処方する医者が多い。ところが3日や5日も薬を飲んだところで治らない。風邪薬は無用の長物である。アレルギー対策の薬を飲めば3日以内に治まる。怠惰な医者は直ぐ風邪と判断してしまうので数ヵ月たっても治らない場合がある。そういう場合は、アレルギー性気管支炎かもしれないと医師に、明確に告げて治療薬をもらう必要がある。とにかくこのアレルギー性気管支炎が大流行している。「今年の風邪は長引く」といった話はとんでもない誤解であり無知等である。
(5)肝心の厚生労働省は、そういったことを知っているのか知らないのか、それとも医師の水準が能力低下してしまったのか、疑問を抱かざるをえない。豚インフルエンザの時も、医師の誤診で学級閉鎖に追い込まれた事例があった。神戸の医師のように、保健所に強く迫って流行を食い止めた医者もいた。
(6)いずれにしても、この三つの病気が流行しているのは間違いないので、個別企業で率先して対策をとる必要がある。信じられない読者の方は、産業医に確かめることである。労働力や働く人たちの健康管理は、会社に責任があり、労働生産性の問題であるからだ。なお、中国の大気汚染や花粉症とアレルギー性気管支炎は、症状から異なるので、念のため。
§改正:高年齢者雇用安定法の対策
イ)これは、3月31日までに手続きを済ませなければならない。
ロ)満65歳まで定年を延長するのであれば、さほど問題はない。
ハ)再雇用制度や継続雇用制度、あるいは経過措置としての基準の労使協定といった手続きは、2ヵ月を切った今、もう無理かもしれないのである。
ニ)よく忘れているのが、昨年8月10日に施行された労働契約法の有期労働契約の部分である。相まって満65歳再雇用を考えなければならない。
ホ)退職金もマイナンバー制導入とともに影響が出る。それは税務署の退職金扱いは、確実に退職したときでなければ給与所得と見なすからである。
ヘ)次に示した、過去の総務メルマガに解説をしている。手抜かりがないかチェックが必要である。
*〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
http://soumubu1.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html#07
*4月1日、労働法改正にまつわる質疑
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html#06
*改正労働契約法と効率的労働力確保
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_10_01_archive.html#05
*高年齢者雇用安定法、その改正の意味するところ
http://soumubu1.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html#11
*労働契約法=解説ドキュメント
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc
§あと30年はデフレ、これが真実。
One 政府の記者会見や、それを鵜呑みにするTV・マスコミの報道で、何やら日本経済が明るくなりそうな幻想にとらわれている。ところが、確実に言えることは、その動きは8月のお盆休みまでのこと。7月に参議院選挙があれば、今の明るそうな余波も8月までも続かないかもしれない。「知恵より地位」、それに振り回される流浪の民といったところだ。だが、今回の金融トランプだけはジョーカーをつかみやすいのだ。
Two すなわち、どのような経済分析をしても、どのような世界経済状況だとしても、この半年に限って、株価・土地その他の数値がインフレ傾向を表すにすぎない。外国人投資家は現在半身の構え、兆候が出れば直ぐ引き上げる動きを示している。あらゆる評論家も、「政権与党がデフレ脱却に取り組むことができれば…」の仮定の冠を、必ず経済分析の文章に付けている。
Three まして、政府の「産業競争力会議」での経済成長戦略は相も変わらず。必要かつ日本経済を復活させる産業育成は、「口先」ばかりで現実性のない物ばかりである。直ぐ取り組める産業育成も、「今少し時間をかける」というばかりである。もちろん、大手企業は東アジアからインド方面に向けて、利益率も悪く事業構築も困難とは解っていても、薄利を求めて海外進出している。それは、新商品開発力を失った大手企業であるから、仕方のない話といえばそれまでであるが。また、いくつかの大手企業は腹のなかで、自社の技術をアメリカその他に買ってもらおうと虎視耽耽(こしたんたん)、腹の中はトップをはじめ仕事をする気なんかあるわけがない。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai1/siryou.html
Four エネルギー問題ひとつとっても、成長戦略から外れている。たとえば、富士電機が世界有数の技術を持っている地熱発電、発電を認めず熱効率だけに規制している。全国各地で小規模発電事業を始めようとしているが、官僚らは大規模な施設をつくるのと同じ基準や手続きを押しつけて妨害している。小水力発電などは水利権問題などを、無理矢理官僚が絡めて来る。農業用水路の小規模水力発電所設置に、大規模ダムの仕様・許可申請を官僚が求めて来るのだ。こういった官僚の動きは、経済成長戦略会議を開かなくとも、大臣の指示で通達を出しさえすれば解決する。
Five それにも増して円安になって喜んでいる人たちは、果たしてどれだけいるのか疑問である。輸出産業と言っても、今や誰も買ってくれない日本製品を作っても仕方がない。円安によって輸入品のエネルギーや原材料は次々と値上がりをしている。毎月13兆円日銀が日本国債を買い取ると言っているが、そのツケは一体誰が払うのかといった論議自体がない。
Six これとよく似たことは、戦争中に横浜正金銀行が行っていた。正金とは金地金を取り引きする銀行だが、当時、金地金ではなく証券発行にまで手を出して、あげく国債暴落を招いた。この証券をアメリカ国内で売った資金で、日本政府は中国侵略の武器と兵站に使ったものだから、アメリカが怒ってしまうのは当然であった。対日ABCD包囲網の経済封鎖をかけられても当たり前であったのだ。
Seven 日本経済が、本当にインフレに転換すると思っている人は多い。それは情報遮断の中だから、仕方がないのかもしれない。しかしながら、本当にインフレになるまで通貨政策を強行すれば、アメリカよりも先に日本の通貨、「円」と日本国債が崩壊してしまうのは目に見えている。
Eight 中国の対日経済封鎖によって、様々に日本経済の悪影響が出ているが、ほとんど報道されない。尖閣諸島をめくって中国人民解放軍の人事異動がなされていることも報道されない。日中経済関係は、「切っても切れない!」と幻想ふりまく評論家が後を絶たないが、既に中国(北朝鮮もだが)にはドイツ資本が入り、ドイツの生産技術が入りこんでしまっている。
Nine さながら、大本営発表→マスコミ報道→国民には情報が入らない→みんな貧乏になって行く、日本国内に物資や貯蓄はあると言いながら、半失業状態は広まるばかりである。
§なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
それは、アメリカにおいてさえ、NPOといったスポンサー付きの経済学研究は所詮、そのNPO理事たちの(もしかすれば素人)思考水準に、研究程度を落とさなければならない。
日本では明確に、政府の審議会であれば官僚の思考水準に、大学等研究機関であれば「教授会や理事会」の思考水準に、研究程度を一致させなければならないからだ。
近年は、政府の審議会の言いなりになる学者が少なくなり、聞いたこともないような大学教授?がテレビや新聞に登場する。良識ある学者は、学問や真実とは似ても似つかない話をしない。そのような先生はまだ多数!と観ることが妥当だ。
§現在の「いわゆる不況」の原因は、
A項目 従来のような過剰設備による反動から来たものではない。日本の経済発展の社会状況を度外視して、機能や数量の使用価値にばかり焦点を当て商品を開発する理念だから、いつまでたっても個人消費の拡大が出来なかったのである。現在もそうであるから何時までも景気低迷をおこしている。そういった日本製品は売れるわけがない。製造業に従事する労働者が1000万人を切った。だがそのほとんどは他業種に職業転換できたのではなく、失業・半失業・潜在失業なのである。日本製品が売れないばかりか、製品を作ってきた労働力も買う人が居ないのだ。
B項目 世界規模で見た場合では、たとえ不均衡に国ごとの経済が発展するものだとしても、日本をはじめとした経済先進国にあっては個人消費の伸びが決定的に重要となる。発展途上国には経済先進国の資金や技術が投入されることで、数字での世界経済は成長だけはするかもしれない。しかしながら、経済先進地域にあって経済発展はおろか経済的豊かさが後退する可能性が高い。
C項目 経済的豊かさとは、「個人消費と生活満足度が有機的に結合してこそ実現するもの」である。とりわけ世界の経済先進地域においては、「経済的豊かさ」において、経済発展の原動力になっていると考えられる。この経済先進地域とは、日本国内での比較的に経済の豊かさを保つ地域(それは地方の中核都市であり、大都市圏に点在する地域)と考えられる。これらの地域は日本全体や流通経済圏全域ではなく、その内の局所的地域である。そこでは経済的豊かさこそが原動力となり追及され、確かにその傾向は少なくとも経済発展を果たしている。
D項目 一部の学者は、防衛製品産業での輸出回復を主張している。ところが彼らは、世界最先端の防衛製品産業の現実を知らないのか、合理的思考が出来ないのかのいずれかである。ドイツは、昔のマルクであれば、マルク高で輸出は停滞しているところ、EU内の農業国のおかげでユーロ安、輸出は膨大に伸びている。EU域内、NATO加盟国などに、「騒音環境に優しい」ユーロヘリコプター、あるいは「ユーロファイター・タイフーン」戦闘機を出荷しているが、性能は日本とは比べ物にならない。スウェーデンは2010年に徴兵制を廃止、従来から超高性能銃器輸出産業を柱として社会保障を支えている。撃っている最中にネジが緩む機関銃?で有名になった日本製の性能に及ぶ物ではない。まさか、中国や北朝鮮の暴発率の高い粗悪品市場に日本が進出を出来るわけもない。コンピューター操作の日本製戦車・装甲車との夢物語も飛び出すが、日本の自衛隊に実践操作ノウハウなどありもしない。
E項目 どうしても、機能や数量の商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、巨額の金融資本の先行きに翻弄される。近年のヒット商品、例えば、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、商品の固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り上げた。その売り手と買い手の関係は、あくまでも創造的和解(reconciliation)の関係を形成している。「消費者に買わせて、利益率を高くして、消費者と対決して商売をする」といった発想は、ヒット商品を出す企業にはない。もとより、数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあった時代の商品価値は、固有価値であった。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値を3セットで見いだした。そして、「意欲・感動・希望」といった価値をわけあった。
F項目 ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん、あげく=Made in Japan は見向きもされなくなった。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのだ。中国部品にもA級品はあるようだが、日本製より高品質ながら価格も高価であるから日本企業の部品には使わない。そして中国も量産意思が無いのでどうしようもない話ではあるが。
G項目 日本経済は、こういった制度的悪循環の原因&事情を克服しさえすれば日本文化に基づく Made in Japan製品とサービスを再び世界は買ってくれることになる。
§同業他社より一歩前に出るだけ
で、今の経済状況であっても、その個別企業は高利益率で経営をすることが出来る。怠慢を続ける企業は経営が行き詰まるが、その市場は優良企業のもとに集まる。
ただし、使用価値商品を売るのではなく固有価値商品を売る、ことに末端の生活文化型商品を提供することを念頭におく必要がある。天然ガスは末端の家庭発電事業を進めている。某大手氷砂糖メーカーは機械製造に踏み切り料理材料商品を狙っている。還元型コエンザイムQ10は、安価で共有されているサプリメント食品、糖尿・心臓の疾患予防に、何よりも「健康意欲」を目指している。すなわち、素材原材料メーカーであっても、消費者の、「意欲・感動・希望」といった固有価値商品を念頭においているのである。
§中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
がある。そのOJT教育訓練は、固有価値商品あるいは生活文化型商品の場合は次のとおりに行うことである。
A.部下を育てたいのであれば、メールとは別に、部下を客先に連れて行くこと、あるいは部下に聞こえるように電話交渉は行うこと。
B.検討会議や報告会は所定時間内に行うこと。昼食を用意して昼休みを短縮して行う方法もあるが、ただ自由参加が原則。
C.メールのやりとり効果は、伝票や届出書面などの機能には、けっして及ばない事実を徹底すること。
D.社外の低料金の経営講習会・勉強会に出席させ、「事業の深化」を追求することとは別に、「事業の広さ」を追求するための視野を持たせること。
E.生活文化型商品の需要を肌で感じるために、夕刻は所定時間に退社させ、休日も十分に与え、消費者と同じ生活をさせること。
F.書面、文章、メールの効果は、物事や論点の整備確認には役立つ以上のもの、例えばアイデア、創意工夫、構想性、創造性などがないことを徹底すること。
G.着想、発想、創造、構想といったヒラメキは、議論を面と向きあって行われることを徹底すること。
H.どの分野に限らず、なるべく理論的な本を読ませて、合理的理論的に考えさせる訓練をすること。
I.「期限を決めて退社するつもりの人間」ほど、会社のことを良く勉強しているのが事実であること。
J.「打てば響く」と言うような単純思考(思い)を改善するには、「物事は時間とともに変化する」といった「X,Y,Z+Tの4次元概念」を教えること。
K.原因から結果への、いわゆる因果関係を日常的に考えさせ、文章にまとめさせること。個人が悪かったのではなく、自分で予見しなかった事または予見せず放置していた行為が悪かったことを徹底すること。
L.ずさんな言葉の使い方はさせないこと、様々な主題を一つ一つ順に扱うようにさせること。
M.仕事(契約行為)にかかわって「取り引き行為」をすることは、失敗を招く原因であることを認識させること。
N.上司がOJTを行うが、別にOJT教育担当者をおく。
ところが、大手企業では、ICT機器による効率追求、機密保持の機械的徹底、高度な労働能力水準の敬遠その他によって、OJT教育訓練面がなおざりにされている。その元凶は、東京大学大学院の中原淳教授が『経営学習論-人材育成を科学する』(2012/08/31、東大出版会)の中で調査をしているが、惨憺たる教育不足の現場である。
§実体経済が一層の深刻さを増す実態
そこでは、固有価値商品を先ずは内需の柱として、次に直接間接に多国籍展開することが柱となる。このままでは、大半の輸出製品は、採算割れの安値で輸出するしかない時代が来る。だから、まずは内需だけでも、生活文化型商品の産業化を進めることになるが、その教育の柱は次の5点である。実は内需だけでも相当景気は回復する。
イ.接客方法…親切な行為を現す、温かさを表現する。それには、客からの世間話には直ちに応じる手法である。それができてこそ、「意欲・感動・希望の3セット」である固有価値を紹介することができる。売り手からの世間話、売り手の押し付けは禁物であること。
ロ.商品知識の活用…お客の生活意欲・受容感動・将来希望の3点を同時に叶える、固有価値の商品知識を3点セットで提供すること。
ハ.提供する価値…とくに、巷の使用価値限定品(機能や数量)とは別の、どんな固有価値を提供しているのかを説明すること。
ニ.直接間接のリピート…リピートを念頭に置かず、廻り回って経済循環することを念頭に置く。それで買い手の共感も得ることができること。
ホ.具体的行為の中に、クレーム予防にとどまらず、クレームの創造的解決を、販売営業の最先端現場で行うこと。
§現在の日本企業の社是・社訓というものは
イ)今の時代になれば、昔の良いことばかりを思い出して、引っ張って来ようとする。ところが、それは創業時のものばかりであって、これから事業を継続するとか、今の時代環境に事業を合わせるといったものがない。
ロ)それは、第2次世界大戦後の米ソ対立の経済構造と、江戸から明治にかけて生き残った老舗といわれる企業が活躍した経済環境のものばかりである。
ハ)ことに、生活文化型商品を色濃く立たせる場合は、顧客と接する先頭社員は、「社是・社訓」が敬遠されるばかりである。ことに固有価値の内容を買い手と如何に共有するかが決定的ポイントなのに、「社是・社訓」が邪魔となるのである。
ニ)固有価値商品の由来・作り手の技・長きに重宝させるコツその他の、「地域と歴史のコンテクスト」を、買い手と相互理解することのプロセスが貴重となる。
ホ)これが、お客側の価格評価の基礎となり、商品価格が相場決定となる起因である。この場合はフェア取引が行われるから値崩れもしない。とにかく、より科学的な具体的な行動が、営業販売の末端にまで求められる。社是・社訓を社員が口にすれば、ほとんどの客は鳥肌が立つ! アイデンティティーが強いと、客は引く!
§仕事の教育を行うときの順序
A.これには定石がある。取扱商品や仕事の段取りが流れである。
(1)原理原則を教えること。
(2)基礎理論を教えること。
(3)歴史背景を教えること。
B.必ずこの「教育の定石3点」を示し、その内容を商品や仕事ごとに解説することが重要である。今日までの教育は、「歴史的背景」を教えなかった。すなわち、
One どういった具合で商品が開発されたか、
Two あるいは売るようになったのか、
Three 今の仕事のやり方を何故するようになったのか
といった事柄である。
C.「どうして実施・実行力が伴わないのだろう」といった疑問、すなわち教育訓練の行き届かなかった原因はここにあるのだ。
D.ではなぜ、それを教えなかったのか。その理由は、仕事や商品の売れ行きよりも旧態組織や人間関係しがらみを優先したからに尽きる。日本で資本主義が形成されて以来、その前時代の「世間体」を解消するシステムが社会に定着しなかったからである。明治以降、この「世間体」と戦って数多くの人が経済活動を発展させ教育を充実させたが、その闘いを全事業に行き渡らせる為のエネルギー消耗は多大なものがあった。そんな困難にあっても、その効果は、日々現われるものであった。
E.一昔前に大企業病といった言葉が流行したが、1977年職安法改正以後は、その大企業は仕事ができる有能な人たちを徹底してリストラしてしまった。その後は社内での教育体制は「人間関係しがらみ」を優先したものに、益々陥っているとの研究が発表されている。(前掲:東大大学院研究成果)であるから、
F.大企業の、大企業病は→心不全状態といっても過言ではない。
§監督職・技能職の教育ポイントは
今回のメルマガではその教育ポイントは省略する。監督職・技能職といった人たちは、新採用者・パート・一般職を経るなど(中途採用でも短期経験でも可能)した人たちに、次のとおりの教育をほどこして後、採用するものである。決して、監督職や管理職にふさわしい年齢に達したからとか、長年勤めているからといったものではない。
First 技術・理論を現場に落とし込み、重要者の多様性・一回性に答えられる技能の教育
Second 提言開発・企画プロセス、すなわち買手の受容動向により長くも短くも・効果的に調整できる技能の教育
Third 人材、機器材、基礎理論技術を、A及びBのために組み合わせる技能の教育
Fourth 業務の改善・改革、新商品その他は、個別事業の内外での主体的モーメント集約の結実であることを理解させる教育
例えば、日本の年功序列型賃金の基礎は、「電産型賃金」(日本初の人材確保型賃金体系)であったが、ここには年齢給ではなく経験給が用いられ、それは技術技能を積み上げるとの趣旨で組み込まれたのである。こんなことも、日本の電力産業のためにGHQと命がけで制度作った先輩のことは忘れ、電力各社では忘れ去られている。「電産型賃金」を、ちゃっかり真似した銀行や大手企業の多くは、命がけの制度であったことは知る由も無い。
§固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール
(1)ここに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なるサービスであろうが、仕事に従事する姿勢を示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動がおろそかにされていた。あげく、サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)にまで至る。すなわち、そのことが営業販売作業を極端に未熟になっていった原因である。
(2)機能や数量に目を向けた使用価値・効用価値ばかりの商品には、本来的にサービス(服務)を考慮する必要がなかった。さらに、サービスそのものが商品となって対価が発生するようになるのは近年のことである。それまでのサービスとは、生産物商品の販売完結の一手段であり、製品価格にサービスの対価が含まれることが多かった。工業文化製品にはサービス(服務)行動が存在すること自体を、多くの消費者が理解できなかった時代があった。
(3)ところが、サービスすること自体が発達することにより、経済活動が活発になったり、社会の安定が進められたり、事前に無駄が排除されたりと、その効果は見直され、今や経済効果は絶大なものになったのである。昔の、あまりにも文化が進展していなかった時代には、サービス(服務)行動の価値や重要性が分からなかったのである。
☆そもそも、サービスの行為は「文化の応用」の側面を持っていることから、その地方の文化も良くわきまえている必要がある。
☆サービスを進めている過程で使用する業界用語は技能を現している。
☆ノウハウを含め技術(社会、人文、自然の3分野の科学的裏付けを持つ)が発展するきっかけは、はじめに言葉の概念の変化から始まる。
☆さらに柔軟性があるということはパラダイム(固定概念・概念規定)の転換をすることなのである。
☆サービスの事業化には概念、シンボル、コード(方策や方法)の3段階を揃えることから始まる。
(4)だが、「サービスの事業化」が完成を待たずして、まずはこの13個のルールをサービスに取り入れるだけで、販売(収益性)は増加し始めるのである。とりわけ固有価値商品を交換する過程では、その価値を伝えるための不可欠な行為でもある。
(5)サービス(服務)行動を充実させる 13ルール
イ)自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる
ロ)スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
ハ)動作が軽快でスマートであること。それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
ニ)時間を厳守すること、時間を守らない人物は信用されない時代になった。
ホ)念には念を入れること。お客の「意欲・感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
ヘ)技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではない。
ト)案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・感動・希望」を決めつけないこと。
チ)お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
リ)受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
ヌ)依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
ル)突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
ヲ)何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
ワ)人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。
(6)ここに示した13個のルールは、「失われた10年×2回」の時期には、およそは確立されていた。ところが当時は、商品の固有価値といった概念が確立されていなかったために、残念ながらこれらルールは曖昧なものであった。しかしながら、曖昧ながらも導入した個別企業では、とても販売(収益性)向上につながっていたのである。
(7)だが当時その一方で、いわゆる「サービス産業?」として華やかに紹介されていた、スーパーマーケット、外食チェーンなどの実態といえば、「サービスレス(serviceless)」であった。すなわち、商品を選抜・運搬するサービスは客自らが行う、低価格の飲料は客自らが取りに行くといったわけで、店舗側のサービスが省かれたのである。小分けやパック詰めは商店街でも行われていたし、むしろ数量や販売量におけるサービスレスであった。さらに、ICT機器の普及で、ますます製造・提供者側の「サービスレス(serviceless)」は進行している。
(8)ところが、固有価値商品としてのサービスだけは省くことができず、その固有価値のサービス自体の全部または一部分を買い手との商品交換は継続してきたし、現在も変遷・進展が起こっているのである。それこそが、人類の文化・文化活動の変遷・進展により、売り手と買い手が相互に、「意欲・感動・希望」を託す行為であると考えられる。さらにそれは、平和平穏な人間関係にあって社会共同体が維持される状態でこそ、さらに変遷・進展することが担保されると考えられる。ちなみに、それは芸術性豊かな作品や商品が担保される要件と同じだと考えられる。
(9)13個のルールの解説は、現在、社会人大学院の教科書執筆中なので、そちらでまとめている最中なので、細かい解説は今回省略する。
2013/01/08
第129号
<コンテンツ>
・書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
・いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
・目前での恐怖は中国問題
・「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
・確実な勉強と学習が欠かせない時代
・〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
・〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
・〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
<1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
<2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
<3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
<4>サービス(服務)行動を提供するルール
※新年あけましておめでとうございます。
本年は、いよいよ激動の始まり、それは日本が世界経済の危機に振り回されてしまうからです。機能や数量に商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、どうしても巨額の金融資本の先行きに翻弄されてしまいます。近年のヒット商品、iPod、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り、その関係は売り手と買い手の創造的和解(reconciliation)ばかりです。数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあるとの商品価値は、固有価値でした。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値をセットで見いだしました。
ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん=Made in Japanは見向きもされなくなりました。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのでした。ですから、この原因を克服しさえすれば日本文化に基づく商品を再び世界は買ってくれます。
私は今年早々に「生活文化型商品の産業化」の本をまとめようと思っています。もちろん、中堅中小の個別企業向けに経営管理、商品開発、人材育成も本の中でまとめます。その価格決定論その他は、国際学会でも注目いただきましたので、あなたの企業・事業で即役立つものにします、ぜひともご期待ください。
§書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
http://www.soumubu.jp/download/index.html
をいたしました。それは日本の雇用・労働市場が、1986年以来27年ぶりに新たな段階に入るからです。世界の基準に合わせて、個別企業のビジネスモデルも変わります。とりわけ労働契約法の改正はその中心です。日本の社会制度としての終身雇用や年功序列は一挙に終結、趣味の世界で残るだけです。
ところで本当に、中堅中小企業が、世界から商品を買いに来てもらえるのか、世界市場から間接的にでも買いに来てくれるのかといった疑問があります。その答えのカギは、商品の固有価値(機能・数量にあらず)を追求する商品で、多国籍展開している企業は沢山存在する事実、今の日本でも数多くあるのです。旧態依然・従来型の経営を念頭においている限り、デフレは恐いのですが、その念頭を止めて「時代の波」に乗れば、デフレでもインフレでも個別企業の成長と豊かさは確保できるのです。(そもそもデフレでもインフレは国家財政の話)。日本国内で売れている商品、日本国内企業から出荷する高級商品は、すべてが固有価値商品です。
先ずはその、「時代の波」に乗るための、安全で便利な“サーフボード”を用意いたしました。衰退する企業には、衰退する世界観とその“サーフボード”です。あなたの会社、あなたの関与する事業では、ぜひとも安全で便利な“サーフボード”を活用いただき、個別企業の成長と豊かさを確保いただきたく存じます。
§いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
今の政府や官僚では、日本国内の経済を上向きにすることが無理である。もちろん、アメリカをはじめ世界経済に翻弄される彼等でしかない。日本経済を再建する足場固めをするよりも、うまく泳ぎ回って延命することが彼等の共通目的のようである、様々なもっともらしい理屈をつけながら。
だから焦点は、「景気回復している感じ」といった虚構を、「この一瞬だけ」作り出すことでしかない。金融緩和によって、だぶついた金融資金が商品投機に回り、土地、株式その他金融商品に回るだけである。もとより実態経済が景気回復するわけがない。真剣な経済学者の共通の意見は、実態経済の景気回復には少なくとも300兆円の資金が必要と言ってはいるが、その資金の肝心な出どころが全くない。
あるいは、いわゆる財政再建の国の借金をクライシス(金融恐慌や経済危機)に遭遇しないような安全策はある。現在金融機関の保持している国債を、高齢者の年金に転用する方法である。永久に利息を払う相続可能な国債(コンソル債という金融商品)であろうが、死亡時若しくは一定年齢償還の国債でも、その他の方法でも良い。彼らはもう既に経済学者からサゼッションを受けている。これだと、まだまだ余裕を持って国家財政危機は回避出来る。けれどこの方法では、財務省官僚、厚生労働省官僚たち共に、彼等の官僚権益を失うので反対をしているのだ。
よって、選挙の前でもあとでも、政府や官僚たちは、せいぜい「景況感」だけの経済政策を踏襲しているのである。
§目前での恐怖は中国問題
今もっとも、目前での恐怖は中国問題である。一時は、日本政府の華々しい「尖閣諸島対抗策」(公務員常駐や船着場建設)を口実にする中国人民解放軍と海上保安庁や自衛隊の衝突である。(国際的に海上保安庁のような沿岸警備隊は軍隊に扱われる)。そこで1番の問題は、その衝突を防ぐために中国政府は、中国政府の言うことを聞かない人民解放軍中部海軍の勇み足を防ごうと、その前に日本に対する経済封鎖を掛ける懸念だ。中国政府にとって、アメリカ空母ロナルド・レーガンの極東配備(3.11東北地震前の3/9にサンディエゴから出港命令)などを展開して来るアメリカ海軍との衝突を避けることが、日中経済断絶よりも優先なのだ。
数ヵ月前の反日暴動の後は今や、中国経済維持に必要な資金・技術・設備についてドイツから仕入れる段取りが完了したとのことである。中国の経済封鎖の実施手法は、過去の日本企業も経験したが、現地の資金・設備・製品の総てを中国側が没収するというものである。整理がつくまで十数万人の在留日本人はしばらく足止めを予想する必要がある。そして設備と日本人技能者は中国工場に残る。これを信じられない方は、極度の不勉強である。事実、大手企業の多くは中国からの脱出を図っており、中国に設けた不動産の持ち出しは断念したようだ。
すなわち、マスコミが流す、中国側の「日本経済必要論」といったものは事実無根なのである。特に新聞業界は宅配販売の再販価格維持制度や消費税免除の動きといった政府官僚の特別優遇、おまけに読売新聞などは財務官僚まで天下りいただいているから、中立公正(ジャーナリズムでは、そもそも意味不明なのだが)の報道要素が無くなっているのだ。
§「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
経済界の動きも「微妙?」である。経団連の会長は、「我が国は…課題山積の状況にある」とか「課題が山積し、正に危機と言える」と、口を開けば言い回っている。経済界では、ただ「民主導の経済成長の実現」といった決意ばかりが目立つ。が、やはり現在の経済界は組織維持ばかり目が向き、実際の実行力が喪失しているところにメスが入らないのだ。だから、経済界も政府も相互に、よそよそしい社交辞令ばかりが目立つと思われ、そこを官僚たちに牛耳られていると思われる。海外進出で活路を開く経済界といいたいところだが、「日本的労務管理」は海外でも通用しなくなり、単なる現地生産とコスト切り下げでの海外進出であるから、「前門のトラ」である。日本は国内経済の厚みがあるので、内需拡大での経済回復の可能性はあるが、大手企業には実行力が組織に残っていない、「後門の狼」なのである。
中国を脱出して日本企業はアジア全域にシフトしている。未だ中国にこだわるのは、しがらみ若しくは趣味の世界である。そこでインドネシアに進出すれば、今年1月からのジャカルタ州の44%最低賃金引き上げである。最低賃金ばかりではなくインドネシアはストライキの頻発、日系企業が主力である金属労連などの「72時間団体交渉」は常である。ベトナムでも最低賃金は18%アップである。インドも過激な労働組合が多い。タイは大洪水の如くインフラ整備がまだ進んでいない。ミャンマーの軍事政権は中国経済の危機を回避するために中国と手を切ったのだが、工場内秩序完成には時間がかかる。日本企業社員の文化水準が高ければ、東ヨーロッパに進出することも可能だが、現行大手企業社員に役者はいない。だから、「前門のトラ」。
国内内需拡大には、新商品の開発があらゆるところでなされることが条件である。ところが、経済界も文科省も、人材育成や教育の焦点が曖昧である、それは「厳しいこといえば嫌われるから」曖昧にしていると言わざるを得ない。新技術はさておいて、新商品のマーケットその他に関与するのは経済・経営・法学系の知識を持った労働者であるが、大手企業というものはことごとく、その大学院卒業者を雇用しない。その本音は、「有能な後輩に席を取られる」といったもの、これは確かな話なのだ。そろって人材育成政策が曖昧であることから、大企業の人材教育を研究している書籍や論文の調査を、筆者は昨年秋にかけた。その結果、おしなべてOJT教育に重点をおいていることであった。それは、社外からの教育知識や情報知識を遮断している人材教育が浮き彫りになった結果であり、社内での広範なOJT教育によって社内人間関係優先の下での教育であることが判明した。(その資料としては東大大学院の中原淳教授の“経営学習”が素晴らしい)。だから、1997年の職安法改正をきっかけにして、「従来型の仕事をできた社員」を若手低賃金社員と入れ替えることに成功したのだが、残念なことに若手低賃金社員の育成には失敗(投資しないから低賃金のまま)したのである。これが、「後門の狼」。
§確実な勉強と学習が欠かせない時代
一挙に世の中が変化しているから、確実な勉強と学習が欠かせない時代になった。便利だからと言ってWebに凝り固まっているのは危険である。Web中毒と言っても、もう今は個人の症候群ではなく、ビジネスとしてWeb勧誘されている結果とみて差し支えない。Webの出来ない人物でさえ、Web勧誘された人からの間接的誘惑で、Webビジネスのターゲットにされている。マスコミ企業自体の営業思惑やTVその他の企業宣伝に警戒する人は増えているが、Webビジネスでの警戒はまだまだ弱い。
メタンハイドレートの世界エネルギー事情の変化、最も安い化石燃料である石炭の有効活用、「売り手に地獄、買い手に極楽」のデフレ経営、中国・北朝鮮経済の危機と激変、原発核廃棄物を受け入れるロシアの経済戦略、国家経済は財政学であり家計簿ではない事実、有能と言われるサラリーマンが軽蔑される東ヨーロッパ文化、こういったものは挙げればキリがない。基本的には、表面知識ばかりをかける前に、「ボタンのかけ違い」をしているから、ほぼ無駄な人生学習をしているからだ。もっと、真の「人生勉強」が必要にも関わらず。
【1例目】
老いも若きも、サラリーマンの主婦も、子どもたちも、「短時間では出来ない勉強時間」を造ることが重要だ。とりわけ、年寄りはこの際、麻雀、カラオケ、ゴルフ、若中年もfacebok他SNS、ゲームといった、何らの生産にも寄与しない息抜きは止めるべきだ。それに代わる芸術関連に楽しさを求める方が、よほど役に立つ。美術系は「ものづくり」に大きく影響し、音楽系は「人をまとめ動かす」ことに影響する。「勘」が鋭い人は直ちに仕事や日常生活に転用する。コミュニケーションには語学も重要、東南アジア各国の現地語、インドのヒンディー語、ロシア語、東ヨーロッパの現地語である。今更、英語などのメジャーな外国語なんか勉強しないで、大マーケットや希少マーケットに乗り込む準備も、努力家には向いているかも知れない。
ただ、芸術性とは何か、それは「人々に共通して、意欲・感動・希望といった三分野をセットで提供するもの」といったような世界観・哲学を、自らで常に考えてないと、「芸術に名を借りたビジネス」を称する人たちの餌食になる。そのビジネスとは、お稽古ごと、社会に役立つ仕事、楽器販売、曲芸・芸当(パフォーマンス)といった「物で釣る」類の代物である。それは、価格が安いからと言っても同様の代物である。だけど、自らの芸術性に係る世界観・哲学を持てば、それはあらゆる勉強や学習と同様に、貴方が取捨選択して芸術性として身につけることが出来る。その試金石はなによりも、「意欲・感動・希望」の3要素を、貴方をはじめ周辺で保っているかどうかである。「売り手と買い手が利害対立」するといった場面で芸術性は論外である、そういった商品経済構造に300年余り頼ったからだ。売り手と買い手の利害が一致するビジネスには芸術性が効果的である。それは、これからの有望商品群である、固有価値商品との結びつきが強いからなのだ。
【2例目】
デフレというのは、一見(というよりも従来の思考では)商品需要がなく、失業率が上がるという経済状況、これは間違いがない。だから、商品需要は、商品の価値を、「固有価値」に転換しなければ、需要が減るばかりというわけだ。
ところが、デフレは個々人に長生きを保障する。保障するというのは、デフレ時代の生き方に転換すれば長生きすることが出来、出来ない人は早く死んでしまうことである。それは、
(ア)物価が下がるから消費財を安く買えることになり、世界の良い食べ物が買える。
(イ)売り手は、特に従来方式の業者は、借金をしてまで「一生懸命サービス」をする。
(ウ)タンス預金、金地金、非課税経済(物々交換)などで生活に潤いが出る。
(エ)激しい企業間競争のため、公序良俗に反しない限り経済規制が自然と低くなる。
(オ)社会保障が充実、生活保護、特に年金が充実。やはり票欲しさに政治家は動く。
(カ)企業間競争は、実力のある人にはチャンスが増加、新産業の発展を招く。
(キ)消費財が安く手に入るので、生き方や生活には幅が出て、バラエティー豊かになる。
さてさて、考えてみてください。経済成長だ!インフレ政策だ!と、マスコミではその手法ばかりが議論の的になっていますが、貴方や家庭を見たときに、果たしてどんな社会が、理想かはさておき、現実には良いと思いますか?
§〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
金融円滑化法は、今年の3月31日で期限が切れる。東京商工リサーチあたりは、金融円滑化法で現在倒産回避しているのは事実だと、資料を示して公言している。その他、倒産の形をとって6万社程度が破綻すると予測されている。その6万社を金融機関が破綻させる時期は、憎まれたくないから、参議院選挙後に金融庁が引き金を引く時期を待っている。ところが、2回の不渡りによる私的整理といった表に現われない事実上倒産は既に増加傾向にあり、来年4月1日からが急増することが予想されている。これが金融円滑化法の影響の真実である。金融庁は、表に現れる約6万社の対策でお茶を濁そうとしているが、これが金融業界の通念である。
金融機関は憎まれたくないから、4月1日なってから貸出企業に「経営改善計画」でもって具体的に迫る予定をしているとのことだ。その次の、金融機関の定石はこうだ。
One 小規模企業は手間が掛かるので後回し。(ことに、今までから経営改善計画を作っていない企業が多いので、手間暇かけても私的整理が増えるから後回し=金融機関の援助停止)。
Two 個々の金融機関自身には不良債権発生の引当金があり、その引き当て対象企業の選別を開始することとなる(=元本返済額や返済期間が左右される)。
Three 企業の利益低下かそれとも収益(売り上げ)低下であるのか、という風に、金融機関は兆候とともにストーリーを観る。だから、巷には「与信管理チェック表」というものがあるが、金融機関はその上の水準での情報収集(趨勢分析やストーリーを診る)を図ることになっている。
Four 金融機関は個々に準備万端、そして、参議院選挙後の金融庁が引き金を引くのを待つ…という訳だ。
だから読者の企業も、お正月・松のうちを過ぎれば、発注顧客や仕入れ先・外注先の信用取引関係を点検することが、今年に限る年頭課題である。
§〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
官僚たちの労働行政も、修復に次ぐ修復を繰り返すものだから、複雑怪奇になっている。そこで新たな疑問が個別企業に出て来るのも自然の成り行きである。そこで法律問題に限ってQ&A(それ以上は別途課題だから)。
Q1:労使協定で、61歳から65歳までの年金支給開始年齢までを、従来の労使協定の基準のままで再雇用出来るのか…との疑問
A1:順次年齢が厚生年金受給とともに変更するけれど、その労使協定は今年の3月31日までに、合法的に結ばれている必要がある。もとより法律により4月1日以降の協定には効力はない。協定当事者の、「過半数要件」であるとか、「合法的選出手続き」なども、協定効力に影響力を及ぼす。
Q2:従来の労使協定の基準は、就業規則の記載事項なのか…との疑問
A2:就業規則の記載事項ではありません。ところが現実には、「そんな労使協定」は知らないとか、「就業規則に書いてないから」関係ないといったトラブルが発生してきた。今後デフレが続き雇用不安時代を迎えるから要注意である。たとえ会社側から理路整然と説明していても、トラブルというのはそういうもので、個人加盟の労働組合との団体交渉は受けなければなりません。従って、就業規則に、3月31日までに締結した労働協約内容を記載しておくことは重要である。
Q3:「希望すれば全員を65歳まで継続雇用」といわれても、「65歳までの更新を周知」せよといわれるが、その場合、担当職務や労働条件は変更出来るのか…との疑問
A3:労働官僚は、「定年退職者の希望に沿った雇用を義務づけていない」としているが、これが中堅中小企業の実状を黙殺した、曲者の表現である。別の項で、「事業主の合理的な裁量の範囲の条件」としている。労働官僚の発表書面を裏読みすれば、制度的道理が必要、恣意的個別契約は違法、同一労働同一賃金その他を65歳まで実施せよということになる。それでも本人が同意せず本人退職となっても罪を問わないという高飛車の姿勢という訳だ。そういった前提で、二人で定員ひとりの仕事を週3日勤務で分担する場合でも「就業実態、生活の安定などを考慮」せよといっている。
Q4:労働契約法20条の社員と契約社員の「不合理な労働条件格差禁止」に関係しないか…との疑問
A4:労働条件格差は法律の禁止規定(労働契約の形成権から請求権へ)だから、すぐさま損害賠償の対象、時効は2年である。要するに「同一労働・同一賃金の原則」である。なによりも、労働契約法で、社員と期間契約などの者の区分には、明確な労働内容や責任の差を求めているのである。「そういった原則は曖昧である」と一部の法律家はタカをくくってきたが、定年前の業務をそのまま引き継いで期間雇用となったことにより労働条件が下がれば、すぐさま労働条件格差である。彼らがタカをくくっていた法律家は、一挙に方便を改めている。まるで整理解雇4要素説が消えていったように、だから顧問弁護士にはすぐさま確認を要する。すなわち、損害賠償を支払わされるのは個別企業であって弁護士ではない。
【その防止には】……
イ)配置転換その他は社員と同一基準で行うこと、
ロ)他の契約社員や社員との整合性を保ち賃金その他労働条件引き下げ
ハ)普通解雇の基準も社員と同一基準とし期間契約の独自基準は禁止
ニ)期間契約の更新と共に雇止めする場合も普通解雇基準と同一に
なお、厚生労働省は「要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン」を公表。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002pgc5.html
昨年11月29日、厚生労働省はパートタイム労働者と正社員の待遇の均等・均衡を図るためとして、それぞれの仕事の大きさを点数化して比較できると言っている。今年4月1日から、いわゆる「社員と同じ仕事」をしているのに賃金の安い、という労働条件格差が禁止となる。ただし労働契約法第20条では、つぎの理由による労働条件の差は差し支えないとした。
(A)業務の内容に合理的差異のあること
(B)業務内容の変更できる範囲に合理的差異があること
(C)業務に伴う責任に合理的差異のあること
(D)業務に責任の範囲に合理的差異のあること
(E)配置転換のできる範囲に合理的差異があること
(F)その他の事情を考慮した合理的な差異のあること
……すなわち、正規社員と非正規社員の違いがあるからには、こういった明確な仕事の差異が付いているはずだと法律は要請している。労働者の形成権から請求権へと法律の位置づけが移行している。よって、非正規労働者に、正規社員と同じように仕事をさせた場合には、賃金・労働時間・福利厚生その他で差があれば賠償させられることになった。
§〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
個別企業も国の経済も、人材の能力を如何に開発するかに掛かっている。そういった意味で、本来の人事・総務は、次世代を見通す事と援助アドバイスなど、極めて重要な役割を負っている。今年1年は激動するが、その中で活躍するための参考として、固有価値商品の事業化・産業化について、現在執筆中の書籍(早ければ3月末出版)粗原稿の一部を掲載する。
<1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
1.固有価値商品が注目されるまでの新商品開発と言えば、次のような経済学者シューペンターのポイントが定説であった。
One 新しい財貨、新しい物の発見
Two 新しい生産方式の導入
Three 新しい市場の開拓
Four 新しい原材料、半製品の発見
Five 新しい事業組織を(社内から社外にわたり)開発
これらのポイントは、素材産業、原材料生産、エネルギー産業であれば、かつ原産国などに進出・移転を繰り返し現地生産するならば、まだもう少しの期間は産業として有効ではある。ところが、10年もすれば未開の原産国へ、また10年もすれば次の未開の原産国へと移転を繰り返さざるを得ないことになり、挙げ句南極大陸や月面プラントまでとなると限りがない。資源活用や経済の豊かさからすれば非効率極まりないことになる。ここでも、現在のところはまだ採算が合うかもしれないが、こういった原材料資源を固有価値商品として商品開発するならば、移転を繰り返すことも不要となる。スーパーマーケットの業種の成功は、もっぱら「新しい事業組織の開発」として非正規労働者を大量に確保したことによるものである。これに失敗したスーパーダイエーは巨額の赤字を抱え込み経営破たんをした。
2.前項目で述べたような個別企業の事業展開では利益率が逓減する。機能や数量といった商品の使用価値とか限界価値ばかりに目を向けていれば、「より少ない財の消費」を追及する商品を多種多様に生産・販売し、結果的には安値を強いられる経済循環に陥らざるを得なかった。そして経済循環が出来なくなり、今や、「お金」がないから買えませんといった消費低迷の結末を迎えた。そこで、いわゆる「職人技」をおり交ぜて商品開発を行って来た。その結果、「職人技」との結合も含めて、商品開発は新しい段階に入った。バブル経済崩壊直後の「失われた10年」開始時期からが、日本国内経済における新しいシーズンであった。その種の新商品開発の特徴は、次に示す項目である。
(a)取扱商品を絞り込む。販売地域を絞り込む。
(b)同業他社とは変わった技術(技能ではない)を売り込む。
(c)製品の販売する際の、サービスのきめ細やかさで売り込む。
(d)同業他社、同業他店舗にはない特色を出す。
と言ったものであった。例えば、コンビニ、外食チェーンといった業種は、その種の新製品の典型である。
3.この時期の風変わりな新商品が生まれた。社会構造の変更により、「労働者派遣業」とか「業務請負業」といったその種の新商品は、女性技能職の賃金引き上げ&就業機会の増加、男女雇用機会均等法と相まって女性の社会進出が促進された。1999年の労働者派遣法改正までの間、「労働者派遣業」とか「業務請負業」の事業は、その種の商品開発に大いにあやかることになった。規制緩和の大号令のもとに、正規社員の職業紹介事業の規制緩和が1997年に行われたが、中高年労働者の中で高賃金の者を狙い撃ちにして、若年低賃金労働者と入れ替える事業であったため、その種の新商品は社会一般から支持されることは少なく、広がりは見せなかった。ただ、商品価値としては少なかったものの、アウトプレースメントであるとかヘッドハンティングと称して話題になったため、経済取引外の出向制度、希望退職制度の促進の種子になった。
4.この種の商品開発において、定型業務作業者も職人もプロフェッショナルへの転換を求められた。バブル崩壊から2008年リーマンショックに至るまでの間の、「失われた10年×2回」の時期は、新商品開発といった概念とは異なり、商品開発や販売活動の手法の転換を求められていたことになる。「労働力の発揮内容転換」は個別企業の収益(売上高)を伸ばすことになった。
(I)職人は自分の考えに基づくが、プロは客の要求を中心に考える。
(II)職人には時間効率の観念がないが、プロは絶えずすべての効率を考える。
(III)職人は売れるかどうかを気にしないが、プロは売れることをいつも考える。
(IV)定型業務作業者はサービスとは時間をかけることだと考えるが、プロは短い時間で丁寧に行う。
(V)職人も定型作業業務者も、良い物だから売れるはずだと考えているが、プロは客の要求を聴き先取りして注文を確保する。
ところが、こういった「労働力の発揮内容転換」の掛け声ばかりが強まると、現行の変質した「マーケティング」が流行し、「サービスの経済化」であるとかコンサルティング営業、挙げ句は「ソリューション」なる意味不明なものまで現れた。経営の4要素は、収益、生産、労働、効率であるが、収益は向上したが、生産・労働・効率については向上しなかった。すなわちそれは、採算割れを招来し、個別企業の長期借入金漬け、長時間労働と低賃金の増加、本来的な新商品開発の停滞をもたらした。
5.もとよりこれらは、固有価値商品を開発するといったことは念頭になかった。だから今から考えれば、次の2つの要素で破たんせざるを得なかったのである。
(1)活用すべき労働も、「労働力発揮」に限られ、人間の果たす「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働全般による商品開発ではなかった。
(2)所詮は経済的合理性とか社会(共同体)構造合理性が考慮されていなかった。
この種の商品開発が流行し始めた当初は、バブル経済崩壊で傾いた企業をしり目に、収益を向上させることができた時代であった。その種の商品開発を行わなかった個別企業とその集団は、衰退低落の一途をたどり、保有資産枯渇の切れ目で倒産・廃業するに至っている。
6.いずれにしても、その場合の職人技の概念は次のようなものである。
職人技とは、若年時から熟練を積まなければ習得できない。
職人技とは、明確にマニュアル化が不可能と判断できる作業である。
職人技は、科学技術、生産技術に優る労働である。
職人技は、標準化(マニュアル)できない作業である。
現在の労働経済学の研究において、単純労働、複雑労働、技能労働といったこれら3つの区別は、その差異も含めて解明されていない。技術労働ならば、ある程度の学術的に集積された知識その他の基に作業を進めるとの特徴を持っている区別・差異の程度は認められている。すなわち、技能労働者と技術労働者の作業手続や育成プロセスが異なっていることは知られている。その種の新商品を扱うことによって、事業組織の中での、「入社が1ヵ月でも早ければ先輩である」といった極度の年功序列型統制や年功序列型賃金は崩壊した。それは、大いに女性労働者から歓迎されたのである。
<2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
1.日本は、今日の経済破たんを迎えた。政府の金融政策は効果がない、通貨貸出準備が整っているも個別企業に貸し出すだけの新商品がないのである。既存の商品は労働力商品も含め低下の一途をたどっている、この現象をデフレと称して「不況?」と呼んでいるにすぎない。そこで、固有価値商品に目を向け、且つ世界経済や世界市場に目を向けながら、日本国内のここ60年ほどの新商品開発の教訓を踏まえ、世界的成功している新商品開発をまとめたものが次の項に示したものである。そしてこれらは、もう既に導入した個別企業において成功を繰り返しつつある。
2.固有価値商品の「ものづくり(消費財の固有価値)のイノベーション手法」
それは、中学校区単位(行政単位)、地場経済圏、地方経済圏、民族文化その他に蓄積された「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働価値に基づくところの、商品開発作業である。
(1)常に非凡な商品・製品を設計してみること。「思考の地図」といったような、別々のアイデアの結合はイノベーションの前段階である。
(2)製品の1ヵ所だけを変えて、非凡(木製自動車その他の例)にしてみる。非凡にする行為はイノベーションではない。
(3)重要な改善発見きっかけのツボは、「他社と違う、他地域と違う」ところにある。違う機能を求めることはイノベーションではない。
(4)固有価値商品の新鮮さをアピールするイベントを行う。(店先の実演販売、半製品を店先で完成するその他の意思疎通)。ビジュアル映像では商品の新鮮さが伝わらない。
(5)商品の容器や容量を変えてみる。(土地柄、一人暮しや核家族向けの数量、保存法)。買い手の、「意欲・感動・希望」を探ることになる。
(6)製品(家電、衣料、水、木製自動車、食品、住居など)の原材料成分を変えてみる。その地方特産品だからといって、それを商品原材料に使うことでの固有価値商品は生まれない。カラシ明太子、水産加工品、昆布製品などすべて労働集約商品である。
(7)顧客が前に何を買い、途中は次に何を買い、また考え直して買った品物を調べてみるといった、「その商品を買うに至る顧客の旅」をよく見る。そこから商品のストーリー(コンテクスト)を添える。それは⇒ホッ!とする効果であり、「意欲・感動・希望」をプロデュースしている。長持ち製品も丈夫さという集団ではなく、商品のストーリー(コンテクスト)で、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることとなる。また、「使い捨て商品」と名付けられる物は、メリハリを持った商品ストーリーと、「意欲・感動・希望」のプロデュースである。
(8)真実を現す色にする。「独自の色彩:それとも:ぼんやり灰色か?」といったような色決めを行う。「真実を現す」とは、買い手の頭の中にある事象であって、裁判所や研究機関といった団体や地球自然現象の中にあるものではない。
(9)買い手が、経験を集めたい、体験を集めたいといった、「意欲・感動・希望」を手に入れられるようにプロデュースされた商品。顧客の体験シリーズや旅(旅とはもとより「人生の旅」に近い概念で、決しては団体旅行パックなどではない)。加えてメソッドバッジ(技能章)といったグッズも用意するところまで徹底する。
3.商品を提供する装置の開発・転換というものは、あくまでも手段にすぎない。装置の開発は、そういった装置を製造提供する企業の固有価値商品である。量販店、小売店、飲食店、通信会社、ソーシャルネット、健康ケア、配信会社、団体旅行社が、商品を提供する装置を手を変え品を変えてみたところで、固有価値商品を提供することにはならない。あくまでも、固有価値商品の提供は、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることにある。とりわけ、手を変え品を変えて装置を提供する概念と手法から決別すれば、それに携わる人間、個別事業、社会は経済的豊かさを確保できると考えられる。
<3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
1.固有価値商品は、買い手の、「意欲・感動・希望」を満たす形態で、その価値を実現する。したがって、前時代的な「サービスの経済化」といった程度では固有価値が売り手と買い手の間に成立しない。またそれは、前時代的な「接客業務の改善・改革」といった概念をはるかに超えるものである。
2.「人をケアcareする」といった固有価値商品を完成させる(サービス業の飛躍的イノベーション)は、世界各地で成功している実例でもある。それは次の通りにまとめられる。
(a)相手の悩み解決の手助けならば、その解決方法の選択を非常にうまく導いていくこと。悩みを解決することでケアする仕事の、1番最初の作業は、その悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択することである。解決の答えを提示することは間違いであり、その仕事を相手は望んでいない。解決方法の組み合わせと解決要素の選択=相手自らが選択する行為を導くこととなる。そうすると意欲・感動・希望といった固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(b)新たに固有価値商品を楽しむことを阻んで来たあらゆる障害を、細かいところまで見つけて取り除くこと。その障害が、どこにどのような形で阻んでいるかが、買い手にも売り手にも分からないのが現実である。だから、楽しむことすら買い手には分からない。売り手は的外れにも機能や数量をアピールしがちであるが、これが大きな間違いとなっている。この間違いによる無駄な労働は極めて質量が多い。無駄な労働を重ねて、あげく疲れ果てて、仕事をこなした気分になって人も多い。障害を取り除く過程で、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(c)買い手となるクライアントの恐れる要因を、一般的多数順位から排除あるいは軽減すること。売り手には、買い手が興味を持つ段階での「恐れる要因」が全く分からない。この「恐れる要因」を外していけば、買い手が次々と試してくれることになる。だが、試そうとするきっかけは買い手にも分からない。だから、マーケッティングよりも独特のサンプルインタビューこそ重要となる。「恐れる要因」が無くなりつつあるからこそ、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(d)例えば、医者(専門家)は治療するのではなく、個別企業側が病気を直す(悪化予防・治療へ)といった方向に変えること。未開人や子どもを納得させるには、医者や魔術師の奇跡や神話が手っ取り早い。無理に奇跡や神話で納得させて病気を直そうとすれば、どんな大人も抵抗する。病気の悪化予防や治療への、固有価値商品=意欲・感動・希望であればこそ、病人の大人は価値を認め、価値の実現に協力する。
(e)買い手は自分の好みを知っている、個別企業側は「好みに合う品と使い道」を知っていると割切ること。それは、買い手が固有価値商品の意欲・感動・希望といった価値を認め、買い手も価値の実現に協力する、そしてなによりも、商品交換を完成させるのは買い手の納得だからである。
(f)相手は、「常に沢山を学びたいが、教えられるのは嫌いだ」と、割り切って接すること。学びたいとは、意欲・感動・希望の固有価値を繰り返し実感するからである。学び手の意欲(やる気)が残っていても、感動や希望が失せてしまえば「学び」に価値を見出せない。意欲だけでは消耗を招くだけであるから、機械や装置にとってかわられるのが自然である。まして、その「学び」である固有価値商品の商品交換を完成させるのは買い手の納得である。
(g)相手に知識を押し付けるのではなく、重要ポイントを一緒に発見するスタイルに徹すること。「知識を得たい」とは、学び手の頭脳の中にある真理に向けて、意欲・感動・希望を伴って知識の蓄積を重ねる行為である。真理に向けて重ねるために重要ポイントの発見作業が不可欠なのである、でなければ相手の頭脳の中に蓄積されない。蓄積されなければ生産的ではなくなるから、商品として購入される量やチャンスは逓減する。無理やり知識を押し付けようとするから経済外的な行為となり、労働に比して非効率非生産的だから経営破たんを招くのである。
(h)芸事を教える場合、相手の技能習得の焦りには、個別企業が、「ゆっくり出ても大丈夫です、手元は遅くで」と、買い手の焦りを取り除くことに集中すること。そして、ゆっくり確実に技能を説明する。ここでも技能説明に限っては、「言ってみて、やってみせて、やらせてみせて、ほめること」が大事である。意味のない複雑かつ速い動きといった曲芸は押し付けないこと。有効な芸術性は手元の複雑かつ速い動きを相手自らが発見するように働きかけること。そのことで、相手は初めて、固有価値を意欲・感動・希望を持って習得することが可能となり、その後は相手自らが固有価値を実現あるいは増殖した上で、再び芸事を伝え固有価値を盛り上げることとなる。
3.その導入手順の要領は、
イ)これらをすべてシステム化しなければ、事業が成立しない。それは個人であっても同様である。
ロ)買い手に接する作業者に教育をするから、仕事に笑顔が生まれることで取引の導入がなされる。
ハ)「人をケアcareする」ことの職種により、a)~h)の項目を選択・具体化する。
ニ)常に、a)~h)の項目を点検し直し内省(ないせい:深く自己を省みる)して開発を怠らない。
ホ)「人をケアcareする」ことをシステム化することで安価に供給、それはコストカットではない。
ヘ)すべてを一気に導入するよりも、a)~h)も各人バラバラに進める方が事業進展は速い。
ト)顧客探しは、国内外からの「お客」を集め、需要を喚起することを念頭に置く。
<4>サービス(服務)行動を提供するルール
1.つぎに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なる仕事であろうが、就業する姿勢のことを示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動おろそかにされている。サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)に至る。すなわち、それは営業販売作業が極端に未熟になっている原因である。
2.13個のルール(営業力が、極端に未熟な原因=改善教育の柱)
1.自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる。
2.スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
3.動作が軽快でスマートであること。 それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
4.時間を厳守すること。時間を守らない人物は信用されない時代になった。
5.念には念を入れること。お客の「意欲・ 感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
6.技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではないことではない。
7.案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・ 感動・希望」を決めつけないこと。
8.お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
9.受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
10.依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
11.突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
12.何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
13.人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。
・書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
・いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
・目前での恐怖は中国問題
・「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
・確実な勉強と学習が欠かせない時代
・〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
・〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
・〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
<1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
<2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
<3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
<4>サービス(服務)行動を提供するルール
※新年あけましておめでとうございます。
本年は、いよいよ激動の始まり、それは日本が世界経済の危機に振り回されてしまうからです。機能や数量に商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、どうしても巨額の金融資本の先行きに翻弄されてしまいます。近年のヒット商品、iPod、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り、その関係は売り手と買い手の創造的和解(reconciliation)ばかりです。数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあるとの商品価値は、固有価値でした。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値をセットで見いだしました。
ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん=Made in Japanは見向きもされなくなりました。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのでした。ですから、この原因を克服しさえすれば日本文化に基づく商品を再び世界は買ってくれます。
私は今年早々に「生活文化型商品の産業化」の本をまとめようと思っています。もちろん、中堅中小の個別企業向けに経営管理、商品開発、人材育成も本の中でまとめます。その価格決定論その他は、国際学会でも注目いただきましたので、あなたの企業・事業で即役立つものにします、ぜひともご期待ください。
§書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
http://www.soumubu.jp/download/index.html
をいたしました。それは日本の雇用・労働市場が、1986年以来27年ぶりに新たな段階に入るからです。世界の基準に合わせて、個別企業のビジネスモデルも変わります。とりわけ労働契約法の改正はその中心です。日本の社会制度としての終身雇用や年功序列は一挙に終結、趣味の世界で残るだけです。
ところで本当に、中堅中小企業が、世界から商品を買いに来てもらえるのか、世界市場から間接的にでも買いに来てくれるのかといった疑問があります。その答えのカギは、商品の固有価値(機能・数量にあらず)を追求する商品で、多国籍展開している企業は沢山存在する事実、今の日本でも数多くあるのです。旧態依然・従来型の経営を念頭においている限り、デフレは恐いのですが、その念頭を止めて「時代の波」に乗れば、デフレでもインフレでも個別企業の成長と豊かさは確保できるのです。(そもそもデフレでもインフレは国家財政の話)。日本国内で売れている商品、日本国内企業から出荷する高級商品は、すべてが固有価値商品です。
先ずはその、「時代の波」に乗るための、安全で便利な“サーフボード”を用意いたしました。衰退する企業には、衰退する世界観とその“サーフボード”です。あなたの会社、あなたの関与する事業では、ぜひとも安全で便利な“サーフボード”を活用いただき、個別企業の成長と豊かさを確保いただきたく存じます。
§いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
今の政府や官僚では、日本国内の経済を上向きにすることが無理である。もちろん、アメリカをはじめ世界経済に翻弄される彼等でしかない。日本経済を再建する足場固めをするよりも、うまく泳ぎ回って延命することが彼等の共通目的のようである、様々なもっともらしい理屈をつけながら。
だから焦点は、「景気回復している感じ」といった虚構を、「この一瞬だけ」作り出すことでしかない。金融緩和によって、だぶついた金融資金が商品投機に回り、土地、株式その他金融商品に回るだけである。もとより実態経済が景気回復するわけがない。真剣な経済学者の共通の意見は、実態経済の景気回復には少なくとも300兆円の資金が必要と言ってはいるが、その資金の肝心な出どころが全くない。
あるいは、いわゆる財政再建の国の借金をクライシス(金融恐慌や経済危機)に遭遇しないような安全策はある。現在金融機関の保持している国債を、高齢者の年金に転用する方法である。永久に利息を払う相続可能な国債(コンソル債という金融商品)であろうが、死亡時若しくは一定年齢償還の国債でも、その他の方法でも良い。彼らはもう既に経済学者からサゼッションを受けている。これだと、まだまだ余裕を持って国家財政危機は回避出来る。けれどこの方法では、財務省官僚、厚生労働省官僚たち共に、彼等の官僚権益を失うので反対をしているのだ。
よって、選挙の前でもあとでも、政府や官僚たちは、せいぜい「景況感」だけの経済政策を踏襲しているのである。
§目前での恐怖は中国問題
今もっとも、目前での恐怖は中国問題である。一時は、日本政府の華々しい「尖閣諸島対抗策」(公務員常駐や船着場建設)を口実にする中国人民解放軍と海上保安庁や自衛隊の衝突である。(国際的に海上保安庁のような沿岸警備隊は軍隊に扱われる)。そこで1番の問題は、その衝突を防ぐために中国政府は、中国政府の言うことを聞かない人民解放軍中部海軍の勇み足を防ごうと、その前に日本に対する経済封鎖を掛ける懸念だ。中国政府にとって、アメリカ空母ロナルド・レーガンの極東配備(3.11東北地震前の3/9にサンディエゴから出港命令)などを展開して来るアメリカ海軍との衝突を避けることが、日中経済断絶よりも優先なのだ。
数ヵ月前の反日暴動の後は今や、中国経済維持に必要な資金・技術・設備についてドイツから仕入れる段取りが完了したとのことである。中国の経済封鎖の実施手法は、過去の日本企業も経験したが、現地の資金・設備・製品の総てを中国側が没収するというものである。整理がつくまで十数万人の在留日本人はしばらく足止めを予想する必要がある。そして設備と日本人技能者は中国工場に残る。これを信じられない方は、極度の不勉強である。事実、大手企業の多くは中国からの脱出を図っており、中国に設けた不動産の持ち出しは断念したようだ。
すなわち、マスコミが流す、中国側の「日本経済必要論」といったものは事実無根なのである。特に新聞業界は宅配販売の再販価格維持制度や消費税免除の動きといった政府官僚の特別優遇、おまけに読売新聞などは財務官僚まで天下りいただいているから、中立公正(ジャーナリズムでは、そもそも意味不明なのだが)の報道要素が無くなっているのだ。
§「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
経済界の動きも「微妙?」である。経団連の会長は、「我が国は…課題山積の状況にある」とか「課題が山積し、正に危機と言える」と、口を開けば言い回っている。経済界では、ただ「民主導の経済成長の実現」といった決意ばかりが目立つ。が、やはり現在の経済界は組織維持ばかり目が向き、実際の実行力が喪失しているところにメスが入らないのだ。だから、経済界も政府も相互に、よそよそしい社交辞令ばかりが目立つと思われ、そこを官僚たちに牛耳られていると思われる。海外進出で活路を開く経済界といいたいところだが、「日本的労務管理」は海外でも通用しなくなり、単なる現地生産とコスト切り下げでの海外進出であるから、「前門のトラ」である。日本は国内経済の厚みがあるので、内需拡大での経済回復の可能性はあるが、大手企業には実行力が組織に残っていない、「後門の狼」なのである。
中国を脱出して日本企業はアジア全域にシフトしている。未だ中国にこだわるのは、しがらみ若しくは趣味の世界である。そこでインドネシアに進出すれば、今年1月からのジャカルタ州の44%最低賃金引き上げである。最低賃金ばかりではなくインドネシアはストライキの頻発、日系企業が主力である金属労連などの「72時間団体交渉」は常である。ベトナムでも最低賃金は18%アップである。インドも過激な労働組合が多い。タイは大洪水の如くインフラ整備がまだ進んでいない。ミャンマーの軍事政権は中国経済の危機を回避するために中国と手を切ったのだが、工場内秩序完成には時間がかかる。日本企業社員の文化水準が高ければ、東ヨーロッパに進出することも可能だが、現行大手企業社員に役者はいない。だから、「前門のトラ」。
国内内需拡大には、新商品の開発があらゆるところでなされることが条件である。ところが、経済界も文科省も、人材育成や教育の焦点が曖昧である、それは「厳しいこといえば嫌われるから」曖昧にしていると言わざるを得ない。新技術はさておいて、新商品のマーケットその他に関与するのは経済・経営・法学系の知識を持った労働者であるが、大手企業というものはことごとく、その大学院卒業者を雇用しない。その本音は、「有能な後輩に席を取られる」といったもの、これは確かな話なのだ。そろって人材育成政策が曖昧であることから、大企業の人材教育を研究している書籍や論文の調査を、筆者は昨年秋にかけた。その結果、おしなべてOJT教育に重点をおいていることであった。それは、社外からの教育知識や情報知識を遮断している人材教育が浮き彫りになった結果であり、社内での広範なOJT教育によって社内人間関係優先の下での教育であることが判明した。(その資料としては東大大学院の中原淳教授の“経営学習”が素晴らしい)。だから、1997年の職安法改正をきっかけにして、「従来型の仕事をできた社員」を若手低賃金社員と入れ替えることに成功したのだが、残念なことに若手低賃金社員の育成には失敗(投資しないから低賃金のまま)したのである。これが、「後門の狼」。
§確実な勉強と学習が欠かせない時代
一挙に世の中が変化しているから、確実な勉強と学習が欠かせない時代になった。便利だからと言ってWebに凝り固まっているのは危険である。Web中毒と言っても、もう今は個人の症候群ではなく、ビジネスとしてWeb勧誘されている結果とみて差し支えない。Webの出来ない人物でさえ、Web勧誘された人からの間接的誘惑で、Webビジネスのターゲットにされている。マスコミ企業自体の営業思惑やTVその他の企業宣伝に警戒する人は増えているが、Webビジネスでの警戒はまだまだ弱い。
メタンハイドレートの世界エネルギー事情の変化、最も安い化石燃料である石炭の有効活用、「売り手に地獄、買い手に極楽」のデフレ経営、中国・北朝鮮経済の危機と激変、原発核廃棄物を受け入れるロシアの経済戦略、国家経済は財政学であり家計簿ではない事実、有能と言われるサラリーマンが軽蔑される東ヨーロッパ文化、こういったものは挙げればキリがない。基本的には、表面知識ばかりをかける前に、「ボタンのかけ違い」をしているから、ほぼ無駄な人生学習をしているからだ。もっと、真の「人生勉強」が必要にも関わらず。
【1例目】
老いも若きも、サラリーマンの主婦も、子どもたちも、「短時間では出来ない勉強時間」を造ることが重要だ。とりわけ、年寄りはこの際、麻雀、カラオケ、ゴルフ、若中年もfacebok他SNS、ゲームといった、何らの生産にも寄与しない息抜きは止めるべきだ。それに代わる芸術関連に楽しさを求める方が、よほど役に立つ。美術系は「ものづくり」に大きく影響し、音楽系は「人をまとめ動かす」ことに影響する。「勘」が鋭い人は直ちに仕事や日常生活に転用する。コミュニケーションには語学も重要、東南アジア各国の現地語、インドのヒンディー語、ロシア語、東ヨーロッパの現地語である。今更、英語などのメジャーな外国語なんか勉強しないで、大マーケットや希少マーケットに乗り込む準備も、努力家には向いているかも知れない。
ただ、芸術性とは何か、それは「人々に共通して、意欲・感動・希望といった三分野をセットで提供するもの」といったような世界観・哲学を、自らで常に考えてないと、「芸術に名を借りたビジネス」を称する人たちの餌食になる。そのビジネスとは、お稽古ごと、社会に役立つ仕事、楽器販売、曲芸・芸当(パフォーマンス)といった「物で釣る」類の代物である。それは、価格が安いからと言っても同様の代物である。だけど、自らの芸術性に係る世界観・哲学を持てば、それはあらゆる勉強や学習と同様に、貴方が取捨選択して芸術性として身につけることが出来る。その試金石はなによりも、「意欲・感動・希望」の3要素を、貴方をはじめ周辺で保っているかどうかである。「売り手と買い手が利害対立」するといった場面で芸術性は論外である、そういった商品経済構造に300年余り頼ったからだ。売り手と買い手の利害が一致するビジネスには芸術性が効果的である。それは、これからの有望商品群である、固有価値商品との結びつきが強いからなのだ。
【2例目】
デフレというのは、一見(というよりも従来の思考では)商品需要がなく、失業率が上がるという経済状況、これは間違いがない。だから、商品需要は、商品の価値を、「固有価値」に転換しなければ、需要が減るばかりというわけだ。
ところが、デフレは個々人に長生きを保障する。保障するというのは、デフレ時代の生き方に転換すれば長生きすることが出来、出来ない人は早く死んでしまうことである。それは、
(ア)物価が下がるから消費財を安く買えることになり、世界の良い食べ物が買える。
(イ)売り手は、特に従来方式の業者は、借金をしてまで「一生懸命サービス」をする。
(ウ)タンス預金、金地金、非課税経済(物々交換)などで生活に潤いが出る。
(エ)激しい企業間競争のため、公序良俗に反しない限り経済規制が自然と低くなる。
(オ)社会保障が充実、生活保護、特に年金が充実。やはり票欲しさに政治家は動く。
(カ)企業間競争は、実力のある人にはチャンスが増加、新産業の発展を招く。
(キ)消費財が安く手に入るので、生き方や生活には幅が出て、バラエティー豊かになる。
さてさて、考えてみてください。経済成長だ!インフレ政策だ!と、マスコミではその手法ばかりが議論の的になっていますが、貴方や家庭を見たときに、果たしてどんな社会が、理想かはさておき、現実には良いと思いますか?
§〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
金融円滑化法は、今年の3月31日で期限が切れる。東京商工リサーチあたりは、金融円滑化法で現在倒産回避しているのは事実だと、資料を示して公言している。その他、倒産の形をとって6万社程度が破綻すると予測されている。その6万社を金融機関が破綻させる時期は、憎まれたくないから、参議院選挙後に金融庁が引き金を引く時期を待っている。ところが、2回の不渡りによる私的整理といった表に現われない事実上倒産は既に増加傾向にあり、来年4月1日からが急増することが予想されている。これが金融円滑化法の影響の真実である。金融庁は、表に現れる約6万社の対策でお茶を濁そうとしているが、これが金融業界の通念である。
金融機関は憎まれたくないから、4月1日なってから貸出企業に「経営改善計画」でもって具体的に迫る予定をしているとのことだ。その次の、金融機関の定石はこうだ。
One 小規模企業は手間が掛かるので後回し。(ことに、今までから経営改善計画を作っていない企業が多いので、手間暇かけても私的整理が増えるから後回し=金融機関の援助停止)。
Two 個々の金融機関自身には不良債権発生の引当金があり、その引き当て対象企業の選別を開始することとなる(=元本返済額や返済期間が左右される)。
Three 企業の利益低下かそれとも収益(売り上げ)低下であるのか、という風に、金融機関は兆候とともにストーリーを観る。だから、巷には「与信管理チェック表」というものがあるが、金融機関はその上の水準での情報収集(趨勢分析やストーリーを診る)を図ることになっている。
Four 金融機関は個々に準備万端、そして、参議院選挙後の金融庁が引き金を引くのを待つ…という訳だ。
だから読者の企業も、お正月・松のうちを過ぎれば、発注顧客や仕入れ先・外注先の信用取引関係を点検することが、今年に限る年頭課題である。
§〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
官僚たちの労働行政も、修復に次ぐ修復を繰り返すものだから、複雑怪奇になっている。そこで新たな疑問が個別企業に出て来るのも自然の成り行きである。そこで法律問題に限ってQ&A(それ以上は別途課題だから)。
Q1:労使協定で、61歳から65歳までの年金支給開始年齢までを、従来の労使協定の基準のままで再雇用出来るのか…との疑問
A1:順次年齢が厚生年金受給とともに変更するけれど、その労使協定は今年の3月31日までに、合法的に結ばれている必要がある。もとより法律により4月1日以降の協定には効力はない。協定当事者の、「過半数要件」であるとか、「合法的選出手続き」なども、協定効力に影響力を及ぼす。
Q2:従来の労使協定の基準は、就業規則の記載事項なのか…との疑問
A2:就業規則の記載事項ではありません。ところが現実には、「そんな労使協定」は知らないとか、「就業規則に書いてないから」関係ないといったトラブルが発生してきた。今後デフレが続き雇用不安時代を迎えるから要注意である。たとえ会社側から理路整然と説明していても、トラブルというのはそういうもので、個人加盟の労働組合との団体交渉は受けなければなりません。従って、就業規則に、3月31日までに締結した労働協約内容を記載しておくことは重要である。
Q3:「希望すれば全員を65歳まで継続雇用」といわれても、「65歳までの更新を周知」せよといわれるが、その場合、担当職務や労働条件は変更出来るのか…との疑問
A3:労働官僚は、「定年退職者の希望に沿った雇用を義務づけていない」としているが、これが中堅中小企業の実状を黙殺した、曲者の表現である。別の項で、「事業主の合理的な裁量の範囲の条件」としている。労働官僚の発表書面を裏読みすれば、制度的道理が必要、恣意的個別契約は違法、同一労働同一賃金その他を65歳まで実施せよということになる。それでも本人が同意せず本人退職となっても罪を問わないという高飛車の姿勢という訳だ。そういった前提で、二人で定員ひとりの仕事を週3日勤務で分担する場合でも「就業実態、生活の安定などを考慮」せよといっている。
Q4:労働契約法20条の社員と契約社員の「不合理な労働条件格差禁止」に関係しないか…との疑問
A4:労働条件格差は法律の禁止規定(労働契約の形成権から請求権へ)だから、すぐさま損害賠償の対象、時効は2年である。要するに「同一労働・同一賃金の原則」である。なによりも、労働契約法で、社員と期間契約などの者の区分には、明確な労働内容や責任の差を求めているのである。「そういった原則は曖昧である」と一部の法律家はタカをくくってきたが、定年前の業務をそのまま引き継いで期間雇用となったことにより労働条件が下がれば、すぐさま労働条件格差である。彼らがタカをくくっていた法律家は、一挙に方便を改めている。まるで整理解雇4要素説が消えていったように、だから顧問弁護士にはすぐさま確認を要する。すなわち、損害賠償を支払わされるのは個別企業であって弁護士ではない。
【その防止には】……
イ)配置転換その他は社員と同一基準で行うこと、
ロ)他の契約社員や社員との整合性を保ち賃金その他労働条件引き下げ
ハ)普通解雇の基準も社員と同一基準とし期間契約の独自基準は禁止
ニ)期間契約の更新と共に雇止めする場合も普通解雇基準と同一に
なお、厚生労働省は「要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン」を公表。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002pgc5.html
昨年11月29日、厚生労働省はパートタイム労働者と正社員の待遇の均等・均衡を図るためとして、それぞれの仕事の大きさを点数化して比較できると言っている。今年4月1日から、いわゆる「社員と同じ仕事」をしているのに賃金の安い、という労働条件格差が禁止となる。ただし労働契約法第20条では、つぎの理由による労働条件の差は差し支えないとした。
(A)業務の内容に合理的差異のあること
(B)業務内容の変更できる範囲に合理的差異があること
(C)業務に伴う責任に合理的差異のあること
(D)業務に責任の範囲に合理的差異のあること
(E)配置転換のできる範囲に合理的差異があること
(F)その他の事情を考慮した合理的な差異のあること
……すなわち、正規社員と非正規社員の違いがあるからには、こういった明確な仕事の差異が付いているはずだと法律は要請している。労働者の形成権から請求権へと法律の位置づけが移行している。よって、非正規労働者に、正規社員と同じように仕事をさせた場合には、賃金・労働時間・福利厚生その他で差があれば賠償させられることになった。
§〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
個別企業も国の経済も、人材の能力を如何に開発するかに掛かっている。そういった意味で、本来の人事・総務は、次世代を見通す事と援助アドバイスなど、極めて重要な役割を負っている。今年1年は激動するが、その中で活躍するための参考として、固有価値商品の事業化・産業化について、現在執筆中の書籍(早ければ3月末出版)粗原稿の一部を掲載する。
<1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
1.固有価値商品が注目されるまでの新商品開発と言えば、次のような経済学者シューペンターのポイントが定説であった。
One 新しい財貨、新しい物の発見
Two 新しい生産方式の導入
Three 新しい市場の開拓
Four 新しい原材料、半製品の発見
Five 新しい事業組織を(社内から社外にわたり)開発
これらのポイントは、素材産業、原材料生産、エネルギー産業であれば、かつ原産国などに進出・移転を繰り返し現地生産するならば、まだもう少しの期間は産業として有効ではある。ところが、10年もすれば未開の原産国へ、また10年もすれば次の未開の原産国へと移転を繰り返さざるを得ないことになり、挙げ句南極大陸や月面プラントまでとなると限りがない。資源活用や経済の豊かさからすれば非効率極まりないことになる。ここでも、現在のところはまだ採算が合うかもしれないが、こういった原材料資源を固有価値商品として商品開発するならば、移転を繰り返すことも不要となる。スーパーマーケットの業種の成功は、もっぱら「新しい事業組織の開発」として非正規労働者を大量に確保したことによるものである。これに失敗したスーパーダイエーは巨額の赤字を抱え込み経営破たんをした。
2.前項目で述べたような個別企業の事業展開では利益率が逓減する。機能や数量といった商品の使用価値とか限界価値ばかりに目を向けていれば、「より少ない財の消費」を追及する商品を多種多様に生産・販売し、結果的には安値を強いられる経済循環に陥らざるを得なかった。そして経済循環が出来なくなり、今や、「お金」がないから買えませんといった消費低迷の結末を迎えた。そこで、いわゆる「職人技」をおり交ぜて商品開発を行って来た。その結果、「職人技」との結合も含めて、商品開発は新しい段階に入った。バブル経済崩壊直後の「失われた10年」開始時期からが、日本国内経済における新しいシーズンであった。その種の新商品開発の特徴は、次に示す項目である。
(a)取扱商品を絞り込む。販売地域を絞り込む。
(b)同業他社とは変わった技術(技能ではない)を売り込む。
(c)製品の販売する際の、サービスのきめ細やかさで売り込む。
(d)同業他社、同業他店舗にはない特色を出す。
と言ったものであった。例えば、コンビニ、外食チェーンといった業種は、その種の新製品の典型である。
3.この時期の風変わりな新商品が生まれた。社会構造の変更により、「労働者派遣業」とか「業務請負業」といったその種の新商品は、女性技能職の賃金引き上げ&就業機会の増加、男女雇用機会均等法と相まって女性の社会進出が促進された。1999年の労働者派遣法改正までの間、「労働者派遣業」とか「業務請負業」の事業は、その種の商品開発に大いにあやかることになった。規制緩和の大号令のもとに、正規社員の職業紹介事業の規制緩和が1997年に行われたが、中高年労働者の中で高賃金の者を狙い撃ちにして、若年低賃金労働者と入れ替える事業であったため、その種の新商品は社会一般から支持されることは少なく、広がりは見せなかった。ただ、商品価値としては少なかったものの、アウトプレースメントであるとかヘッドハンティングと称して話題になったため、経済取引外の出向制度、希望退職制度の促進の種子になった。
4.この種の商品開発において、定型業務作業者も職人もプロフェッショナルへの転換を求められた。バブル崩壊から2008年リーマンショックに至るまでの間の、「失われた10年×2回」の時期は、新商品開発といった概念とは異なり、商品開発や販売活動の手法の転換を求められていたことになる。「労働力の発揮内容転換」は個別企業の収益(売上高)を伸ばすことになった。
(I)職人は自分の考えに基づくが、プロは客の要求を中心に考える。
(II)職人には時間効率の観念がないが、プロは絶えずすべての効率を考える。
(III)職人は売れるかどうかを気にしないが、プロは売れることをいつも考える。
(IV)定型業務作業者はサービスとは時間をかけることだと考えるが、プロは短い時間で丁寧に行う。
(V)職人も定型作業業務者も、良い物だから売れるはずだと考えているが、プロは客の要求を聴き先取りして注文を確保する。
ところが、こういった「労働力の発揮内容転換」の掛け声ばかりが強まると、現行の変質した「マーケティング」が流行し、「サービスの経済化」であるとかコンサルティング営業、挙げ句は「ソリューション」なる意味不明なものまで現れた。経営の4要素は、収益、生産、労働、効率であるが、収益は向上したが、生産・労働・効率については向上しなかった。すなわちそれは、採算割れを招来し、個別企業の長期借入金漬け、長時間労働と低賃金の増加、本来的な新商品開発の停滞をもたらした。
5.もとよりこれらは、固有価値商品を開発するといったことは念頭になかった。だから今から考えれば、次の2つの要素で破たんせざるを得なかったのである。
(1)活用すべき労働も、「労働力発揮」に限られ、人間の果たす「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働全般による商品開発ではなかった。
(2)所詮は経済的合理性とか社会(共同体)構造合理性が考慮されていなかった。
この種の商品開発が流行し始めた当初は、バブル経済崩壊で傾いた企業をしり目に、収益を向上させることができた時代であった。その種の商品開発を行わなかった個別企業とその集団は、衰退低落の一途をたどり、保有資産枯渇の切れ目で倒産・廃業するに至っている。
6.いずれにしても、その場合の職人技の概念は次のようなものである。
職人技とは、若年時から熟練を積まなければ習得できない。
職人技とは、明確にマニュアル化が不可能と判断できる作業である。
職人技は、科学技術、生産技術に優る労働である。
職人技は、標準化(マニュアル)できない作業である。
現在の労働経済学の研究において、単純労働、複雑労働、技能労働といったこれら3つの区別は、その差異も含めて解明されていない。技術労働ならば、ある程度の学術的に集積された知識その他の基に作業を進めるとの特徴を持っている区別・差異の程度は認められている。すなわち、技能労働者と技術労働者の作業手続や育成プロセスが異なっていることは知られている。その種の新商品を扱うことによって、事業組織の中での、「入社が1ヵ月でも早ければ先輩である」といった極度の年功序列型統制や年功序列型賃金は崩壊した。それは、大いに女性労働者から歓迎されたのである。
<2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
1.日本は、今日の経済破たんを迎えた。政府の金融政策は効果がない、通貨貸出準備が整っているも個別企業に貸し出すだけの新商品がないのである。既存の商品は労働力商品も含め低下の一途をたどっている、この現象をデフレと称して「不況?」と呼んでいるにすぎない。そこで、固有価値商品に目を向け、且つ世界経済や世界市場に目を向けながら、日本国内のここ60年ほどの新商品開発の教訓を踏まえ、世界的成功している新商品開発をまとめたものが次の項に示したものである。そしてこれらは、もう既に導入した個別企業において成功を繰り返しつつある。
2.固有価値商品の「ものづくり(消費財の固有価値)のイノベーション手法」
それは、中学校区単位(行政単位)、地場経済圏、地方経済圏、民族文化その他に蓄積された「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働価値に基づくところの、商品開発作業である。
(1)常に非凡な商品・製品を設計してみること。「思考の地図」といったような、別々のアイデアの結合はイノベーションの前段階である。
(2)製品の1ヵ所だけを変えて、非凡(木製自動車その他の例)にしてみる。非凡にする行為はイノベーションではない。
(3)重要な改善発見きっかけのツボは、「他社と違う、他地域と違う」ところにある。違う機能を求めることはイノベーションではない。
(4)固有価値商品の新鮮さをアピールするイベントを行う。(店先の実演販売、半製品を店先で完成するその他の意思疎通)。ビジュアル映像では商品の新鮮さが伝わらない。
(5)商品の容器や容量を変えてみる。(土地柄、一人暮しや核家族向けの数量、保存法)。買い手の、「意欲・感動・希望」を探ることになる。
(6)製品(家電、衣料、水、木製自動車、食品、住居など)の原材料成分を変えてみる。その地方特産品だからといって、それを商品原材料に使うことでの固有価値商品は生まれない。カラシ明太子、水産加工品、昆布製品などすべて労働集約商品である。
(7)顧客が前に何を買い、途中は次に何を買い、また考え直して買った品物を調べてみるといった、「その商品を買うに至る顧客の旅」をよく見る。そこから商品のストーリー(コンテクスト)を添える。それは⇒ホッ!とする効果であり、「意欲・感動・希望」をプロデュースしている。長持ち製品も丈夫さという集団ではなく、商品のストーリー(コンテクスト)で、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることとなる。また、「使い捨て商品」と名付けられる物は、メリハリを持った商品ストーリーと、「意欲・感動・希望」のプロデュースである。
(8)真実を現す色にする。「独自の色彩:それとも:ぼんやり灰色か?」といったような色決めを行う。「真実を現す」とは、買い手の頭の中にある事象であって、裁判所や研究機関といった団体や地球自然現象の中にあるものではない。
(9)買い手が、経験を集めたい、体験を集めたいといった、「意欲・感動・希望」を手に入れられるようにプロデュースされた商品。顧客の体験シリーズや旅(旅とはもとより「人生の旅」に近い概念で、決しては団体旅行パックなどではない)。加えてメソッドバッジ(技能章)といったグッズも用意するところまで徹底する。
3.商品を提供する装置の開発・転換というものは、あくまでも手段にすぎない。装置の開発は、そういった装置を製造提供する企業の固有価値商品である。量販店、小売店、飲食店、通信会社、ソーシャルネット、健康ケア、配信会社、団体旅行社が、商品を提供する装置を手を変え品を変えてみたところで、固有価値商品を提供することにはならない。あくまでも、固有価値商品の提供は、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることにある。とりわけ、手を変え品を変えて装置を提供する概念と手法から決別すれば、それに携わる人間、個別事業、社会は経済的豊かさを確保できると考えられる。
<3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
1.固有価値商品は、買い手の、「意欲・感動・希望」を満たす形態で、その価値を実現する。したがって、前時代的な「サービスの経済化」といった程度では固有価値が売り手と買い手の間に成立しない。またそれは、前時代的な「接客業務の改善・改革」といった概念をはるかに超えるものである。
2.「人をケアcareする」といった固有価値商品を完成させる(サービス業の飛躍的イノベーション)は、世界各地で成功している実例でもある。それは次の通りにまとめられる。
(a)相手の悩み解決の手助けならば、その解決方法の選択を非常にうまく導いていくこと。悩みを解決することでケアする仕事の、1番最初の作業は、その悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択することである。解決の答えを提示することは間違いであり、その仕事を相手は望んでいない。解決方法の組み合わせと解決要素の選択=相手自らが選択する行為を導くこととなる。そうすると意欲・感動・希望といった固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(b)新たに固有価値商品を楽しむことを阻んで来たあらゆる障害を、細かいところまで見つけて取り除くこと。その障害が、どこにどのような形で阻んでいるかが、買い手にも売り手にも分からないのが現実である。だから、楽しむことすら買い手には分からない。売り手は的外れにも機能や数量をアピールしがちであるが、これが大きな間違いとなっている。この間違いによる無駄な労働は極めて質量が多い。無駄な労働を重ねて、あげく疲れ果てて、仕事をこなした気分になって人も多い。障害を取り除く過程で、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(c)買い手となるクライアントの恐れる要因を、一般的多数順位から排除あるいは軽減すること。売り手には、買い手が興味を持つ段階での「恐れる要因」が全く分からない。この「恐れる要因」を外していけば、買い手が次々と試してくれることになる。だが、試そうとするきっかけは買い手にも分からない。だから、マーケッティングよりも独特のサンプルインタビューこそ重要となる。「恐れる要因」が無くなりつつあるからこそ、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(d)例えば、医者(専門家)は治療するのではなく、個別企業側が病気を直す(悪化予防・治療へ)といった方向に変えること。未開人や子どもを納得させるには、医者や魔術師の奇跡や神話が手っ取り早い。無理に奇跡や神話で納得させて病気を直そうとすれば、どんな大人も抵抗する。病気の悪化予防や治療への、固有価値商品=意欲・感動・希望であればこそ、病人の大人は価値を認め、価値の実現に協力する。
(e)買い手は自分の好みを知っている、個別企業側は「好みに合う品と使い道」を知っていると割切ること。それは、買い手が固有価値商品の意欲・感動・希望といった価値を認め、買い手も価値の実現に協力する、そしてなによりも、商品交換を完成させるのは買い手の納得だからである。
(f)相手は、「常に沢山を学びたいが、教えられるのは嫌いだ」と、割り切って接すること。学びたいとは、意欲・感動・希望の固有価値を繰り返し実感するからである。学び手の意欲(やる気)が残っていても、感動や希望が失せてしまえば「学び」に価値を見出せない。意欲だけでは消耗を招くだけであるから、機械や装置にとってかわられるのが自然である。まして、その「学び」である固有価値商品の商品交換を完成させるのは買い手の納得である。
(g)相手に知識を押し付けるのではなく、重要ポイントを一緒に発見するスタイルに徹すること。「知識を得たい」とは、学び手の頭脳の中にある真理に向けて、意欲・感動・希望を伴って知識の蓄積を重ねる行為である。真理に向けて重ねるために重要ポイントの発見作業が不可欠なのである、でなければ相手の頭脳の中に蓄積されない。蓄積されなければ生産的ではなくなるから、商品として購入される量やチャンスは逓減する。無理やり知識を押し付けようとするから経済外的な行為となり、労働に比して非効率非生産的だから経営破たんを招くのである。
(h)芸事を教える場合、相手の技能習得の焦りには、個別企業が、「ゆっくり出ても大丈夫です、手元は遅くで」と、買い手の焦りを取り除くことに集中すること。そして、ゆっくり確実に技能を説明する。ここでも技能説明に限っては、「言ってみて、やってみせて、やらせてみせて、ほめること」が大事である。意味のない複雑かつ速い動きといった曲芸は押し付けないこと。有効な芸術性は手元の複雑かつ速い動きを相手自らが発見するように働きかけること。そのことで、相手は初めて、固有価値を意欲・感動・希望を持って習得することが可能となり、その後は相手自らが固有価値を実現あるいは増殖した上で、再び芸事を伝え固有価値を盛り上げることとなる。
3.その導入手順の要領は、
イ)これらをすべてシステム化しなければ、事業が成立しない。それは個人であっても同様である。
ロ)買い手に接する作業者に教育をするから、仕事に笑顔が生まれることで取引の導入がなされる。
ハ)「人をケアcareする」ことの職種により、a)~h)の項目を選択・具体化する。
ニ)常に、a)~h)の項目を点検し直し内省(ないせい:深く自己を省みる)して開発を怠らない。
ホ)「人をケアcareする」ことをシステム化することで安価に供給、それはコストカットではない。
ヘ)すべてを一気に導入するよりも、a)~h)も各人バラバラに進める方が事業進展は速い。
ト)顧客探しは、国内外からの「お客」を集め、需要を喚起することを念頭に置く。
<4>サービス(服務)行動を提供するルール
1.つぎに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なる仕事であろうが、就業する姿勢のことを示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動おろそかにされている。サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)に至る。すなわち、それは営業販売作業が極端に未熟になっている原因である。
2.13個のルール(営業力が、極端に未熟な原因=改善教育の柱)
1.自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる。
2.スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
3.動作が軽快でスマートであること。 それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
4.時間を厳守すること。時間を守らない人物は信用されない時代になった。
5.念には念を入れること。お客の「意欲・ 感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
6.技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではないことではない。
7.案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・ 感動・希望」を決めつけないこと。
8.お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
9.受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
10.依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
11.突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
12.何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
13.人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。
2012/12/04
第128号
<コンテンツ>
・インフレでもデフレでも、景気は回復しない。
・個別企業の組織崩壊、その人事的兆候とは
・今年から、仕事の劣化が顕著な様相を!
・職業能力&人材育成の方向転換、時は急ぐ!
・巷の経済学では解明出来ない経済の話
・4月1日、労働法改正にまつわる質疑
・期間契約は、「5年を超えて更新しない」といった記載の効力?
・5年以内なら、本人さえ納得すれば期間満了では?
・いっそ、期間の途中で30日分を払って解雇するのは?
・まだ5年以上も法改正の猶予期間があるのでは?
・65歳までの再雇用、その後の契約更新は無期に転換するのか?
・パートなら、5年を超えても同意してくれ、大丈夫?
・パートなのだから、賃金格差、通勤手当無しは当然?
・どこの国でも、法律を造る側のすることは、すなわち
§インフレでもデフレでも、景気は回復しない。
そもそも、インフレーションとかデフレーションといった名称は、流通している経済財に対する通貨供給量との関係である。これは高校生の教科書にも載っていることで、インフレ政策をとっても景気が回復しないのは、1970年代のスタフグレーション説以後、毎度のことである。選挙になれば、まさに受け狙いだ!
インフレとは=巷に大量の通貨量を供給して商品交換を誘導すること
デフレとは=少量の通貨に供給を減らし商品交換するといった現象のこと
を指す。すなわちインフレとは、輪転機を回すなどして紙幣を大量増発すれば、流通経済における経済財総量は急激に増えないから、一つの商品に対して通貨供給量を水増しすることとなり表面化も値上がり、といったカラクリとなるのだ。インフレ政策でいちばん収益をあげるのは、国家財政である、だからインフレ政策を=大衆課税と言う。この大衆課税の常套手段は、輪転機で紙幣を印刷するよりももっと手際よく、国債という紙切れ一枚で大量の紙幣を供給したことにする手段を使っている。国債のほとんどは民間銀行が引き受けさせられている。国債の9割は国内の金融機関が保有、金融機関は政府の厳しい監督下で自由に国債を売却できない。今話題となっている「日銀買い取り」というのは、行政機関が国債を発行して、自ら当該国債を買い取る仕組みのことである。今や誰もが、そんな「子供銀行」並みに馬鹿げた破綻招来の道は、誰もが見抜いている。
日本政府は、朝鮮戦争による軍需特需以降、この方式を続けてきた。
が、バブル崩壊とともに行き詰まり、そのまま行き詰まりを無視して続けたことで、現在の国家財政危機を招いている。その本質は、財務省に集まった大衆課税収益を、公共事業その他の名目で民間企業に対して発注・配分することである。この公共事業のおこぼれ目当てに、様々な民間業者は群がってきて、確かに「一瞬の潤?」は味わうことが出来る。まさに日本の過去は、こういった手法の社会主義計画経済そのものであったのだ。
今から思えば、行き詰まった1990年ごろの最後のチャンスに、社会主義実体経済から離脱する「手が打たれれば」良かったのであるが、行き詰まりを無視して続けたことは、日本国内の民間個別企業の成長を阻害し、技術・技能を「切磋琢磨」しない社会づくりにつながった。その後の規制緩和と言っても、経済学的に破綻した社会主義国と同様に、「金融をいじくっただけ」なのである。社会主義国も、社会主義経済的に金融破綻したし、もちろん日本も金融破綻したし、その破綻ぶりは何れも資本主義的ではなかった。
因って、
日本経済は世界から見放された、日本の商品を買ってくれる人はいなくなった。決して円高不況になったのではない。ところでドイツは、水面下で独り勝ち、EU金融危機によるユーロ安で、史上最大の輸出を続けている。かつ今、デフレと言われている現象は、国内製品を新興国からの輸入品で代替したことによる価格破壊も影響しているのだ。この12月は経済経営が大切で、うかうかと選挙の世論操作やTVやマスコミに誤魔化されてはいけない。
§個別企業の組織崩壊、その人事的兆候とは
この秋、元住友銀行の元行員からの複数の内部報告を聞く機会があった。みずほ銀行の内部を描いたノンフィクション小説も存在するが、別々の複数方から住友銀行内部の当時の実態を、それも、それなりの役職経験者から直に聞けることは滅多にない。それは、人事労務管理の仕事には、極めて貴重なものであった。
その、当時の内部実態の要点は、
1.主に課長職以下の行員の発言と、実行する内容が食い違ってきた。
2.ヤクザへの融資が増える、そのために偽装書類を部下に作成させる。
3.「立場上やむを得なかった」と、ひとりが言い逃れし、それが拡散・蔓延。
すなわちこれが、当時住友銀行が内部から組織崩壊していった兆候と言うのだ。後日、住友銀行内部では、「投資先の間違いであった」との反省の弁を多くの行員が口にしたとのことだが、後の祭りであったとのこと。だが当時から、ほとんどの行員から、「立場上やむを得なかった」との発言がいまだに消えることは無いとのことだ。
元住友銀行の元中枢行員の話は、
「一旦、転落し始めてしまうと、もう取り返しがつかない」という証そのものであった。彼らが当時を振り返り、今も悔やんでいるとして口にしたことは、「立場上やむを得なかった」の発言が持ち込まれた時点で、その場で芽の小さいうちに食い止めなかったことだった、と言う内容だ。カネボウが崩壊したとき、当時の社長は、「10年前に兆候は見えていた。命の危険を感じたが、それでもあのときに手を打っていたらと思っている」と、後日手記にしたことを思い出す。
加えて現代、3・11の地震・津波・原発事故の後に、
そもそもが、予見はあったが、「もとより計画外」の事柄を、何か責任の所在があやふやな風に、「想定外」といった言葉を、誰もが繰り返している。確かに、「所詮はサラリーマンの如きだから」と、その責任を問わずに甘く対処しても良いかもしれない。だが、基本的に必要なのは、「敗軍の将、兵をかたらず」といった責任ある姿勢・態度(決して原因究明をしないということではない)の、実際に仕事のできる人間である。しかしながら、その多くは、取り返しがつかない。
因って、個別企業で、
こういった兆候を貴方が発見すれば、芽の小さいうちに対処しなければ、後日危険がやってくる。1回の人生の中で何度もあるようなものではないから、社長に進言し、社長補佐して、早急対処が求められる。「敗軍の将、兵をかたらず」と社長に責任転化をしたとしても、その前にサラリーマンは「兵」であり、敗軍となれば浮き上がることが出来る確率は、「1000に3つ」程度だ。
§今年から、仕事の劣化が顕著な様相を!
ことに、首都圏・関東方面での、業務水準の劣化を肌で感じる。ICTシステムも、本来は業績向上を念頭におくべきところ、組織維持のために各種ICT機器を活用するといった具合だ。ICT機器による効率低下が直に影響して、労働者は表面だけを取り繕い、方針が末端まで通らない事態も招いている様相である。もちろん、提供する商品の価値増殖などとは反対の方向に動いている現象は、次々と散見している。労働者が価値増殖出来ていないのだから、賃金水準の下がるのは、原因は別として確かに自然なのである。金銭的インセンティブで動く正規社員も激減しているようだ。所詮、「動機づけ」といったものは、仕事が単純作業であれば効果もあるのだが、創造したり高度な判断を要する作業では、「動機づけ」を持ち込めば仕事の足を引っ張る。
東南アジアへの進出と言っても、一時もてはやされた日本的労務管理は、今や口先だけになっている様相だ。日本的労務管理は、ほぼ世界的に崩壊してしまったようだ。インドネシアからの報告では、インドネシア金属労連という労働組合が大活躍中?との事である。その労働組合の主力は、電器・自動車などの日系企業であり、組合員構成の80%以上を占めているとのこと。日系企業もインドネシア現地では、日本的労務管理の理念は実行されていないとの報告がなされており、極めて激しい交渉と争議が繰り返されるとのこと。現地調査の最中、ある日系企業がデモで工場を囲まれて日本人幹部を含む従業員450人が帰宅を阻止され、二晩続きの交渉の末やっと会社側の全面譲歩で解決するという事態に遭遇したそうだ。「ジャカルタ日本クラブ」(現地商工会議所のようなもの)でも、争議激化には頭が痛い様子とのインタビューを採っている。
ソニーとパナソニック、この2社の株価評価がこの秋にガタ落ちした。この秋に出版された、「リバース・イノベーション」(ダイヤモンド社)の研究書籍では、ソニーが中国向けに「型落ち」した製品を販売した結果、一挙にサムスンに追いぬかれたと分析している。この本の著者は、貧困国の市場を斜陽技術のゴミ捨て場のように見たのは誤りで、安さだけでは新興国市場の期待はつかめない。「それなりの性能が必要であり、それを提供するためには全く新しい技術が要る」といった主旨の分析をしているのだ。こういった分析の材料企業にされているぐらい、ソニーは能力低下を起こしたのだろうか? それとも、こんな分かりきっていることをサボったのであろうか?
こういった風潮を見てとって、短絡的な考えに走り、「新興国で通用するグローバル経済」に傾く発想も強まっている。果たして経済原則である、「お金がなければ、まして新興国など経済成長も豊かさも不可能」といったことを忘れているのだろうか。親が子供の教育にかける期待も変化したとの調査もあるが、「出稼ぎのために教育する社会」は、必ず滅びるのが歴史の必然である。
http://www.benesse.co.jp/newsrelease/20120911_004.html
§職業能力&人材育成の方向転換、時は急ぐ!
今、必要な能力は創造性:創造力だ。
人間の職業能力には、次の三つの分野がある。
分野1:スキル skill
技能がある、それを見れば・聞けば、意欲は出る desires, will
分野2:パフォーマンス performance
芸当や技巧があれば、感動する impressions
分野3:アート art
芸術になると人に希望を抱かせる hopes
この三つのいずれかに重点を置き、二つを有機的に結合させて、人類は職業能力を発揮するようにしてきたのだ。このことで、人類は朝から晩まで休むことなく、飢餓と隣り合わせで働き詰めることから解放された。それは現代でも、また個々人でもあてはまることなのだ。
そして現代は、この日本の地に足につけて国内にも海外にも、将来を望むなら、第三の「創造力」に相当の重点をおいての能力向上である、それも仕事においても芸術的に!なのである。そのわけは、周囲に希望、活気、啓発その他を与えるのは芸術だからである。貴方だけの意欲的働き、感動的働き、今やこれでは周囲は動かない、家族ももちろんだ。だがその原因も解決も、個人ではなんともしがたい種類の事柄であることも間違いない。では私が何をいいたいかといえば、貴方の労働・労働力こそを、固有価値(意欲&感動&希望)のある商品として提供していただきたい、そこに解決の道があるとの結論である。
そのために、貴方の足手まといを減らす目的で、私たちは次のようなサービスを開発した。
(料金表の次の、=改善コンサルティング=と=1日講座=の2つ)
http://www.soumubu.jp/price/index.html#new
(A)貴方の知恵を支えるために=改善コンサルティング
(B)総務人事部門の事務員が、貴方の足手まといにならないように=1日講座
この二つを、私が思い切って推奨する理由は、
このメルマガの後に触れることになるが、日本国内で流行している旧来の経営管理方式、あるいは旧来の経営についてのアイディア、これを実行・継続することを進めると、今の個別企業が「安泰」どころか、転落しかねないからだ。日本の経済・社会状況はそこまでの危機に瀕しているし、その奈落の渦に何れの個別企業も巻き込まれようとしているからだ。
そして加えて注意点、
個別企業は、あくまでもクライアント・利用者を相手にしている。より連携が顧客と深くなれば質・量ともに充実し、それが息の長い経営に役立つのである。こういった目的とは別に教育や研究を施しても、何の役にも立たないし、自分の役にたつどころか能力劣化を起こすのが通常である。いわゆる資格マニアがそうだ。だから、クライアント・利用者と接触することが、教育・訓練・創造力開発には重要なヒントや刺激になる。例えば日本では、通信関係、在宅医療外注、健康医薬品その他、販売や配送をマニュアル化して外注したために、製品やサービスの質・量は向上せず、新商品開発に失敗、クレーム増加で評判低下などを招いている。あとで述べるが、携帯電話のノキアは、その国ごとにクライアントになると予想出来る人たちの生活・経済を、必ず肌で感じる方法で調査に入っている。サムスンも日本家電業界の傲慢さから生まれる間隙を突いたかと思えば一挙に売り上げを伸ばした。
要するに、
スキル(技能)、パフォーマンス(芸当・技巧)、アート(芸術・創造性)の三方面の何れにしろ、クライアント・利用者と接触が不可欠なのである。それは本当の意味でのコミュニケーションであり、面談していてもコミュニケーションの拒絶(マニュアル、見世物自慢の芸当など)があっては意味がないのだ。本来の職業能力向上のコツは、「行動特性のパターン化と普及」である。それは三方面での教育テクニックは、それぞれ独自に歩んで行くものだ。それを、「マニュアル化」と偽証して、手抜き作業を展開したから経済・技術・創造性は破綻したのだ。(その背景には、商品の価値を公共事業と同じく使用価値や効用価値と、官僚たちが規定してしまったところにも原因がある)。
§巷の経済学では解明出来ない経済の話
すなわち、個別企業の経営活動や普段生活の豊かさに、身近ではあるけれども、マスコミ業界の好きな巷の経済学ではないから、世の中に広まっていない経済の話である。マスコミ業界の好きなテーマには、過去の経済成長の「夢をもう一度」との白昼夢とか、金融政策さえ打てば景気が上向くとする終戦直後時代の方式とか、そういったものが含まれている。EUなどでの次世代経済議論の的となっている、「環境配慮を追求することで経済成長を招く」といった考え方、成長が止まった現代の「成熟すれば成長もついて来る」といった発想などは、マスコミ業界や記者たちは、どうも、そういった経済の話が嫌いなようだ。
不動産業者は、契約成立件数の数をあげるために、
商取引において、取引の一方が、もう一方に比べて
出会い系サイトは、自分の個人情報を
同一商品における販売価格の差異化は、
別の地方からきた商売人は、地元の商売人よりも、
流通の習慣や流通の障害から脱出して直接商品提供
世界の先進諸国においては、伝統産業と言われる
労働市場(労働需給システム)がオープンな国は、
否応なく決断を迫られる事態が生じないよう、前もって判断
肥った女性、歯並びの悪い女性は、
チャイルドシートよりも子供の成長に合わせたシートベルト
景気の良い時代には、値段が安く仕組みも簡単な便利商品は、
アメリカのER(救急救命機関)の実際の調査によると、
石炭は化石燃料の中で最も安価で、まだ大量に存在するし、
携帯電話のノキア1100型は農漁村地帯を中心に、
世界の経済学者(日本の経済学者は異質)の一般的考え方は、
なお、もう一段と深い部分の研究をしたい方は
(A)不動産業者は、契約成立件数の数をあげるために、
貸主や売り手に、賃料とか販売価格の値下がりを誘導する。高値で契約成立を行なおうとすれば、時間がかかり、時間をかけた割には成立件数が伸び悩むから、貸主や売り手に利益の圧縮を求める経営方針となる。
(B)商取引において、取引の一方が、もう一方に比べて、
たくさんの情報を持っている。(経済学用語=情報の非対称性という)この情報の非対称性に因って成り立っていたビジネスが、インターネットに因って致命的な打撃を受けている。医療健康、法務行政、不動産取引、学術教育など。
(C)出会い系サイトは、自分の個人情報を
見ず知らずの人と交換しあう、インターネットで最も成功している会員制ビジネスである。今から5年前のデータでも、アメリカは4000万人のメンバー登録、実に全人口の16%に及ぶ。ICT産業革命のおかげで、クー・クラックス・クランのようなもの。日本でのビジネス宗教などといったものも衰退しつつある。
(D)同一商品における販売価格の差異化は、
巷の経済学では議論されない。差異化が発生する主な条件は、
(1)高価格を払ってでもほしいと思う顧客の存在する商品
(2)その商品は転売されることなく、利ザヤを抜かれることを売り手が止められる商品
(E)別の地方からきた商売人は、地元の商売人よりも、
顧客を騙すことが多い。たぶん地元の商売人は自分の評判を気にしているとの分析だ。地方に進出する大手流通業者の商品は、都市部に比べて価格は高い、がそれだけではなさそうだ。
(F)流通の習慣や流通の障害から脱出して直接商品提供
を顧客に行うことで、著しい経済効果が生まれる。例えばソニーの電子書籍構想は、出版業界とソニーが手を組んだ裏で、出版業界が電子書籍構想の進展を妨害したとされる説が有力だ。同じ電子書籍構想でもキンドルは成功しているが、当初から従来の流通習慣や流通障害を排除して事業展開をしていた。多くの人が今でも、業界各社が連携すれば、かならず経済発展するとの錯覚をしている。
(G)世界の先進諸国においては、伝統産業と言われる
旧来の職人芸に頼っている産業は、ほとんどは採算割れをしている状況のようだ。そこに、顧客の持っている不便さを解消するとか、ニーズを調査しストレートに提供形態を改めると、一挙に需要を増やしている。例えば、アメリカのボストン交響楽団やニューヨークフィルなど9つのシンフォニーオーケストラ(民間事業)が行ったことは、顧客の調査を行った。結果、駐車場を充実させ、前奏曲の時代背景や作曲家の生涯を解説し、チケット払い戻しを迅速にするとか、友達無料招待券、ポピュラーな曲目の挿入その他を行った。すると、売れ行き30%増しとか、通常チケットの5倍の演奏会、ものに因っては20倍の実験結果を得た。アメリカのオーケストラは会員制で支えられているが、会員数を700人から1000人に増やした楽団も現れた。
(H)労働市場(労働需給システム)がオープンな国は、
窃盗、強盗、詐欺、恐喝、横領といった財産にまつわる犯罪に対して、人々は魅力を持たなくなる。日本のように正規と非正規の格差が激しいとか、産業業種を異動する垣根が高いといった労働市場が閉鎖的な状態は、決してオープンとはいえない。派遣労働や偽装請負に多くみられる単純作業の繰り返しで職業能力の身につかない集団を形成すれば、労働市場は益々閉鎖的になる。
(I)否応なく決断を迫られる事態が生じないよう、前もって判断
を、仕事の中で繰り返すといった経営管理法が重視されている。今や、決断をしなければならない事態=その決断に至るプロセスの途中で解決しておかなければならない課題を放置したツケが回ってきた結果、という風に受け取る時代になってきた。小さな失敗や計画のズレが発生すれば、その問題が小さいうちに判断して、修正・解決することで、リスクを抱える「決断行為」そのものを回避するようになった。
バブル経済以前のオーソドックスな経営管理法は、本気で事業展開をする場合は、資本金5億円以上の会社を設立する。それ以下は基本的にアンテナ事業である。その投資した5億円を、初期に定めた計画に沿って予算消化して行く経営管理方式であった。その予算消化の必要に迫られマーケティング理論が確立したのだ。初期の計画を実行することのみが経営管理では重視され、軌道修正すること自体が否定された。もちろん、間違いを認めることも許されなかった。計画をやりきることが良い経営陣と評価され、成功すれば意思の強い人だと精神論がもてはやされ、成功しなければ、「運が悪かった」と慰める運命論者だった。
だから個人的なそこでの危険な損害を回避するために、日本では、同年代・同期は、精神論と運命論が入り乱れる、「同類で慰め合い助け合う」人間関係が、家族の絆よりも重視される社会であったのだ。家族よりも会社人間関係が危険を回避する仕組みであったから、家族が二の次扱いを受けたのも当然であった。これが「家族のために働く!」ことの本質であった。だが、こういった官僚的・社会主義的な管理が、経済の足を引っ張った時代であったし、家庭崩壊の主要な社会的原因であったとされている。
(J)肥った女性、歯並びの悪い女性は、
それだけで男性に比べて悪い境遇を押しつけられる。また女性は相対的に稼ぎの少ない分野(能力があっても例えば医者でも一般医、企業法務、一般公務員、企業会計など)で働く傾向があり、家庭や子供のために仕事を離れるとか、楽な仕事に行く傾向は強い。先進国各地の分析によると、小売りや旅客輸送は、利便、簡単注文、親切、関連情報を重視する個別企業が伸びている。また、飲食・販売に絞ると、第一:店の見た目、第二:温かいもてなし、第三:新鮮高品質の順に、店舗展開方針を決定している個別企業は伸びている。
(K)チャイルドシートよりも子供の成長に合わせたシートベルト
の方が安全で安価だ。水道水にフッ素化合物を加えることで歯科医療費は激減した。カーシェアリングは、都市部において集中的に営業所を展開することで成功した。DVDレンタルは、一両日中に配送するシステムで成功した。良く分析すると、そこにはクライアントの後援や協力といった、商品価値増殖作業の(買い手と売り手にまたがる)分散が存在している。
(L)景気の良い時代には、値段が安く仕組みも簡単な便利商品は、
みんなでそれを馬鹿にする。高血圧・高コレステロールを安い薬で抑えることで心臓病での死亡率は激減した。初期の心臓病治療薬は激安商品である。日本が開発した老化防止のコエンザイムQ10の酸化型と還元型のいずれもが安価な商品である。活性酸素を除去する水素(H2)気体そのものはさらに安い。数10ccの砂糖水を夕刻に飲むだけで、夕食の食欲が減退しダイエット効果は著しい。初期の糖尿病は、発見後数ヵ月間の糖分遮断で治る。傷病を予防する医療行為は民間医療保険会社も歓迎するようになった。高齢者予防医療に、室内段差の解消、毛足の長いカーペット排除、高齢者の足の爪きり、心疾患患者の体重を毎日把握などが広まりつつある。すなわち、問題が起きる前にそれを防ぐやり方だと、長い目で見ればとても安くつくことが多い。
(M)アメリカのER(救急救命機関)の実際の調査によると、
訴える症状の中で危険度の高いものは、息苦しさ、血栓、熱、感染症といったもので、危険度の低いものは胸の痛み、めまい、しびれ、精神科的症状だとの結果がある。
(N)石炭は化石燃料の中で最も安価で、まだ大量に存在するし、
技術開発のおかげで窒素酸化物処理法も進展している。ちなみに日本には、製鉄など工業に適した石炭の埋蔵は多い。日本の大陸棚拡張申請を国連が認めたため、日本のメタンハイドレート、レアメタルの採掘権領海が拡張された。今や日本は、次世代の資源大国になりつつある。窒素肥料(硝酸塩肥料)は農業生産量を一気に引き上げた、そして極めて安価な肥料であった。二酸化炭素濃度の高い温室での植物栽培では、植物の成長度合いは高まり、吸収する水量も節約出来る。
(O)携帯電話のノキア1100型は農漁村地帯を中心に、
インド、南アジア、ラテンアメリカ、アフリカといった貧しい国々に、最初の5年で2億5000万台を販売した。さまざまな機能は切り捨て、農村のニーズをとらえることはもちろんだが、なによりも経済、農産物や漁獲量の生産性向上と、旧態流通による腐敗・廃棄の無駄を解消する効果を生み出すことに、ノキア1100型は設計されている。
(P)世界の経済学者(日本の経済学者は異質)の一般的考え方は、
現代のようにストックが増加すれば分配方法を変更することを自然と考えるものである。ただし、現時点の経済危機は、いわゆる循環の繰り返しと見ている経済学者は少なく、18世紀から始まった産業革命以来の危機と見ているか、若しくは、「商品」が生産され流通が活発になって以来の450年ぶりの危機と見ているか、といった人が多い。共通しているのは、ICT産業革命の真っただ中であり、日本の戦後の高度経済成長時代や終戦直後の金融・公共事業政策の間尺では対策がとれないとの認識である。
(Q)なお、もう一段と深い部分の研究をしたい方は、
☆彡東洋経済新報社の、「ヤバイ経済学」
☆彡東洋経済新報社の、「超ヤバイ経済学」
☆彡日本経済新聞出版社の、「ザ・ディマンド=爆発的ドーム需要創出術」
☆彡朝日新聞出版社の、「BCC流競争戦略=加速経営のための条件」
などが研究入門としては、おすすめ書籍である。
さて以上、
ここに挙げた事例は、読者の固定概念を崩すために拾い集めたものの一例である。つい十数年前まで活躍していた、世界の有名企業のビジネスモデルのほとんどは、1929年の世界大恐慌の後に開発されたものである。だから、どうしてもそんなイメージに固まりやすく、読者の先輩や知識人の多くは、同じようにどっぷりつかった固定概念に染まった色眼鏡をとおして、貴方に語りかけているわけだ。そんなスタンスのままでは、真剣に頑張るほど崩壊のスピードをはやめていったのだ。
そう、世界恐慌前に活躍した企業も、戦後に活躍していた企業も、もちろん日本でMade in Japanで風を切っていた企業も、それまでのビジネスモデルは破綻若しくは崩壊してしまった。ほんのわずかに企業名を残すのみなのである。
§4月1日、労働法改正にまつわる質疑
労働契約法、高年齢者雇用安定法改正について、よくある質問に回答をする。
¶期間契約は、「5年を超えて更新しない」といった記載の効力?
そういった契約やその旨の就業規則改正の効力はあるのかとの質問ですが。端的にいえば、そのような記載を行ない、誰が何を言っても、どんな事態になっても、「5年を超えて更新しない」ことを実行すれば、たしかにそれは有効ではあります。問題は、労務管理の実態からは現場では不可能、若しくは経営者や人事部門の目の届かないところでは実行していない可能性が高い実状なのです。中小企業は管理能力がないから不可能と決めつけるのは実態無視であり、大手企業であっても人事のいうことを聞いていない事例が多いのも事実です。もとより、そういった「5年を超えて更新しない」といった記載が、組織として履行出来るのであれば、なにもわざわざ法律で有期労働契約の規制に介入して来ることすらありえないのです。
¶5年以内なら、本人さえ納得すれば期間満了では?
雇用の期間契約の会社側の目的が、人手が余ったとか都合良く解雇出来るとか、「期間満了で丁度良いから!」といった行為が労働契約法第19条で、今年の8月10日から禁止されました。その場合、3回目以降の契約更新を8月10日以降に迎える場合、期間契約が自動更新されます。本人の働く意思がなければ出社しないので差し支えないのですが、「いやだ」とか「困る」といった口頭の意思表示だけで、法律は労働者を守ります。加えて、後日に代理人からの意思表示が行われたのだとしても、法律は労働者を守ります。5年以内と言っても、次回の契約更新の際に解雇したい場合は、社員と同じように普通解雇の客観的合理的かつ社会相当的理由が必要になります。理由が、「期間満了で丁度良いから!」といったものではないことを、証拠だてて証明する必要があるのです。
¶いっそ、期間の途中で30日分を払って解雇するのは?
解雇する場合は、客観的合理的かつ社会相当的理由が必要になります。30日分を支払えば解雇出来るというのは、社員でも契約社員でも、それは合法的ではありません。労働契約法では、期間残余の労働者の逸失利益(賃金100%)の支払いを求めています。加えて、そういった解雇は無効ですから、先程述べましたように契約期間が自動更新される場合もあり得るのです。なお、終期契約を結んでおれば、逸失利益の支払い問題は避けることが出来ます。
¶まだ5年以上も法改正の猶予期間があるのでは?
安易な解雇をするための期間契約の場合は、来年の4月1日から5年を経過する前に、3回目の契約更新を迎えて自動更新されますから、猶予期間というもの自体が存在しません。まして、今年の8月10日以降に3回目の更新を迎えてしまったのであれば、もう既に自動更新されています。その場合、60歳以上の定年などの定めがなければ、「死亡するまで」自動更新することになっています。辞めてもらうには、就業規則の具体的な解雇条項に該当するような客観的合理的社会相当的理由がある場合、もう一つは会社から懇願して退職に同意していただく場合しか、現在でも道は残っていません。
¶65歳までの再雇用、その後の契約更新は無期に転換するのか?
再雇用制度を、60歳を過ぎて1年間の期間契約を繰り返す会社が多いようです。60歳から5年間の労働契約も許されていますから、65歳以降の契約更新が1年ごとといった会社も少なくありません。いずれにしても、期間契約には変わりがありませんから、客観的合理的社会相当的理由がなければ、3回目の更新から自動更新となります。加えて、来年4月1日から始まって6年目に突入したときは、無期労働契約に転換するのです。無期契約とは、定年や再雇用の年齢その他の定めがあればその時点まで、決めていなければ、「死亡するまで」の期間をさします。
ですからその場合に、6年目が定年や再雇用年齢を過ぎている場合とか、それが無期契約に転換するので、「死亡するまで」は客観的合理的社会相当的理由がなければ解雇することは出来ません。なお、注意をいただきたいのは、60歳定年や65歳の再雇用年齢を過ぎている労働者を多数抱えている場合には定年や再雇用年齢の年齢制限自体が、慣習により就業規則の効力を失っていますから、念の為。ここでも、会社から懇願して退職に同意していただく場合しか、道は残っていないのです。厚生労働省から施行通達が出されていますが、今述べたような事態に至ることを、彼らは既に予見しているようです。
¶パートなら、5年を超えても同意してくれ、大丈夫?
大丈夫と考える場合の法的根拠はありません。ひたすら会社から懇願して同意していただくしかないのです。すなわち、パート労働者といえども法的に対処するとの意思も持てば、いつでも申し入れをして無期労働契約に転換をすることも出来ますし、実態としてはいつでも自由に退職出来る状況が出来ているということです。現代は経済成長の時代ではありませんから、最も会社にとってマイナスなことは、予見出来ない事態や不安定な計画のもとに経営管理を行うことです。大概のリスクは、後日になって膨大な累積となったところで請求がまわってきます、それも法律を伴って。経営上の一般債務がそうですが、労働債務も同じようにまわってきます。
¶パートなのだから、賃金格差、通勤手当無しは当然?
今年8月10日から、社員と同じ仕事をしているにも関わらず、期間の定めがあることによって労働条件を低くすることが禁止されました。ここでの要件は、「社員と同じ仕事」ということです。ほぼフルタイムの期間労働契約者が対象とされます。通勤手当の不支給が典型的なものとされています。法律で、正規社員と非正規社員の格差は五項目余にわたって認めるとしていますが、それにあてはまらなければ賃金格差とされます。確かに、訴えがなければ支払う必要もないのですが、例えば退職時にまとめて過去2年分(ただし平成24年8月10日の法制定日後のみ)を請求出来ますから、目に見えない労働債務を抱えることになるのです。また正規社員との格差は、「ダラダラ仕事をしている社員」との差が最低基準となりますから、チェックしなければならないのは非正規の期間労働契約の従業員だけではないのです。
¶どこの国でも、法律を造る側のすることは、すなわち
政治家・首長・官僚・公務員といった人たちが考えることは、たとえ彼らがどれだけいいことをしたつもりでも、今回の労働法改正がほとんどオール与党であったとしても、実際の民間企業=個別企業の中で、人々の利益や建前その他インセンティブにどのように反応するかを想定(計画や予見も含め)すらしていないのです。昭和27年の職安法施行規則改正、昭和61年労働者派遣法、昭和61年男女雇用機会均等法、平成9年職安法改正、平成11年労働者派遣法改正その他、厚生労働省の官僚が思いもしなかった事態ばかりを生んできたのです。
・インフレでもデフレでも、景気は回復しない。
・個別企業の組織崩壊、その人事的兆候とは
・今年から、仕事の劣化が顕著な様相を!
・職業能力&人材育成の方向転換、時は急ぐ!
・巷の経済学では解明出来ない経済の話
・4月1日、労働法改正にまつわる質疑
・期間契約は、「5年を超えて更新しない」といった記載の効力?
・5年以内なら、本人さえ納得すれば期間満了では?
・いっそ、期間の途中で30日分を払って解雇するのは?
・まだ5年以上も法改正の猶予期間があるのでは?
・65歳までの再雇用、その後の契約更新は無期に転換するのか?
・パートなら、5年を超えても同意してくれ、大丈夫?
・パートなのだから、賃金格差、通勤手当無しは当然?
・どこの国でも、法律を造る側のすることは、すなわち
§インフレでもデフレでも、景気は回復しない。
そもそも、インフレーションとかデフレーションといった名称は、流通している経済財に対する通貨供給量との関係である。これは高校生の教科書にも載っていることで、インフレ政策をとっても景気が回復しないのは、1970年代のスタフグレーション説以後、毎度のことである。選挙になれば、まさに受け狙いだ!
インフレとは=巷に大量の通貨量を供給して商品交換を誘導すること
デフレとは=少量の通貨に供給を減らし商品交換するといった現象のこと
を指す。すなわちインフレとは、輪転機を回すなどして紙幣を大量増発すれば、流通経済における経済財総量は急激に増えないから、一つの商品に対して通貨供給量を水増しすることとなり表面化も値上がり、といったカラクリとなるのだ。インフレ政策でいちばん収益をあげるのは、国家財政である、だからインフレ政策を=大衆課税と言う。この大衆課税の常套手段は、輪転機で紙幣を印刷するよりももっと手際よく、国債という紙切れ一枚で大量の紙幣を供給したことにする手段を使っている。国債のほとんどは民間銀行が引き受けさせられている。国債の9割は国内の金融機関が保有、金融機関は政府の厳しい監督下で自由に国債を売却できない。今話題となっている「日銀買い取り」というのは、行政機関が国債を発行して、自ら当該国債を買い取る仕組みのことである。今や誰もが、そんな「子供銀行」並みに馬鹿げた破綻招来の道は、誰もが見抜いている。
日本政府は、朝鮮戦争による軍需特需以降、この方式を続けてきた。
が、バブル崩壊とともに行き詰まり、そのまま行き詰まりを無視して続けたことで、現在の国家財政危機を招いている。その本質は、財務省に集まった大衆課税収益を、公共事業その他の名目で民間企業に対して発注・配分することである。この公共事業のおこぼれ目当てに、様々な民間業者は群がってきて、確かに「一瞬の潤?」は味わうことが出来る。まさに日本の過去は、こういった手法の社会主義計画経済そのものであったのだ。
今から思えば、行き詰まった1990年ごろの最後のチャンスに、社会主義実体経済から離脱する「手が打たれれば」良かったのであるが、行き詰まりを無視して続けたことは、日本国内の民間個別企業の成長を阻害し、技術・技能を「切磋琢磨」しない社会づくりにつながった。その後の規制緩和と言っても、経済学的に破綻した社会主義国と同様に、「金融をいじくっただけ」なのである。社会主義国も、社会主義経済的に金融破綻したし、もちろん日本も金融破綻したし、その破綻ぶりは何れも資本主義的ではなかった。
因って、
日本経済は世界から見放された、日本の商品を買ってくれる人はいなくなった。決して円高不況になったのではない。ところでドイツは、水面下で独り勝ち、EU金融危機によるユーロ安で、史上最大の輸出を続けている。かつ今、デフレと言われている現象は、国内製品を新興国からの輸入品で代替したことによる価格破壊も影響しているのだ。この12月は経済経営が大切で、うかうかと選挙の世論操作やTVやマスコミに誤魔化されてはいけない。
§個別企業の組織崩壊、その人事的兆候とは
この秋、元住友銀行の元行員からの複数の内部報告を聞く機会があった。みずほ銀行の内部を描いたノンフィクション小説も存在するが、別々の複数方から住友銀行内部の当時の実態を、それも、それなりの役職経験者から直に聞けることは滅多にない。それは、人事労務管理の仕事には、極めて貴重なものであった。
その、当時の内部実態の要点は、
1.主に課長職以下の行員の発言と、実行する内容が食い違ってきた。
2.ヤクザへの融資が増える、そのために偽装書類を部下に作成させる。
3.「立場上やむを得なかった」と、ひとりが言い逃れし、それが拡散・蔓延。
すなわちこれが、当時住友銀行が内部から組織崩壊していった兆候と言うのだ。後日、住友銀行内部では、「投資先の間違いであった」との反省の弁を多くの行員が口にしたとのことだが、後の祭りであったとのこと。だが当時から、ほとんどの行員から、「立場上やむを得なかった」との発言がいまだに消えることは無いとのことだ。
元住友銀行の元中枢行員の話は、
「一旦、転落し始めてしまうと、もう取り返しがつかない」という証そのものであった。彼らが当時を振り返り、今も悔やんでいるとして口にしたことは、「立場上やむを得なかった」の発言が持ち込まれた時点で、その場で芽の小さいうちに食い止めなかったことだった、と言う内容だ。カネボウが崩壊したとき、当時の社長は、「10年前に兆候は見えていた。命の危険を感じたが、それでもあのときに手を打っていたらと思っている」と、後日手記にしたことを思い出す。
加えて現代、3・11の地震・津波・原発事故の後に、
そもそもが、予見はあったが、「もとより計画外」の事柄を、何か責任の所在があやふやな風に、「想定外」といった言葉を、誰もが繰り返している。確かに、「所詮はサラリーマンの如きだから」と、その責任を問わずに甘く対処しても良いかもしれない。だが、基本的に必要なのは、「敗軍の将、兵をかたらず」といった責任ある姿勢・態度(決して原因究明をしないということではない)の、実際に仕事のできる人間である。しかしながら、その多くは、取り返しがつかない。
因って、個別企業で、
こういった兆候を貴方が発見すれば、芽の小さいうちに対処しなければ、後日危険がやってくる。1回の人生の中で何度もあるようなものではないから、社長に進言し、社長補佐して、早急対処が求められる。「敗軍の将、兵をかたらず」と社長に責任転化をしたとしても、その前にサラリーマンは「兵」であり、敗軍となれば浮き上がることが出来る確率は、「1000に3つ」程度だ。
§今年から、仕事の劣化が顕著な様相を!
ことに、首都圏・関東方面での、業務水準の劣化を肌で感じる。ICTシステムも、本来は業績向上を念頭におくべきところ、組織維持のために各種ICT機器を活用するといった具合だ。ICT機器による効率低下が直に影響して、労働者は表面だけを取り繕い、方針が末端まで通らない事態も招いている様相である。もちろん、提供する商品の価値増殖などとは反対の方向に動いている現象は、次々と散見している。労働者が価値増殖出来ていないのだから、賃金水準の下がるのは、原因は別として確かに自然なのである。金銭的インセンティブで動く正規社員も激減しているようだ。所詮、「動機づけ」といったものは、仕事が単純作業であれば効果もあるのだが、創造したり高度な判断を要する作業では、「動機づけ」を持ち込めば仕事の足を引っ張る。
東南アジアへの進出と言っても、一時もてはやされた日本的労務管理は、今や口先だけになっている様相だ。日本的労務管理は、ほぼ世界的に崩壊してしまったようだ。インドネシアからの報告では、インドネシア金属労連という労働組合が大活躍中?との事である。その労働組合の主力は、電器・自動車などの日系企業であり、組合員構成の80%以上を占めているとのこと。日系企業もインドネシア現地では、日本的労務管理の理念は実行されていないとの報告がなされており、極めて激しい交渉と争議が繰り返されるとのこと。現地調査の最中、ある日系企業がデモで工場を囲まれて日本人幹部を含む従業員450人が帰宅を阻止され、二晩続きの交渉の末やっと会社側の全面譲歩で解決するという事態に遭遇したそうだ。「ジャカルタ日本クラブ」(現地商工会議所のようなもの)でも、争議激化には頭が痛い様子とのインタビューを採っている。
ソニーとパナソニック、この2社の株価評価がこの秋にガタ落ちした。この秋に出版された、「リバース・イノベーション」(ダイヤモンド社)の研究書籍では、ソニーが中国向けに「型落ち」した製品を販売した結果、一挙にサムスンに追いぬかれたと分析している。この本の著者は、貧困国の市場を斜陽技術のゴミ捨て場のように見たのは誤りで、安さだけでは新興国市場の期待はつかめない。「それなりの性能が必要であり、それを提供するためには全く新しい技術が要る」といった主旨の分析をしているのだ。こういった分析の材料企業にされているぐらい、ソニーは能力低下を起こしたのだろうか? それとも、こんな分かりきっていることをサボったのであろうか?
こういった風潮を見てとって、短絡的な考えに走り、「新興国で通用するグローバル経済」に傾く発想も強まっている。果たして経済原則である、「お金がなければ、まして新興国など経済成長も豊かさも不可能」といったことを忘れているのだろうか。親が子供の教育にかける期待も変化したとの調査もあるが、「出稼ぎのために教育する社会」は、必ず滅びるのが歴史の必然である。
http://www.benesse.co.jp/newsrelease/20120911_004.html
§職業能力&人材育成の方向転換、時は急ぐ!
今、必要な能力は創造性:創造力だ。
人間の職業能力には、次の三つの分野がある。
分野1:スキル skill
技能がある、それを見れば・聞けば、意欲は出る desires, will
分野2:パフォーマンス performance
芸当や技巧があれば、感動する impressions
分野3:アート art
芸術になると人に希望を抱かせる hopes
この三つのいずれかに重点を置き、二つを有機的に結合させて、人類は職業能力を発揮するようにしてきたのだ。このことで、人類は朝から晩まで休むことなく、飢餓と隣り合わせで働き詰めることから解放された。それは現代でも、また個々人でもあてはまることなのだ。
そして現代は、この日本の地に足につけて国内にも海外にも、将来を望むなら、第三の「創造力」に相当の重点をおいての能力向上である、それも仕事においても芸術的に!なのである。そのわけは、周囲に希望、活気、啓発その他を与えるのは芸術だからである。貴方だけの意欲的働き、感動的働き、今やこれでは周囲は動かない、家族ももちろんだ。だがその原因も解決も、個人ではなんともしがたい種類の事柄であることも間違いない。では私が何をいいたいかといえば、貴方の労働・労働力こそを、固有価値(意欲&感動&希望)のある商品として提供していただきたい、そこに解決の道があるとの結論である。
そのために、貴方の足手まといを減らす目的で、私たちは次のようなサービスを開発した。
(料金表の次の、=改善コンサルティング=と=1日講座=の2つ)
http://www.soumubu.jp/price/index.html#new
(A)貴方の知恵を支えるために=改善コンサルティング
(B)総務人事部門の事務員が、貴方の足手まといにならないように=1日講座
この二つを、私が思い切って推奨する理由は、
このメルマガの後に触れることになるが、日本国内で流行している旧来の経営管理方式、あるいは旧来の経営についてのアイディア、これを実行・継続することを進めると、今の個別企業が「安泰」どころか、転落しかねないからだ。日本の経済・社会状況はそこまでの危機に瀕しているし、その奈落の渦に何れの個別企業も巻き込まれようとしているからだ。
そして加えて注意点、
個別企業は、あくまでもクライアント・利用者を相手にしている。より連携が顧客と深くなれば質・量ともに充実し、それが息の長い経営に役立つのである。こういった目的とは別に教育や研究を施しても、何の役にも立たないし、自分の役にたつどころか能力劣化を起こすのが通常である。いわゆる資格マニアがそうだ。だから、クライアント・利用者と接触することが、教育・訓練・創造力開発には重要なヒントや刺激になる。例えば日本では、通信関係、在宅医療外注、健康医薬品その他、販売や配送をマニュアル化して外注したために、製品やサービスの質・量は向上せず、新商品開発に失敗、クレーム増加で評判低下などを招いている。あとで述べるが、携帯電話のノキアは、その国ごとにクライアントになると予想出来る人たちの生活・経済を、必ず肌で感じる方法で調査に入っている。サムスンも日本家電業界の傲慢さから生まれる間隙を突いたかと思えば一挙に売り上げを伸ばした。
要するに、
スキル(技能)、パフォーマンス(芸当・技巧)、アート(芸術・創造性)の三方面の何れにしろ、クライアント・利用者と接触が不可欠なのである。それは本当の意味でのコミュニケーションであり、面談していてもコミュニケーションの拒絶(マニュアル、見世物自慢の芸当など)があっては意味がないのだ。本来の職業能力向上のコツは、「行動特性のパターン化と普及」である。それは三方面での教育テクニックは、それぞれ独自に歩んで行くものだ。それを、「マニュアル化」と偽証して、手抜き作業を展開したから経済・技術・創造性は破綻したのだ。(その背景には、商品の価値を公共事業と同じく使用価値や効用価値と、官僚たちが規定してしまったところにも原因がある)。
§巷の経済学では解明出来ない経済の話
すなわち、個別企業の経営活動や普段生活の豊かさに、身近ではあるけれども、マスコミ業界の好きな巷の経済学ではないから、世の中に広まっていない経済の話である。マスコミ業界の好きなテーマには、過去の経済成長の「夢をもう一度」との白昼夢とか、金融政策さえ打てば景気が上向くとする終戦直後時代の方式とか、そういったものが含まれている。EUなどでの次世代経済議論の的となっている、「環境配慮を追求することで経済成長を招く」といった考え方、成長が止まった現代の「成熟すれば成長もついて来る」といった発想などは、マスコミ業界や記者たちは、どうも、そういった経済の話が嫌いなようだ。
不動産業者は、契約成立件数の数をあげるために、
商取引において、取引の一方が、もう一方に比べて
出会い系サイトは、自分の個人情報を
同一商品における販売価格の差異化は、
別の地方からきた商売人は、地元の商売人よりも、
流通の習慣や流通の障害から脱出して直接商品提供
世界の先進諸国においては、伝統産業と言われる
労働市場(労働需給システム)がオープンな国は、
否応なく決断を迫られる事態が生じないよう、前もって判断
肥った女性、歯並びの悪い女性は、
チャイルドシートよりも子供の成長に合わせたシートベルト
景気の良い時代には、値段が安く仕組みも簡単な便利商品は、
アメリカのER(救急救命機関)の実際の調査によると、
石炭は化石燃料の中で最も安価で、まだ大量に存在するし、
携帯電話のノキア1100型は農漁村地帯を中心に、
世界の経済学者(日本の経済学者は異質)の一般的考え方は、
なお、もう一段と深い部分の研究をしたい方は
(A)不動産業者は、契約成立件数の数をあげるために、
貸主や売り手に、賃料とか販売価格の値下がりを誘導する。高値で契約成立を行なおうとすれば、時間がかかり、時間をかけた割には成立件数が伸び悩むから、貸主や売り手に利益の圧縮を求める経営方針となる。
(B)商取引において、取引の一方が、もう一方に比べて、
たくさんの情報を持っている。(経済学用語=情報の非対称性という)この情報の非対称性に因って成り立っていたビジネスが、インターネットに因って致命的な打撃を受けている。医療健康、法務行政、不動産取引、学術教育など。
(C)出会い系サイトは、自分の個人情報を
見ず知らずの人と交換しあう、インターネットで最も成功している会員制ビジネスである。今から5年前のデータでも、アメリカは4000万人のメンバー登録、実に全人口の16%に及ぶ。ICT産業革命のおかげで、クー・クラックス・クランのようなもの。日本でのビジネス宗教などといったものも衰退しつつある。
(D)同一商品における販売価格の差異化は、
巷の経済学では議論されない。差異化が発生する主な条件は、
(1)高価格を払ってでもほしいと思う顧客の存在する商品
(2)その商品は転売されることなく、利ザヤを抜かれることを売り手が止められる商品
(E)別の地方からきた商売人は、地元の商売人よりも、
顧客を騙すことが多い。たぶん地元の商売人は自分の評判を気にしているとの分析だ。地方に進出する大手流通業者の商品は、都市部に比べて価格は高い、がそれだけではなさそうだ。
(F)流通の習慣や流通の障害から脱出して直接商品提供
を顧客に行うことで、著しい経済効果が生まれる。例えばソニーの電子書籍構想は、出版業界とソニーが手を組んだ裏で、出版業界が電子書籍構想の進展を妨害したとされる説が有力だ。同じ電子書籍構想でもキンドルは成功しているが、当初から従来の流通習慣や流通障害を排除して事業展開をしていた。多くの人が今でも、業界各社が連携すれば、かならず経済発展するとの錯覚をしている。
(G)世界の先進諸国においては、伝統産業と言われる
旧来の職人芸に頼っている産業は、ほとんどは採算割れをしている状況のようだ。そこに、顧客の持っている不便さを解消するとか、ニーズを調査しストレートに提供形態を改めると、一挙に需要を増やしている。例えば、アメリカのボストン交響楽団やニューヨークフィルなど9つのシンフォニーオーケストラ(民間事業)が行ったことは、顧客の調査を行った。結果、駐車場を充実させ、前奏曲の時代背景や作曲家の生涯を解説し、チケット払い戻しを迅速にするとか、友達無料招待券、ポピュラーな曲目の挿入その他を行った。すると、売れ行き30%増しとか、通常チケットの5倍の演奏会、ものに因っては20倍の実験結果を得た。アメリカのオーケストラは会員制で支えられているが、会員数を700人から1000人に増やした楽団も現れた。
(H)労働市場(労働需給システム)がオープンな国は、
窃盗、強盗、詐欺、恐喝、横領といった財産にまつわる犯罪に対して、人々は魅力を持たなくなる。日本のように正規と非正規の格差が激しいとか、産業業種を異動する垣根が高いといった労働市場が閉鎖的な状態は、決してオープンとはいえない。派遣労働や偽装請負に多くみられる単純作業の繰り返しで職業能力の身につかない集団を形成すれば、労働市場は益々閉鎖的になる。
(I)否応なく決断を迫られる事態が生じないよう、前もって判断
を、仕事の中で繰り返すといった経営管理法が重視されている。今や、決断をしなければならない事態=その決断に至るプロセスの途中で解決しておかなければならない課題を放置したツケが回ってきた結果、という風に受け取る時代になってきた。小さな失敗や計画のズレが発生すれば、その問題が小さいうちに判断して、修正・解決することで、リスクを抱える「決断行為」そのものを回避するようになった。
バブル経済以前のオーソドックスな経営管理法は、本気で事業展開をする場合は、資本金5億円以上の会社を設立する。それ以下は基本的にアンテナ事業である。その投資した5億円を、初期に定めた計画に沿って予算消化して行く経営管理方式であった。その予算消化の必要に迫られマーケティング理論が確立したのだ。初期の計画を実行することのみが経営管理では重視され、軌道修正すること自体が否定された。もちろん、間違いを認めることも許されなかった。計画をやりきることが良い経営陣と評価され、成功すれば意思の強い人だと精神論がもてはやされ、成功しなければ、「運が悪かった」と慰める運命論者だった。
だから個人的なそこでの危険な損害を回避するために、日本では、同年代・同期は、精神論と運命論が入り乱れる、「同類で慰め合い助け合う」人間関係が、家族の絆よりも重視される社会であったのだ。家族よりも会社人間関係が危険を回避する仕組みであったから、家族が二の次扱いを受けたのも当然であった。これが「家族のために働く!」ことの本質であった。だが、こういった官僚的・社会主義的な管理が、経済の足を引っ張った時代であったし、家庭崩壊の主要な社会的原因であったとされている。
(J)肥った女性、歯並びの悪い女性は、
それだけで男性に比べて悪い境遇を押しつけられる。また女性は相対的に稼ぎの少ない分野(能力があっても例えば医者でも一般医、企業法務、一般公務員、企業会計など)で働く傾向があり、家庭や子供のために仕事を離れるとか、楽な仕事に行く傾向は強い。先進国各地の分析によると、小売りや旅客輸送は、利便、簡単注文、親切、関連情報を重視する個別企業が伸びている。また、飲食・販売に絞ると、第一:店の見た目、第二:温かいもてなし、第三:新鮮高品質の順に、店舗展開方針を決定している個別企業は伸びている。
(K)チャイルドシートよりも子供の成長に合わせたシートベルト
の方が安全で安価だ。水道水にフッ素化合物を加えることで歯科医療費は激減した。カーシェアリングは、都市部において集中的に営業所を展開することで成功した。DVDレンタルは、一両日中に配送するシステムで成功した。良く分析すると、そこにはクライアントの後援や協力といった、商品価値増殖作業の(買い手と売り手にまたがる)分散が存在している。
(L)景気の良い時代には、値段が安く仕組みも簡単な便利商品は、
みんなでそれを馬鹿にする。高血圧・高コレステロールを安い薬で抑えることで心臓病での死亡率は激減した。初期の心臓病治療薬は激安商品である。日本が開発した老化防止のコエンザイムQ10の酸化型と還元型のいずれもが安価な商品である。活性酸素を除去する水素(H2)気体そのものはさらに安い。数10ccの砂糖水を夕刻に飲むだけで、夕食の食欲が減退しダイエット効果は著しい。初期の糖尿病は、発見後数ヵ月間の糖分遮断で治る。傷病を予防する医療行為は民間医療保険会社も歓迎するようになった。高齢者予防医療に、室内段差の解消、毛足の長いカーペット排除、高齢者の足の爪きり、心疾患患者の体重を毎日把握などが広まりつつある。すなわち、問題が起きる前にそれを防ぐやり方だと、長い目で見ればとても安くつくことが多い。
(M)アメリカのER(救急救命機関)の実際の調査によると、
訴える症状の中で危険度の高いものは、息苦しさ、血栓、熱、感染症といったもので、危険度の低いものは胸の痛み、めまい、しびれ、精神科的症状だとの結果がある。
(N)石炭は化石燃料の中で最も安価で、まだ大量に存在するし、
技術開発のおかげで窒素酸化物処理法も進展している。ちなみに日本には、製鉄など工業に適した石炭の埋蔵は多い。日本の大陸棚拡張申請を国連が認めたため、日本のメタンハイドレート、レアメタルの採掘権領海が拡張された。今や日本は、次世代の資源大国になりつつある。窒素肥料(硝酸塩肥料)は農業生産量を一気に引き上げた、そして極めて安価な肥料であった。二酸化炭素濃度の高い温室での植物栽培では、植物の成長度合いは高まり、吸収する水量も節約出来る。
(O)携帯電話のノキア1100型は農漁村地帯を中心に、
インド、南アジア、ラテンアメリカ、アフリカといった貧しい国々に、最初の5年で2億5000万台を販売した。さまざまな機能は切り捨て、農村のニーズをとらえることはもちろんだが、なによりも経済、農産物や漁獲量の生産性向上と、旧態流通による腐敗・廃棄の無駄を解消する効果を生み出すことに、ノキア1100型は設計されている。
(P)世界の経済学者(日本の経済学者は異質)の一般的考え方は、
現代のようにストックが増加すれば分配方法を変更することを自然と考えるものである。ただし、現時点の経済危機は、いわゆる循環の繰り返しと見ている経済学者は少なく、18世紀から始まった産業革命以来の危機と見ているか、若しくは、「商品」が生産され流通が活発になって以来の450年ぶりの危機と見ているか、といった人が多い。共通しているのは、ICT産業革命の真っただ中であり、日本の戦後の高度経済成長時代や終戦直後の金融・公共事業政策の間尺では対策がとれないとの認識である。
(Q)なお、もう一段と深い部分の研究をしたい方は、
☆彡東洋経済新報社の、「ヤバイ経済学」
☆彡東洋経済新報社の、「超ヤバイ経済学」
☆彡日本経済新聞出版社の、「ザ・ディマンド=爆発的ドーム需要創出術」
☆彡朝日新聞出版社の、「BCC流競争戦略=加速経営のための条件」
などが研究入門としては、おすすめ書籍である。
さて以上、
ここに挙げた事例は、読者の固定概念を崩すために拾い集めたものの一例である。つい十数年前まで活躍していた、世界の有名企業のビジネスモデルのほとんどは、1929年の世界大恐慌の後に開発されたものである。だから、どうしてもそんなイメージに固まりやすく、読者の先輩や知識人の多くは、同じようにどっぷりつかった固定概念に染まった色眼鏡をとおして、貴方に語りかけているわけだ。そんなスタンスのままでは、真剣に頑張るほど崩壊のスピードをはやめていったのだ。
そう、世界恐慌前に活躍した企業も、戦後に活躍していた企業も、もちろん日本でMade in Japanで風を切っていた企業も、それまでのビジネスモデルは破綻若しくは崩壊してしまった。ほんのわずかに企業名を残すのみなのである。
§4月1日、労働法改正にまつわる質疑
労働契約法、高年齢者雇用安定法改正について、よくある質問に回答をする。
¶期間契約は、「5年を超えて更新しない」といった記載の効力?
そういった契約やその旨の就業規則改正の効力はあるのかとの質問ですが。端的にいえば、そのような記載を行ない、誰が何を言っても、どんな事態になっても、「5年を超えて更新しない」ことを実行すれば、たしかにそれは有効ではあります。問題は、労務管理の実態からは現場では不可能、若しくは経営者や人事部門の目の届かないところでは実行していない可能性が高い実状なのです。中小企業は管理能力がないから不可能と決めつけるのは実態無視であり、大手企業であっても人事のいうことを聞いていない事例が多いのも事実です。もとより、そういった「5年を超えて更新しない」といった記載が、組織として履行出来るのであれば、なにもわざわざ法律で有期労働契約の規制に介入して来ることすらありえないのです。
¶5年以内なら、本人さえ納得すれば期間満了では?
雇用の期間契約の会社側の目的が、人手が余ったとか都合良く解雇出来るとか、「期間満了で丁度良いから!」といった行為が労働契約法第19条で、今年の8月10日から禁止されました。その場合、3回目以降の契約更新を8月10日以降に迎える場合、期間契約が自動更新されます。本人の働く意思がなければ出社しないので差し支えないのですが、「いやだ」とか「困る」といった口頭の意思表示だけで、法律は労働者を守ります。加えて、後日に代理人からの意思表示が行われたのだとしても、法律は労働者を守ります。5年以内と言っても、次回の契約更新の際に解雇したい場合は、社員と同じように普通解雇の客観的合理的かつ社会相当的理由が必要になります。理由が、「期間満了で丁度良いから!」といったものではないことを、証拠だてて証明する必要があるのです。
¶いっそ、期間の途中で30日分を払って解雇するのは?
解雇する場合は、客観的合理的かつ社会相当的理由が必要になります。30日分を支払えば解雇出来るというのは、社員でも契約社員でも、それは合法的ではありません。労働契約法では、期間残余の労働者の逸失利益(賃金100%)の支払いを求めています。加えて、そういった解雇は無効ですから、先程述べましたように契約期間が自動更新される場合もあり得るのです。なお、終期契約を結んでおれば、逸失利益の支払い問題は避けることが出来ます。
¶まだ5年以上も法改正の猶予期間があるのでは?
安易な解雇をするための期間契約の場合は、来年の4月1日から5年を経過する前に、3回目の契約更新を迎えて自動更新されますから、猶予期間というもの自体が存在しません。まして、今年の8月10日以降に3回目の更新を迎えてしまったのであれば、もう既に自動更新されています。その場合、60歳以上の定年などの定めがなければ、「死亡するまで」自動更新することになっています。辞めてもらうには、就業規則の具体的な解雇条項に該当するような客観的合理的社会相当的理由がある場合、もう一つは会社から懇願して退職に同意していただく場合しか、現在でも道は残っていません。
¶65歳までの再雇用、その後の契約更新は無期に転換するのか?
再雇用制度を、60歳を過ぎて1年間の期間契約を繰り返す会社が多いようです。60歳から5年間の労働契約も許されていますから、65歳以降の契約更新が1年ごとといった会社も少なくありません。いずれにしても、期間契約には変わりがありませんから、客観的合理的社会相当的理由がなければ、3回目の更新から自動更新となります。加えて、来年4月1日から始まって6年目に突入したときは、無期労働契約に転換するのです。無期契約とは、定年や再雇用の年齢その他の定めがあればその時点まで、決めていなければ、「死亡するまで」の期間をさします。
ですからその場合に、6年目が定年や再雇用年齢を過ぎている場合とか、それが無期契約に転換するので、「死亡するまで」は客観的合理的社会相当的理由がなければ解雇することは出来ません。なお、注意をいただきたいのは、60歳定年や65歳の再雇用年齢を過ぎている労働者を多数抱えている場合には定年や再雇用年齢の年齢制限自体が、慣習により就業規則の効力を失っていますから、念の為。ここでも、会社から懇願して退職に同意していただく場合しか、道は残っていないのです。厚生労働省から施行通達が出されていますが、今述べたような事態に至ることを、彼らは既に予見しているようです。
¶パートなら、5年を超えても同意してくれ、大丈夫?
大丈夫と考える場合の法的根拠はありません。ひたすら会社から懇願して同意していただくしかないのです。すなわち、パート労働者といえども法的に対処するとの意思も持てば、いつでも申し入れをして無期労働契約に転換をすることも出来ますし、実態としてはいつでも自由に退職出来る状況が出来ているということです。現代は経済成長の時代ではありませんから、最も会社にとってマイナスなことは、予見出来ない事態や不安定な計画のもとに経営管理を行うことです。大概のリスクは、後日になって膨大な累積となったところで請求がまわってきます、それも法律を伴って。経営上の一般債務がそうですが、労働債務も同じようにまわってきます。
¶パートなのだから、賃金格差、通勤手当無しは当然?
今年8月10日から、社員と同じ仕事をしているにも関わらず、期間の定めがあることによって労働条件を低くすることが禁止されました。ここでの要件は、「社員と同じ仕事」ということです。ほぼフルタイムの期間労働契約者が対象とされます。通勤手当の不支給が典型的なものとされています。法律で、正規社員と非正規社員の格差は五項目余にわたって認めるとしていますが、それにあてはまらなければ賃金格差とされます。確かに、訴えがなければ支払う必要もないのですが、例えば退職時にまとめて過去2年分(ただし平成24年8月10日の法制定日後のみ)を請求出来ますから、目に見えない労働債務を抱えることになるのです。また正規社員との格差は、「ダラダラ仕事をしている社員」との差が最低基準となりますから、チェックしなければならないのは非正規の期間労働契約の従業員だけではないのです。
¶どこの国でも、法律を造る側のすることは、すなわち
政治家・首長・官僚・公務員といった人たちが考えることは、たとえ彼らがどれだけいいことをしたつもりでも、今回の労働法改正がほとんどオール与党であったとしても、実際の民間企業=個別企業の中で、人々の利益や建前その他インセンティブにどのように反応するかを想定(計画や予見も含め)すらしていないのです。昭和27年の職安法施行規則改正、昭和61年労働者派遣法、昭和61年男女雇用機会均等法、平成9年職安法改正、平成11年労働者派遣法改正その他、厚生労働省の官僚が思いもしなかった事態ばかりを生んできたのです。
2012/11/06
第127号
<コンテンツ>
・大手企業のサラリーマン経営者
・そういったサラリーマン経営者の姿勢が、
・根低から生活文化に根ざす老舗は、ちょっと違う
・さて、中堅・中小企業での方策は!
【愛は眼差しと仕草、と言うけれど?】
【顧客と接する社員みんなが出来るパターン化】
【そこで、商品の価値=固有価値】
【商品経済自体が、人類の発明したシステムである】
・法改正に現場対処が出来ない人たち
【労働関係法は商品や業務の品質に関わる!】
【法律効果が無理解だから人件費増に!】
【法令のみでは現場と対立を起こす!】
【やっかいなのは中間管理職が抵抗するとき!】
§大手企業のサラリーマン経営者
の大半は、自社の技術開発を進め、「その技術を売却して保身を図ろう!」との作戦が、どうしても頭によぎっている。今のアメリカでは、確かに流行する手法でもあり、それを免罪符にする経営指南役も少なくない。その形態は、製品を得るのではないから、業務提携、M&Aをその他の形をとる。合併であれば、法的には存続会社に吸収されるのであり対等合併など存在しない。吸収合併されれば、取締役から社員に至るまでお払い箱である。だがそこで、サラリーマン経営トップだけは、「技術売却」の報酬としてポストが用意されるといったような仕組みである。大手企業の多くは、高度経済成長の先が見えてきた1960年代後半からは、合併に因って企業の存続を図ってきた。
いわゆる、こういったサラリーマン経営者は頭が良いけれど、頭の使い道が分からない。
どうも、大手企業では世界共通して、「旧態依然の成功体験が忘れられない」とか、銀行からの借入金で回しているような会社の取締役会では、「目の前の利益だ!」と叫んでいるようだ。日本は追い付くどころか、日系大手企業はおしなべて、欧米の勝ち組企業に太刀打ち出来なくなっている。日本の企業に技術力があるというのは昔の話、今や何らかの高い技術は存在するけれど、世界の市場が相手にしてくれないのである。日本の技術・技能の特徴は、他の商品に転用出来ない状況であり、その未熟さが未だ改善出来ないのである。それは、この失われた20年間に人件費コストを下げることばかり考え、技術・技能体系の未熟さからの脱出を図らなかったからである。「円高により不況になった」との大手企業の弁解は嘘で、その根拠は海外生産さえすれば円高の影響を受けなかったはずだからである。要するに、日本の技術・技能より劣るかも知れないとひいき目に見たとしても、欧米の勝ち組企業が、日本の大手企業の進出予定市場を、ことごとく取ってしまったということである。もはや、一部の素材産業を除いて大手企業が持ち直す見通しはなくなった。
これは何も、パナソニックその他の劇的なニュースが流れたからそう結論づけるのでは全くない。経団連も、私から言わせれば、「笛吹けど、会員の大手企業は踊らず」どころか、踊りたくとも、サラリーマン経営者やそれを支えてきた管理職や組織硬直が原因して、踊るつもりも体力もなくなっているとみた方が妥当なのだ。
(経団連:事業競争力を左右するビジネスモデルの変容と多様化で懇談)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1018_05.html
(経団連:「『失われた20年』と成長戦略の評価」テーマに説明を聞く)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1018_06.html
何年も前から破綻の兆候は現われているが、日本国内の大手企業でもほぼ共通して、「目の前の利益だ!」と役員会では怒号が飛び交っているという「ウワサ」である。(ただし、筆者は噂話を掲載しない。)
§そういったサラリーマン経営者の姿勢が、
「挙動・まなざし・仕草」ににじみ出て来るものだから、開発担当者は本気で技術開発をするわけがない。(まして技術系社員は、企業よりも学術団体への忠誠心が強い)。管理職の中でも部長クラスは、まだ将来展望が気にかかるから鋭意尽力をするがが、中間管理職のほとんどは、今や「言われたことをするだけ」の人物が圧倒的に多く、旧態依然にしがみついている。この失われた20年ほどの内に、彼らは人件費削減の手法に長けるようになり、肝心の自身や企業の技術・技能をないがしろにするばかりだった。だから彼らは、「何でも分かっているつもり(実は自己欺瞞)」だが、ウダツ(梲)は上がらない。うつ病・労働力毀損の蔓延、新型うつ病のレジスタンス運動もその結果である。むしろ、そうなる素養の人物を中間管理職に抜擢・確保してきたのが現実であって、彼らが「保身の塊」と抱き合わせの存在であることを見抜けなかった総務人事担当者の失策といっても過言ではない。(やがて、こういった労働に関わる課題を、EUや北欧の諸国は克服しつつある)。
だから、これが結論だ。
益々大手企業は、窮地に陥る道を進まざるを得ず、今さらどうしようもない。大手企業での改革や革新を進めようとしても、こういった中間管理職が抵抗勢力となって身動きがとれないし、中間管理職自身は転職しても使いものにならないことを良く知っているから、一段と社内抵抗を激しくしているのである。加えて、創造的労働・効率的労働の弊害となることが分っている学歴重視、無休(有休はマイナス考課)重視の人事体系も、紆余曲折の議論も生じず、大手企業では脈々と続けられている。さて、こういうふうに物事・組織を観るのは歪な思考ではなく、「帝王学」の定石であるから念のため。だから筆者は、そんな大手企業に就職したとしても、意思さえあれば、頭の使い方を良くして、大手企業を退職することを推奨しているのである。
§根底から生活文化に根ざす老舗は、ちょっと違う
例えば、資生堂のように、
顧客に接する社員の意識から改革を図って、抵抗勢力を抑えようとしている企業は稀である。
(経団連:企業価値の向上に向けて~リーダーの役割とは?経営改革を振り返る/資生堂の前田会長が講演)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1011_10.html
資生堂は、筆者(むらおか)が在籍している大学院のスポンサー格の一つであるが、商品価値を使用価値論では論ぜず、現在解明されるに至った固有価値論を一貫して唱えてきた企業であった。にも関わらず、曖昧な経済論理に振り回されるなどして打撃を受けた時代もあったようだが、商品価値=固有価値論の顧客重視を柱に貫いたからこそ、方向転換の舵をとることができたのである。蛇足だが、筆者が中小企業政策ではなく、経済政策としての商品価値=固有価値論、そして価格決定メカニズムを解明できたのは、資生堂の経営者からの情報が大いに役立っている。
大阪ガスも、
天然ガスのエネルギー転換を具体化する事業へと舵を取ろうとしている。天然ガスに因って発電をする方向ではあるが、大規模施設の集積集中発電ではなく、「スマートグリッド&個別分散型」の発電である。ちなみに経済発展・産業革命の定石の話(論理)だが、18世紀の産業革命で、当時の蒸気機関は大型過ぎてエネルギー効率も悪かったものだから鉱山の排水程度にしか使われていなかった。これを、ギルド徒弟制度から放り出されたワット(蒸気機関自体は彼の発明ではない)が、グラスゴー大学に招かれ、そこでコンパクトな蒸気機関小型化に成功して、工場に分散設置、船舶や鉄道動力車に活用出来るようにして、これにより産業革命の基盤を作ったのである。ちなみに、経済学者のアダム・スミスもグラスゴー大学。そして今、ドイツの電力産業といえば、元来原発は輸出専門であったし、風力や太陽光は大規模事業化が可能な土地柄であったものであり、電力産業といえば中小農村の再生エネルギー産業なのである。ドイツはユーロ安の追い風で、さらに高収益をあげており、経済成長ばかりでなくゆたかさを追求しようという訳である。そのドイツの発電機メーカー世界第二位のシーメンスは、風力や太陽光発電の大規模発電機メーカーに成長した。大阪ガスは、時代の波に乗れるかどうかの岐路であるだろう。
ちなみに、東京電力は、
典型的な工業向け商品と工業文化一辺倒の企業であり、今そこでは、若手人材が流出し続けている事態に歯止めがかからず、残りの若手で何とか間に合わそうとの制度を導入せざるをえないほど窮地に陥っているようだ。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kigyo/20121031.htm
§さて、中堅・中小企業での方策は!
その参考になる、欧米の「勝ち組企業?」の例をいくつか紹介すると次のようになる。
(1)商圏を集中し密度をあげて便利さと使い道を増強(カーシェアリング)
(2)顧客の欲しがる情報を集中して提供(情報配信、携帯、健康ケアー)
(3)顧客が観たいと思っているうちの配送速度(DVDレンタル)
(4)流通の習慣や障害から脱出し顧客に直接販売(電子書籍)
(5)伝統的企業体質の影響を受けない事業展開(エスプレッソ)
(6)有能な「職人」の行動特性をパターン化・社内普及(教育事業)
(7)店の見た目、温かいもてなし、新鮮高品質(小売、飲食チェーン)
(8)平均的顧客重要の神話といった思い込みから脱却(交響楽団)
(9)顧客の利便、注文、親切、関連情報を先取り(旅客、小売)
こういったビジネスプランや事業転換についての切り口であれば、中堅・中小企業であれば切り替えることが出来るのである。業務改善のコツとして導入するだけでも売り上げは変わってくる。
そこで、「最も肝心なこと」は、
A.これを進めるための理念確立と理念を現場で具現化する手法、
B.人員と事業を推進する体制を造ること
である。要するに、中堅・中小企業では、この「最も肝心なこと」がやり易いということである。やりやすいけれど、やっていない現実があるならば、これを総務人事部門が責任をとって、組織的に推進すれば良いことである。キーポイントとなる人材がほしいならば、先ほど述べたような、(条件1)事業に意思や意欲をもち、(条件2)頭の使い方を良くした大手企業退職社員を採用すれば良いのである、中国、韓国その他の海外企業に取られないうちに。その責任セクションは総務人事部門である。別個に企画室とか推進本部などを作ったとしても、やはり総務人事部門のように足元が固まっているわけがない。
大手企業も、「最も肝心なこと」らしきものに挑戦をしているのだが、実行するための社内体制がとれないのが現実だ。その原因の解明は可能だが、責任を取らされるか貧乏くじを引かされるから、「原因解明が出来ない」形式をとって、「笛吹けど、踊らず」を自然現象の様に言いくるめているにすぎない。そして、大手企業のサラリーマン経営者は線が弱いから、イノベーションや技術の売却に走るのも無理もないことなのである。
【愛は眼差しと仕草、と言うけれど?】
その意味は、物事をやり遂げることはテクニックではない!ということだ。先ほど述べたような「勝ち組企業?」の例を、テクニックとして導入しようとするのは間違いである。諸事情が重なるので、その調整をすれば良いだけ!と考えるのもテクニックに走っているから間違いである。もっとひどくなれば、「営業トーク」とか「文章の書き方」といったテクニックよりも近視眼的な「手練手管」の種類を求めようとするが、こんな人物は責任者から外すしかない。創造性の芽が無いから、そういったセミナーや書籍が氾濫し、それを流行と勘違いまでしてしまうのである。テクニックに走る人材は、頭が良いのだろうけれど、頭の使い方は決定的に悪い。
中堅・中小企業では、ややもすれば、ここで、「愛」とか「情熱」といった言葉だけが飛び出すが、「愛情を持って!」といった業務命令など役には立たない。まして、日本において「愛」という概念は各自が千差万別、欧米のように愛を5~6種類にも分類しているわけではない(自己中心愛、博愛、友愛、自己犠牲愛、慈悲、Amoreなど)。だから、「愛」の言葉を業務命令に使えば、バラエティーに富んだバラバラの業務を実行しましょう!ということと同じなのだ。しかも、「愛」であるからバラエティーに富んだ方法も包容しなければならない。余談だが、「愛」の最初の日本語訳(室町時代)は「大事にする」であって、英語のLoveである。だから、日本人の「アイ、ラブ、ユー」は、I like you というのが妥当らしい。
【顧客と接する社員みんなが出来るパターン化】
を図り、全社員に定着させることが重要なのである。そうするから、生業や個人商店から→事業となるのだ。例えば、現代・今の瞬間に、日本社会で親切さを表現するには、
「お客様が世間話を持ち掛ければ、仕事の話を止めて、その世間話をする」
ことで、顧客は親切さを実感する実証法則がある。だが、これを社内に書面通達だけで指示したとしても実行不能である。朝のミーティングで徹底したとしても、やはり一部の社員は顔がこわばっている。まして、ウロウロして先延ばしにしていると、この実証法則も社会状況が変わって通用しなくなるのも事実だ。
また、「美しさを追求する」といったところで、先ほどの「愛」とか「情熱」の話と同じである。
ではどうすれば良いのかであるが、ここでもテクニックに走ってはいけないのだ。
人間の理解方法は、
One 書面の理解が得意
Two 論議の理解が得意
Three ビジュアルの理解が得意
の大まかな3種に大別される。学校教育は書面理解が中心なので成功率は30%にも満たない。ゆとり世代(18歳~27歳の1200万人)には、議論やビジュアルが導入されている。一番効果が高いといわれているのは、演劇(ビジュアル)だとの学説は強い。
確かに、一般社員向けの教育効果の高い事例は世界的に見て、パターン化した題材での「社内外でのイベント」が重要視されている。社長が営業イベントで先陣を切るのも、社外講師の漫談セミナーも、店頭での実演販売も、社内での典型事例の実施(や演出)も、複雑な作法作業をパターン化して、「社内外でのイベント」を通じて教育しているのだ。
そして、「社内外でのイベント」を拡張・継続させる仕掛けが、事業では必要となる。
【そこで、商品の価値=固有価値】
に注目すれば、その拡張・継続させる仕掛けの論理的(答え)選択肢が見えて来るのである。社内でのノウハウ蓄積の術との共通項も多い。研究報告はこちら。
http://www.soumubu.jp/new.html
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
きわめて簡単にいえば、商品の価値に、「意欲・感動・希望」を持たせることでもある。
今までの商品価値論の使用価値だけでは、「意欲・感動」しかなく、肝心の「希望」がなかったのである。商品に花火をつければ感動は巻き起こるが、顧客に商品を提供するor顧客が商品を手に入れたことでの、「希望」は出てこない。
そしてこの「希望を持たせる」といった価値は、経済成長だけでは実現せず、いわゆる「豊かさ」と併存していることが発見される。そして、この「豊かさ」を容易に醸し出すことが出来るのが芸術でもある。
I. スキル Skill に接すれば、意欲 Desire, Will は出るものだ。
II. パフォーマンス Performance があれば感動 Impression はするものだ。
III.アート Art になれば、人に希望 Hope を抱かせる。
IV. (注:ここで言う私の芸術とは、技巧の上手下手を問わず、人に希望を与えることができる術を重視しているもの。その決定的な特徴に、その術が無ければ希望といった感情作用が形成されえないところがある)。
仕事(作業)がこなせる人物だ!といっても、それが曲芸師であれば、何れ機械やICTに取って代わられるだけである。商品の価値に、「意欲・感動・希望」を持たせることは、小さいながらも芸術的要素である。曲芸は、あくまでも珍しい見世物だから、見せてしまえば真似をされ、いくら素晴らしくでも何れは見捨てられる。だが、芸術的仕事の代替は効かない。
☆3ヵ月ほど前に翻訳出版された、『ザ・ディマンド:爆発的ヒットを生む需要創出術』(日本経済新聞出版社、A・J・スライウォツキー著)でも、この20年を振り返り
(イ)「提供する側と顧客側とに共通する感情」といった表現で、商品の価値=固有価値の最大重要要素である「希望」を同義語で紹介している。この本の著者は、機能性とは別の「感情的訴求力」という言葉を使っている。
(ロ)提供側と顧客側の希望がずれた場合には、顧客側の「受容する希望」についてだけ交換がなされ、製品とサービスを一体としてとらえ、爆発的ヒット商品の検証を行っている。
(ハ)提供する側が希望を持っていたとしても、提供側と顧客側の希望のずれを、摺り合わせることで、ヒットする商品ポイントがあると言っている。
(ニ)そして、大きな事業展開を成しえた企業では、社員には顧客と一体感が生じるような「希望」が持てるように、かつ臨場感のある組織運営を行っていることを十数社に渡って紹介している。
(ホ)まさに曲芸師の見世物ではなく、人に希望を持たせる芸術家たちと共通したビジネス作法を紹介しているのである。
(ヘ)金銭、地位などに因って、社員の意欲を釣ろうという爆発的ヒット企業はないとも言っている。
【商品経済自体が、人類の発明したシステムである】
それは自然に出来たシステムではなかった。そして、商品の価値=固有価値であって、機能や物質(の使用価値)では無い。
ちなみに、中国は商品経済では無い。日本の公共事業発注も官僚の行政指導も商品経済では無い。だから、彼らは200年前のリカードの使用価値論に頼るし、その延長線上にあるパレートParetoやスラッファSraffaといった流行的な経済理論に頼ろうとする。資本投下を唯一の拠り所としてきた大手企業も、資本投下を得るために流行的な経済理論を信奉しているから、商品経済システムに沿うことが出来ない。だから、日本の商品は相手にされなくなった。円安になっても、もはやガラクタ品が売れるわけ無い。
生活文化の豊かさを追求する事業は、誰もが成長有望と見るようになったが、資本投下を得るために経営者が舵を切らざるを得なくなれば、商品経済システムから脱落するしかない。それを未然に防ぐには、最終末端販路を海外の富裕層に向ける方針だけでよいのだ。アジアの非富裕層地域や国内に市場を求めれば、日本の官僚が長年実行してきた社会主義▲計画経済を再び蔓延させることになる、それも、豊かさとは無縁かつ、今度は経済低成長の▲計画経済▲に抑圧されてである。
だから、みんな、頑張ろう!
§法改正に現場対処が出来ない人たち
それは、今般の労働契約法その他の法律(全般的に)の改正といった、経営管理で最も気をつけなければならない社会環境の変化についてもそうである。経営というのは、経営環境の変化に応じて如何にコントロールをして行くかといった技法でもある。だからそれに長けた人物が、経営者、営業部門、製造部門、総務部門、その他専門部署を担っているのである。だからと言って、各部門とも外部環境に翻弄されてしまえば経営は成り立たない。
大手企業のサラリーマン経営者は450年ぶりの経済変化に翻弄されている。営業部門も売り上げさえあげれば何とかなるとの過去の金融政策に翻弄された不毛な営業活動が多い。社会の後追いや政治目的による法改正を信奉して、「個別企業の経営環境まで迎合」させようとする総務部門も多い。間の悪いことに、専門家は社会的地位に惑わされて、翻弄されているにも関わらず、なぜか「私は正義だ!」と極度の勘違いすら起こしている。
【労働関係法は商品や業務の品質に関わる!】
ことなど、まったく考えたこともなく、法改正をそのまま社内規則に導入するようとする人たちがいる。現場や正当な経営方針と相容れるわけがないから周囲の反発が激しいと判断するやいなや、一挙に、「非合法な方法を秘密で行う」方策を求めるようになる。頭が良くても、頭の使い道が悪ければ、大概このようになってしまう。労働法改正を社内に順応させようとするには、品質にブレーキが掛かる事柄を明確にし、その上で品質にブレーキがかからない制度を創造する方法が定石である。それはこのメルマガで先ほど述べた概念であり、創造さえすれば理想と言うわけではない。創造をビジネスとする企業もあれば専門家も存在することだし。
【法律効果が無理解だから人件費増に!】
労働契約法の改正は人件費、すなわち人件費の対品質効果である。
(労働契約法=解説ドキュメント)
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc
労働者派遣法改正や高年齢者雇用安定法の改正は、大手企業若しくは大手企業の真似をしていたその他企業、並びに高齢者積極活用企業に限って重大な問題なのだ。
11/2 厚労省審議会が妥当と答申した雇用確保措置指針(案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002nhdh-att/2r9852000002nhi9.pdf
如何なる企業であっても、現行の採用雇用制度を、この労働契約法改正(一部は本年8月10日施行、あと来年4月1日施行予定)の文言だけを解釈して、とりあえず「労働契約法に抵触しない」との目標で採用システムや社内体制・規則を改定した場合、人件費の無駄遣い、教育訓練企業の重複、賃金債務(賃金トラブル)招来システムの形成となる。
むしろ、事業を縮小する個別企業であれば、労働契約法改正に伴う社内制度の改定を、行わない!方がベターである、といったことも理解不能なのである。数10人~数千人の従業員を抱えて(秩序立てて)動かすわけであるから、実施部隊であるライン幹部や中間管理職に説明出来ないのであれば、総務人事部門がごり押しすることは危険なのである。ただし、あくまでも事業を縮小する個別企業に限定していることなのだが。
一部の労働組合は、労働契約法の改正で有期雇用の制度が変わることに因って、従来からの正社員とは別に、B級社員が形成されると主張している。その論理からすれば、現在の有期労働契約を繰り返している労働者に加えて、現在のA級正社員をも順次B級社員に転落させられるとの説につながって行く。だが、そんなことをしてしまえば、個別企業の商品は売り上げ大幅ダウン、日本経済は世界の誰からも相手にされないことになっていく。彼らは、自分が何を言っているのか分からないのだろうが、経済の豊かさの後退を望んでいると、受け取られかねないのである。そういった理屈は、ほとんど無政府主義者のような論理展開なのだが、たとえ大学の法学部教授であっても事業経営に与える法律効果が理解出来ていないことによるものだ。
【法令のみでは現場と対立を起こす!】
誰しも、いくら経営方針に反対する社員であっても、法令をそのまま現場に持ち込まれては対立せざるを得ない。機械的に、事務的に、WEBなどでの情報の表面を社内に持ち込もうとすれば対立を起こすのは当たり前だ。その場合、多くの総務人事部門の監督職若しくは、監督職程度の能力しかない人物(男女問わず)は、そこで「強い権力」を欲しがり、総務人事部門の情報すら操って権力をもちたがる。そうすれば、周辺の人たちからは益々嫌がられ、面従腹背のお世辞にさらされるしかない。要は阿呆や馬鹿にされるのだ。もちろん現場のモラルは下がる一方、先ほど述べたような、「意欲・感動・希望」を与えられるヒット商品など、全社的に提供出来るわけがない。最近テレビで騒がれている大手企業もその類、筆者はそれを直接目の当りにもしてきた。
そこで多くのサラリーマンは、社内の多くの人の意見を聞いた振りをして、闇雲に「適当な合意点」をまとめて、お茶を濁すのである。やっぱり頭が良い?から、「話をまとめたような書面」の作成は上手ではある。でもそれは、合理的思考訓練を受けている外資系ビジネスマン、有能な弁護士、有能なコンサルタントには一目瞭然、見破られてしまう。でもお茶を濁すのは、中間管理職としてのサラリーマンであるから、社内での保身に役立つからなのである。そういった人ならば、社会人向け大学院、基礎理論の読書をして、ほんのちょっとでいいからビジネスでの創造性訓練をした方が良い。
【やっかいなのは中間管理職が抵抗するとき!】
いよいよ勘所である。新しい時代の経営戦略、業務改善とワンセットになった制度改革・規則変更は、あなたが有能であれば、たぶん経営トップは賛同もしてくれるし、「総論賛成!」である。そして、部長クラスは、あなたのプランに、にわかに賛成するかどうかは別として、抵抗はしない。…これはどの企業でも共通している。
問題は、中間管理職(課長)である。
(ア)中間管理職が了承すれば、末端まで組織としてそれなりに動く。
(イ)中間管理職の心を打つ方針であれば、中間管理職が末端まで方針を徹底する、それは中間管理職の希望にも適うからである。
(ウ)反対に、中間管理職が(表情に表すことなく)反対をすれば、末端では非合法・方針と正反対の動きが、水面下で行われる。
(エ)…これが組織運営・組織運営論の普通の姿なのである。
(オ)中間管理職が無言の反対をすれば、部長クラスは手足が動かないから、部長も難色を示す。
(カ)部長が納得したかでは無く、中間管理職の心を打つ話を部長が出来るようにする創造的な具体的手立てが必要である。
(キ)難色は示しても部長は反対しない、だからといって押し通せば組織は分解する。
(ク)必ず経営者は組織分解を阻止するから、押し通した貴方は追放(左遷)される。
ここでよく勘違いする事柄は、
「中間管理職その他の意見を聞いてまとめれば、間違ったとしても前に進む」といった、全く根拠のない甘い誘惑に乗ってしまうことである。未熟な総務人事部門の監督職たちは、「追放(左遷)される恐怖感」から、甘い誘惑にも乗りやすいのである。では、管理職はどうすれば良いのか!
A.総務人事部門の担当者であっても、自社の顧客の需要観察をしっかりする。
B.営業部門・製造(業務)部門などのライン中間管理職の奥底を良く推察する。
C.今後のビジネスプランを邁進するための制度を、自社用に創造する。
D.ライン中間管理職の教育は、総務人事部門が企画と責任を取って行う。
E.決定的アプローチは、会社の最前線で顧客と接している人たちに行う。
……こういった項目、最初はどうしても深く取り組むことは出来ない。でも、業務改善のコツとして使うことは可能で、現在の状況から一挙に前進することは確かである。それは筆者が接している企業では何件も実証がされている。
しかしながら深く取り組むには、さらなる勉強が必要である。有給休暇が余っていれば毎週大学院に通うことも出来る。管理職であれば勉強の時間と質はコントロール出来る。欧米のヒット商品を生む企業のようになりたいのであれば、大学院レベルの経済・経営・社会制度・心理学などの勉学は欠かせない。(スウェーデンなどは管理職の博士号まで大学院に設置した)。
だがそこまでしなくても、今の危機的状況から一歩踏みだし、貴方の会社を浮かび上がらせることは可能なのだ。
・大手企業のサラリーマン経営者
・そういったサラリーマン経営者の姿勢が、
・根低から生活文化に根ざす老舗は、ちょっと違う
・さて、中堅・中小企業での方策は!
【愛は眼差しと仕草、と言うけれど?】
【顧客と接する社員みんなが出来るパターン化】
【そこで、商品の価値=固有価値】
【商品経済自体が、人類の発明したシステムである】
・法改正に現場対処が出来ない人たち
【労働関係法は商品や業務の品質に関わる!】
【法律効果が無理解だから人件費増に!】
【法令のみでは現場と対立を起こす!】
【やっかいなのは中間管理職が抵抗するとき!】
§大手企業のサラリーマン経営者
の大半は、自社の技術開発を進め、「その技術を売却して保身を図ろう!」との作戦が、どうしても頭によぎっている。今のアメリカでは、確かに流行する手法でもあり、それを免罪符にする経営指南役も少なくない。その形態は、製品を得るのではないから、業務提携、M&Aをその他の形をとる。合併であれば、法的には存続会社に吸収されるのであり対等合併など存在しない。吸収合併されれば、取締役から社員に至るまでお払い箱である。だがそこで、サラリーマン経営トップだけは、「技術売却」の報酬としてポストが用意されるといったような仕組みである。大手企業の多くは、高度経済成長の先が見えてきた1960年代後半からは、合併に因って企業の存続を図ってきた。
いわゆる、こういったサラリーマン経営者は頭が良いけれど、頭の使い道が分からない。
どうも、大手企業では世界共通して、「旧態依然の成功体験が忘れられない」とか、銀行からの借入金で回しているような会社の取締役会では、「目の前の利益だ!」と叫んでいるようだ。日本は追い付くどころか、日系大手企業はおしなべて、欧米の勝ち組企業に太刀打ち出来なくなっている。日本の企業に技術力があるというのは昔の話、今や何らかの高い技術は存在するけれど、世界の市場が相手にしてくれないのである。日本の技術・技能の特徴は、他の商品に転用出来ない状況であり、その未熟さが未だ改善出来ないのである。それは、この失われた20年間に人件費コストを下げることばかり考え、技術・技能体系の未熟さからの脱出を図らなかったからである。「円高により不況になった」との大手企業の弁解は嘘で、その根拠は海外生産さえすれば円高の影響を受けなかったはずだからである。要するに、日本の技術・技能より劣るかも知れないとひいき目に見たとしても、欧米の勝ち組企業が、日本の大手企業の進出予定市場を、ことごとく取ってしまったということである。もはや、一部の素材産業を除いて大手企業が持ち直す見通しはなくなった。
これは何も、パナソニックその他の劇的なニュースが流れたからそう結論づけるのでは全くない。経団連も、私から言わせれば、「笛吹けど、会員の大手企業は踊らず」どころか、踊りたくとも、サラリーマン経営者やそれを支えてきた管理職や組織硬直が原因して、踊るつもりも体力もなくなっているとみた方が妥当なのだ。
(経団連:事業競争力を左右するビジネスモデルの変容と多様化で懇談)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1018_05.html
(経団連:「『失われた20年』と成長戦略の評価」テーマに説明を聞く)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1018_06.html
何年も前から破綻の兆候は現われているが、日本国内の大手企業でもほぼ共通して、「目の前の利益だ!」と役員会では怒号が飛び交っているという「ウワサ」である。(ただし、筆者は噂話を掲載しない。)
§そういったサラリーマン経営者の姿勢が、
「挙動・まなざし・仕草」ににじみ出て来るものだから、開発担当者は本気で技術開発をするわけがない。(まして技術系社員は、企業よりも学術団体への忠誠心が強い)。管理職の中でも部長クラスは、まだ将来展望が気にかかるから鋭意尽力をするがが、中間管理職のほとんどは、今や「言われたことをするだけ」の人物が圧倒的に多く、旧態依然にしがみついている。この失われた20年ほどの内に、彼らは人件費削減の手法に長けるようになり、肝心の自身や企業の技術・技能をないがしろにするばかりだった。だから彼らは、「何でも分かっているつもり(実は自己欺瞞)」だが、ウダツ(梲)は上がらない。うつ病・労働力毀損の蔓延、新型うつ病のレジスタンス運動もその結果である。むしろ、そうなる素養の人物を中間管理職に抜擢・確保してきたのが現実であって、彼らが「保身の塊」と抱き合わせの存在であることを見抜けなかった総務人事担当者の失策といっても過言ではない。(やがて、こういった労働に関わる課題を、EUや北欧の諸国は克服しつつある)。
だから、これが結論だ。
益々大手企業は、窮地に陥る道を進まざるを得ず、今さらどうしようもない。大手企業での改革や革新を進めようとしても、こういった中間管理職が抵抗勢力となって身動きがとれないし、中間管理職自身は転職しても使いものにならないことを良く知っているから、一段と社内抵抗を激しくしているのである。加えて、創造的労働・効率的労働の弊害となることが分っている学歴重視、無休(有休はマイナス考課)重視の人事体系も、紆余曲折の議論も生じず、大手企業では脈々と続けられている。さて、こういうふうに物事・組織を観るのは歪な思考ではなく、「帝王学」の定石であるから念のため。だから筆者は、そんな大手企業に就職したとしても、意思さえあれば、頭の使い方を良くして、大手企業を退職することを推奨しているのである。
§根底から生活文化に根ざす老舗は、ちょっと違う
例えば、資生堂のように、
顧客に接する社員の意識から改革を図って、抵抗勢力を抑えようとしている企業は稀である。
(経団連:企業価値の向上に向けて~リーダーの役割とは?経営改革を振り返る/資生堂の前田会長が講演)
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/1011_10.html
資生堂は、筆者(むらおか)が在籍している大学院のスポンサー格の一つであるが、商品価値を使用価値論では論ぜず、現在解明されるに至った固有価値論を一貫して唱えてきた企業であった。にも関わらず、曖昧な経済論理に振り回されるなどして打撃を受けた時代もあったようだが、商品価値=固有価値論の顧客重視を柱に貫いたからこそ、方向転換の舵をとることができたのである。蛇足だが、筆者が中小企業政策ではなく、経済政策としての商品価値=固有価値論、そして価格決定メカニズムを解明できたのは、資生堂の経営者からの情報が大いに役立っている。
大阪ガスも、
天然ガスのエネルギー転換を具体化する事業へと舵を取ろうとしている。天然ガスに因って発電をする方向ではあるが、大規模施設の集積集中発電ではなく、「スマートグリッド&個別分散型」の発電である。ちなみに経済発展・産業革命の定石の話(論理)だが、18世紀の産業革命で、当時の蒸気機関は大型過ぎてエネルギー効率も悪かったものだから鉱山の排水程度にしか使われていなかった。これを、ギルド徒弟制度から放り出されたワット(蒸気機関自体は彼の発明ではない)が、グラスゴー大学に招かれ、そこでコンパクトな蒸気機関小型化に成功して、工場に分散設置、船舶や鉄道動力車に活用出来るようにして、これにより産業革命の基盤を作ったのである。ちなみに、経済学者のアダム・スミスもグラスゴー大学。そして今、ドイツの電力産業といえば、元来原発は輸出専門であったし、風力や太陽光は大規模事業化が可能な土地柄であったものであり、電力産業といえば中小農村の再生エネルギー産業なのである。ドイツはユーロ安の追い風で、さらに高収益をあげており、経済成長ばかりでなくゆたかさを追求しようという訳である。そのドイツの発電機メーカー世界第二位のシーメンスは、風力や太陽光発電の大規模発電機メーカーに成長した。大阪ガスは、時代の波に乗れるかどうかの岐路であるだろう。
ちなみに、東京電力は、
典型的な工業向け商品と工業文化一辺倒の企業であり、今そこでは、若手人材が流出し続けている事態に歯止めがかからず、残りの若手で何とか間に合わそうとの制度を導入せざるをえないほど窮地に陥っているようだ。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kigyo/20121031.htm
§さて、中堅・中小企業での方策は!
その参考になる、欧米の「勝ち組企業?」の例をいくつか紹介すると次のようになる。
(1)商圏を集中し密度をあげて便利さと使い道を増強(カーシェアリング)
(2)顧客の欲しがる情報を集中して提供(情報配信、携帯、健康ケアー)
(3)顧客が観たいと思っているうちの配送速度(DVDレンタル)
(4)流通の習慣や障害から脱出し顧客に直接販売(電子書籍)
(5)伝統的企業体質の影響を受けない事業展開(エスプレッソ)
(6)有能な「職人」の行動特性をパターン化・社内普及(教育事業)
(7)店の見た目、温かいもてなし、新鮮高品質(小売、飲食チェーン)
(8)平均的顧客重要の神話といった思い込みから脱却(交響楽団)
(9)顧客の利便、注文、親切、関連情報を先取り(旅客、小売)
こういったビジネスプランや事業転換についての切り口であれば、中堅・中小企業であれば切り替えることが出来るのである。業務改善のコツとして導入するだけでも売り上げは変わってくる。
そこで、「最も肝心なこと」は、
A.これを進めるための理念確立と理念を現場で具現化する手法、
B.人員と事業を推進する体制を造ること
である。要するに、中堅・中小企業では、この「最も肝心なこと」がやり易いということである。やりやすいけれど、やっていない現実があるならば、これを総務人事部門が責任をとって、組織的に推進すれば良いことである。キーポイントとなる人材がほしいならば、先ほど述べたような、(条件1)事業に意思や意欲をもち、(条件2)頭の使い方を良くした大手企業退職社員を採用すれば良いのである、中国、韓国その他の海外企業に取られないうちに。その責任セクションは総務人事部門である。別個に企画室とか推進本部などを作ったとしても、やはり総務人事部門のように足元が固まっているわけがない。
大手企業も、「最も肝心なこと」らしきものに挑戦をしているのだが、実行するための社内体制がとれないのが現実だ。その原因の解明は可能だが、責任を取らされるか貧乏くじを引かされるから、「原因解明が出来ない」形式をとって、「笛吹けど、踊らず」を自然現象の様に言いくるめているにすぎない。そして、大手企業のサラリーマン経営者は線が弱いから、イノベーションや技術の売却に走るのも無理もないことなのである。
【愛は眼差しと仕草、と言うけれど?】
その意味は、物事をやり遂げることはテクニックではない!ということだ。先ほど述べたような「勝ち組企業?」の例を、テクニックとして導入しようとするのは間違いである。諸事情が重なるので、その調整をすれば良いだけ!と考えるのもテクニックに走っているから間違いである。もっとひどくなれば、「営業トーク」とか「文章の書き方」といったテクニックよりも近視眼的な「手練手管」の種類を求めようとするが、こんな人物は責任者から外すしかない。創造性の芽が無いから、そういったセミナーや書籍が氾濫し、それを流行と勘違いまでしてしまうのである。テクニックに走る人材は、頭が良いのだろうけれど、頭の使い方は決定的に悪い。
中堅・中小企業では、ややもすれば、ここで、「愛」とか「情熱」といった言葉だけが飛び出すが、「愛情を持って!」といった業務命令など役には立たない。まして、日本において「愛」という概念は各自が千差万別、欧米のように愛を5~6種類にも分類しているわけではない(自己中心愛、博愛、友愛、自己犠牲愛、慈悲、Amoreなど)。だから、「愛」の言葉を業務命令に使えば、バラエティーに富んだバラバラの業務を実行しましょう!ということと同じなのだ。しかも、「愛」であるからバラエティーに富んだ方法も包容しなければならない。余談だが、「愛」の最初の日本語訳(室町時代)は「大事にする」であって、英語のLoveである。だから、日本人の「アイ、ラブ、ユー」は、I like you というのが妥当らしい。
【顧客と接する社員みんなが出来るパターン化】
を図り、全社員に定着させることが重要なのである。そうするから、生業や個人商店から→事業となるのだ。例えば、現代・今の瞬間に、日本社会で親切さを表現するには、
「お客様が世間話を持ち掛ければ、仕事の話を止めて、その世間話をする」
ことで、顧客は親切さを実感する実証法則がある。だが、これを社内に書面通達だけで指示したとしても実行不能である。朝のミーティングで徹底したとしても、やはり一部の社員は顔がこわばっている。まして、ウロウロして先延ばしにしていると、この実証法則も社会状況が変わって通用しなくなるのも事実だ。
また、「美しさを追求する」といったところで、先ほどの「愛」とか「情熱」の話と同じである。
ではどうすれば良いのかであるが、ここでもテクニックに走ってはいけないのだ。
人間の理解方法は、
One 書面の理解が得意
Two 論議の理解が得意
Three ビジュアルの理解が得意
の大まかな3種に大別される。学校教育は書面理解が中心なので成功率は30%にも満たない。ゆとり世代(18歳~27歳の1200万人)には、議論やビジュアルが導入されている。一番効果が高いといわれているのは、演劇(ビジュアル)だとの学説は強い。
確かに、一般社員向けの教育効果の高い事例は世界的に見て、パターン化した題材での「社内外でのイベント」が重要視されている。社長が営業イベントで先陣を切るのも、社外講師の漫談セミナーも、店頭での実演販売も、社内での典型事例の実施(や演出)も、複雑な作法作業をパターン化して、「社内外でのイベント」を通じて教育しているのだ。
そして、「社内外でのイベント」を拡張・継続させる仕掛けが、事業では必要となる。
【そこで、商品の価値=固有価値】
に注目すれば、その拡張・継続させる仕掛けの論理的(答え)選択肢が見えて来るのである。社内でのノウハウ蓄積の術との共通項も多い。研究報告はこちら。
http://www.soumubu.jp/new.html
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
きわめて簡単にいえば、商品の価値に、「意欲・感動・希望」を持たせることでもある。
今までの商品価値論の使用価値だけでは、「意欲・感動」しかなく、肝心の「希望」がなかったのである。商品に花火をつければ感動は巻き起こるが、顧客に商品を提供するor顧客が商品を手に入れたことでの、「希望」は出てこない。
そしてこの「希望を持たせる」といった価値は、経済成長だけでは実現せず、いわゆる「豊かさ」と併存していることが発見される。そして、この「豊かさ」を容易に醸し出すことが出来るのが芸術でもある。
I. スキル Skill に接すれば、意欲 Desire, Will は出るものだ。
II. パフォーマンス Performance があれば感動 Impression はするものだ。
III.アート Art になれば、人に希望 Hope を抱かせる。
IV. (注:ここで言う私の芸術とは、技巧の上手下手を問わず、人に希望を与えることができる術を重視しているもの。その決定的な特徴に、その術が無ければ希望といった感情作用が形成されえないところがある)。
仕事(作業)がこなせる人物だ!といっても、それが曲芸師であれば、何れ機械やICTに取って代わられるだけである。商品の価値に、「意欲・感動・希望」を持たせることは、小さいながらも芸術的要素である。曲芸は、あくまでも珍しい見世物だから、見せてしまえば真似をされ、いくら素晴らしくでも何れは見捨てられる。だが、芸術的仕事の代替は効かない。
☆3ヵ月ほど前に翻訳出版された、『ザ・ディマンド:爆発的ヒットを生む需要創出術』(日本経済新聞出版社、A・J・スライウォツキー著)でも、この20年を振り返り
(イ)「提供する側と顧客側とに共通する感情」といった表現で、商品の価値=固有価値の最大重要要素である「希望」を同義語で紹介している。この本の著者は、機能性とは別の「感情的訴求力」という言葉を使っている。
(ロ)提供側と顧客側の希望がずれた場合には、顧客側の「受容する希望」についてだけ交換がなされ、製品とサービスを一体としてとらえ、爆発的ヒット商品の検証を行っている。
(ハ)提供する側が希望を持っていたとしても、提供側と顧客側の希望のずれを、摺り合わせることで、ヒットする商品ポイントがあると言っている。
(ニ)そして、大きな事業展開を成しえた企業では、社員には顧客と一体感が生じるような「希望」が持てるように、かつ臨場感のある組織運営を行っていることを十数社に渡って紹介している。
(ホ)まさに曲芸師の見世物ではなく、人に希望を持たせる芸術家たちと共通したビジネス作法を紹介しているのである。
(ヘ)金銭、地位などに因って、社員の意欲を釣ろうという爆発的ヒット企業はないとも言っている。
【商品経済自体が、人類の発明したシステムである】
それは自然に出来たシステムではなかった。そして、商品の価値=固有価値であって、機能や物質(の使用価値)では無い。
ちなみに、中国は商品経済では無い。日本の公共事業発注も官僚の行政指導も商品経済では無い。だから、彼らは200年前のリカードの使用価値論に頼るし、その延長線上にあるパレートParetoやスラッファSraffaといった流行的な経済理論に頼ろうとする。資本投下を唯一の拠り所としてきた大手企業も、資本投下を得るために流行的な経済理論を信奉しているから、商品経済システムに沿うことが出来ない。だから、日本の商品は相手にされなくなった。円安になっても、もはやガラクタ品が売れるわけ無い。
生活文化の豊かさを追求する事業は、誰もが成長有望と見るようになったが、資本投下を得るために経営者が舵を切らざるを得なくなれば、商品経済システムから脱落するしかない。それを未然に防ぐには、最終末端販路を海外の富裕層に向ける方針だけでよいのだ。アジアの非富裕層地域や国内に市場を求めれば、日本の官僚が長年実行してきた社会主義▲計画経済を再び蔓延させることになる、それも、豊かさとは無縁かつ、今度は経済低成長の▲計画経済▲に抑圧されてである。
だから、みんな、頑張ろう!
§法改正に現場対処が出来ない人たち
それは、今般の労働契約法その他の法律(全般的に)の改正といった、経営管理で最も気をつけなければならない社会環境の変化についてもそうである。経営というのは、経営環境の変化に応じて如何にコントロールをして行くかといった技法でもある。だからそれに長けた人物が、経営者、営業部門、製造部門、総務部門、その他専門部署を担っているのである。だからと言って、各部門とも外部環境に翻弄されてしまえば経営は成り立たない。
大手企業のサラリーマン経営者は450年ぶりの経済変化に翻弄されている。営業部門も売り上げさえあげれば何とかなるとの過去の金融政策に翻弄された不毛な営業活動が多い。社会の後追いや政治目的による法改正を信奉して、「個別企業の経営環境まで迎合」させようとする総務部門も多い。間の悪いことに、専門家は社会的地位に惑わされて、翻弄されているにも関わらず、なぜか「私は正義だ!」と極度の勘違いすら起こしている。
【労働関係法は商品や業務の品質に関わる!】
ことなど、まったく考えたこともなく、法改正をそのまま社内規則に導入するようとする人たちがいる。現場や正当な経営方針と相容れるわけがないから周囲の反発が激しいと判断するやいなや、一挙に、「非合法な方法を秘密で行う」方策を求めるようになる。頭が良くても、頭の使い道が悪ければ、大概このようになってしまう。労働法改正を社内に順応させようとするには、品質にブレーキが掛かる事柄を明確にし、その上で品質にブレーキがかからない制度を創造する方法が定石である。それはこのメルマガで先ほど述べた概念であり、創造さえすれば理想と言うわけではない。創造をビジネスとする企業もあれば専門家も存在することだし。
【法律効果が無理解だから人件費増に!】
労働契約法の改正は人件費、すなわち人件費の対品質効果である。
(労働契約法=解説ドキュメント)
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc
労働者派遣法改正や高年齢者雇用安定法の改正は、大手企業若しくは大手企業の真似をしていたその他企業、並びに高齢者積極活用企業に限って重大な問題なのだ。
11/2 厚労省審議会が妥当と答申した雇用確保措置指針(案)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002nhdh-att/2r9852000002nhi9.pdf
如何なる企業であっても、現行の採用雇用制度を、この労働契約法改正(一部は本年8月10日施行、あと来年4月1日施行予定)の文言だけを解釈して、とりあえず「労働契約法に抵触しない」との目標で採用システムや社内体制・規則を改定した場合、人件費の無駄遣い、教育訓練企業の重複、賃金債務(賃金トラブル)招来システムの形成となる。
むしろ、事業を縮小する個別企業であれば、労働契約法改正に伴う社内制度の改定を、行わない!方がベターである、といったことも理解不能なのである。数10人~数千人の従業員を抱えて(秩序立てて)動かすわけであるから、実施部隊であるライン幹部や中間管理職に説明出来ないのであれば、総務人事部門がごり押しすることは危険なのである。ただし、あくまでも事業を縮小する個別企業に限定していることなのだが。
一部の労働組合は、労働契約法の改正で有期雇用の制度が変わることに因って、従来からの正社員とは別に、B級社員が形成されると主張している。その論理からすれば、現在の有期労働契約を繰り返している労働者に加えて、現在のA級正社員をも順次B級社員に転落させられるとの説につながって行く。だが、そんなことをしてしまえば、個別企業の商品は売り上げ大幅ダウン、日本経済は世界の誰からも相手にされないことになっていく。彼らは、自分が何を言っているのか分からないのだろうが、経済の豊かさの後退を望んでいると、受け取られかねないのである。そういった理屈は、ほとんど無政府主義者のような論理展開なのだが、たとえ大学の法学部教授であっても事業経営に与える法律効果が理解出来ていないことによるものだ。
【法令のみでは現場と対立を起こす!】
誰しも、いくら経営方針に反対する社員であっても、法令をそのまま現場に持ち込まれては対立せざるを得ない。機械的に、事務的に、WEBなどでの情報の表面を社内に持ち込もうとすれば対立を起こすのは当たり前だ。その場合、多くの総務人事部門の監督職若しくは、監督職程度の能力しかない人物(男女問わず)は、そこで「強い権力」を欲しがり、総務人事部門の情報すら操って権力をもちたがる。そうすれば、周辺の人たちからは益々嫌がられ、面従腹背のお世辞にさらされるしかない。要は阿呆や馬鹿にされるのだ。もちろん現場のモラルは下がる一方、先ほど述べたような、「意欲・感動・希望」を与えられるヒット商品など、全社的に提供出来るわけがない。最近テレビで騒がれている大手企業もその類、筆者はそれを直接目の当りにもしてきた。
そこで多くのサラリーマンは、社内の多くの人の意見を聞いた振りをして、闇雲に「適当な合意点」をまとめて、お茶を濁すのである。やっぱり頭が良い?から、「話をまとめたような書面」の作成は上手ではある。でもそれは、合理的思考訓練を受けている外資系ビジネスマン、有能な弁護士、有能なコンサルタントには一目瞭然、見破られてしまう。でもお茶を濁すのは、中間管理職としてのサラリーマンであるから、社内での保身に役立つからなのである。そういった人ならば、社会人向け大学院、基礎理論の読書をして、ほんのちょっとでいいからビジネスでの創造性訓練をした方が良い。
【やっかいなのは中間管理職が抵抗するとき!】
いよいよ勘所である。新しい時代の経営戦略、業務改善とワンセットになった制度改革・規則変更は、あなたが有能であれば、たぶん経営トップは賛同もしてくれるし、「総論賛成!」である。そして、部長クラスは、あなたのプランに、にわかに賛成するかどうかは別として、抵抗はしない。…これはどの企業でも共通している。
問題は、中間管理職(課長)である。
(ア)中間管理職が了承すれば、末端まで組織としてそれなりに動く。
(イ)中間管理職の心を打つ方針であれば、中間管理職が末端まで方針を徹底する、それは中間管理職の希望にも適うからである。
(ウ)反対に、中間管理職が(表情に表すことなく)反対をすれば、末端では非合法・方針と正反対の動きが、水面下で行われる。
(エ)…これが組織運営・組織運営論の普通の姿なのである。
(オ)中間管理職が無言の反対をすれば、部長クラスは手足が動かないから、部長も難色を示す。
(カ)部長が納得したかでは無く、中間管理職の心を打つ話を部長が出来るようにする創造的な具体的手立てが必要である。
(キ)難色は示しても部長は反対しない、だからといって押し通せば組織は分解する。
(ク)必ず経営者は組織分解を阻止するから、押し通した貴方は追放(左遷)される。
ここでよく勘違いする事柄は、
「中間管理職その他の意見を聞いてまとめれば、間違ったとしても前に進む」といった、全く根拠のない甘い誘惑に乗ってしまうことである。未熟な総務人事部門の監督職たちは、「追放(左遷)される恐怖感」から、甘い誘惑にも乗りやすいのである。では、管理職はどうすれば良いのか!
A.総務人事部門の担当者であっても、自社の顧客の需要観察をしっかりする。
B.営業部門・製造(業務)部門などのライン中間管理職の奥底を良く推察する。
C.今後のビジネスプランを邁進するための制度を、自社用に創造する。
D.ライン中間管理職の教育は、総務人事部門が企画と責任を取って行う。
E.決定的アプローチは、会社の最前線で顧客と接している人たちに行う。
……こういった項目、最初はどうしても深く取り組むことは出来ない。でも、業務改善のコツとして使うことは可能で、現在の状況から一挙に前進することは確かである。それは筆者が接している企業では何件も実証がされている。
しかしながら深く取り組むには、さらなる勉強が必要である。有給休暇が余っていれば毎週大学院に通うことも出来る。管理職であれば勉強の時間と質はコントロール出来る。欧米のヒット商品を生む企業のようになりたいのであれば、大学院レベルの経済・経営・社会制度・心理学などの勉学は欠かせない。(スウェーデンなどは管理職の博士号まで大学院に設置した)。
だがそこまでしなくても、今の危機的状況から一歩踏みだし、貴方の会社を浮かび上がらせることは可能なのだ。
2012/10/09
第126号
<コンテンツ>
・2015年(平成27年)は「社会転換」の節目である。
・そもそも、「国民の支え」のない経済や社会の改革とは
・その上での、「政府の経済政策だ!」
・したがって、表の経済は、劇的に経営環境が変わる!
・改正労働契約法と効率的労働力確保
【募集・面接・採用から】
【能力の絶対評価システム】
【労働契約書(雇用契約書)の交換】
【就業規則の整備は来年3月31日までに】
【業務改善…固有価値による商品価値の増殖】
§2015年(平成27年)は「社会転換」の節目である。
大手マスコミのニュースは、消費税論議や外交問題に人気取りの話題を集中させているが、経済社会を下支えする社会保障(年金その他)、消費税・所得税徴収の基盤となるマイナンバー制度の動き、その他の報道が少ない。社会保障・税一体改革関連では次のようなものが8月22日に公布された。
平成26年4月からの消費税8%(国6.3%、地方1.7%)
平成27年10月から消費税10%(国7.8%、地方2.2%)
平成27年10月に厚生年金・共済の一元化
平成28年10月から短時間労働者への社会保険拡大
…週労働時間20時間、標準報酬7.8万円、1年以上の雇用見込者
こういった政府の施策に連なって、民間経済その他も2015年前後に「転換の焦点」を設定する動きが増えている。
同じく、経営管理の四分野
(収益、生産、労働意欲、効率)に影響を及ぼす改正労働契約法(有期雇用の縮小政策)は、1999年の労働者派遣法による非正規労働者拡大政策の大転換を促すものだが、ほとんど報道されない。期間契約をコマ切れに結ぶ雇い方は今年8月10日に法律で禁止となり、3回目以降の期間契約は自動更新され、一方的契約解除は無効となって賃金支払の義務が生じる。来年4月1日には、期間契約という理由で賃金・通勤手当その他福利厚生などで差別することが禁止されることになる。また、来年4月1日の労働契約成立からカウントして6年目に突入(平成30年4月1日超過)する期間契約は、無期契約(定年若しくは65歳前日、定年の定めが無ければ死亡の日まで)に自動的変更が法律でなされる。(これには、来年の4月1日までにパート就業規則などの変更をしないと何らかのリスクが発生する)。
§そもそも、「国民の支え」のない経済や社会の改革とは、
すなわち、上からの改革は「上滑り」を押すのが、歴史的に見て通例である。そういった上からの改革を充実させるためには、資金・投資が必要であって、要するに改革をする人たち(勢力)を金銭で組織しない限り、「上滑り」(=掛け声だけで終わるか&財力を持つ勢力に振り回される)を起こしてしまうのである。それは、個別企業内の改革も同じことで、社員の支えが無ければ「上滑り」することは定石である。そのことを、経営者や経営者の参謀部門が踏まえておれば、およその改革は成功する。
500年ぶりの経済危機と言われる中で、歴史上の産業革命は重要ポイントである。そして、現在はICT産業革命の真っただ中である。さて、時代を現代社会に塗り替えた産業革命(発展途上国には今からの国もある)を歴史分析しても、産業発展・新商品増産とともに弊害も生じている。それは、その多くが上からの改革を必要としたようだが、「国民の支え」が生かされない場合の多くが、その産業発展などのバランスを失って、経済破綻を招く危険性の高いことが研究されてきている。
端的な例は日本の産業革命である。
日清戦争前後か始まり日露戦争後に完了し、その後の経済発展につながったとされるが、政府や官僚の一面的経済展開によって国際経済のバランスを失速させ、国際経済から袋叩きにされたのが太平洋戦争であった。そこには、「国民の支え」がなかったので、軍部と官僚が融合してしまったために、経済活動の多面的展開が出来なかったとする説である。戦後も、アメリカによる産業再編が進められたが、「アメリカ様になびく官僚」の一面的経済展開によって、現代日本の加工工業立国は破綻してしまった現状を迎えているとの説である。
その説によれば、イギリス、アメリカ、西ヨーロッパ大陸(EU)では、産業革命による大工業制と併せ職人工業制が「国民の支え」のもとに育成されているとするのである。それらの職人工業制も現代ではICTに裏打ちされた利益率の高い産業としての存在である。したがって、アメリカのドル通貨の価値下落、EUの経済危機が、金融危機として取り沙汰されるが、結構それなりに経済は豊かなのである。
確かに、イギリスの産業革命の基盤的思考は、コモン・センスである。
(ただしコモン・センスは、研究者の間では、日本語訳となった「常識」が翻訳間違いとされている)。
そのコモン・センスの概念を産業や経済的側面から理論整理をしたケイムズ卿(1696~1782)によると、「富と徳が二つ併せて実現され得るとの理念のもとに奢侈(しゃし)・貧困(ひんこん)・怠惰(たいだ)・隷属(れいぞく)を排除し、産業振興のために、勤勉な産業の担い手を生み出し、国民各層が勤労の精神と技術を持ち、社会制度の改革と人間主体の形成が必要である」との趣旨である。併せてケイムズ卿のコモン・センスに関わり、「しかも商業が発展し富裕になるにつれて、人間が奢侈と快楽に溺れ、公共精神を失うとすれば、人間主体の産業教育による形成だけでは不十分であり、公共精神を回復させる何らかの手段が必要となるであろう。」との解説(田中秀夫『文明社会と公共精神』51p)がされているのである。決して、「裕福になれば、人間は堕落する」とする幼稚な倫理観ではない。「禁欲は霊的向上を促す」とするのは、もう遠い昔の話というのだ。
アメリカ独立と産業成長の基盤的思考も、
これこそが『コモン・センス』(en:Common Sense)という本を書いたトマス・ペイン(1737年~1809年)に代表されるものである。1775年のアメリカ独立戦争のさなかの1776年にこの本は出版され、3ヵ月で12万部が普及しアメリカ独立戦争の「国民の支え」としての理論支柱となった。その理論の経済面は、「イギリス経済から離脱し独立、アメリカが自由貿易をすれば合衆国経済は発展する」と説いたものである。それは、先に示したスコットランドのケイムズ卿の理論整理を継承したものである。ちなみにアメリカという国は、イギリスの哲学が現在の共和党を中心に根強い状況なのではあるが、実に独立や経済発展に関わる哲学はスコットランドやピューリタンに起源をもつ傾向(例えば草の根民主主義、ボランティア精神、NPO活動がそれ)を「意識的に温存」しているのである。この、「意識的に温存」がアメリカの民主主義や経済政策の特異な本質である。それは巷で流布されている「ユダヤ資本」とは比較にならないほどに影響力がある。そこには、アメリカの歴史的には、イギリスのジョン・ロックの社会契約論よりも約半世紀ほど以前に、「マイノリティーに注目する社会観」が定着していたとされる。
実際の先進国の経済活動というものは、
正確にいえば、国民が時の政権を支持し、その支持のもとに経済活動を支えたという形ではない。それは、経済活動の先駆的な人や個人や個別企業が、国家政策とは別の旺盛な経済活動を行ない、一般人とは先行して「富と徳」を手に入れ、財や資産を築いていった歴史であった。だから、先進国と言われる国のほとんどでは、「文化が変わり→経済活動が変わり→政治が変わる(革命)」といったパターンになっているのだ。さて、日本の場合、そのようにはなっていない。強いて研究してみても、せいぜい江戸時代末期までの兆候である。とにかく現代日本では、批判をするか落胆するか、あげく無気力・無関心となって、本格的な経済活動(事業経営や改革)を行おうとする人物が少なすぎる。とりわけ団塊の世代以降に、そういった人物の少ない傾向が強く、個別企業の内部でも同様の現象が起きているからこそ、経営や事業発展の弊害ですらあるのだ。経済活動を、ささやかな「身の回りの収入額」や「会社経営=生業」のことだと思っている人も、若年層を中心に圧倒的である。それはどういった因果なのかは不明であるが、現在日本の反政府勢力(国民のほとんど)は、人情的:無政府主義者を抱え込んでいる姿と関連づけざるを得ない。いわゆる、「批判はするが、自分ではしない」といったもので、それも左派と名乗る人たちに根強い。だから、どうしたら幸せになるかの政策も考えない。見た目に政策が有るような政党でも現場実践は皆無に近いのだ。さらに、この人たちの貧困が進み、「貧すれば、鈍する」ことになり、「これこそが、今の大阪で起こっている(維新の)ことだ!」と分析する学者も現れた。
だから、今の日本社会では、
努力すれば実現するにも関わらず、国民の間でも、掛け声だけを口をする人が多い。したがって、一般人より先に「富と徳」を手に入れることが可能にも関わらず、その道を選択しない人が多い。結論をいえば、有能であるならば、大手企業を離脱して能力を発揮出来る。中堅中小企業であるならば、「少々の能力と度胸」で、社長と仲間になって、事業を伸ばすことが出来る。実にそういった世界は、マスコミもたまに取り上げているように、日本にも存在するのだ。
§その上での、「政府の経済政策だ!」
と、我々は深読をみして物事を考えなければ、個別企業の経営はおぼつかないのも事実だ。冒頭に示した2015年の節目とした「社会転換」に対応出来なければ、残る道は個別企業の終息に向けて軟着陸(会社整理・解散)するしかない。おしなべて、事業や経営というものは、その国の経済・政治・文化にまたがる経営環境に適合させる、「腕前と体制」ともいえる。そういう能力を持った人物こそが、管理職と言われる人たちだ。
=インフレ政策と所得増加=
が話題になっているが、注意が必要である。高度経済成長時代やバブル経済時代のインフレ政策は、政府と労働団体の暗黙の了解のもとに、「(おもに年末に)通貨供給量を増やせば、翌年の春闘で賃金相場を引き上げる」ことでバランスを保ちながら、成長させてきた政策だった。だが今回政府が、インフレ政策と言っている代物は、インフレ政策ではなくて、単なる「通貨量の増加」であって、「円:通貨」を水ぶくれさせるだけのことである。だから、政府にだまされてはいけない。加えて、ほんの一部の政治家や学者を除いて、口をそろえて、「今、市場に資金を流しても、貯蓄をするだけで、産業への投資や消費に回るはずがない」と力説していたところが、この数日に、9年半ぶりの日銀政策決定会合に大臣の出席や、「インフレ+所得増加」発言が出てきた、その変わり身の早さなのだ。
もちろん、その発言には、その実現の可能性や実行力が見えないのだ。その本質は、アメリカからの圧力で、アメリカが通貨を市場にダブつかせる「量的緩和」に足並みをそろえていると観ざるを得ない。所得増加と言っても、大手企業:お抱えの労働組合では賃金相場引き上げの能力は無い。だとすると、この政府が経済政策を実行したとすれば、実行直後の混乱時期を過ぎたその後は、住宅関連の値上がり、食糧などの基礎生活消費財の値上がり、所得の横ばい(実質目減り)を招くばかりである。個人消費は低迷するから、またもや経済失速である。金融機関その他には資金がダブつき、海外の投機資金に流れる。名目的に値上がりするのは、「金の地金」に限られる。円高から円安に向かったとしても、技術で立ち遅れた自動車や家電が復活することは見込めない。むしろ安く買えていた海外商品の価格が高くなる。
さて、その実行時期は、通例から考えると、今年の年末前後である。
§したがって、表の経済は、劇的に経営環境が変わる!
1.ビジネスモデル…収益性
2.サプライチェーン(昔で言う「仕入れ」)…生産性
3.変化に対応出来る社内体制…労働意欲
4.変化に対応する労働力の確保…効率性
といった経済四分野での対応が、個別企業では急を要するのだ。社会や法律改正の前に、経済・仕入れ・取引関係が変化する。内心で良いのだから薄々にでも、「劇的変化」の感じられないような管理職ならば、次代の個別企業には余剰人員である。
☆第一に重要なのは、
「変化に対応出来る社内体制…労働意欲」に関わる対応である。
すなわち、時代に応じて改革・改善をする人材と対応策実行である。人材が社内に存在しなければ外部導入であり、実行を妨げる要素を徹底排除することである。その勘所とコツは、「社員の支え」を形成することにある。「社員の支え」が形成されなければ、体制固めに膨大な資金が掛かるか、社内改革は滑りを起こすだけである。
☆第二に重要なのは、
改善改革の実行で、「変化に対応する労働力の確保…効率性」に関わるものである。
さし迫る課題は、改正労働契約法も踏まえた労働力確保をどうするかである。何を置いても、経済活動に占める商品の役割は圧倒的で、その商品の価値は労働によって生み出される。労働集約型の個別企業では、労働力の確保ノウハウに掛かる重要課題である。
労働を軽視する経済学者や新自由主義と言われる経済学者は、近代経済学であっても労働により価値が生み出されていることを発見していない。当メルマガ8月号でも、個別企業の労働力についての解説を行った。
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_08_01_archive.html
そして、今月のメルマガでは、就業規則等(社内規則)や労働契約を後に解説する。
☆第三に重要なのは、
「ビジネスモデル…収益性」である。
それは、まずは売り上げにつながる商品開発と販売・流通の体制である。それも、ICT産業革命に沿う必要がある。商品が売れなくなるとか、経済が行き詰まると、その原因の矛先を生産性に求めようとするが、これは経済学を学ばなかった素人の自然な流れである。日本経済であれば、自動車も家電製品もが、売れなくなった原因を究明することなく、生産性による人件費のコストダウン(偽装請負=労働者派遣、外国人労働者等)や Just in time やカンバン方式に、一面的依存をしてしまった幼児性である。先進国の経済体制は、人類が目的意識的に創造してきた成果なのである。なすがままに、自然現象に左右されていては実現しなかったのである。それは、世界有数の災害多発列島であるにも関わらず、経済社会を築いた日本であるからこそ、(東北地震や原発事故を念頭に)、今なお一層に意識して考えなければならないことなのだ。
この分野の改革改善には、社内人材の労働意欲と労働力の効率性も不可欠である。
☆第四に重要なのが、
「サプライチェーン(昔で言う「仕入れ」)…生産性」である。
ところが、ICT産業革命や、世界的な経済構造の変化により、産業を国内に止めておく時代ではなくなったのだ。だがそれは、必ずしも本社や工場を海外に移転させなければならないということではなく、世界に目を向ける視点で展望が開ける時代になったということだ。本社さえ日本国内に置いておけば、どこの国に工場を設立しようが差し障りはない。ついての話だが、日本国の法人税額は海外工場を展開したとしても税額変化はなく、巷の話は事実ではない。消費税は、海外との流通では、輸出収入ともに不必要である。もっと踏み込めば、国内仕入れを「円:通貨」以外の地域通貨(現在の法律では自由に発行出来る)や商品券で行えば生産性は向上、その仕入れ経費額は少なくない。そして、あなたも気づいているように、日本国内の労働市場環境は、「安い労働力と言うのは、労働の質も悪い」時代に変換せざるを得ないから、人件費の一方的コスト削減の買い手市場は閉ざされたのである。
§改正労働契約法と効率的労働力確保
有能かつ価値を生む労働・労働力によって、価値増殖した商品を扱うことこそが、個別企業が発展する定石である。たとえ取引する商品が日本国民向けに販売していたとしても、現在国際化しつつある日本では、規模の大小を問わず自ずとグローバル展開するのである。その商品の表現方法を変えれば、「高固有価値製品&高水準サービス」商品の提供である。高付加価値製品では、顧客目線からすれば曖昧さが残るから、「高固有価値製品」なのである。確かに日本には技術があるが、しかし技術があっても、具体的に取引される商品に転用する能力が少ないから、イコール売れないといった事態も自然なのである。
こういった定石が今日を含め、労働契約の期間契約形式が、民法や労働契約法の趣旨とは裏腹に人件費コストダウンの手段として利用されたことは否めない事実であった。とりわけ大手企業は、それによって得た資金を新商品開発や技術開発に振り向けなかった点に、今日の経営破綻の原因がある。そこで、改正労働契約法は、元来の法律の趣旨(私的自治&所有権)とは裏腹であった人件費コストダウンの道を、日本国内においては閉ざしたのである。すなわち、「期間契約の繰り返しで、契約期日満了を契機に解雇がしやすかった実態」及び、「期間契約を理由に不合理な労働条件格差」を、客観的合理的実態に沿って抑制することになったのである。
これに対する課題と対策の方向を、私ども株式会社総務部は、次の通り提言した。
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou_120928.doc
これに伴い、個別企業の具体的課題は、
【募集・面接・採用から】
変更する必要がある。期間契約であるとしても、解雇は非常に難しい法制度になったのだから、将来「お荷物」となる労働者はいらない。むしろ、個別企業ごとで予定している、「高固有価値製品&高水準サービス」に資する労働者かどうかを、採用時点で判断する必要がある。それを判断する手法は、既に開発されている。今までは、期間契約の労働者は、コスト削減かもしれないが、価値増殖をする労働者かどうかが優先選考基準とならざるを得ない。
期間契約にしろ、無期契約にしろ、改正労働契約法や社会保険関係法令の改正により、社員と比べて人件費コストに差をつけることが出来なくなるからだ。加えて、個別企業ごとに統一的基準でもって、効率的な面接をするために、新時代に適した「面接票」を活用する効果は大きい。なによりも、「数打ち当たれば良い」といった認識は改める必要がある。1970年代まで、大手企業の採用方法は、「何人か残ればよい」としてきたが、もうそれは昔の悪習慣である。
仮に、この20年ほどの習慣から人材派遣会社に、人件費削減目的で労働者派遣を依頼したとする。しかしながら、派遣社員に対しても期間契約の法制度が適用されるわけだから、コスト削減の方法として従来のような期待は持てない。また、「業務請負」の形態をとるとしても、実態が偽装請負であれば同じことである。あるいは、本来の「業務請負」であるとしても、その目的に合致した人材派遣会社の存在は稀なのが、日本の産業構造の現実態である。
【能力の絶対評価システム】
を導入することは、一挙に労働力の効率性を見直すことになる。またその適切な「能力絶対評価システム」の活用方法は、個々人の能力向上の具体的きっかけにもなる。それは採用時点、定期的、昇進昇格、定年延長時点で既に必要とされるものである。
従来のシステムは、能力の相対評価システムであった。この相対評価が役割を果たした前提は、「中卒・高卒の者が、有能な中間管理職によって能力評価をされる」といった戦前の前近代的社会背景を予定していたのである。ところが戦後67年、今や若手や部下に有能な能力またはその萌芽を持つ者が多数存在する場合には、絶対評価を柱にしない限り組織が崩壊するのである。それはただ単に、「同一能力であれば若者に仕事させれば給料が安上がりだ」と行ったリストラ策ではない。
とりわけ、熾烈な企業間競争を行う業界にあっては、能力絶対評価システムを導入して、有能かつ効率的な仕事の推進体制を形成する必要がある。カルテル、トラストその他独占禁止法に違反する行為であっても、行政が企業を保護(護送船団方式、指名競争入札)してくれる時代は終わったのである。業界団体を形成して、行政や社会に影響を及ぼすことを企む時代は終わった。
【労働契約書(雇用契約書)の交換】
労働契約も民法上の契約であるから、「申し込みの意思と、承諾の意思、この二つの合致によって契約が成立する」ことに変わりはない。ところが、通例、契約時点の契約内容を当事者が忘れてしまうのであるから、これをはっきりさせて置く必要がある。それは一方的通知ではなく、労働者の確認を得ておくためには「労働契約書」の形式が効果的なのである。民法上は、書面があるから契約が成立するといった根拠にはならないが、書面が作成されて当事者の署名などがあるといった当時の意思表示の証拠として有効である。契約解除(自己都合退職、解雇)であったり、仕事内容の変更や労働条件の変更の場合には、手続きの重要な材料となる。
煩雑だからとの理由で口頭で十分に対応が出来ると考えたとしても、個別企業の末端部においては、そこまで契約手続きをこなせる管理職は少ないのが現状である。トラブルになれば、その当時どういったやりとりがなされていたのかを、客観的合理的に説明するのには無駄な時間がかかりすぎる。なによりも、客観的合理性がなければ、紛議紛争解決としては立場がきわめて弱い。むしろ現代の管理職には、もっと重要な仕事が待っているのだ。加えて今時は、正社員であっても仕事内容を正確に押さえるために「社員労働契約書」なるものも作成する中堅・中企業が増加している。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/yobo/rodokeiyaku.html
【就業規則の整備は来年3月31日までに】
期間契約の労働者用に作成している就業規則(パート、期間雇用、嘱託など)は、全面的見直しが必要となる。退職金の有無を明示している企業は多いが、その他の労働条件、例えば、
1.定年を定めていない就業規則はきわめて多い。
2.賃金規則は、改正労働契約法に基づいて整備を急がなければならない。
3.通勤手当その他の労働条件の差が問題なのである。
4.とくに重要なのは、「ダラダラ正社員と期間契約社員の比較」
がチェックポイントである。
ダラダラ正社員を基準に、期間契約者の労働条件を合わせると言うわけであるから、法律にもとづく合理的格差となっているかのチェックが必要である。来年の4月1日までにパート就業規則などの変更をしないと何らかのリスクが発生する。
★国家資格を持っている人物が作成した就業規則だからと言って安心は出来ない。その道の専門家のチェックは重要である。
★企業を終息に向かわせる個別企業では、残った営業権や財産の労使による「食い合い」であるから、とにかく穏便さを優先する作戦も必要とされ、その場合は就業規則を、無闇に変更する必要はない。
【業務改善…固有価値による商品価値の増殖】
期間契約の労働者を採用する場合だとしても、個別企業の、
イ)企業業としての固有価値、
ロ)商品の固有価値、
ハ)人材・労働者の固有価値
を明確にして採用する必要がある。これを、明確にして採用しないということは、当初から余剰人員を抱えることを意味する。もちろん、配置もその必要があり、いまや裁判所でさえも、客観的合理的理由が存在すれば、整理解雇も容認する時代なのである。
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_09_01_archive.html(参照:整理解雇の項)
これが2015年以降の日本の経済社会転換である。
その固有価値(絵図面)とは
http://www.soumubu.jp/documents/koyuukachi_ezu.doc
☆併せて、高固有価値製品のものづくり、高水準サービス(人のcare)への、
そういった仕事をこなせるかどうか、教育訓練の成果が見込めるかどうか、の見極めが大切なのである。人柄や人物が良いとの判断だけでは無理である。少しばかり能力が劣っていても、まじめな人物の方が成長をすることは解明されているが、見極めの基準があれば、よりはっきり判断できるのである。それは、面接時点でも同様である。
★とかく、長い目で教育をする=目的意識的に能力開発をしないことであるから、そのほとんどが後日のトラブル原因になっている。部下を抱えた中間管理職の中には、会社の経費で「自分の子分」を持ちたがるものが少なくないから、何かと能力開発を差し置いて、新採用者を矯正しようとする。だが、これからの日本では、これが余剰人員となる経済システムになるのだ。要するに、「上司の言う事を聞くだけの従業員」は経営の余剰になっている。
個別企業の経営目的にあった、事実と一貫性に基づいた合理的な労働・労働力の確保が必要となるのだ。この、「合理的」といった概念は、金銭的な概念や機械的な概念ではないので、念の為。
巷では、出世目的や収入増加目的をそそり、能力自己改造を図るとの期待にあふれた、ノウハウ本やアプリが流行している。だがそのほとんどは、耳ざわりの良い叱咤激励に終始する程度で、具体的な能力開発が図れるような代物ではない。なんといっても、実際の業績につながる職業能力の開発は、実際の業務を目の前にして、その成功率を伸ばして行く勘所とコツを伝授するしかない。個人の内面を対象にした程度の、知識や空虚な熱意ではないのだ。実際に、企業としての動きにまで形作り、「当たる商品」(マーケティングに限定できない)まで仕上げる必要があるのだ。それも、如何に小さな企業といえども、将来をにらんで組織的に、イノベーションを推進する体制を造るしかないのだ。そのイノベーションとはこれだ。
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
・2015年(平成27年)は「社会転換」の節目である。
・そもそも、「国民の支え」のない経済や社会の改革とは
・その上での、「政府の経済政策だ!」
・したがって、表の経済は、劇的に経営環境が変わる!
・改正労働契約法と効率的労働力確保
【募集・面接・採用から】
【能力の絶対評価システム】
【労働契約書(雇用契約書)の交換】
【就業規則の整備は来年3月31日までに】
【業務改善…固有価値による商品価値の増殖】
§2015年(平成27年)は「社会転換」の節目である。
大手マスコミのニュースは、消費税論議や外交問題に人気取りの話題を集中させているが、経済社会を下支えする社会保障(年金その他)、消費税・所得税徴収の基盤となるマイナンバー制度の動き、その他の報道が少ない。社会保障・税一体改革関連では次のようなものが8月22日に公布された。
平成26年4月からの消費税8%(国6.3%、地方1.7%)
平成27年10月から消費税10%(国7.8%、地方2.2%)
平成27年10月に厚生年金・共済の一元化
平成28年10月から短時間労働者への社会保険拡大
…週労働時間20時間、標準報酬7.8万円、1年以上の雇用見込者
こういった政府の施策に連なって、民間経済その他も2015年前後に「転換の焦点」を設定する動きが増えている。
同じく、経営管理の四分野
(収益、生産、労働意欲、効率)に影響を及ぼす改正労働契約法(有期雇用の縮小政策)は、1999年の労働者派遣法による非正規労働者拡大政策の大転換を促すものだが、ほとんど報道されない。期間契約をコマ切れに結ぶ雇い方は今年8月10日に法律で禁止となり、3回目以降の期間契約は自動更新され、一方的契約解除は無効となって賃金支払の義務が生じる。来年4月1日には、期間契約という理由で賃金・通勤手当その他福利厚生などで差別することが禁止されることになる。また、来年4月1日の労働契約成立からカウントして6年目に突入(平成30年4月1日超過)する期間契約は、無期契約(定年若しくは65歳前日、定年の定めが無ければ死亡の日まで)に自動的変更が法律でなされる。(これには、来年の4月1日までにパート就業規則などの変更をしないと何らかのリスクが発生する)。
§そもそも、「国民の支え」のない経済や社会の改革とは、
すなわち、上からの改革は「上滑り」を押すのが、歴史的に見て通例である。そういった上からの改革を充実させるためには、資金・投資が必要であって、要するに改革をする人たち(勢力)を金銭で組織しない限り、「上滑り」(=掛け声だけで終わるか&財力を持つ勢力に振り回される)を起こしてしまうのである。それは、個別企業内の改革も同じことで、社員の支えが無ければ「上滑り」することは定石である。そのことを、経営者や経営者の参謀部門が踏まえておれば、およその改革は成功する。
500年ぶりの経済危機と言われる中で、歴史上の産業革命は重要ポイントである。そして、現在はICT産業革命の真っただ中である。さて、時代を現代社会に塗り替えた産業革命(発展途上国には今からの国もある)を歴史分析しても、産業発展・新商品増産とともに弊害も生じている。それは、その多くが上からの改革を必要としたようだが、「国民の支え」が生かされない場合の多くが、その産業発展などのバランスを失って、経済破綻を招く危険性の高いことが研究されてきている。
端的な例は日本の産業革命である。
日清戦争前後か始まり日露戦争後に完了し、その後の経済発展につながったとされるが、政府や官僚の一面的経済展開によって国際経済のバランスを失速させ、国際経済から袋叩きにされたのが太平洋戦争であった。そこには、「国民の支え」がなかったので、軍部と官僚が融合してしまったために、経済活動の多面的展開が出来なかったとする説である。戦後も、アメリカによる産業再編が進められたが、「アメリカ様になびく官僚」の一面的経済展開によって、現代日本の加工工業立国は破綻してしまった現状を迎えているとの説である。
その説によれば、イギリス、アメリカ、西ヨーロッパ大陸(EU)では、産業革命による大工業制と併せ職人工業制が「国民の支え」のもとに育成されているとするのである。それらの職人工業制も現代ではICTに裏打ちされた利益率の高い産業としての存在である。したがって、アメリカのドル通貨の価値下落、EUの経済危機が、金融危機として取り沙汰されるが、結構それなりに経済は豊かなのである。
確かに、イギリスの産業革命の基盤的思考は、コモン・センスである。
(ただしコモン・センスは、研究者の間では、日本語訳となった「常識」が翻訳間違いとされている)。
そのコモン・センスの概念を産業や経済的側面から理論整理をしたケイムズ卿(1696~1782)によると、「富と徳が二つ併せて実現され得るとの理念のもとに奢侈(しゃし)・貧困(ひんこん)・怠惰(たいだ)・隷属(れいぞく)を排除し、産業振興のために、勤勉な産業の担い手を生み出し、国民各層が勤労の精神と技術を持ち、社会制度の改革と人間主体の形成が必要である」との趣旨である。併せてケイムズ卿のコモン・センスに関わり、「しかも商業が発展し富裕になるにつれて、人間が奢侈と快楽に溺れ、公共精神を失うとすれば、人間主体の産業教育による形成だけでは不十分であり、公共精神を回復させる何らかの手段が必要となるであろう。」との解説(田中秀夫『文明社会と公共精神』51p)がされているのである。決して、「裕福になれば、人間は堕落する」とする幼稚な倫理観ではない。「禁欲は霊的向上を促す」とするのは、もう遠い昔の話というのだ。
アメリカ独立と産業成長の基盤的思考も、
これこそが『コモン・センス』(en:Common Sense)という本を書いたトマス・ペイン(1737年~1809年)に代表されるものである。1775年のアメリカ独立戦争のさなかの1776年にこの本は出版され、3ヵ月で12万部が普及しアメリカ独立戦争の「国民の支え」としての理論支柱となった。その理論の経済面は、「イギリス経済から離脱し独立、アメリカが自由貿易をすれば合衆国経済は発展する」と説いたものである。それは、先に示したスコットランドのケイムズ卿の理論整理を継承したものである。ちなみにアメリカという国は、イギリスの哲学が現在の共和党を中心に根強い状況なのではあるが、実に独立や経済発展に関わる哲学はスコットランドやピューリタンに起源をもつ傾向(例えば草の根民主主義、ボランティア精神、NPO活動がそれ)を「意識的に温存」しているのである。この、「意識的に温存」がアメリカの民主主義や経済政策の特異な本質である。それは巷で流布されている「ユダヤ資本」とは比較にならないほどに影響力がある。そこには、アメリカの歴史的には、イギリスのジョン・ロックの社会契約論よりも約半世紀ほど以前に、「マイノリティーに注目する社会観」が定着していたとされる。
実際の先進国の経済活動というものは、
正確にいえば、国民が時の政権を支持し、その支持のもとに経済活動を支えたという形ではない。それは、経済活動の先駆的な人や個人や個別企業が、国家政策とは別の旺盛な経済活動を行ない、一般人とは先行して「富と徳」を手に入れ、財や資産を築いていった歴史であった。だから、先進国と言われる国のほとんどでは、「文化が変わり→経済活動が変わり→政治が変わる(革命)」といったパターンになっているのだ。さて、日本の場合、そのようにはなっていない。強いて研究してみても、せいぜい江戸時代末期までの兆候である。とにかく現代日本では、批判をするか落胆するか、あげく無気力・無関心となって、本格的な経済活動(事業経営や改革)を行おうとする人物が少なすぎる。とりわけ団塊の世代以降に、そういった人物の少ない傾向が強く、個別企業の内部でも同様の現象が起きているからこそ、経営や事業発展の弊害ですらあるのだ。経済活動を、ささやかな「身の回りの収入額」や「会社経営=生業」のことだと思っている人も、若年層を中心に圧倒的である。それはどういった因果なのかは不明であるが、現在日本の反政府勢力(国民のほとんど)は、人情的:無政府主義者を抱え込んでいる姿と関連づけざるを得ない。いわゆる、「批判はするが、自分ではしない」といったもので、それも左派と名乗る人たちに根強い。だから、どうしたら幸せになるかの政策も考えない。見た目に政策が有るような政党でも現場実践は皆無に近いのだ。さらに、この人たちの貧困が進み、「貧すれば、鈍する」ことになり、「これこそが、今の大阪で起こっている(維新の)ことだ!」と分析する学者も現れた。
だから、今の日本社会では、
努力すれば実現するにも関わらず、国民の間でも、掛け声だけを口をする人が多い。したがって、一般人より先に「富と徳」を手に入れることが可能にも関わらず、その道を選択しない人が多い。結論をいえば、有能であるならば、大手企業を離脱して能力を発揮出来る。中堅中小企業であるならば、「少々の能力と度胸」で、社長と仲間になって、事業を伸ばすことが出来る。実にそういった世界は、マスコミもたまに取り上げているように、日本にも存在するのだ。
§その上での、「政府の経済政策だ!」
と、我々は深読をみして物事を考えなければ、個別企業の経営はおぼつかないのも事実だ。冒頭に示した2015年の節目とした「社会転換」に対応出来なければ、残る道は個別企業の終息に向けて軟着陸(会社整理・解散)するしかない。おしなべて、事業や経営というものは、その国の経済・政治・文化にまたがる経営環境に適合させる、「腕前と体制」ともいえる。そういう能力を持った人物こそが、管理職と言われる人たちだ。
=インフレ政策と所得増加=
が話題になっているが、注意が必要である。高度経済成長時代やバブル経済時代のインフレ政策は、政府と労働団体の暗黙の了解のもとに、「(おもに年末に)通貨供給量を増やせば、翌年の春闘で賃金相場を引き上げる」ことでバランスを保ちながら、成長させてきた政策だった。だが今回政府が、インフレ政策と言っている代物は、インフレ政策ではなくて、単なる「通貨量の増加」であって、「円:通貨」を水ぶくれさせるだけのことである。だから、政府にだまされてはいけない。加えて、ほんの一部の政治家や学者を除いて、口をそろえて、「今、市場に資金を流しても、貯蓄をするだけで、産業への投資や消費に回るはずがない」と力説していたところが、この数日に、9年半ぶりの日銀政策決定会合に大臣の出席や、「インフレ+所得増加」発言が出てきた、その変わり身の早さなのだ。
もちろん、その発言には、その実現の可能性や実行力が見えないのだ。その本質は、アメリカからの圧力で、アメリカが通貨を市場にダブつかせる「量的緩和」に足並みをそろえていると観ざるを得ない。所得増加と言っても、大手企業:お抱えの労働組合では賃金相場引き上げの能力は無い。だとすると、この政府が経済政策を実行したとすれば、実行直後の混乱時期を過ぎたその後は、住宅関連の値上がり、食糧などの基礎生活消費財の値上がり、所得の横ばい(実質目減り)を招くばかりである。個人消費は低迷するから、またもや経済失速である。金融機関その他には資金がダブつき、海外の投機資金に流れる。名目的に値上がりするのは、「金の地金」に限られる。円高から円安に向かったとしても、技術で立ち遅れた自動車や家電が復活することは見込めない。むしろ安く買えていた海外商品の価格が高くなる。
さて、その実行時期は、通例から考えると、今年の年末前後である。
§したがって、表の経済は、劇的に経営環境が変わる!
1.ビジネスモデル…収益性
2.サプライチェーン(昔で言う「仕入れ」)…生産性
3.変化に対応出来る社内体制…労働意欲
4.変化に対応する労働力の確保…効率性
といった経済四分野での対応が、個別企業では急を要するのだ。社会や法律改正の前に、経済・仕入れ・取引関係が変化する。内心で良いのだから薄々にでも、「劇的変化」の感じられないような管理職ならば、次代の個別企業には余剰人員である。
☆第一に重要なのは、
「変化に対応出来る社内体制…労働意欲」に関わる対応である。
すなわち、時代に応じて改革・改善をする人材と対応策実行である。人材が社内に存在しなければ外部導入であり、実行を妨げる要素を徹底排除することである。その勘所とコツは、「社員の支え」を形成することにある。「社員の支え」が形成されなければ、体制固めに膨大な資金が掛かるか、社内改革は滑りを起こすだけである。
☆第二に重要なのは、
改善改革の実行で、「変化に対応する労働力の確保…効率性」に関わるものである。
さし迫る課題は、改正労働契約法も踏まえた労働力確保をどうするかである。何を置いても、経済活動に占める商品の役割は圧倒的で、その商品の価値は労働によって生み出される。労働集約型の個別企業では、労働力の確保ノウハウに掛かる重要課題である。
労働を軽視する経済学者や新自由主義と言われる経済学者は、近代経済学であっても労働により価値が生み出されていることを発見していない。当メルマガ8月号でも、個別企業の労働力についての解説を行った。
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_08_01_archive.html
そして、今月のメルマガでは、就業規則等(社内規則)や労働契約を後に解説する。
☆第三に重要なのは、
「ビジネスモデル…収益性」である。
それは、まずは売り上げにつながる商品開発と販売・流通の体制である。それも、ICT産業革命に沿う必要がある。商品が売れなくなるとか、経済が行き詰まると、その原因の矛先を生産性に求めようとするが、これは経済学を学ばなかった素人の自然な流れである。日本経済であれば、自動車も家電製品もが、売れなくなった原因を究明することなく、生産性による人件費のコストダウン(偽装請負=労働者派遣、外国人労働者等)や Just in time やカンバン方式に、一面的依存をしてしまった幼児性である。先進国の経済体制は、人類が目的意識的に創造してきた成果なのである。なすがままに、自然現象に左右されていては実現しなかったのである。それは、世界有数の災害多発列島であるにも関わらず、経済社会を築いた日本であるからこそ、(東北地震や原発事故を念頭に)、今なお一層に意識して考えなければならないことなのだ。
この分野の改革改善には、社内人材の労働意欲と労働力の効率性も不可欠である。
☆第四に重要なのが、
「サプライチェーン(昔で言う「仕入れ」)…生産性」である。
ところが、ICT産業革命や、世界的な経済構造の変化により、産業を国内に止めておく時代ではなくなったのだ。だがそれは、必ずしも本社や工場を海外に移転させなければならないということではなく、世界に目を向ける視点で展望が開ける時代になったということだ。本社さえ日本国内に置いておけば、どこの国に工場を設立しようが差し障りはない。ついての話だが、日本国の法人税額は海外工場を展開したとしても税額変化はなく、巷の話は事実ではない。消費税は、海外との流通では、輸出収入ともに不必要である。もっと踏み込めば、国内仕入れを「円:通貨」以外の地域通貨(現在の法律では自由に発行出来る)や商品券で行えば生産性は向上、その仕入れ経費額は少なくない。そして、あなたも気づいているように、日本国内の労働市場環境は、「安い労働力と言うのは、労働の質も悪い」時代に変換せざるを得ないから、人件費の一方的コスト削減の買い手市場は閉ざされたのである。
§改正労働契約法と効率的労働力確保
有能かつ価値を生む労働・労働力によって、価値増殖した商品を扱うことこそが、個別企業が発展する定石である。たとえ取引する商品が日本国民向けに販売していたとしても、現在国際化しつつある日本では、規模の大小を問わず自ずとグローバル展開するのである。その商品の表現方法を変えれば、「高固有価値製品&高水準サービス」商品の提供である。高付加価値製品では、顧客目線からすれば曖昧さが残るから、「高固有価値製品」なのである。確かに日本には技術があるが、しかし技術があっても、具体的に取引される商品に転用する能力が少ないから、イコール売れないといった事態も自然なのである。
こういった定石が今日を含め、労働契約の期間契約形式が、民法や労働契約法の趣旨とは裏腹に人件費コストダウンの手段として利用されたことは否めない事実であった。とりわけ大手企業は、それによって得た資金を新商品開発や技術開発に振り向けなかった点に、今日の経営破綻の原因がある。そこで、改正労働契約法は、元来の法律の趣旨(私的自治&所有権)とは裏腹であった人件費コストダウンの道を、日本国内においては閉ざしたのである。すなわち、「期間契約の繰り返しで、契約期日満了を契機に解雇がしやすかった実態」及び、「期間契約を理由に不合理な労働条件格差」を、客観的合理的実態に沿って抑制することになったのである。
これに対する課題と対策の方向を、私ども株式会社総務部は、次の通り提言した。
http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou_120928.doc
これに伴い、個別企業の具体的課題は、
【募集・面接・採用から】
変更する必要がある。期間契約であるとしても、解雇は非常に難しい法制度になったのだから、将来「お荷物」となる労働者はいらない。むしろ、個別企業ごとで予定している、「高固有価値製品&高水準サービス」に資する労働者かどうかを、採用時点で判断する必要がある。それを判断する手法は、既に開発されている。今までは、期間契約の労働者は、コスト削減かもしれないが、価値増殖をする労働者かどうかが優先選考基準とならざるを得ない。
期間契約にしろ、無期契約にしろ、改正労働契約法や社会保険関係法令の改正により、社員と比べて人件費コストに差をつけることが出来なくなるからだ。加えて、個別企業ごとに統一的基準でもって、効率的な面接をするために、新時代に適した「面接票」を活用する効果は大きい。なによりも、「数打ち当たれば良い」といった認識は改める必要がある。1970年代まで、大手企業の採用方法は、「何人か残ればよい」としてきたが、もうそれは昔の悪習慣である。
仮に、この20年ほどの習慣から人材派遣会社に、人件費削減目的で労働者派遣を依頼したとする。しかしながら、派遣社員に対しても期間契約の法制度が適用されるわけだから、コスト削減の方法として従来のような期待は持てない。また、「業務請負」の形態をとるとしても、実態が偽装請負であれば同じことである。あるいは、本来の「業務請負」であるとしても、その目的に合致した人材派遣会社の存在は稀なのが、日本の産業構造の現実態である。
【能力の絶対評価システム】
を導入することは、一挙に労働力の効率性を見直すことになる。またその適切な「能力絶対評価システム」の活用方法は、個々人の能力向上の具体的きっかけにもなる。それは採用時点、定期的、昇進昇格、定年延長時点で既に必要とされるものである。
従来のシステムは、能力の相対評価システムであった。この相対評価が役割を果たした前提は、「中卒・高卒の者が、有能な中間管理職によって能力評価をされる」といった戦前の前近代的社会背景を予定していたのである。ところが戦後67年、今や若手や部下に有能な能力またはその萌芽を持つ者が多数存在する場合には、絶対評価を柱にしない限り組織が崩壊するのである。それはただ単に、「同一能力であれば若者に仕事させれば給料が安上がりだ」と行ったリストラ策ではない。
とりわけ、熾烈な企業間競争を行う業界にあっては、能力絶対評価システムを導入して、有能かつ効率的な仕事の推進体制を形成する必要がある。カルテル、トラストその他独占禁止法に違反する行為であっても、行政が企業を保護(護送船団方式、指名競争入札)してくれる時代は終わったのである。業界団体を形成して、行政や社会に影響を及ぼすことを企む時代は終わった。
【労働契約書(雇用契約書)の交換】
労働契約も民法上の契約であるから、「申し込みの意思と、承諾の意思、この二つの合致によって契約が成立する」ことに変わりはない。ところが、通例、契約時点の契約内容を当事者が忘れてしまうのであるから、これをはっきりさせて置く必要がある。それは一方的通知ではなく、労働者の確認を得ておくためには「労働契約書」の形式が効果的なのである。民法上は、書面があるから契約が成立するといった根拠にはならないが、書面が作成されて当事者の署名などがあるといった当時の意思表示の証拠として有効である。契約解除(自己都合退職、解雇)であったり、仕事内容の変更や労働条件の変更の場合には、手続きの重要な材料となる。
煩雑だからとの理由で口頭で十分に対応が出来ると考えたとしても、個別企業の末端部においては、そこまで契約手続きをこなせる管理職は少ないのが現状である。トラブルになれば、その当時どういったやりとりがなされていたのかを、客観的合理的に説明するのには無駄な時間がかかりすぎる。なによりも、客観的合理性がなければ、紛議紛争解決としては立場がきわめて弱い。むしろ現代の管理職には、もっと重要な仕事が待っているのだ。加えて今時は、正社員であっても仕事内容を正確に押さえるために「社員労働契約書」なるものも作成する中堅・中企業が増加している。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/yobo/rodokeiyaku.html
【就業規則の整備は来年3月31日までに】
期間契約の労働者用に作成している就業規則(パート、期間雇用、嘱託など)は、全面的見直しが必要となる。退職金の有無を明示している企業は多いが、その他の労働条件、例えば、
1.定年を定めていない就業規則はきわめて多い。
2.賃金規則は、改正労働契約法に基づいて整備を急がなければならない。
3.通勤手当その他の労働条件の差が問題なのである。
4.とくに重要なのは、「ダラダラ正社員と期間契約社員の比較」
がチェックポイントである。
ダラダラ正社員を基準に、期間契約者の労働条件を合わせると言うわけであるから、法律にもとづく合理的格差となっているかのチェックが必要である。来年の4月1日までにパート就業規則などの変更をしないと何らかのリスクが発生する。
★国家資格を持っている人物が作成した就業規則だからと言って安心は出来ない。その道の専門家のチェックは重要である。
★企業を終息に向かわせる個別企業では、残った営業権や財産の労使による「食い合い」であるから、とにかく穏便さを優先する作戦も必要とされ、その場合は就業規則を、無闇に変更する必要はない。
【業務改善…固有価値による商品価値の増殖】
期間契約の労働者を採用する場合だとしても、個別企業の、
イ)企業業としての固有価値、
ロ)商品の固有価値、
ハ)人材・労働者の固有価値
を明確にして採用する必要がある。これを、明確にして採用しないということは、当初から余剰人員を抱えることを意味する。もちろん、配置もその必要があり、いまや裁判所でさえも、客観的合理的理由が存在すれば、整理解雇も容認する時代なのである。
http://soumubu1.blogspot.jp/2012_09_01_archive.html(参照:整理解雇の項)
これが2015年以降の日本の経済社会転換である。
その固有価値(絵図面)とは
http://www.soumubu.jp/documents/koyuukachi_ezu.doc
☆併せて、高固有価値製品のものづくり、高水準サービス(人のcare)への、
そういった仕事をこなせるかどうか、教育訓練の成果が見込めるかどうか、の見極めが大切なのである。人柄や人物が良いとの判断だけでは無理である。少しばかり能力が劣っていても、まじめな人物の方が成長をすることは解明されているが、見極めの基準があれば、よりはっきり判断できるのである。それは、面接時点でも同様である。
★とかく、長い目で教育をする=目的意識的に能力開発をしないことであるから、そのほとんどが後日のトラブル原因になっている。部下を抱えた中間管理職の中には、会社の経費で「自分の子分」を持ちたがるものが少なくないから、何かと能力開発を差し置いて、新採用者を矯正しようとする。だが、これからの日本では、これが余剰人員となる経済システムになるのだ。要するに、「上司の言う事を聞くだけの従業員」は経営の余剰になっている。
個別企業の経営目的にあった、事実と一貫性に基づいた合理的な労働・労働力の確保が必要となるのだ。この、「合理的」といった概念は、金銭的な概念や機械的な概念ではないので、念の為。
巷では、出世目的や収入増加目的をそそり、能力自己改造を図るとの期待にあふれた、ノウハウ本やアプリが流行している。だがそのほとんどは、耳ざわりの良い叱咤激励に終始する程度で、具体的な能力開発が図れるような代物ではない。なんといっても、実際の業績につながる職業能力の開発は、実際の業務を目の前にして、その成功率を伸ばして行く勘所とコツを伝授するしかない。個人の内面を対象にした程度の、知識や空虚な熱意ではないのだ。実際に、企業としての動きにまで形作り、「当たる商品」(マーケティングに限定できない)まで仕上げる必要があるのだ。それも、如何に小さな企業といえども、将来をにらんで組織的に、イノベーションを推進する体制を造るしかないのだ。そのイノベーションとはこれだ。
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
登録:
投稿 (Atom)