2015/12/08

第164号:人は、芸術作品の登場人物のように活きる。

<コンテンツ>
転落の一途をたどる 景気動向
経済動向:成長へ豊かさを判断する「道具」とは
さまざまな仕方で、幸福感を、人それぞれ味わえるが、
哀れなネタに翻弄される大手のマスコミ
【現場近況!】
 個別企業のマイナンバーのボイコット、地下で拡大。

厚生労働省は、マイナンバーに依存しない仕組みの検討
マイナンバー実施 その無理を振り返ってみる…。
決して、反対はしませんが、マイナンバー違憲訴訟?
マイナンバー 一大欠陥。 同居家族の番号を扱い
欠陥商品? =次は、マイナンバー収集代行業務

§転落の一途をたどる 景気動向
日本の経済政策は、「失敗した!」と、海外通信社のロイター通信や米国ワシントンポスト紙などが断言記事を書いている。確かに実態はその通りで、
①成長のポイントとなる株価は、日銀の国債買い取りによる通貨価値の下落&株式買い支えによるものである。今年10月の国内(円)通貨流通業は前年同月対比5.9%増加で100兆円を超えたとの報道。ある証券会社は「国策産業株の投資信託」を利率12%の高リスクで売り出す始末である。
②アメリカ連銀の景気判断である雇用統計、これが日本では経済政策に繁栄しないことになっているが、やはり経済豊かさを反映している。だが失業率も非正規労働者率40%を超えることでの在職労働者数増加(すなわち正社員から非正規の採用の転換)を背景にしているから、改善されたとは当てはまらない。
③まして、最低賃金を毎年3%ずつアップさせるとの政策であれば雇用人数が減少するだけのことである。150年も前から繰り返される、「素人に耳ざわりよく聞こえる学説?」が出回るほど経済は深刻悪化していると、そんな捏造話流行を経済学史では証明しているのである。
大きな不況が、この年末から来年にかけて、やって来ること間違いない。これは世界的なものだから日本が免れることは出来ない。むしろ、日本国は貧乏くじを引かされる懸念がある。ここで個別企業だけは切り盛りする「腹構え」を持つことが、周囲に安心感を与えることになる。知恵と知識は力となり、「人は芸術作品の登場人物のように活きる」と言われている。


§経済動向:成長へ豊かさを判断する「道具」とは
5万と乱立する経済学のうちでも、「職業能力や経営管理力、および事業経営の指向」これをテーマとする分野での観点視点を用いれば、個別企業 → (中学校単位からの)最小地域経済 → 市町村経済 → 都道府県や政令指定都市(現行:政策単位)経済 → 日本国内 → 世界各々経済圏に至るまで、経済成長や経済豊かさの可能性を判断できるのである。ちなみに、この道具で経済を語った著作がこれ
http://netclerk.net/WebShomotsu/
その基本的な考え方を簡略してまとめると
①労働の分配と指揮により、商品価値を生み出しているか否か
②自由原理と言いながらも、公正に市場原理が成り立っているか否か
③最終商品である衣食住に、ただ浪費するだけの商品氾濫なのか否か
となる。①は職業能力者の能力を磨き事業経営に指し向かっているか、②とは価格操作が国家や大手企業で左右されていることや統計資料の不正確さで資金集中の利権が人為発生させていないか、③は使用段階で商品価値増殖が出来ない物がIT危機や通信を悪用して増加、衣食住分野では「激増→廃物→再購入」のプロセスを踏んでいないかである。
そうすれば、経済新聞や経済ニュースで一喜一憂させられることなく、ハツカネズミ化も避けられる。一喜一憂の依存心で経済新聞や経済誌が増えていることは間違いない。


§さまざまな仕方で、幸福感を、人それぞれ味わえるが、
「自らが不幸に陥っていることを認識出来ない貧困」
を、金持ちであるとしても味わわされている。
A.例えば、マンションの基礎手抜き工事事件などは、建築物倒壊には至らないがリフォームに耐えられないくらいに寿命が短い建築物といった本質なのである。住宅用鉄筋建造物は、旧来は75年使用を目標としていたし、木造5階建て建築は地震国でも通例なのである。ここにきてやっと経済産業省も数10年先の国産木材利用構造物を提言し始めた。ただただ遅い。
B.衣類や食品加工の商品でも、無価値商品や色とりどりの選択をそそるばかりに価格を構成し、高価値や利用者の価値増殖による商品の利便性や高級:芸術性は低下しつつある。無価値商品とは、言い過ぎかもしれないが:その使用価値の量だけでは価値がないのに等しいことを表現した。すなわち、衣類は短期間廃棄をせざるを得ないし、什器備品の範囲は家電や家具にまで広がり=安物氾濫:手作りの偽名もとにガラクタ工芸品が出回ることとなっている。
C.幸せを満喫するための価値ある商品とか希望や生活エンジョイに有用な商品が、次々と目の前から消え去っていくのである。「選択幅が大きいから楽しい」との詭弁に乗りやすい若者は本物を見たことがなく、幸せを創り出すための可処分所得の消耗が激しい。(とにかく経済的に貧困なのである)。だから、価値ある商品を製造販売する職業能力や経営管理力も無駄かのように、彼らは錯覚するのである。
D.商品に対して、通貨では換算出来ないような価値を持たせれば、それは金銭に換算出来ない労働や能力によるものだが、そうすれば必ずその商品は再生産軌道に載ったシステムの適正価格で流通させることができる。その道は国内に限らず、経済政策や資源争奪戦争とか国防外交の枠を突き抜けて世界に多国籍展開販売ができるのである。それを支えるものが、ICT産業革命だというものである。
E.その世界初の価格決定論がこれ…。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/611


§哀れなネタを翻弄する 大手のマスコミ
★一般の人たちに対して、物事への認識をマスコミが提供しているのは事実である。
a.売れない商品を作り続ける昔ながらの職人は視野狭窄(井の中の蛙)を起こしている。
b.よい商品が売れるはずだと錯覚している技術者は保身であり閉じこもりである。
c.老人定義とか社会保障の線引きを完了が机の上で決めている。
d.健康保険や生保の給付目的で病名が決まり、生活参加への治療は祈りと迷信に任されている。Etc.etc.!
★モラル・ハラスメントの中でも、
・自己を中心に、上下関係や敵味方関係でしか物事を判断しないから、
・モラハラ加害者は、他人への権利侵害を認識出来ない人物として横行しており、
・またこれがオモテ面を覆い隠すものだから、影での脅しや恫喝はセクハラやパワハラの表面形しか出てこない。
・本質的に他人の職業キャリアの向上を阻止する行為が加害者の根本にある。
・だから、価値ある職業や仕事の推進が、モラハラ加害者に阻まれているのである。
・ことに物心両面貧困に晒されやすい女性はモラル・ハラスメントの的であり、
・通例の如くモラハラ加害女性が、被害女性をハラスメントする構造も生じている。
・それに留まらず、モラハラ加害者は労働意欲減退を引き起こし、ブラック企業や大学生アルバイトの悲惨さの、「引金を引き、発生原因」となっている。
★これら違和感・危機感を肌で感じる毎日で
事実上の弱肉強食と、マイナンバー強行など官僚による潜脱・脱法行為は、
近視眼的秩序や功利主義データ管理へと、(人間生活を物心両面の貧困へと向かわせる=)世間体を広げるばかりである。良心・良識・社会(共同体)の水準を極東アジア諸国に迎合させることになる。
★大手新聞や大手マスコミは、単純論法で展開できない故のジャーナリズムを控え、
ひとえにこういった「哀れ」ネタまでをも、読者数や視聴率の拡大に活用している。
このマスコミの姿を、惨め、みすぼらしさ、気の毒な様の、「哀れ」というのである。
そこに、モラハラ加害者は、
自己意見を形成できない、TVや新聞ネタを常に持出し悪用する。


【現場近況!】
個別企業のマイナンバーのボイコット、地下で拡大。
現場近況!それらは、元来の制度運用に窃盗や強要罪を強いるとか、企業に漏えいの損害賠償を負担させる仕組みになっている。 税務署に代わって民間会社に番号回収させることは問題なのであり、それは世界でも独特の方法である。同時に、所得を隠したい人は届出拒否権を使える。
そして税務署等に届ける人と届けない人の区分けが進む。こうなれば、マイナンバーの事実上制度崩壊は近い。赤ちゃんから大人まで国民の2~3割が会社や役所への届出を拒否すればマイナンバー制度は崩壊する代物である。
銀行などでも社外と社内の話は違う。誤番号や紛失も含めて続出している。マイナンバー通知カードを市役所に返納する人も発生したようだ、これまた返納のための書式も既に様式として存在しているようだ。


§厚生労働省は、マイナンバーに依存しない仕組みの検討
健康保険(国保、健保組合、協会健保)の個人番号未記載受理が進むことで、「普及までに一定期間がかかる」として、マイナンバーに依存しない新たなしくみの検討に入った。①「医療連携で用いる識別子」を使う(潜行方法)を利用する。②「医療保険資格の番号」で各健康保険を横断できる。の二つであるが、「マイナンバー制度に楯突行くことなく、骨抜き表現」でもって、発表した。
マイナンバーで行えるとの未来構想のうち、
医療分野の重複診療、保険者(国保、健保組合、協会健保)の横断の課題は、厚労省独自で行うとの方針転換である。例の汚職にかかわる医療情報での新薬開発の方面は事実上の断念と見ていい。まして、10月7日に日本医師会は反対表明をし、直後に室長補佐の逮捕であるから…。
しかしながら。
先進国では生活水準の向上で、19世紀の結核・コレラ・チフスの流行時代から、治療より予防が大切な、癌・心疾患の時代へと変化している。だが、私自身が希望するような疾病disease医療&予防医療に重点を置くことには、日本はまだまだのようで、病気illness医療を保険制度で進める方向は、厚労省でもマイナンバー構想でも変わりなさそうである。やはり日本では基本的人権概念が少なく、医療といえば刑務所のような病棟生活をイメージせざるを得ないのだ。


§マイナンバー実施 その無理を振り返ってみる…。
A.やはり、制度の目的が国民個々人の幸福追求には無かったこと。
(公平公正のうたい文句では弱い者いじめが浮き彫りになった)
B.何十万人もの集団をリードし出来る者が考えなかった企画や運営。
(社会道徳や制度での経験が浅く、実施すれば公序や法違に反する)
この二つが決定的な失敗の原因であろうと考えられる。まして、徴税や徴税人の肩代わりを民間にさせることが安易だったんでしょうね。
したがって、マイナンバーから生じる社会経済危機の回避には、
①本当につなぎたいと望む人だけが
②個別企業の負担の無い形で
③各々が選択的に個人番号を取り扱う方向
の三つが妥当だと考える。しかしこれでは官僚支配や保身をベースにした米ナンバー制度は崩壊してしまうのだ。
【国民個々人の幸福追求権と社会的道徳と制度を担保する方法(例示)】
1.安全管理体制がなければ法違反なので無理に集めない。(賠償責任)
2.会社等に義務も権利もないから、強要罪等の刑事犯行を誘発誘導しない。
3.番号取り扱いは、国家資格者の認められた者に限定し、社内社外問わず法的知識の無い者(一般事務員、クラウド業者従業員など)は排除し、合法的処理の出来る者に限る。家族からの収集にも電話等で直接に本人確認に意思確認し当らせる。
4.クラウド業者の委託は収集作業に限り、本人確認作業を含ませない。
5.家族の本人確認、意思確認、回収は国家資格者に委託代理する。(法律で世帯主等は個人番号の収集保管に限られており、持出し可否は本人意思に因る)。
6.届出同意の意思確認は、理由なく拒否出来ることを理解させたうえで行う。(未成年や疾患その他の無能力者の回収は必要ないとする)。
7.唯一の国家資格者となる社会保険労務士には依頼に応ずる職責があり、番号の違法な回収や情報保護瑕疵、労働契約法その他の潜脱行為やその懸念などには、取扱停止の事務代理を行使し、公序や法に反する行為を未然防止する。(税理士は給与所得者の税務番号記載の税務代理に限られている)。


§決して、反対はしませんが、マイナンバー違憲訴訟?
来年1月1日からのマイナンバー施行後に焦点を当てた違憲訴訟?
でも現実は憲法違反裁判を期待するだけではでは防ぎきれない法違反の氾濫(はんらん)が進行しています。
将来の裁判判決もですが、いま権利侵害や民間企業が片棒を担がされている現実が存在しているのですから、現実の法手続きの不具合を修正・是正する視点こそが必要と思います。末端現場での実状把握を軽視した訴訟や・交渉事というものであれば、誰だって相手にはしないでしょう。
★マイナンバーは、予想通り個別企業で法令違反を生んでます。
1.安全管理体制が無いのに、番号回収=個人情報保護法違反。
2.個人番号の回収には労使協定が必要=労働契約法。
3.番号の届出を義務化するといった就業規則は、
  不利益変更なので、一方的に行えば労働契約法違反。
4.番号回収を強要すれば、会社には権利も義務の無いから強要罪。
5.強要は民法での不法行為、損害賠償額の価額の引き上げに至る。
6.家族の番号を、
  家族の同意なしに会社に知らせれば窃盗罪が成立、
  財産秩序ではないから親族相盗例の適用は無いことに…。
これら一つひとつは内閣官房も、
こういった法違反を認め積極的協力までは必要ないとの表明を貫きます。ただし民間の物事として国は介入しないとの、トラブルや損害賠償は民間の問題、といった統治責任を放棄したような論調にも思えます。
☆とりわけ、会社は方法の如何を問わず、
一度取得した番号は、取得と同時に「利用義務」が会社に生まれる法的仕組みです。一度会社に届けられれば、法改正で、個人の同意なく個人番号を会社は利用しなければならない仕組みです。国税庁の仕事を肩代わりさせられ、個別企業は金銭責任まで取らされる仕組みです。(なお、会社は番号を取得しなければ何の義務も法的にも無いです)。
☆☆法手続き上の違反行為を繰り返さないことこそが、☆☆
現代法制度の主眼となっています。法治国家ルールは1980年代から法手続きが正義に優先するといった現実性にまで進展してます。すなわちこれは、正義をかざしても法手続き違反では、仮に合理的理由があったとしても社会共同体通念からは論外だとの概念で、正義を語る裏に不正が横行した歴史への改善策といったところです。こういった法概念の発展は、そのきっかけを一般人が担ってきたのも事実です。
法手続き優先概念に対抗する制度設計が含まれるポイントが、マイナンバー制度の定着しない根本原因です。だれしも、自らが幸福になれると認識できれば、マイナンバーのボイコットにまでは至りません。
今回想定されている違憲訴訟の「憲法13条違反」その他の論理構成といったものは、
①現状把握も弱いのではないか、
②「自らが幸福に成れる」との個々人の自律とは異なるものではないかと、
③現代法手続きパラダイムが欠けていないか、
などの懸念を抱いているのですが、これは私の誤解でしょうか?
http://goo.gl/o8oPg9

現在、個別企業内での法手続違反氾濫を如何に停止して行くかが、法治国家維持の基盤でしょう。国の肩代わりで余計な仕事(出来もしない安全管理)をさせられる必要は、民間企業の義務でも権利でも何でもないのです。個別企業を経営するにあたっての根本は、「能力と指向に関する経済」ですが、そこに不信感や不幸の種が入り込めば、労働意欲や幸福追求秩序が萎えてしまうのは自明の理です。銭金や嫌がらせで人は動きません。
……よって、仮に憲法13条の幸福権を求めるならば、
第一には、基本的人権を身近で守る、
第二には、諸法の手続きに則って対処、法違反はしない。
何事もそれからのことでしょう。理屈をこねるだけではダメと、ゲーテ、ベンヤミン、アーレンントなどが、現場を見つめて分析した通りです。


§マイナンバー 一大欠陥。 同居家族の番号を扱い
そもそもマイナンバー届出は、申請や届出者である本人が任意で同意のもと個人番号を提供するのであり、提出義務はない。届出拒否も利用拒否も出来る。内閣府は届出拒否の牽制となる国税庁の拒否記録依頼について、無記録で罰則はないと明言、国税庁の勇み足を注意している。本人が、
①自分外で収集保管(同居家族分)している番号を、
②申請や届出者本人でもない家族分の提供を、
③会社(親が会社の代理人)が求めることのできる根拠はない。
それは、親が会社の使者となっても、本人同意の意思表示を確認したうえでの任意提供でなければ取得できない。自分が専有保管しているからといって、同居家族の同意なしに提供は出来ないし、家族なりすましで記載や持参することも違法行為である。
同居家族の番号は法律で世帯主等が収集保管(番号法20条)は出来ても、家族同意なく他人に知らせられない。会社も任意に提供されれば利用目的に合致すれば収集利用できるとされている(番号法19条)のみである。
会社は申請や届出者本人に提供を求めることができる(番号法14条)だけだ。同居家族などでは申請や届出者本人ではない。会社は求めることはできず、提供を待つのみと法(番号法15条)は定めている。
これがマイナンバー法の逐条解説・・・。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/chikujou.pdf
さて、
①親が会社の代理人になり本人確認をして収集するのか、
②それとも会社の使者となり、本人同意を家族の代理人から得て本人確認をして収集するのか、
この2通りの説が流布存在するが、無能力者には代理人への依頼自体ができないのであるから、
だとすると…。
扶養控除申告書に記載する場合、あるいは特別に会社が、同居家族の個人番号を収集する際には、
①認知症などや乳幼児~児童・少年の同意は取れない。
②無能力者なので後見人や特別代理人の審判が裁判所で必要。
③生計維持関係にあっても非同居だと全くもって任意提供しかない。
④介護施設の本人の父母等らの番号を源泉徴収表や支払調書には記載困難となる。
もちろん、会社が社員らに強制すれば、元より会社には権利義務がないから、刑法の強要罪であり民法の不法行為となる。個人番号は財産秩序とまではいえないから、刑法の親族相盗例の適用は無く、番号法の占有といえども刑法概念ではないから刑法:窃盗罪に該当すると考えられる。(ここはまだ裁判例もない)。
過日の12月4日は、私の問い合わせがきっかけで、
内閣官房社会保障改革担当室(内閣府番号制度担当室)が、厚労省と国税庁に、マイナンバー法対応を照会し始めてから1ヵ月になる。内閣府との4日の電話では、
「関係省庁に何度も問い合わせしても検討中というだけ」
との担当者の弁である。すなわち、政府回答ができない状況なのだ。
それも国税庁が本人確認のみに限定し見解を示しているだけ、法的根拠どこにもないのである。法的根拠や手段が無ければ、収集に走った民間人は、会社も社員なども罪を犯すことになる。法律とは、知らない者が悪とされる仕組みである。トラブルが発生すれば、総てが民間人同士の原状回復や損害賠償となる。
______

さて、今からの話は前置きが長いけれど…。
会社の個人番号収集に関する事項は、社会保険労務士の、
「労働」に関する独占業務とされるものは相談に応じるとか規則規程(労働基準法に就業規則とされる)の作成が典型なものである。それは規則のひな形提示に留まる著作業務に留まる無責任な事柄ではない。かつ労働社会保険書面の作成作業ではなく、その(作成)事務の業務であるから、「労働」に関する課題と無関係とはされない。
税理士が「個人番号収集業務」の抱き合わせで税務書類の事務業務を委託されることとは業務範囲が異なるのである。だからこそ、内閣府は、社会保険労務士の「個人番号取扱停止の事務代理」も認めているのである。
そこで、登録制度を採用している「士業」にあっては、
「依頼者の代理人であるとともに、制度の担い手であり、制度の質の維持につき特別の責任を負う公民」と位置付けられるから、独占業務が可能で独占禁止法外でも在ることを鑑み、
“法治制度の維持、潜脱や脱法そして違法行為の排除”
の役割が求められるのである。それらが嫌な士業者は、士業団体登録を抹消すれば好いだけのことである、そこまで好きにしたい者の自由は規制されない。
先ほどの社会保険労務士の「個人番号取扱停止の事務代理」も、「依頼に応じる義務」といった契約の自由が、社会保険労務士と司法書士には、存在しないが故のことなのである。報酬釣り上げや無理難題の強要は、この脱法行為となるのである。
______(何がいいたいかといえば)
個別企業は、ここに示したように高度なレベルの国家資格者かつ専門家に、今回のマイナンバー制度で降りかかる火の粉を、払ってもらえば良い…という意味なのだ。そのことで安全管理の負担は大幅軽減、実務作業も大幅軽減させることが出来、
最も大きな安心と安全は=こういった社会保険労務士がガードしてくれるということだ。


§欠陥商品? =次は、マイナンバー収集代行業務
この夏に猛烈な営業となったマイナンバー管理システムは、一挙にトーンダウン、その後10月に年末調整の扶養控除申告書に記載不要となった途端に、ほとんど個別企業が導入を見送りしている。次は、来年1月1日の開始?のトークに乗って売り込み誘引活動が盛んだが、見た限り欠陥商品である。やはり決定的な欠陥は、
①家族の個人番号回収にあたって、前述した収集での家族同意が取れない。
②民間代行業者が会社の代理人では、個々の家族の不審感が強烈に強い。
の二つの欠陥がクリア出来ないことである。数社の説明を見ても聴いても、肝心な部分は収集で逃げ!を打っている。この部分を強行すれば、前述したように違法・脱法行為が家庭の中に侵入するからだ。
☆合法性を貫けば「社外向けの収集ポーズ」商品としての価値しかない、
すなわち、集まらない物は源泉徴収票や支払調書に入力できませんとの、サボタージュ(怠業のフランス語)商品である。「世の中は役に立たないもの程よく売れる!」は、本田宗一郎の晩年の言葉だ。
さて、
両親は子供達や中高生に、どう説明するのだろう?
認知症老人や介護施設の両親をかかえ、
認知出来ないままで、社員である息子が普通は届出をするのだろうか?
この認知症関係の老人:個人番号には厚生労働省が動き始めた。
民間代行業者に、将来のある子どもたちの個人番号を、気軽教えるのだろうか?

2015/11/10

第163号: 消費低迷を招来するマイナンバー。その官僚の計画経済で没落。

<コンテンツ>
【 制度自体が便乗商法、その勢いを失い空回り 】
【 マイナンバー制度崩壊の行政側の兆し 】
【 ボイコット企業は続出=人事労務に不利益であるから 】
【 社内の事務担当者が、「苦役」として取扱いを拒絶 】
【 筆者の Facebook が突然停止・全面削除に 】

【 マイナンバー解説特集 】
= サギ、誘惑、オドシ、人間タグ から我身を守る =
A.【 一度!会社に届出た個人番号は削除できない。】
B.【 個人がマイナンバーを届け出るのは自由意思の同意が必要。】
C.【 赤ちゃんから中学生までの子供たちには意思表示が出来ない。】
D.【 高齢者や認知症などの意思表示が困難な人たちの番号。】
E.【 水商売などの副業が、マイナンバー制度でばれる?】
F.【 ネットビジネスや兼業をしている人たちがばれる?】
G.【 仕事先に届出すれば銀行口座まで捕捉されるかも?】
H.【 会社(事業者)には、何ら必要も義務もない。】
I.【 会社が強制すれば強要罪になる、個人番号回収 】
J.【 個人番号は無記載でも、どこの役所も対応する。】
K.【 マイナンバー制度のメリット、「公平さ」って、これ本当?】


マイナンバー制度は、経済の成長や豊かさの充実の障害となり、まず持って個人消費低迷を招来すること間違いない。経済活動というものは、縦型で動くものもあれば横型で動いているものもある。そこに官僚主導の全体管理と計画経済が合格を作ってしまえば、否応なく硬直を起こしてしまうのだ。もとより人類活動とは計画した通りに型のはまった物事ではなく、たとえ公私を区別したところで経済活動や人間生活の法則性は容易に見つけることが出来ないのである。特に国民と民間企業というものは、その携わる人たちが、「心と気持ちを尽くし」それが良心の維持につながらなければ国民的な大きな動きにはなりえない。公平公正とかチマチマな銭金などで誘惑や利益誘導しても社会のリーダーは動かない。


【 制度自体が便乗商法、その威勢を失い空回り 】
マイナンバー制度の導入に伴う便乗商法は、次々とその勢いを失いつつある。厚生労働省の汚職問題もさることながら、行政の情報システムのソースを独占確保して、次にそれを民間企業などに売り込もうとしていたIT関連の大手企業の思惑は外れつつある。それは所詮が企業論議に終わり、まともなマーケティングもないままに資本投下を焦った、官僚たちの思惑の末のことである。そういったプロセスから始まった今回のマイナンバー制度は、全く国民の賛同を得られず、当然のことながら日本の隅々では空回りを起こしている。
「会社がマイナンバーを集めなければ、設備投資は不要でしょ」。
とのユーザー側の質問に、今年の夏は強気に攻勢をかけてきた営業マンたちも、マイナンバー法の内容が明らかになるに従い一挙にトーンダウンした。現在は唯一事務処理の負担軽減が営業トークの主流となっている。IT化の進んでいない中小企業には、もっぱらマイナンバー向けの用紙や印刷物の販売が現われてきた。このような便乗商法に至ってしまえば、マイナンバー法の趣旨の中心的課題である、「事業者が取得した番号の安全管理措置」が、法律とは裏腹に益々順守されない事態になってきているのだ。それは当然、安全管理ノウハウの持ち合わせがない民間企業に、「集めろ!集めろ!」とPRをすれば、安全管理を順守しない個別企業がわき出るのは自明の理である。


【 マイナンバー制度崩壊の行政側の兆し 】
国民の20%の番号が利用(税務署による収入の追跡)されなければマイナンバー制度は空転する。要するに、賃金や報酬の支払い元を通じて個人番号が税務署や市町村その他に提供されなければ機能しないからである。中には再来年の市町村の個人番号回収時期になっても、マイナンバーに連動しないK市のような情報システムが存在することも事実だ。
★ 年金や社会保険は
マイナンバーがなくとも基礎年金番号さえあれば差し支えないとしている。
★ 雇用保険も
マイナンバーが集まらなければ不要だし職員が質すこともないと言っている。労働保険事務組合(中小零細向け)の雇用保険も記載不要と回答している。
★ 国税庁は
法的根拠もなく、年末調整の「扶養控除申告書」に何気なく記入するよう、個人番号欄を設けた用紙を配布したものの、今年内のマイナンバー回収は必要ないとし、個人番号記載欄があったとしても、これが法定調書ではないとして「扶養控除申告書」のマイナンバー記載を不要とした。あげく、平成27年分の冊子「年末調整のしかた」(国税庁)には個人番号記載の関連説明文章は全くない。この団体には、「事業者が従業員などの番号を扱わないことに対して国税上の罰則や不利益はない」とまで回答したようだ、びっくり!
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/chouzei/151109-01/151109.html
★ 市町村に至っては、もっと混乱。
マスコミ報道されるほかにも情報システムの不具合が各々市町村で続出しており、通知カードの発送も想像以上に遅れに遅れをとっている。それらは自治体機関内部のマイナンバーに対する不満や反発が少なくないから進まないのである。年内に全住民に配達や周知をする目標は、いまや配達や不在の再配達までもが完了するかどうかのところまで遅れている。通知カード配達にはDV被害者や事情があり住民票と居所の異なる人への配慮はない。どんな法令も本人通知の方法は居所宛を原則としているにもかかわらず、マイナンバーだけが異なるのである。
________これらの行政機関内部の実態には、
官僚主義者には想像がつかないのであろう。公務員とて理不尽さを感じれば仕事や作業のスピードは格段に落ち込むのである。まして一般国民に先行してマイナンバーや身分証明が実施されるとは予想もせずに公務員を希望した者も多いからである。
ここに、すなわち、はっきりとマイナンバー制度崩壊の兆しが見えてきているのである。20%の国民が賃金や報酬の支払い先にマイナンバーを届けなければ、制度は空転するのである。


【 ボイコット企業は続出=人事労務に不利益であるから 】
ボイコット!もとより個人番号を収集出来ない状態を、あえて維持する個別企業が続出している。とても頭が良い=安全管理措置が形成出来なければ、個人情報保護法(マイナンバー法の基礎土台)に違反するから、番号の取得作業自体を、少なくとも次々と先送りにしている企業である。大手スーパーなどは早急に、年末調整の扶養控除申告書を個人番号記入無しで回収してしまっているところが続出である。大手メーカーでも番号非回収を明確に打ち出しているところもあり、マイナンバーの勉強はするが、その先の実務対策を停止させているところは少なくない。中堅・中小企業でも、「本当に必要なら何か言って来るだろう」として、何もしなくても罰則がないから様子見をしているところが圧倒的である。当初9月ごろは、「お上に楯突かない」と社員には強弁していた経営トップであっても、マイナンバー法の実態を知るにつれて、沈黙および様子見の状態である。そこにはさすが民間企業であるから、時代環境を読み多人数をまとめるノウハウを持っているから、機微を察するのは確かである。ただし、物事の専門的真理を示す、「その道の専門家」とか、「その筋の本当の目的」などを知る!若しくは察知できれば!の話であるが。


【 社内の事務担当者が、「苦役」として取扱いを拒絶 】
さらに、マイナンバー取扱事務担当者の業務は緊張・危険が一段と増しているにも関わらず、実刑判決を伴う罰則が厳しいことにある。マイナンバー取扱部門は、各企業がそもそも頭のよい人物を集積させているのだが、この人たちが察知してマイナンバー取扱を拒絶するケースが続出しているのである。末端社員に行けば行くほど明確に、「仕事をしないし!」と拒絶する。
そうすれば課長、部長そして経営者も実務をするわけではないから業務が止まってしまうのだ。
そこに、(憲法18条、労働基準法5条)の裏付けのある、「苦役」に該当することは誰でもわかるから、部下に無理強いすることは出来ないのだ。
国家資格者でマイナンバーを扱う主力に社会保険労務士が存在しているが、彼らは個別企業の依頼を断れないといった自由契約の制限(社労士法20条)の職責が存ることから、個別企業の法令違反のみならず労働法、個人情報保護法、マイナンバー法などの抵触懸念があれば、「マイナンバー取扱停止の事務代理」を行うこととなっている。
★ 国家資格を持つ専門家が、個別企業で集めた個人番号の取扱停止を行うのだから、担当事務員が取扱業務を拒絶するのは、もとより民間企業では安全管理が無理なのだから、当然といは当然の拒否である。
★ そもそも民間企業においては、機密や個人情報を守秘する体制やノウハウのないところが圧倒的であり、まともな誓約書すら回収していない。機密と個人情報の違いすら認識していない会社が圧倒的である。
(機密・個人情報守秘の誓約書例)
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/shuhi-mynum.html
マイナンバー制度に踊り、個人番号を個別企業などに届出た個人や家族から先に、マイナス面が降りかかってくることが明らかとなった。ただし、そんなことには全く気がつかない運命論者が圧倒的であることも確かであるが…。
誰でも、「心と気持ち」にそぐわない仕事はしたくない、いくら理屈を付けられても、まして理屈に道理がなければ、長年に渡ってその職業を続けるのであれば、人生にマイナスになるような行為=社会的道徳に反することはしないのである。


【 筆者の Facebook が突然停止・全面削除に 】
折しも、ここ5年ほどに筆者がPR手段として活用して来たFacebookが、11月3日に突然使用停止出来なくなった。
「総務の金星」で、およそ25万通の配信実績だったがゼロになってしまった。もちろん警告も前触れもなく瞬時に停止。この時期タイミングの「サイバー攻撃」と考えられなくもないが、その裏付け証拠がないから何とも言えない。
ちょうど、マイナンバー制度を実施すれば、いくつもの周辺法律に抵触して、後からできたマイナンバー法の解釈を、現行PR内容から次々と変更する必要があることを論理的に法律的に証明できた矢先だった。すなわち、内閣府のPRやガイドラインを進めるには、現行法律の民事法・労働法の様々な個所での法違反が生じることが証明できた、それは憲法違反かどうか知らないが。それを発表した途端の、このFacebook突然停止の時点である。
現在は、「株式会社総務部(11/3移転変更)」のFacebook-pageを立て、
ツイッターに、「総務の金星」を新設して、情報窓口を急きょ開設。情報収集にはツイッターのフォローもどうぞ。
https://twitter.com/preside28467664


【 マイナンバー解説特集 】
= サギ、誘惑、オドシ、人間タグ から我身を守る =

A.【一度!会社に届出た個人番号は削除できない。】
何の気なしにマイナンバーを書いて会社に出してしまった、色々説得されて仕方ないから出してしまった、といった場合はもちろんのこと、とにかく一度!会社に届出た個人番号は削除できない。会社の事務担当者や社長がマイナンバーを削除することはできない法律である。
この部分はマイナンバー法ではなく
個人情報の保護に関する法律の第27条(利用停止)が適用されることになっている。
これは、うっかり間違ってしまった場合でも削除できず、民法もこの法律には及ばない。
年末調整の「扶養控除申告書」などの、個人番号欄にマイナンバーを記載して提出してしまえば、会社の経理や人事の事務員でも削除できない。家族の個人番号を記載してしまった場合も削除できない。
勝手に消してしまうと、会社の事務取扱担当者も法律違反に問われ、懲役や罰金が科せられる。

このことはマスコミとか、マイナンバーの解説本でも殆ど話題にしていない。
ドサクサ紛れとしか考えられないマイナンバーの収集方法である。行政法であるから「いわゆる罠」だと感じても、本人も会社も法律的に争うことはできない。道路交通法と同じで違反の構成要件が整えば罪となる。
だからこそ、恐ろしい法律なのである。個人のメリット:デメリットといった軽い話ではない、一生涯に付きまとう。

また会社に届けた個人番号は、退職してから7年を経たないと削除されない。
すなわち、追跡調査の対象である。主婦などの週20時間パートタイマーの社会保険適用(平成29年10月1日)のコンピューターチェックに、このマイナンバーを使用することは念頭に置かれている。その他のマイナンバーの利用拡大には、税務署の本人追跡や家族追跡、本人や家族の預貯金額や金銭収入の出所を追跡することが見込まれている。


B.【 個人がマイナンバーを届け出るのは自由意思の同意が必要。】
通知されたマイナンバーを、役所や会社などに届けるのは、本人の自由意思:同意の上である。すなわち、振り分けられた個人番号の届出を拒否する権利がある。
個人収入、預金の動き、社会保険、労災保険、失業手当など、あくまで本人が自由意思で、生活に掛かる金銭面などをヒモ付したければ、初めて届出ることで可能になるものが、このマイナンバーのシステムである。それは、自分の家族や子供だとしても原則他人であるから、保護者の範囲を越えて世帯主などが会社などに届出ることは出来ない。
サギ、誘惑、オドシ、その他うかつな勘違いには注意しなければならない。


C.【 赤ちゃんから中学生までの子供たちには意思表示が出来ない。】
親が代わって意思表示をすることが考えられるが、ことマイナンバーに関しては何の目的で個人番号を使用するのか意味不明である。
サラリーマンなどの労働者をやっている人の子供たちに限って、会社への届出対象と国税庁は提出を求めているが、年末調整の扶養控除申告に子供の個人番号は不要である。所得税の源泉徴収をしない自営業の子供たちは、個人番号の提出を求められていない。
子供の養育費やお小遣いを税務確定申告できるわけでもないし、生活に掛かる金銭面などをヒモ付にする必要が子供たちにはないのである。
平成28年度の源泉徴収票(平成29年1月が期限)に16歳未満の者の個人番号記載欄は無いこととなったが…。国税庁は、ようやく10月末になってWebに、扶養控除申告の個人番号欄へのマイナンバー記載は不要と掲載したが…。(しつこく電話で問い合わせた会社だけには以前から知らせていた)。


D.【 高齢者や認知症などの意思表示が困難な人たちの番号。】
取扱事務員も会社も、ドサクサ紛れに家族分までの個人番号を回収することは個人情報保護法違反のみならず、刑法の窃盗罪、金銭が絡めば詐欺罪、そして強要罪となる。
たとえ同居の親族であったとしても、親や義理の両親のマイナンバーを本人同意なしに会社などに届けるわけにはいかない。
会社は社員等との代理人契約を行い、委任状を被扶養者に提示した上で、代理人となった社員が家族から個人番号集めることが法律的に必要な要件である。
この場合、認知症その他で意思表示が出来ない場合は、裁判所が認める(成年)後見人が本人に代わって自由意思の同意を行うことになる。
会社の代理人(従業員)と未成年の子供の保護者が同一人物の場合は、代理人(従業員)の双方代理となるから効力がない。だとすると、もう一方の保護者が未成年の子供に代わって、「自由意思の同意を行うことになる」といった形容矛盾のような話なってしまう。


E.【 水商売などの副業が、マイナンバー制度でばれる?】
これは、その業界を熟知していない人に対する脅しであり、デマにすぎない。キャバクラやスナックその他風俗店は、現金商売であり税務署が売り上げと必要経費を把握することは困難を極めている。この業界の根本は、副業女性の人数や酒類などの仕入れが不透明であるから成り立つ商売である。源泉徴収はおろか帳簿などが存在しない、また、させないのが経営の鉄則である。
そのような店では、副業する女性などに対してマイナンバーを請求される由縁がない。要するに、彼ら彼女らがマイナンバーを届出する先がない。マイナンバーを届け出ると固執すれば、お店から首になるのが関の山だ。
そんなことは税務署がよく知っている。調べてみると、マイナンバー制度でバレルなどとの記事を元税務署職員の税理士がNetに書いていたりする。その業界の実態を知った上で記事を書いていれば詐欺行為であり、少なくとも実態を知らないで記事を書けばデマを流していることになる。
早い話が、副業していても個人番号を言わなければよいのである。


F.【 ネットビジネスや兼業をしている人たちがばれる?】
ネットビジネスで、「売り上げ-仕入れや必要経費=多額利益」を得た場合は、本人の責任で確定申告をすればよい。またアルバイトに出かけている人たちは、(届出拒否!)行った仕事先だけでも個人番号を言わなければよい。
一般企業はそれだけを話して、敢えて社員のことにあれこれと「お恵み深い親切」をすることはない。プライベートの侵害ばかりか、いじめいやがらせに発展する。
たとえ、兼業や副業禁止の就業規則等があったとしても、個別企業は社員の通常業務に支障が出ない限り、解雇はおろか何らの懲戒処分もできないのが今の労働契約法である。
考えてみれば、株式配当などで利益を上げれば反対に、うらやましがられることが多いのだが、実に不思議なことだ。こういった兼業ネットビジネスでのマイナンバーの話は、我々のような専門家からすれば子供だましであるが、不安に陥れる常套手段はナチスと全く同じである。
脅しやデマの類は、まず他人を不安に陥れる。次に安全策?があると持ちかける。Netの記事では、市町村税の「普通徴収」(会社に送ってこない税徴収)などを持ちかけているが、まさに「この手の安全策?の類」である。マイナンバーPR記事も当初に比べれば露骨な表現記事は無くなってきたが、税理士の肩書でNetに投稿する者も少なくない。マイナンバーに関する専門家は現在のところ社会保険労務士と税理士の2つであるが、法律的に熟知している者はきわめて少ない。弁護士は法律条文の解釈をするが、末端現場の実状や実務を熟知している人は少なく、説明が架空のストーリーになってしまう場合が多い。


G.【 仕事先に届出すれば銀行口座まで捕捉されるかも?】
多くの企業が賃金あるいは支払いを銀行振込で行っている。
マイナンバーをその他の書類と一緒に保管するなと、一応のアドバイスをしているが、どこの企業も賃金や支払計算には銀行口座が一緒に保管されている。
いわゆる組織的マイナンバー詐欺は、近年のオレオレ詐欺同様に用意周到・準備を重ねた上で攻撃する。そのデータが民間企業の事務室に溜まっているのだ。彼らがここを狙わないわけがない。分からぬように抜き取り、海外から数年後にネット攻撃をかけられはひとたまりもない。よくある話だが、経理あたりの事務員を使い持ち出すかもしれない。事務員からネットでコピーを買い付ける事は十分予想される。
医療控除その他の確定申告に“ナリスマシ”されれば、ことにE-Taxでの確定申告には病院の領収書添付が不要だから、大いに狙われる標的である。もちろん、年末調整の際に提出する扶養控除申告書に家族が記載されていれば、それも含めてひとたまりもない。
★ 企業倒産の経営者が夜逃げをする場合、売れるものは全て持って逃げるのが当たり前である。
適格年金の退職金:数十人分を持ち逃げされたY生命の事件もあった。まして、ひとり数万円×家族数の漏洩賠償責任額相場と言われるマイナンバーを、借金苦で困り果てた経営者が詐欺師たちに売り払うことは相当高度な確率で予想される行為である。残念な事件が発生する現代社会であるからこそ、個別企業が守秘出来きれないマイナンバー制度であることは明白だ。


H.【 会社(事業者)には、何ら必要も義務もない。】
マイナンバー法ではなんの権利義務も定めていない。あくまでも、会社が番号を取得した場合には、安全管理の義務があり、その他には協力に努める(事業者の努力)の定めだけである。Net情報を読んでみても主語がはっきりしない曖昧な記事が多く、「財務省が必要」とか、「個人番号を集めた会社の義務」としか理解出来ない文章が並んでいる。会社には集める義務ないし集める必要は、どこにも法律上は存在しない。
加えて、会社において予め、安全管理の措置が図られていなければ、マイナンバーなどを収集すれば、個人情報保護法での違反行為となる。だとすれば、「マイナンバー保険」の便乗商品は、保険効果(その消息スジ)も無さそうだし、法違反や不法行為となれば、保険会社も保険給付を減らしてくるのは目にみえている。


I.【 会社が強制すれば強要罪になる、個人番号回収 】
会社も個人も、個人番号を回収する義務も権利も、どの法律にもない。義務も権利もないのに、それを他人に強要すれば、番号を提出させたならば強要罪、提出させようとしたら強要未遂罪である。
労使協定は唯一、会社が届出依頼を出来るのみである。労使協定が存在したとしても、やはり強制すれば強要罪となる。(労使協定の例)
"http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/kyotei-mynum.html
そして民間企業の場合は公務員のように職務権限の概念が無いので、「上司の命令を聞いただけ」との弁明では、個人番号の入った書面を扱う仕事をさせられた者は、刑事訴追や民事訴追を免れない。
まして、年末調整の「扶養控除等申告書」について、国税庁はWebの中で、「なお、平成27年12月以前に提出される扶養控除等申告書については、法令上、個人番号の記載義務がありませんので、個人番号については空欄で提出しても差し支えありません」と告知している。また以後の平成28年1月1日以後のものについても、「扶養控除等申告書」には記載しないでよいとしている。
"http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm


J.【 個人番号は無記載でも、どこの役所も対応する。】
10月29日までに国税庁はWebを更新して、源泉徴収票については個人番号がなくても書類は有効であるとして、集められたマイナンバー分だけでよいと掲載した。地方税も同様である。
来年1月1日からの雇用保険は、会社に集まっている分だけで良いとし、ハローワーク職員が個人番号欄が空白となっている理由を聞くことはないと回答(10/21)している。
健康保険や厚生年金も基礎年金番号があれば受け付け処理するとしている。
すなわち、マイナンバーが記載されていないだけのことで、税務や雇用保険や社会保険に、何らの制限をかけることがないといった各々の元来法制度を貫くというわけだ。
個人番号が分からないとのことを口実にして納税手続きをしない人を防ぐし、
雇用保険は本名を明かすと危害の恐れのある人も加入させる必要があるのだし、
社会保険は健康を保持するための保険であるから戸籍も住民票も本名も二の次、
だからである。個人番号がなくても対応しなければならないのは法令上の通念である。
それを、「必要」のだとか「義務」だとかの語句を必要以上に並べることで勘違いさせようとする手段が使われている。だからNetを端折ってみたり、突然話を聞いたにすると勘違いしそうになるのだが、電話でもいいからよく聞いてみるとNetなどから受け止められるようなこととは異なった返答が返ってくるのである。内閣府が運営するマイナンバーコールセンターに、よくよく確かめれば不安は解消する。ところがこのコールセンターを話中ばかりが続いている。


K.【 マイナンバー制度のメリット、「公平さ」って、これ本当? 】
いま一般的に浸透している、この「公平さ」の話題とは、生活保護の不正受給、脱税行為の減少、重複医療診療といわれるものだ。ただ、健康保険の重複医療診療は10月7日に日本医師会がマイナンバー構想に反対を表明したことからトーンダウンしている。年金記録については、マイナンバーよりも優先事項が解決していないから延期となっている。すなわちその多くが、マイナンバーを導入してもそのまま続く、行政の政策ミスといわれるものなのだ。
★ 生活保護の甘さといっても、
例えば、大阪市を甘い基準にするとによって、西日本の各都市から大阪に生活保護者を流入・集中させている現実がある。このための交付金を大阪市に特別として支給している。また、現財務大臣の地元:飯塚市や近辺の選挙地盤では、12人に1人と、生活保護の受給率が極めて高い。
★ 脱税の氾濫、
行政機関の調査摘発の人員減と能力低下そのものである。そして人員を投入すれば、マイナンバー制度で追跡する小口の税収よりも、はるかに大きな追徴税の回収に取り組むことができると言われている。企業の支払う年金保険料は、100人程度までの会社を大目に見て来たが、マイナンバー制度とは関係なくこの10月1日から国税情報と国税庁職員を使って追跡調査と強制徴収をすることとなった。そもそも、税金の使い道が、国民の幸福施策に直結していることが理解されれば、一般国民は悪人でもなく納税啓発が盛んになることを自明の理である。
★ 重複医療診療
健康保険の制度運用により、近年は病院などでの検査漬けは無い。医療の検査DATAは患者への貸出し義務が在るので、行った先ごとに重複した検査も行わない。また、セカンドオピニオン(第2意見=直訳)医師制度も進展しており無駄を重ねる治療も激減している。確かに、犯罪や犯罪集団の事例は後をたたないが、それは暴力団対策とか犯罪環境への対策であって、マイナンバー制度で解決するものではない。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/07/interview-mynumber-idJPKCN0S107A20151007

___国家(行政)のあるべき マイナンバーの本題___
幸福は自分で創るもの、幸福になりたい情報も自分で流すものだ。
とにかく優先されるべきは国民の経済自由・平等が先である。
「幸福の観念は、人権概念によって整えられた国家体制の産物」(カント)の啓蒙だ。
あなたや友達の、明日の幸福を増せる、マイナンバーが手元に届く→会社に届ける→そんな幸福の組立と判っていれば、少々の危険があっても国民は協力する。だから、良く分からなければ、個々人の幸福であれば自己決定権があるから、個々人が届出を待ってもよいのである。
未だに現実は、マイナンバーの幸福の組立が不明だし、事業所における情報漏洩を防止するノウハウや設備は民間企業にはない。まして、マイナンバーの「公平さ」とは、言葉の夢物語だけで、その実態すら伴っていない。むしろ、お恵み深い官僚の許(もと)でのイジメ嫌がらせ嗜好趣味で、経営者も労働者もが自ら首を絞め、幸福を遠ざけ、まるで官僚への密告情報の管理体制を招来するのである。
マイナンバー促進の全戸配布ちらし! ここにきて経産大臣は断行!と、異様な雰囲気だ。

2015/10/23

号外:【最新情報】 マイナンバー取扱実務

<コンテンツ>
年末調整に係る、「扶養控除等申告書」 は記載不要
雇用保険手続に係る個人番号の空白記載(来年1月1日から)
就業規則の 「個人番号届出条文」 の記載リスク
社会保険労務士法の解釈と、マイナンバー制度
   「取扱を停止する事務代理」とは (社会保険労務士=法解釈必読記事)
巷のマイナンバー情報の混乱


§年末調整に係る、「扶養控除等申告書」 は記載不要
会社の安全管理措置の体制が定まり機能していない場合は、
年内に回収する、平成28年度の、「扶養控除等申告書」には、
個人番号の記載欄に斜線等を引いて、記入出来ないようにする必要があります。
安全管理措置のないまま個人番号を回収するのはマイナンバー法に違反します。
なお、
「扶養控除等申告書」は、税務署などに提出することはありませんから、
「個人番号を利用する書類」には該当しません。
別の方法でマイナンバーを取得する場合は、
この最も情報漏洩リスクの高い「扶養控除等申告書」には
平成29年度以降も個人番号の記載欄に記入出来ないよう措置出来ます。
国税と地方税に関する個人番号は
平成29年1月末までの源泉徴収票等の国と地方自治体に提出する書類が最初になります。
くれぐれも注意が必要なのは、
個人番号の届出は本人同意(法律の扱いは本人希望)が原則とされています。
(税務署等の問い合わせは、上記の如く綿密に正確に重ねて質問すると、初めて適法な返答がされます。どうぞ読者ご自身でも確かめてみてください)。


§雇用保険手続に係る個人番号の空白記載(来年1月1日から)
厚生労働省本省:雇用保険適用課の最新見解は次の通り(10月21日)
(1)事業主が取得できた場合にのみ個人番号を記載する。
(2)届出拒否や未取得その他は、空白で受理する、理由を問わない。
(3)窓口職員は個人番号欄が空白となる理由は尋ねない。
なお従来からの説明で、
個人番号が記載されている場合は、安全管理措置から職安への届出は直接持参若しくは書留郵便しか受け付けないとしています。
マイナンバー法では、___
第6条で事業主の協力努力(努力義務に至らない)が定められているだけで、
個人番号の扱いについては、いっさい権利義務が定められていません。
個別企業が労働者に対して、個人番号届出依頼をするだけに限り、過半数代表との労使協定の締結が必要になります。これが締結されていない場合は、届出依頼をするだけで刑法の強要未遂罪に該当することになります。実際に個人番号を労働者に届出させれば刑法の強要罪(権利も義務もないのに他人に強要)が成立します。それは同時に個別企業の不法行為を形成します。
内閣府は従前から、労使協定締結の努力までは要しないと回答しています。個人番号届出先の掲示をするだけで、個別企業は努力を果たしたことになるとしています。


§就業規則の 「個人番号届出条文」 の記載リスク
届出条文(改訂は労働条件契約変更)を就業規則の必要条項に盛り込む場合は、労働条件の不利益変更に該当します。その場合は単に過半数労働者の意見聴取をするだけでは不足であり、労働契約法や労働判例で納得説明義務が必要であることが明確になっています。正当な不利益変更に係る手続きが成されていない場合は、労働者の届出契約の効力がありません。
市販のマイナンバー関連書籍や社会保険労務士(就業規則の国家資格者)の言いなりに就業規則などの改訂を行ったとしても、その責任の責めや損害賠償義務は個別企業にあります。不利益変更の納得説明義務は極めてハードルが高く、労働条件の代替措置を図ることも必要なのです。まして、
イ)税金、雇用保険、社会保険いずれの行政機関も個人番号欄が空白であっても受理することを明確にしていますから、あえて個人番号届出義務の必要性を客観的合理的に個別企業が論述できるとは殆ど考えられません。
ロ)マイナンバー法は、後で述べる社会保険労務士法とマイナンバー法の関連で内閣府が、法律は個人番号取得の協力努力だけですとの見解を示しました(10月20日)。
ハ)その中で、要配慮個人情報であるハイレベル個人番号を個別企業が回収しなければならない理由が整備できることは考えにくく、漏洩した場合の個別企業の損害賠償責任が増し加わるばかりです。
ニ)この場合、得意先や自社がマイナンバー関連事業を行っているとか、この業界が恩恵を受けるからといった理由も、労働者に届出契約を強いるとか届出正当化をする理由にはなりません。


§社会保険労務士法の解釈と、マイナンバー制度
  取扱を停止する事務代理」とは (社会保険労務士=法解釈必読記事)

「a.社会保険労務士は、労働および社会保険に関する制度の質の向上に責任を持つ、法で定められた独占業務を行い得る国家資格者である。 b.マイナンバー法に関係する業務においても、開業社会保険労務士は社会保険労務士法第20条(依頼に応ずる義務)によって、法定の立場と職責から依頼人との契約の自由を制限されている。 c.これは、マイナンバー法による法規制のない依頼人の個人番号取扱にあっても、社会保険労務士は依頼人の秘密を守るにとどまらず、その立場と職責を法にも優先させることで、個人番号の取扱を停止する事務代理を行い得ることとなり、よって、労働および社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するものである」。
※個人番号の取扱を停止する、主なケースとして考えられるもの。
1.労働に関する事業主の統治義務から、個人番号の安全管理が個人情報保護法で適切に措置されていない場合。
2.事業主と過半数労働者代表との間に、会社が個人番号の届出を労働者に依頼できる労使協定が締結されていない場合。
3.個人番号に関する就業規則の改訂が不利益変更の疑いがある若しくは正当な手続き(代表選出方法など)によって改訂(監督署への届出完成)していない場合。
4.労働者の個人番号に係る事業主の安全管理措置が、事業主自らが定めた取扱規定など水準を満たしていない場合。(安全管理措置不備での個人番号受け取りは個別企業の法違反を形成する)。
5.労働者の扶養家族等の個人番号回収にあたり、会社の代理人としての手続(委任契約締結や委任状作成)、その事務(申し込みと承諾の意思が一致したとの契約行為の完成)が、個別企業と労働者との間での完成が成されていない場合。
____以上の内容について筆者は____
内閣府大臣官房職員とで筆者は意見交換をし、(むらおか=大阪会員)
開業社会保険労務士が「個人番号の取扱を停止する事務代理を行い得ること」を含めて、マイナンバー法に抵触・矛盾するものではないことを内閣府に確認済みです(10月20日)。すなわち当座の間、個別企業内に保管されている個人番号を記載・利用することなく、雇用保険や社会保険の手続、給与計算業務を従前どおり進めることが可能になります。
この件に関し内閣府は、全国社会保険労務士会への問い合わせを行ったこと、並びに内閣府は厚生労働省に照会をかけたとのことです。
この内容文章は全国社会保険労務士会にFAX送付しています(10月21日)。
このような合法的解釈により、
経営者、管理職、労働者の基本的人権や社会権を擁護し、独占業務として強化されることなど、開業している社会保険労務士の業務が大幅に見直されることになります。
A.法制度に基づかない無秩序な不作為又は作為によって生じるところの、法違反若しくは法令の円滑な実施に悪影響を与える事態の未然の防止に資することとなります。
B.無秩序な不作為若しくは作為の責任を社会保険労務士に負わせようとする又は事業主に免罪符を与えるかのような行為とは根本的に異なっています。
C.もちろん解釈にあっては、マイナンバー制度が労働者の個人番号届出の同意が前提に成り立っており、この番号法の趣旨が諸制度の補助機能であって、この番号制度を本命だと錯覚する認識ではありません。
D.加えてこの解釈により、事業者の外注委託先が国家資格者外や非独占業務でも可能かのような誤解と事態が間違いであることを、民間企業や行政機関に深く広く認識していただくための理論根拠となり、且つダンピング防止や社会保険労務士の社会的地位向上に役立つ派生効果を生むことになります。
E.なお、依頼に応ずる義務にかかわる様々なケースの中で、個人番号の取扱を停止する主なケース5項目といった公序に反する疑念が晴れない場合に、依頼事業主の依頼申し込みに対して、「料金が3倍である」とか、「委託に伴う監督内容をことさら厳格化する契約を迫る」といった方法で、依頼に応ずる義務を回避しようとすることは、単なるいいがかりをつけて依頼を拒むだけの行為であるから、社会保険労務士法第20条に違反する行為に該当することが明確に論理づけられました。
F.社会保険労務士法第20条の依頼に応ずる義務の定められた背景や趣旨は、同法第一条と相まって深遠なる意味を持っているとの認識が深まることとなり、労働や社会保険分野でのマイナンバー取扱を独占業務としている社会保険労務士の倫理観向上には一段と資することとなります。(依頼に応ずる義務は税理士、弁護士の制度にはない)。


§巷のマイナンバー情報の混乱
「説明文に主語がない!」これがマイナンバーに関する行政機関のNetやチラシの特徴である。これにより、“義務とか必要”といったものが、会社に負担させられているようだと読み取れる情報が氾濫している。国税を代弁している税理士、便乗商法に情熱を傾ける記者、政府の鼻を「へし折る事」を真の目的としている反対勢力など、彼らの情報と法令等実務解釈には疑念と違和感を持たざるを得ない。
◆「無届け者は行政から狙われる?」、デマははなはだしい。地方自治体に集められるマイナンバー空白者の所得税情報。行政機関は作業効率が最優先、とにかく数の勝負である。したがって、個人番号記載分から同居家族の突き合わせをかけて行く。個人番号のない帳票の突き合わせは全て後回し。手間暇を掛ければ行政効率が下がるからである。
◆金融機関の文書は比較的淡々と述べられ、個別企業の権利義務については触れることを避けているものが多い。だが電話となると、「個人番号が必要です」と話を持ちかけ、質されると「手続きが遅れます」と言い直し、催告をすると「期限まで行います」と言う始末である。やはり金融機関のやり易いようにやっている。
◆少なからぬ弁護士がTVやNetに登場する。法律的文章解釈は一流である。だが、「扶養控除等申告書」に記載欄が存在して、個別企業ではこの年末内に使用するといった実務のことは何も知らない。平成28年1月1日から実施ですと未だに解説している。実に弁護士は常用労働者未経験者が多い。「マイナンバー制度は憲法違反だ」との訴訟を予定しているとする某弁護士も、どうも年末調整の「扶養控除等申告書」の個人番号のこと、雇用保険や社会保険の手続を知らなさそうである。
◆筆者は定期的に出版される書籍のチェックを行っている。国家資格者が著作や編集に関わっていても、マイナンバーでの便乗商法は少なくない。就業規則作成を意味なく誘引し、個別企業不利益や労働者不利益変更について極力ふれていないものもある。その多くの者は、この10月から一挙に畳み込んでビジネスを拡大しようとした。しかしながら、法的瑕疵や安全管理の夢物語などから民間企業のマイナンバー利用が次々と延期されている。便乗商法を狙ったものも、次々目論みが外れ撤退している。
◆新設備やソフト導入をIT業界各社が狙っている、が実際の導入は遅々として進んでいない。今年の春は「絶対に必要!」とIT業者は営業をかけていたが、IT業者の営業マンも「番号が集まらなければ要らない」と話している、一時のやる気が現在ではなくなっている。まして法的注意点である、届出は本人同意が前提とか、会社には権利義務がないとか、個人番号記載書面とか、漏洩の損害賠償とかを無視して説明がなされている。都合の好い所が強調されるから、「しっくり」しない。
◆クラウド?とかの新語新サービス=代わりに個人番号を集めます!というわけだが、依頼する個別企業側の費用がかさむばかりであることが認識されてきた。社会保険労務士のように独占的に業務範囲を拡大できる要素もなく、場合によっては社会保険労務士法違反を企んでいたケースも発覚して、クラウドの受けはよいとは言えない。
◆未だ大半の中小企業は、「何もしない! ほっておく!」の状況である。無理(整えずに集めると法律違反)して安全管理措置を整える必要がないことも経営者に浸透してきた。安全管理措置も個人番号回収も、何もしなくても法律違反にならないからである。無理に回収する手間暇や危険負担を社会保険労務士その他外注業者に分散させることすら不可能であることが理解されつつある。独占的に業務を引き受けられる社会保険労務士たちも、そこまでダンピングして依頼を受託しようと思っていない。
◆国税、地方税、雇用保険、社会保険、労災保険その他いずれもが、マイナンバーの記載がなくとも手続きができるとの正確情報が広まりつつある。個別企業の経営者は、行政機関と矢面には立ちたくないと恐怖を抱いている。その心理を解消する手法が、正当な業務を行う社会保険労務士の行う、「個人番号の取扱を停止する事務代理」である。事業主の誤解や恐怖が解消されるのである。

2015/10/06

第162号:転落に向かう日本の経済と豊かさ

<コンテンツ>
転落に向かう日本の経済と豊かさ
 【ならば、個別企業の戦略とは】
 【経済的自由と対等人間関係を形成】
 【売れるルートが必要で、売れる商品がよい商品である。】
 【労働の流動性が悪いと社会での犯罪数が増える。】
 【通貨制度を逆手に取って、誰でも利ザヤを稼ぎたい】
霞が関財務党の官僚たちでは、日本経済を支えることが出来ない。
哲学者のカントは、今から200年余前に幸福について語った。
マイナンバー制度のメリット、「公平さ」って、これ本当?
マイナンバー法制での構想が、次々崩壊しつつある!
年金保険料の徴収強化 10月1日から施行(厚生労働省)


§転落に向かう日本の経済と豊かさ
インドネシア新幹線は中国企業が契約。TPP合意で国内経済は貧乏クジ。陳腐技術の原子力発電日本。防衛装備庁が武器輸出の交渉窓口。あげく税収最優先の個人番号管理(マイナンバー)など。スキャンダラスな経済ニュース?の花火を上げて、それを大手マスコミが収益のネタにして、日本経済が転落しつつある実態と初歩的経済対策失敗を覆い隠すように、実態経済を二の次にする国家管理経済と空転・夢物語の世論誘導が進んでいる。反面、個別企業ごとの防御策&展開策を持てば幸福になる時代でもある。
(TPP実力データ:日経新聞社)http://vdata.nikkei.com/prj2/tpp/
その原因は官僚や官僚主義者たちの自らの保身に基づく行動パターンが、少なからず個別企業の中にもはびこりつつあることである。少なからずの個別企業が転落の一途をたどっているわけだから、官僚のマネごとをする保身行為もはびこる。少数管理運営だから個々人の労働能力が発揮されず、イジメ嫌がらせは増加するだけのことである。だがこれが進展すると事業崩壊・企業倒産を招くのである。
古代ギリシャ文化は、他人の言う事を聞かない柱を持っていたから、そういった哲学や統治機構・軍事力優先の姿であった。そしてギリシャは一挙に崩壊した。古代ローマ文化は、他人との合意形成を図り協力関係を築く中で、規模を大きくしたから、略奪経済ではあるものの暫し歴史を形成した。さて現在日本の指導者や個別企業のサラリーマン経営者は、人類の歴史から何かを学んでいるだろうか? はたまた仏教と混在して伝わってギリシャ文化が影響して、「新しく脱却する」ビジネスが創業期ワンマン経営の域を出ないまま崩壊して行く姿を散見するのである。


【ならば、個別企業の戦略とは】
(1)個別企業は独自に、ことに政府や業界に依存せず各自で、経済的豊かさの経済圏(ICT時代はネットワーク)を築くことである。依存すれば倒される。
(2)そこでの個別企業は金融資本に先ずは依存しない体質(個別企業の融資はICT時代には消費者金融になりかねない)を、売り上げ優先ではなく、利益優先の経営を通して、一刻も早く構築することである。
(3)高度な労働能力を個別企業は確保・定着させなければならない。が、いわゆる家元制度では弊害を招く。家元制度は「頑固な職人」を造るにはよいが、同時に「創造(構想&着想)力のある人材」を組織から若年のうちから排斥してしまう制度だからである。


【経済的自由と対等人間関係を形成】
それも具体的な形で近隣諸国、貿易相手国、国家体制、個別企業内、家族内その他で築き上げることである。こういった人権概念をネットワークすることで初めて、商品流通や高固有価値製品&高水準サービスが動き出すのである。こういった基本的レベルの自由・平等が保障されない中で経済や豊かさを求める人間活動(商業や労働)が成り立った歴史はない。人間集団として欲望(物質・権力・名誉)を保とうとして他人を支配して人権侵害を起こす或は人権侵害を起こす兆しは、商品流通を止め、高固有価値製品&高水準サービスを後退させる。だからこれに対してのみの軍事力や警察力が必要となるのである。目的は何であれ戦闘行為は物質的自由を破壊する、だから国民は誰しも物質的自由を確保してくれる国家を支え、銭カネ目当てとは異なる軍隊や警察を自国民で構成することができるのである。日本近海の防衛空白は何時までも改善されず、国内物流・情報流通犯罪は増加し、今の日本の結婚制度が貧困と犯罪の温床になりつつある。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/11


【売れるルートが必要で、売れる商品がよい商品である。】
これが原則であり定石であり、よい商品?が売れるのではない。商品流通が途絶える構造になれば、ボッタクリ、不良商品、詐欺まがい商品がはびこってくる。これを一般消費者感覚で排除するための合言葉が、「より良い物をより安く」なのである。現在はICT産業革命の真っただ中だ。現実の社会構造や“経済的自由と対等人間関係”共同体の状況を無視すると、“より良い物をより安く=悪かろう(労働だから価格も)安かろう”と変質してしまうのである。物理的機械的イノベーションにばかり焦点を当ててしまうと、「より良い物をより安く」と幻想しがちなのだ。それは知識偏重の思考パターンによくある話である。だが、よくよく考えると、次々に高固有価値製品&高水準サービスが社会に供給されて最初に困るのは、いまや重厚長大産業のサラリーマン経営者たちではないのか?


【労働の流動性が悪いと社会での犯罪数が増える。】
すなわち、労働能力を無視あるいは育成せず、労働能力の「労働力」部分だけを商品取引(経済学:これを搾取という)する、正規か非正規かの労働者判定、男か女か年寄りかで募集判定、田舎者か都会育ちかで募集判定、名門学校卒か専門学校卒で採用判定といった、加えて、能力評価方法を=ありとあらゆる事にケチをつけて、イジメ嫌がらせが横行してしまえば、巷では切羽詰まった者から犯罪に走るのは事実である。これはアメリカでは統計的に立証もされている。だから、ICT産業革命の今は高度な視点からの対策が急務である。人材育成実績企業の職業紹介システム形成とか、手始めに高年齢女性労働者の(65歳以上)集中雇用対策とか、経済的自由と対等人間関係を形成させる中等教育や社会人教育その他を優先させるべきなのである。一方的管理社会、一方的情報収集社会、刑罰一辺倒犯罪防止などは、人間不信やイジメ思考による官僚の保身(労働能力低減)や欲目当ての協力者が、とても好む手段に他ならないのではないか?


【通貨制度を逆手に取って、誰でも利ザヤを稼ぎたい】
ところが、そういった奇抜な能力は経済学や経済政策を熟知した上での「逆手」であるから至難の業である。数ヵ月間でも今より高収入の利ザヤ生活を経験したこともなければ、世界の富裕層の預貯金平均利息=年4%以上に生活してもない者が、そんな世界に入れば利用されるだけのことである。安易に通貨が手元に貯まるのならば、通貨を商品と交換できるものだから、商品流通や高固有価値製品&高水準サービスに対して、手抜きをしたくなるのは、無知な人たちの当然のパターンである。いわゆるズルをするわけであるが、道理を貫いたズルと、詐欺や抜け駆けに満ちたズルとは大きく異なり、それは大違いなのである。世界の歴史の中で約550年前から貨幣という仕組みを、裏で操る方式で利ザヤを稼ぐとか、税収の実質増加を展開できる通貨制度(庶民には貨幣制度と錯覚させる)を発明・開発してきた。さてその極致で、リーマンショックやギリシャ金融危機には詐欺や抜け駆けに満ちたズルが存在したことを知らないのは情報不足だ。現在日本の不況のなかでの株価値上げは道理がどこに貫かれているのか?


§霞が関財務党の官僚たちでは、日本経済を支えることが出来ない。
現在の日本では転落する日本経済に対して、自らの保身を最優先に政策を実行する官僚たちだから、官僚管理経済とその落とし子である萎縮経済が展開されるだけである。世の中にはいつの時代でも、仕事の職業的成果や実績よりも、国の補助金や出世を目当てにして、ただそれだけに能力を発揮する人物が、その時代のメジャーに群がって泥沼競争を繰り広げるのである。
そういった発想で過去から幾度も繰り返されてきた「国民背番号制」が、このほどのマイナンバー法制である。その由縁からして日本経済と豊かさの道から軌道変更させようとするのは明らかである。それは彼らにとっての活躍の場が、官僚管理経済とその落とし子である萎縮経済の範囲内にしかないからである。自由経済社会にあっては彼らは、日本では死語になってしまった、「公の僕(しもべ)」=公僕(こうぼく)の道であり、欧米での「公務員=奴隷」といった感覚や旧ソ連の崩壊による官僚たちの転落を目の前にして、保身のために暗躍しているのである。
だからといって、“官僚の民主化”を唱えるのは時代錯誤である。歴史的にはソビエト革命はそれを目指したが失敗、あげく官僚主義の最悪例となった。単なる“下級官僚への権限移譲”は、ファシズムを招いた。ドイツや日本では、目的のためには手段を選ばぬ者や上司に目立ちたいがために道を踏み外す者に、軍事力や警察権その他権力を与えて下級官僚への権限移譲を許してしまったものだから、ナチス:ヒットラーや日本軍部の青年?将校らが悪行を働いた。それはニュルンベルク裁判や東京裁判記録を読めば、当時の犯罪事実行為を繰り返し経済活動にまで介入していたことが分かる。かの中国の文化大革命は官僚ではなく「紅衛兵」に権力移譲したもので、今に至っても犯罪事実として反省していない中国である、官僚の多くが理工系大学出身者で占められているのは意味があるかも知れない。
そこで、人類の営む経済や豊かさを、現代日本で築く具体策は次のURLの通りである。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/22


§哲学者のカントは、今から200年余前に幸福について語った。
中世暗黒時代にしがみつく王侯貴族とその官僚たちの支配する世間体の中で、カントは彼なりの思想でもって自由平等社会の在るべき摂理と啓蒙を語った。
「人は様々な仕方で幸福であり得るが、自己流の幸福観念はない。
人権概念によって整えられた国家体制の産物が幸福である。
タヒチ島の幸福は、人間の代わりに羊や牛の方が相応しい」
その上で、
「自負の感情が自由の獲得を助力する」と語っている。
このカントの思想は、現代もなお否定されず、むしろ基礎となっている。旧ソ連から現代ロシアでさえも引き継がれている。すなわち、
マイナンバー法制との関わりで論ずれば
今から200年余前の人権概念すらを、否定するような展開が進められているのである。
それが次の項目である。


§マイナンバー制度のメリット、「公平さ」って、これ本当?
(9月24日Facebookに掲載したこの投稿は、一般の人々に理解しやすい文体)
いま一般的に浸透している、この「公平さ」話題とは、生活保護の不正受給、脱税、重複医療診療といわれるものでしょう。ところが、これ等は行政の政策ミスといわれるものが大半です。
★生活保護の甘さ
といっても、例えば関西の各都市から大阪に生活保護者を集中させるため、大阪市を甘い基準にしていただけじゃないですか。そしてこのための交付金を大阪市に特別支給。そんな例は他に無いのですか? 現財務大臣の地元:飯塚市は12人に1人と超高受給率って本当なのですか、近辺の選挙地盤は?
★脱税の氾濫
行政機関の調査摘発の人員減と能力低下じゃないのですか。税金の使い道が、国民の幸福施策に直結していることが理解されれば、一般国民は悪人でもなく納税啓発は盛んだと思いますよ。
★重複医療診療
そんなに、病院などは検査漬けにはしてません。検査DATAは貸出し義務が在るのですよ。セカンドオピニオン(第2意見=直訳)医師もすすめられます。どうぞ、病院へ行ってみてください、健康と錯覚している方も念のため診察に、健康医療も可能です。
【本題】
いまから200年余前に、カント(哲学思想学者)は
「幸福観念は、人権概念によって、整えられた国家体制の産物」
と(発見)言いました。この考え方は、現在まで世界中で否定されたことは無いのです。社会主義理念でも同じ基本です。
…観念とは感じることデス。
概念とは“そんなもの”って考える方法で人権とはそんなものデス。
体制とは常に維持する機関を造り運営することデス。
でも、これを悪用されたことがあります。
 ナチスドイツの人権弾圧:全体主義の管理体制。
 旧ソビエトの人権弾圧:全体主義の管理体制。
戦前から日本の官僚もナチスドイツや旧ソビエトの管理方法を導入しました。
軍国主義がその典型です。戦後も、高度経済成長政策(ソ連の7ヵ年計画とか計画経済を手本に。満州国もソ連の計画経済がヒント)で、大いに活用しました。歴代の官僚出身の総理大臣たち、みなさん官僚には使い勝手が善いといって、霞が関財務党も、とても好きなのでしょう。
【みなさんに考えて欲しいこと】
カントの理念が200年余経った今日でも自由・民主主義の社会共同体の今日までの理念です。この人類の大発見は否定されてません。
そう考えれば____マイナンバー____
あなたや友達の、明日の幸福を増やしてくれそうですか?
手元に届く、会社に届ける、そんな幸福の組立に成ってそうですか?
良く分からなければ、自分の幸福だから、待っても善いのでは?
「(誰でも)自負の感情があるから、自由を獲得したい」
と、カントは言ってます。それで、善いのじゃないですか。
マイナンバーでの「公平さ」とは、____
イジメ嫌がらせ嗜好で、自分の首を絞め、幸福を遠ざけると思います。
まるで密告情報の管理体制?
幸福は自分で創るもの、幸福になりたい情報も自分で流す。
とにかく、国民の経済自由・平等が先です。
お恵み深い官僚の許(もと)の公平は、いらないです。


§マイナンバー法制での構想が、次々崩壊しつつある!
マイナンバーを推進する人の話は、空転と夢物語に終始する。
昨夜のTVでの調査によると、安全管理の措置出来たとする個別企業は5%程度とのことだ。だが、思っているだけで現場末端はズサンかもしれない、リスク管理が弱い風土だから。「正直?」の会社へ個人番号を届けると、危険であることの現状である。会社も個人も社長も、一番安全なことは届出拒否。損害回避には個人ごとに同意の書面(次のURL)が必要である。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/mynum.html
もとより、マイナンバー制度の中心目的が、国民の幸福を増進させるためのものでないことは、以前から多くの人が語っていた。ところが、実際に運用されるとなった土壇場で、構想の崩壊の兆しが見えている。それは、マイナンバー推進者たちが口をつぐんでいた、民間企業に国家事務を肩代わりさせる制度の中に、やはり存在していた。すなわち、地方自治体が個人番号を振るのだが、その振られた個人番号を所得の生じている個別企業ごとに集約して、個々人の金銭収入の流れを、きちっと把握する作業=そのポイントが「扶養控除等申告書」による家計ごとの個人番号把握に、財務官僚たちの構想に瑕疵(欠点や欠陥)が存在したのである。それは、マイナンバー制度が憲法違反だと主張する人たちや弁護士でも気がついていない。また、実務経験のない識者や官僚には、それが見抜けなかったのである。それだけに、マイナンバー制度が個別企業における現実・実務からかけ離れた徴税制度であり、日立などを先頭とする情報産業などの便乗商法が空転する兆しも出てきている。
すなわち、その要は年末調整のために提出する「扶養控除等申告書」にある。
この10月2日に税務当局が、個人番号を別ルートで集めれば、
  「扶養控除等申告書は税務署に提出しないから、
   別途連絡するまで個人番号記載無用と、
   会社が通達して差し支えありません」。
との見解を全国的に流していることが判明した。
もちろん、会社への提出を拒否する場合は、もとより個人番号の記載は必要ない。
ところで、マイナンバーコールセンターでは、同じ10月2日:1時間もかけて返答(午前11時:担当K)した内容が、
Q.「扶養家族等申告書は税務署が提出を拒絶、個人番号記載の期日が無い」
との問い合わせ(筆者インタビュー)に対する答えが、
A.「現在の案内に無いものは、検討したことがない」
との返答となり、担当Kさんは“案内とは法律解釈ではない”と順当に説明したことである。これは担当Kさんの個人見解ではなく、およそ1時間を超える電話の中で、その4分の3の時間を、「検討しますから待ちください」の末に返ってきたものである。
……個別企業で実務を行っている人物は、直ちに直観が出来る。
それは、この扶養家族等申告書が、個別企業におけるマイナンバー基本台帳であり、この基本台帳によりコンピューターにデータ入力されることで初めて大量の事務処理が可能となる仕組みだからである。いま一歩解説すれば、平成27年内に回収する扶養家族等申告書には、安全対策のための個人番号を記入防止の斜線が、会社で印刷可能であることを公表しないでいること。片や、平成28年中の退職者を除き個人番号取得の期限を平成29年1月末としていることである。そう、既に少なくない個別企業では会社への届出拒否が始まっている、中小企業ではマイナンバーへの無関心がはびこっている。各家庭に通知カードが届けば問い合わせや混乱は必至である。
どさくさ紛れ、それを狙って、義務も権利もない個別企業に扶養家族等申告書を回収させ、マイナンバー基本台帳を個別企業ごとに形成させ・保管させ、そこで初めて個別企業に義務を負わせようと策したのである。法律では個人番号を知ったならば、その時点で初めて安全管理義務が発生するという仕組みである。=回収する義務は個別企業にも事務担当者にも法律にはない。霞が関から漏れ流れる情報によると、マイナンバー担当の主幹官僚は、「この年末がヒヤヒヤする勝負だ」と、8月ごろに漏らしていた由縁である。
今年9月4日に開催された政府の各府省庁情報化統括責任者(CIO)連絡会議では、マイナンバー制度に特に期待することがないとの回答が急増し3分の1に達しているとの政府世論調査結果も発表された。その1ヵ月後での税務当局が今回の見解である。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai63/gijisidai.html
9月2日には、本人に交付する源泉徴収票には個人番号が記載されないことと正式発表がなされた。
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/mynumber_gensen.pdf
これに先立ち8月中から、社会保険は届出拒否者の個人番号の不記載手続有効、雇用保険も同じく不記載有効の見解を出しており、ことに雇用保険関係は個人番号回収にあたって労使協定締結を推奨、安定所への郵送は書留としている扱いである。筆者が思うに、年金財政や労働保険財政は旧大蔵省時代からの各々省庁間の対立が続いており、マイナンバーでもって財務省が、むやみに厚生労働省各々の財源へ手を突っ込んでくることは、官僚の間で嫌悪することは予想されるのである。
マイナンバーコールセンターは、質問の仕方によって従来から返答が変わっている。
Q.「必要とか義務とか言うけれど、法律によると民間企業にそんなものはないではないか」
と聞くと、その通りと答える。
Q.「会社には、マイナンバーを集める権利も義務もないではないか」
と聞くと、やはり、その通りと答える。
Q.「本人が会社への提出を拒否すれば、会社も誰もが仕方ないではないか」
と聞くと、ここでもその通りと答える。
Q.「情報漏洩の損害賠償は全て会社が責任を、はおかしいではないか」
と聞くと、「民間の行った結果について行政は介入しません」と答える。
………すなわち、質問の仕方によって返答を変えてくるのである。税務署、年金事務所、職業安定所は、まだそこまで腐ってはいない。


§年金保険料の徴収強化 10月1日から施行(厚生労働省)
悪質な年金滞納者に対する年金保険料の、国税庁への徴収依頼、この強制徴収人制度が平成19年から存在していた。しかしながら、年金保険料の滞納額が1億円以上でなければ、国税庁職員や国税情報を活用しての強制徴収制度は動くことがなかった。滞納額1億円で強制徴収人が国税庁によって実施された件数は平成26年末で13件だ。実に官僚たちによる、「骨抜き政策」となっていたのだ。
この10月1日からの施行規則改正により、事業所の滞納額が五千万円以上へと引き下げられた。そこで、具体的な額を想定計算してみると、5,000万円÷時効2年(24月)=月額208万円である。これは今まで、100人程度の事業所の年金保険料滞納を放置していたことなのである、ここに官僚の行政ミスとか「目こぼし」の間隙=不公平が存在したのである。もちろん、代議士などの口利きの影が全くないとは断言出来ないし、従来から厚生労働省は社会保険や雇用保険での代議士からの個別要請をまともに相手にしたことはない、ぎりぎりで違法は行っていない。だが一般国民が不公平ではないかと受け取るような不透明さは存在したし、これが正に先に述べた哲学者カントの幸福についての摂理と啓蒙に対する、真逆となっていたのである。
この年金保険料徴収強化は、マイナンバー制度とは別建ての構想(平成19年公布)であり、マイナンバーの「理念?」の公平さの中で語られることは、今年の6月までは無かったのである。この法律が成立した当時、マイナンバー制度における法人番号といった考え方自体も存在しなかった。ことに、ここ10年余は社会保険労務士による社会保険適用促進の行政委託方針にも(加入勧奨の)ブレーキがかけられている。すなわち、こういった「官僚の目こぼし」が世界的にも規制緩和論者の闇目的となっている、その先頭・先例がアメリカであり、(解説は省略するが)個人消費低迷の根幹となっている未熟練労働力を主体とした商品価値の少ない産業構造を、結果として招来するカラクリを招いているのだ。意味も訳も分からず規制緩和の踊り子として操られる個別企業の後には、同じく踊り子官僚たちの闇目的が存在し、結果:産業構造崩壊を招来したのである。
それはさておき、
年金滞納事業所のさまと、未熟練労働力の劣化集団が、ここで結びついているのは偶然ではない。そしてまた、短時間労働適正賃金とフルタイム労働の2極分化でメリハリをつけた雇用制度:といった国民ニーズを阻んでいるのも、こういった「目こぼし」不公平が阻止しているのである。だから、年金財政かき集めのための、週20時間労働者への社会保険適用拡大も国民の不幸を招来すると言わざるを得ない。そういったすぐ破綻するカラクリを指摘する識者は、この50年来厚生官僚が審議会から排除してきたのである。だが、ICT産業革命の真っただ中、アメリカの現場の如くコンプライアンスの名目で、競合企業がダンピング企業(保険料不正滞納会社)の密告が盛んとなり、日本では公益通報者保護法により労働者の通報も保護されるようになっているのだ。

2015/09/08

第161号:今のようなマイナンバー制度は、個人と経営の足を引っ張る

今月のテーマ「今のようなマイナンバー制度は、個人と経営の足を引っ張る」
<コンテンツ>
「 人生の暗証番号 」 =マイナンバー
マイナンバー(個人番号)を会社が一度受け取れば、★
H28年用の「扶養控除等申告書」の扱い方
マイナンバー:安全管理措置整備の期限はいつ?
便乗商法花盛り、情報産業はゴールドラッシュ?とか?
就業規則に個人番号回収にかかる条文を記載する事は
労働者のほとんどは、貴方の会社外にマイナンバー届出る先は無い!
産業スパイや詐欺集団らからの防衛研究の怠り
「ビッグDATA」←マイナンバー制度とは無縁


§「 人生の暗証番号 」 =マイナンバー
個人番号を使えば、銀行預金、クレジットカード、医療内容、年金個人資産、借金残高その他を、国家がサーチして把握することになる。そして今の安全管理装置の水準だと、国や行政機関からの情報漏れの懸念ばかりか、民間会社の書類やデータに至っては犯罪者からすれば「持ち出してくれ!」と言わんばかり危険水準である。昔、日本に来た中国窃盗団グループが、「店先に陳列していることは持って帰れということだな!」と暴言した。それと同様に高価値情報の集積場所が明確(民間企業のロッカー)だから危険だ。
★「扶養家族控除申告書」が超危険、個別企業のロッカーに無造作に存在。
すなわち今、進められようとしているマイナンバー制度は中身が極めてズサン(杜撰)である。霞が関財務党らの官僚は、民間会社に国の事務を肩代わりさせ、民間企業や個人それから地方自治体財政や厚生労働省(年金財政、雇用保険財政)を、近い将来にマイナンバーや法人番号を使って、細かく中身を把握したい目的なのである。兎にも角にも、今がチャンスとばかり強行するから、行政機関側の杜撰さも目立ち、まともな対策を打つ気もない実態である。官民ともにマイナンバー制度基本設計から安全対策に至るまで瑕疵がある。官民に情報管理装置(コンピューターなど)の不備が指摘されており、産業スパイや詐欺集団への対抗策を研究した代物でもない。だから、個別企業は労使が協力して、勇み足にブレーキを掛けよう。便乗商法に巻き込まれないようにしよう。番号回収には本人同意が前提、会社には権利も義務もないのだ。最近のマイナンバーコールセンターは、いとも簡単に、「机の引き出しなど鍵のかかるところでOKです」と、安全管理レベルをどんどん低減させる回答を出している。
http://www.soumubu.jp/image/honshitsu-mynum20150830.jpg


§マイナンバー(個人番号)を会社が一度受け取れば、★
膨大な業務量、書留郵送費用その他経費負担(情報安全管理)を会社が義務として負わされる。国の行政機関事務を肩代わりさせられるからである。ある専門家の試算では、100人規模の会社で数ヵ所支店の規模であれば1000万円の初期投資とプラス毎年数百万円(増員人件費含)の運転経費が必要と発表している。
今年からは「扶養控除等申告書」新様式が10月から配布されるが、ここへ本人に何気なくマイナンバー個人番号を記載されてしまうと、突如会社は、情報漏えい防止の安全管理義務を負わされる。会社への届出がないとか本人届出拒否であれば、安全管理措置全般の義務がなくなる。
安全管理義務違反の事務取扱担当者個人は懲役4年の実刑・2百万円罰金の刑事罰対象となる。その理由は国の行政機関事務の肩代わりだからだ。したがって、未だ安全管理措置が不備であると会社が判断した場合は、平成28年分の「扶養控除等申告書」の個人番号欄には、横線を引いて配布する事は年内ならば可能とされている。便乗商法に乗せられて、勇み足や勘違いでマイナンバーを会社が受け取らないことが一番なのである。


§H28年用の「扶養控除等申告書」の扱い方
そこには、本人と家族の個人番号(マイナンバー)の記入欄がある。
そこで、会社の安全管理体制が整っていない場合の緊急措置について、内閣府コールセンターに問い合わせをした。(Hさんからの回答)10:10/2015/08/31
その回答要旨は次の通り。
1.安全管理が優先するから、
収集事務員の研修その他の安全管理準備が整わない年内は、個人番号記載不要とのこと。
2.何の気なく個人番号を従業員が書く
ことへの防止対策には、会社が番号欄に斜線などをあらかじめ引くなど漏洩防止策を優先。
3.情報安全管理方法その他は、
個人番号が記載されているものは、保護シールや密閉封筒などを無しに、幾人もの経由手渡しとなるケースは、会社の事務取扱担当者個人の安全管理義務違反となる。(その場合の漏洩損害賠償請求事件等は会社内の問題である)。

──国税庁はホームページなどで、個人番号の提出を受ければ、その時点で会社が義務を負うこととともに、(★)“個人番号を提出しない者に対する国税庁苦肉の釈明”を記載している。が、国税庁などの行政機関もそれで良くても、個別企業は情報漏洩した場合の損害賠償請求を回避できないから、本人意思を確認しておく必要がある。例えば次のような書式が、届出同意・届出拒否の意思表示として必要である。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/mynum.html

──重ねて、会社には本人に対して、個人番号の届出を依頼する権利も義務も法律根拠が存在しないことから、従業員過半数代表者との労使協定が必要となる。次のような書式例である。権利義務もなく依頼すれば労働契約外の行為であるから、情報漏洩とか個人情報をさぐる行為だと反発された場合には、会社側の不法行為であるから損害賠償金請求を回避することができない。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/kyotei-mynum.html


§マイナンバー:安全管理措置整備の期限はいつ?
①H28年1月1日以後の(H27年中は斜線で書けないようにして良い)
②H28年の一番最初に会社が個人番号を記載する必要が生じ、
③個人番号を本人から取得して本人確認した時点です。
④【但し注意!】会社の誰かが、ウカツに受け取れば、その時点から!
すなわち、個人番号の届出拒否とか本人が持ってこない場合は、会社は取得もしていないし確認もしていない状況なのである。その場合には会社はマイナンバーを利用していないことになる。(マイナンバー法第6条)
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/mynum.html

会社に個人番号を集める権利も義務も、法的には存在しないから、事務員管理職の無理強いは刑法の強要罪である。民法など民事法上は不法行為になるから、正確に言えば呼びかけるだけで金銭損害賠償の請求根拠が発生してしまう。
合法的に会社が個人番号届出の依頼
をしたいならば、そのための従業員代表の選挙を行い、過半数代表との労使協定により、(届出依頼が不法行為とならないための)労働条件の変更を行う必要がある。
ところが今のところ、内閣府は「そこまでの行政協力は要りません」と回答しており、それ以上の損害賠償事件などは民間で解決してくれと言っている。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/kyotei-mynum.html


§便乗商法花盛り、情報産業はゴールドラッシュ?とか?
社会保険労務士の資格を先頭に、行政書士、税理士といった国家資格を掲げての便乗商法が花盛りである。
悪徳便乗商法の彼らは次のことを、共通して沈黙する。
①個人番号の会社の届出は本人の同意が必要であること。
②労働者本人には届出の拒否権があること、拒否理由は問えないこと
③会社には個人番号回収を呼びかけること、回収行うことについての権利や義務が法律上存在しないこと、「会社が希望して勝手にやったこと」との行政解釈。
……悪徳な彼らは、
「必要」とか「義務」とかの語句が、内閣府や国税庁その他の文書に書いてあると説明する。ところが、綿密にその文章を読んでみると、肝心の主語がない。法律や行政運用の実態から判断すると_「行政機関が必要としている」とか「番号を受け取ってしまった会社には義務がある」としか読みようがないのである。個別企業については、“利用するならば”であったり、“協力に努める”だけのこととしか書いてない(マイナンバー法第6条)。ありとあらゆる行政機関が、マイナンバー導入は、「会社が希望して行ったこと」あるいは「本人個人が希望して行ったこと」といった行政解釈の主旨を貫いている。そこで便乗して、“素人相手に便乗商法”ってわけです。
情報産業などの営業マン、
総務人事担当者の早とちり、経営者の勇み足、販売促進活動の餌食、セミナー集客の動員その他で、毎日のように煽っている。私の関係者やその周辺では、こういった営業マンたちに質問。
「会社に届出られる個人番号がなければ、そんな対策いらないだろ?」との質問をすると、どの情報産業などの営業マンでも、
「その通りです、個人番号の回収が少なければ要りません」
と言っている。すなわち、マイナンバー制度で、「個人番号が集まらなかった場合」の想定がPRもされてもいないのである。住基ネットが実態崩壊しているし、昔もグリーンカードは高層ビルまで建築して廃止となっている。
最近は、自信ありげだった営業トークもかなりトーンダウンしているようだ。だが決して、
「いったん個人番号を聞いてしまえば未来永久に会社には責任が生じ、そこで初めて会社義務が掛かるのです」
とは言わないのが悪徳便乗商法である。ことに情報システムは導入してしまえば何年もの運転・メンテナンス・バージョンアップが不可欠であるから、そういった注文主の不安を逆手にとった、「素人の足元を見る」営業方法も大いに散見されるのである。
…郵便局はじっと沈黙を保っている。
マイナンバーが記入された郵便物はすべて書留扱いが必要である。個人番号を記載すれば来年1月1日から職安への郵便物も往復ともに書留扱いである。行政機関の一部にはコピーで差し支えないとは説明する者もいるが、行政機関では差し支えないらしいが、民間個別企業では事故や漏洩が起こったときは損害賠償請求事件となる。だから個別企業には、“郵便物も往復ともに書留扱い”は欠かせないのである。「郵送費用の負担は社内で考えてください」と内閣府は説明、ここでも内閣府は民間企業内のトラブルや紛争には介入しないと回答するだけである。


§就業規則に個人番号回収にかかる条文を記載する事は、
労働条件の不利益変更にあたる。行政機関はそこまでの推奨すらもしていないから、会社独自の民事責任で行うこととなる。(通例の就業規則には住民票、年金番号、雇用保険番号など聞かない条文になっているから)むしろ、マイナンバー制度の個人番号だけを就業規則に記載するのは異様と法律判断されるしかない。
特に、貴方の個別企業体制や部下水準からして、とても出来そうにないような安全管理措置や取扱規定を、たとえ内規(就業上の義務権限がない規則)であったとしても、個人番号記載書面の取扱や情報漏洩が起こった場合の、契約不履行による損害賠償額は跳ね上がってしまう。
これは理想だからと言って、あくまで目標だからと言って出来もしないような規定を作成することは、今回のマイナンバー関連規定については、極めて危険な行為である。その理由は何度も繰り返すが、会社には権利義務がいっさいなく、改めようとする労働者本人との労働条件構成に不備をきたさないようにする担保が会社にないからである。
時間的にも、今日明日から準備をして、「不利益変更手続」の、
①従業員代表選挙、
②説明会における納得説明義務実行、
③必要な労使協定の締結、
④労働基準監督署への届出といった手続作業は間に合う訳がない。年末までの「扶養控除等申告書」は内閣府も言っているように、安全管理対策を優先させるためには、個人番号記入欄に斜線を引いて配布することが会社としては安全策である。
もちろん、政府や行政は民事介入はしないと内閣府は回答している。繰り返すが要は、「貴方の会社が“希望して行った(利用した)のだ”」との行政解釈をしているのだ。
すると、就業規則変更=労働契約変更となるから、会社から情報が漏れた場合は契約不履行であり、会社側には無罪であることの立証責任が負わされる。だから、貴方の会社の犯罪事務員が盗んだとしても、貴方の会社は本人からの損害賠償請求を回避できないこととなる。就業規則に条文が無ければ不法行為となるから、賠償金請求の本人に立証責任が負わされることにはなるが、会社の信用を失墜する。そして、その本人は公益通報者保護法の保護対象者である。そこまでして就業規則本体の条文改訂を勧誘する、“専門家?と言われる人”の話は、真実として疑わざるを得ない。
就業規則の具体的条文変更は、損害賠償請求事件に成った際の弁護士や社会保険労務士の手間増加と報酬を増額させるもの(契約不履行事件それとも不法行為事件、或いはWの要件事実の争い?)かも知れないから、誰に立証責任が出るのか?も含めて、専門家先生といえども貴方がキッチリ確かめておくことを推奨する。


§労働者のほとんどは、貴方の会社外にマイナンバー届出る先は無い!
その意味は次の通りである。
通販会社勧誘、詐欺集団被害、家族への強迫事件、税務個人調査、被扶養者調査、社会保険調査、これらは貴方の会社からの情報が漏洩したとか伝わったとの疑いが最初に持たれる。とくに犯罪者や通販業者への情報は紙のコピーが主流(紙は持ち出し記録が電子DATAに残らないからプロの手口)である。
家族の「扶養控除等申告書」は大半が会社内でのロッカー保管だから、犯罪者からは一年を通し、取扱事務員は社内手引き者として誘惑され狙われている。経理や人事の事務員が持ち出し売却しても、会社の安全管理措置違反は損害賠償として追及される事は当然である。その道の違法コピーは、たった1枚の末端価格=5,000円/枚が最高価格とのウワサになっている。
ここで、もう一度繰り返しますが、会社には権利も義務も無い。
にもかかわらず、本来、国家機関が行うべき事務を、貴方の会社が“希望して行った(利用)のだ”と、法的には解釈されてしまうのだ。法治国家では、「法律を知らないあなたが悪い」となる。であるから、経営管理に携わる貴方には、社会的道徳として労働者や従事者には、あらかじめ不利益の説明をする必要があるのだ。
とりわけ先日の個人情報保護法改正による「要配慮個人情報」を持つ母子家庭、DV被害者、ストーカー被害者等に対しては、会社側が気付いてなかったとしても、「要配慮個人情報(説明して)で、気がついたことはありませんか?」と、念押しすることもマイナンバー制度の安全管理措置の重要要件なのだ。
よって、漏洩や事故その他が起こったときの
疑惑を受ける個別企業、疑惑を受ける事務取扱担当者、損害賠償請求事件(事務担当者個人も請求先となる)が激減する社内制度、漏洩や不信に対する労働意欲減退や求人応募拒否といった事柄は、個別企業が独自に未然対策を講じておくしかないのである。行政機関は無為無策、単なる国家資格者はリスク管理の素人である。今般のような国家管理は日本経済の転落原因になると筆者は確信している。マイナンバー制度とは無縁な個別企業には浮かび上がる可能性がある。


§産業スパイや詐欺集団らからの防衛研究の怠り
事件が起こってから責任問題が紛糾する前にマイナンバーを扱うに当たっては、皆さんや周りの方で、よく話しておくことに大きな意味がある。ことに、民間労働者には公務員と違い職務権限者はいないから、上司の違反命令や違法指示に対しては、貴方が「それは法に反します」との意思表示をしたことの証明(その時の日誌やメモでもよい)が出来なければ共犯の扱いとなる。
だからマイナンバー法では、先ず事務員の貴方に懲役4年罰金200万円の刑罰(両罰規定)なのである。よくある“重過失”とか“未必の故意”といった、“ワザとじゃない!”との(社会的道徳に反したような)TVドラマ流の言い逃れは通用しない。事務取扱担当者が、悪の罠にはめられないように、少なくとも次のような誓約書をとるとか、“その担当者のみ”に、個人番号記載書面の保管キーを預けてマスターキーは造らない、といったような細かい配慮も必要となる。会社は事務社員らを犯罪者の悪行からガードする社会的道徳(コンプライアンスとは異質)により、措置することも安全管理措置の柱なのである。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/shuhi-mynum.html
内閣官房はマイナンバー法文の逐条上解説で、この両罰規定を産業スパイや詐欺集団への対策と行っている。ところが、霞が関財務党の官僚たちには、「ビッグDATA」、産業スパイ情報(通販顧客データ)、詐欺犯罪個人情報といったものが区別され整理され理解されているといった痕跡が見当たらない。まして、高給サラリーマンの「扶養控除等申告書」コピーは、末端価格が数千円ともなれば、一枚単位で買い取る「輩」がウジ虫のようにネットに沸いて来るのは予想される。
http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/jizenjyoho/gensen/pdf/gensen45.pdf
詐欺集団や通販名簿売買その他にかかわる犯罪者が、マイナンバー事務取扱担当者に誘惑をかける事例も、普段からよく話し合い研修して置く必要がある。
肝要は犯罪者の罠にはめられないようにする具体的措置や策である。
例えば、恋人商法に巻き込まれる人物は、殆どが友人や同僚との交友も無い中で詐欺行為に遭遇し、他人への詐欺行為をも実行している生活状況が多いのである。
「そや、あんたが洩らしたって、分らないから…」
「おまえで無くっても、誰かが後で洩らせば、金は払えないよぉ~」
「懲役4年、隠しとけば、出所してから使えるやろ~、なぁ~」
「俺のために融通してくれよ~ おまえ~愛してんか~?」
……二股三股の恋人詐欺!だって、犯罪男たちは何のその、これが個人番号入り個人情報の入手経路としては、主流になると予見されるのだ。


§「ビッグDATA」←マイナンバー制度とは無縁
…このメルマガでは後日の論議とするが、
個人の特定出来る情報さえなければビッグDATAとするが、活発な商品経済の興隆(ベンチャー)をICT産業革命の中で促進しようとする前向きな経済活動努力とは、「ビッグDATA」は無縁な代物である。経営管理をする貴方には理解出来るだろうけれど、ビッグDATAに現を抜かし、ビッグDATAに頼るニッチ市場とか経費削減業種、身近なところで言えば社内の経費コスト削減に翻弄する、こういった集団やグループは余裕のある経営システムや事業システムの関心が薄れていくのは自然である。マーケティング学理論では、ビッグDATAが役に立たない代物であることは誰もが知っている。ところがマーケティング理論に無知な人たちは、「ビッグDATA」が役に立つと騙されるのである。
工業デザインという着想の素になったラスキンという思想家は、「一般庶民の使用する工芸品の製作には、有能な労働者を配置する必要がない」とまで断言した。芸術性を吹き込む労働が必要という訳(=工業デザインへの発展)であるが、「ビッグDATA」といった代物では業デザインによる商品マーケティングは展開出来なかったのが歴史的事実である。世界に真珠を売り込んだ御木本パールもラスキン理論である。この古典派経済学におけるラスキン理論(芸術や感性分野)は、日本の明治維新頃のものである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A1%E6%9C%A8%E6%9C%AC%E5%B9%B8%E5%90%89

2015/08/25

号外:8月25日号 マイナンバー法の実務は
         事業所での任意取扱の枠内です。

<コンテンツ>
【私たちが調べた結論】
【届出に関する、同意・拒否=アンケート】
【緊急出張セミナー:漏洩事故防止・安全取扱措置の決定打!】
【私たちは詳細な研究積み重ねをしています】
【安全管理措置や取扱規定の精度と範囲】
【真実を知る者のみ得をする事情…内閣府のPR手法】
【マイナンバー法・個人情報保護法】
 ____________

【私たちが調べた結論】
個別企業の、マイナンバー制度=個人番号=取り扱いは、あくまで本人が任意で届出した者に限定です。拒否した人物のマイナンバーを取り扱うことは出来ません。
また、マイナンバー法には個別企業の義務も権利もありません。法律規定では、個人番号を扱う(利用する)個別企業に限られ、国等の施策への協力に努める任意努力(第6条)です。
利用しないこととなれば、マイナンバー制度は関係ありません。
加えて、利用を希望する事業者のマイナンバーの取扱量が少なければ、
1.会社からの漏洩事件への本人からの損害賠償事件リスクは激減
2.印字ソフト、特別室、漏洩防止消耗品、対策人件費は、「無」ないし激減
3.漏れるかもしれない個人番号の回収は社会的道徳に反する…信頼増
といった効果をもたらします。
個別企業自身で、任意に国等への努力の協力範囲を決められる実態(民間協力)になっていますが、一旦、個人番号を回収してしまえば厳格な安全管理措置は義務となってしまいます。国の業務の肩代わりですから事務担当者には実刑(執行猶予なし)を伴う罰則があります。ところが個別企業が“任意で利用したのだから”、との法的建前ですから、損害賠償や安全管理不備に国が介入したり助力することはありません。
要するに、損害賠償や取扱経費増は貴社の判断(無知であれば自覚無く負わされる)にまかされています。


【届出に関する、同意・拒否=アンケート】
個別企業が本人の個人番号を集めるには、本人の同意が必要です。
アンケート(意思確認)の書式例は次の通り(制度のQ&Aも掲載)です。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/mynum.html
義務や強制はできません。本人に対して届出依頼をするには労働契約法上、従業員の過半数代表(選挙で選ばれる)との労使協定を結ぶ必要があります。
会社が本人に届出拒否の理由を一切問う権利はありません。「個人番号が漏れるのが不安」、「集める事務員への不信」、さらには「一生死ぬまで見張られたくない」、果ては「個人の収入を知られたくない」といったものまで、拒否の理由は問いません。もちろん、会社オーナー、経営者、株主、取締役の立場でも届出拒否ができます。
税務書類は鉛筆で本人拒否と添え書き、社会保険書類は空白のまま、雇用保険手続も空白のまま、何れの行政機関も個人番号を必要としていません。
パートで働く女性の多くが、マイナンバーで家計を管理されたくないと考えています。
年収103万円の扶養家族ライン超えは切実な課題です。マイナンバーで国税にキャッチされ、夫の会社へ連絡が行き、妻が扶養家族から外されることを、とても嫌っています。それは、パート募集や定着にとって個別企業の大問題なのです。今年末からの扶養控除申告書にマイナンバーを記載すると、来年10月からの社会保険パート拡大適用の結果を、28年の年収103万円チェックがマイナンバーによって、国税機関がサーチあぶり出しすることが可能になるのです、個人番号届出した人に限り。もちろん法人番号(公開)と相まって低所得層の社会保険加入の事業所もサーチできます。


【緊急出張セミナー:漏洩事故防止・安全取扱措置の決定打!】
企業内セミナー、業界団体向けに「マイナンバー届出準備票」を中心に解説します。
出張セミナーの開催時期は、おおむね11月末まで。指定の場所に講師が訪問します。
開催時間は休憩や質疑を含め120分間(料金50,000円/回消費税込) 開催日は相談調整に応じます。
なお、会場が大阪市外の場合は次の費用を申し受けます。
※交通費(グリーン料金実費)、日当(半日4万円、全日7万円)、宿泊費実費。
連絡先 06-6946-9921
ご質問は次のURLのフォームから
http://www.soumubu.jp/contact/index.html


【私たちは詳細な研究積み重ねをしています】
当社の今般メルマガ号外の記事は、40年に渡る労働現場の実態実務にきわめて詳しく、その方面の法的国家資格(特定社会保険労務士など)を備えている者の研究成果です。マイナンバーコールセンターのみならず、税務主務官庁、厚生労働省の本省:社会保険担当、厚生労働省の本省:雇用保険担当その他との質疑応答を重ね、内容の確認を行っています。また、マイナンバー政策への意見提出(8月21日等)も行っています。そういった研究経過の主なものはFacebookに掲載しています。
https://www.facebook.com/groups/1427689764203835/


【安全管理措置や取扱規定の精度と範囲】
個人番号を税や社会労働保険の手続で使う(利用)個別企業に限られます。
すなわち、1件たりとも個人番号を入手・取扱すれば安全管理措置や取扱規定を達成しなければなりません。仮に取扱数が0であれば、マイナンバー法に基づく安全管理措置や取扱規定は不要です。実際のプログラム購入、設備、取扱規定作成などは、貴方の知り合いの専門家に依頼することをおすすめします。
法律第6条は、「個人番号および法人番号を利用する事業者は、…施策に協力するよう努めるものとする。」との条文。個別企業への“しなければならない”義務規定ではありません。
(内閣府の逐条解説)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/chikujou.pdf
忘れてはならないポイントは、
あなたの個別企業の経営者や事務取扱者そして労働者の職務遂行能力の程度から見て、実行不可能な事柄を安全管理措置や取扱規定で定めてはならない、この部分です。出来そうにないこととか、開示・漏洩が予見出来る状況で個人番号を回収することは社会的道徳に反することです。社会的道徳に反すると不法行為(迷惑事案)の損害賠償請求事件を回避することができません。安全管理措置や取扱規定を配布すれば就業規則扱いとなり契約不履行の損害賠償請求も成り立ちます、加えて「事業主から本人への届出依頼」に関する労使協定が正当に締結されていなければ、その不法行為の損害賠償も加算されることが必然です。
また、EU指令に準じて個人情報保護法改正で、「要配慮個人情報」が新設される見通しです。個人番号に「要配慮個人情報」が連動する場合の情報措置がきわめて複雑高度になることです。企業の実務からすれば、「要配慮個人情報」を持っている本人(DV、母子家庭、ストーカーなどを含む)には、個人番号の届出が拒否できることを十分説明することは、個人情報漏洩を措置することとなり、これは労働契約法コンプライアンスに反することにもなりません。


【真実を知る者のみ「得」をする事情…内閣府のPR手法】
内閣府などは「必要」といった語句を連続して使っていますが、
マイナンバーのPRのWebサイトや説明文には、個別企業や個人の義務や権利のないことが全く書かれていません。何度読んでも主語(政府や財務省らしき)の見当たらない文章が目立ちます。こういった文章に「政府」や「財務省」の語句を主語に当てはめてみると、書面の意味がよく分かるようになります。あえて曖昧な表現をすることによって真実を見えなくする、自己保身的公務員特有の作文表現方法です。
政府や財務省に全面迎合することで経済利益を得る人たち、それは少数者です。まして価値の高い商品を政府が生産しているわけではありませんから、自ずと経済利益の質量は少なく限定的です。
・マイナンバーに絡んで、IT関連企業はクラウドその他で極度に積極的。
・通販など代金回収に手間が掛かる企業はマイナンバー適用拡大運動。
・税・社会労働保険にかかわる事業者も“無料セミナー”に躍起な人がいます。ところが、圧倒的な税理士、社会保険労務士、企業弁護士などが、マイナンバー導入の動きを静観しています。
私ども専門家からすれば、
内閣府のマイナンバーに関する説明文章には、当初から根深い違和感を持ちました。今からすれば、財務省税収の増加に主眼をおいた制度であることの説明を隠し、不公平税制や不公正脱税の取り締まり軽減策には目をつむり、さも理由があるかのような一連の説明文章であることがわかりました。
縦向きに各省庁や地方自治体に分かれている“税と社会保障制度”を、労働現場サイドから横軸に輪切りしてみると、社会保険や雇用保険さらに国民健康保険の末端にまで財務省管理を行き届かせようとする、財務省の国民管理の姿が浮き彫りになってきました。
このような国家管理を進めると国民や個別企業の自由が制限され、いま日本経済で最も必要とされる経済課題=日本人の創意工夫&技術の積み重ねで新商品・新事業を開発することに、現場労働者の非協力=ブレーキが掛かることは目に見えています。
世界の国々で国家管理が徹底されている国こそ、自由がない、経済成長しない、個々人の豊かさがない、人々に希望がない…これらは読者のみなさんもよくご存知のことです。哲学者のカントは、「幸福とは人権概念によって整えられた国家体制の産物。タヒチ島の幸福は人間の代わりに羊や馬が相応しい」とまで300年前に語っています。こういった啓蒙思想が自由:民主主義や資本主義経済の走りとなって経済的豊かさを蓄積する社会原動力となっているのです。「貧乏であるけれど平等である」とか「何かと気晴らし出来るから人権は不要」といった抑圧を払いのけ、自律を追い求めて来た個々の人類集団グループだけが幸福を味わい続けているのが事実です。


【マイナンバー法・個人情報保護法】
○マイナンバー法
  ⇒ http://law.e-gov.go.jp/announce/H25HO027.html
○個人情報保護法
  ⇒ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO057.html

2015/08/04

第160号:日本国内:民間経済の危機

今月のテーマ「日本国内:民間経済の危機」
<コンテンツ>
異常な暑さに見舞われる日本、国土と経済の渇き
世論誘導されやすい無教養の人たち
これからの10年は、賢い企業経営を!
   【商品販売の採算】を教養から見直す~
   【官僚の利益吸い取り政策】に巻き込まれない!
   【ひとつの個別企業の事業単位では】
     視点1 世論や霞が関財務官僚の気がつかない商品
     視点2 日本料理が世界で有名になる本質
     視点3 ついでに、観光政策の的外れについて述べると
霞が関財務党 マイナンバー法制度の思惑崩壊!
《年間約3兆円の、彼らの所得税増収作戦が、当面不発に終わった》
  1.本人の同意があって初めて
  2.本人が届出を拒否した場合には、
  3.近々「要配慮個人情報」保護の“個人情報保護法改正”
  4.そして、形骸化が予想される事務処理方法
  5.構想力着想力の優れた貴方にとっては、チャンス!


§異常な暑さに見舞われる日本、国土と経済の渇き
「民間経済の危機」は、民間利益を必要以上に官僚たちに吸い取られるところから始まる。彼らの変質した公共事業に隷属しなくとも、小さいながらも個別企業の事業は、いずれも社会的公共的なのである。数千年の歴史を通して、天災や戦争の原因で滅亡した都市や国家は無い! だが、萎縮かつ保身にまみれた国や企業は崩壊する。日銀の株価操作(日本だけがQE継続中)による株価つり上げを除き、この夏の実態経済は不況の真っただ中である。
現在の経済環境を一歩踏みこんで見た場合、東京一極集中をしている首都や通勤産業圏、京阪神経済産業圏、中部東海経済圏のそれぞれでの事情は、様々に独自の市場特徴を見せているにも関わらず、地方再生の時代といわれながらも無頓着である。
そもそも経済活動は最終消費が決め手であり、その経済活動において円滑活発を図るために様々な個別企業の役割が存在している。この個別企業の活躍を促す支援をすることが国家や地方公共団体の役目である。重ねて国家や地方公共団体は、個別企業では不可能な長期投資やインフラ整備を行うのが役目である。そのために国民や個別企業は税金を支払うのである。
国家や地方公共団体の役目は一見して経済とは関わりがないと勘違いされそうな社会基盤、すなわち法律制度、家族制度、共同体コミュニティーなどを含むものである。「失われた日本」の30年目を迎える今、公共事業やOECD等の直接投資が、あたかも経済活動の主軸のような錯覚を大手マスコミによって与えられて来た。と時を同じくして霞が関財務党が世論操作を行うようになり、世論操作を通じて大手を振るうようになった。そして、この数年は、霞が関財務党の収益構造が確立するような政策や立法が目白押しだ。


§世論誘導されやすい無教養の人たち
新聞発行部数が増えればよい、視聴率が上がり宣伝広告収入が増えればよい、こういった大手マスコミの経営方針によって、益々ジャーナリズムが変質を重ねている。ただ日本の場合はもとより、ジャーナリズム理念がきわめて脆弱である。そもそもジャーナリズム自体が脆弱体質を抱えるものではあるが、日本の場合は国営放送や大手マスコミの経営理念が規模や売り上げ拡大に矮小化されているために、大きな経営規模に水ぶくれしている半面、ジャーナリズム精神の血が通っていないのである。
霞が関財務党や各省庁の官僚たちは、国営放送や大手マスコミを国民管理とか世論操作の道具として使用するようになった、その時期は「失われた日本」が始まる時期からである。だとしても、教養がありさえすれば本来のジャーナリズムに基づくインテリジェンスやインフォメーション情報を容易に入手することが出来る、これがICT産業革命なのである。
日本は農業国から工業国に転換する際に→
全日本共通の教育を行った。それは近代まで続いた「寺子屋」方式の教育とは相容れないものだった。有能な人物を釣り上げることがなくなった共通教育、教養基本を享受することを避けたから隷属手法の有能さが教育の中で競われた。
この【教養】とは、「彼を過去の人物と異なったものたらしめる」教育のこと。
それは、先祖伝来、家族的、地域的、個別的なものに依拠するところが多く、学校独自の集団教育では形成されない。教養が身についていない生徒には、何を詰め込んでも手法の使い道を誤る。無教養であれば、素養が教育前の元の通りであるから、インテリジェンスもインフォメーションも両者の区別がつかず、学問や歴史を学んでも活用不能なのである。教養基本がないから、「躾」が理解できず表面的な形に終わる、だから理屈で自らをカバーしようとする。日本の学校教育が教養基本を身に付けるサポートをすればよかったのだが、そうなっていないところから家族や個別企業で非効率ながら行わざるを得なかった。そして辛辣な企業や家庭においては、こういった教養がないばかりに理屈が多く「躾」の身に付かなかった人たちは排除してきたのである。
この教養が身に付いていない人たちが、とかく世論誘導されやすいのである。これが【教養】や世論誘導と言われる事柄の本質である。学歴や就職先などのしがらみとは無関係に、「隷属していない!」あるいは「人間関係の間合の泳ぎ疲れない!」人生の持ち主にこそ、かろうじて【教養】が目立つ人物が散見されるのは、このためである。


§これからの10年は、賢い企業経営を!
心がけさえすれば教養はいつでも身に付く。
教養が身に付いていなければ、霞が関財務党の収益構造に巻き込まれてしまう、その中庸や中道はない。経営者の立場にあって心血を注いでも上前を官僚にハネられる。昼夜暇なく働き詰めで過労の召使いサラリーマン。隷属と働き詰めで睡眠不足の女性労働者。こうなってしまえば、「自由な○意志(×意思)のはずが、自らが隷属化する事態」といったことに陥り、それは霞が関財務党の収益構造に乗せられる道である。
教養を身に付けるスタイルとは、形式的には日にちや時間の余暇を作ることである。
今の行き詰まった近代社会を維持して来た方法といったもの(例えば次の3つ)を、余暇を過ごす中で見直し反省することである。
1.技術による画一的商品の大量生産
2.宣伝による需要創出、消費者欲望拡大
3.物質消費による幸福生活の幻想
見直せば、利益を必要以上に官僚たちに吸い取られるところからの、脱出の第一歩である。少しでも教養があれば、「官僚の吸い取り」に対する防止行動が始まる。教養がなければ、官僚たちの理屈に屈服して、「官僚の吸い取り」に協力するか違法行為に走るかである。

【商品販売の採算】を教養から見直す~
きわめて大雑把ではあるが、(歴史的裏打ちがあるが経済学研究は未達)
商品価格の成り立ちを「定価」設定から逆算すれば、
①3分の1が仕入原価、
②3分の1が加工や販売の人件費、
③3分の1が設備や流通費
となり、意識の有無とは別に成功する道は、この配分(ただし商社・卸売、流通、金融などは別建)である。商品の販売を卸売り、流通業者や代理店などに任せる場合は、④末端販売価格を商品価格の2倍に定価設定をしなければ展開できない。
民間企業が利益を上げるには、①~④の配分に創意工夫をするしかない。
いずれかでダンピングをしたり判断ミスがあれば、一挙に赤字転落を招くのである。
机の上の計算や機械的なコスト削減は、教養がないばかりに命取りになる。
歴史的に、「利は仕入にあり」とは、そういう意味内容である。
(経済外的強制を伴わない場合の商品価格決定理論)
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/611
まして、安定的取引関係を継続させることが重要であり、ICT機器を駆使したとしても、数量効果や信頼関係構築に係る費用を商品価格に含めておく必要があるのだ。最近話題となっているソフトバンクの低迷は、これら価格決定理論の見落としである。
だが所詮、定価を定めて販売する=「正札商法」自体が、戦後70年弱の歴史なのであるが…。正札商法(定価を明示して陳列販売)は、購入希望者の貯金目標を具体化したので、購入努力を誘発することで小売店の売り上げを伸ばした。
……こういった基本・原則を安定的に個別企業や個人が進めるにあたっては、【教養】が必要なのである。一瞬の成果を作り上げるのは容易であるが、一時の富裕の引き換えで何を失うかを予見するのも、まさに【教養】なのである。取り込み詐欺といった言葉を知らなくても、もとより【教養】があれば不可解を予見するから、詐欺師に巻き込まれないのである。

【官僚の利益吸い取り政策】に巻き込まれない!
その為ためには
1.人材と設備・機材を大切にして、次の時代に備える。
  (教養人材確保、設備・機材と置き場、電動工具、伝統工具)
2.数年のうちに経済危機が来る、EUは危機を乗り切る体制にある。
  (日本企業は物金に隷属する着想と体制に浸っているから誤る)
3.事件や損害予測への速攻対処、未然防止を図る。
  (不渡り・不払い、資金繰り、人材毀損(メンタルや病気)、労働事件)
マイナンバー制度、社会保険の適用拡大、労働法制・労働者派遣法改訂、株価操作といった霞が関財務官僚が繰り広げる、奇妙な説明・論説は(枝葉末節を引き合いに出す)政策理念をはずれ、詭弁の領域に至るものである。そこに加えて消費税の引き上げである。
「税と社会保障の一体化」と言い方を変えても、昔から税と社会保障は一体不可分なのであり、マイナンバー制度と社会保険の適用拡大は、月額88,000円の源泉徴収義務者からの増税と社会保障抑制の何物でもない。またそれは、国民健康保険制度の権限が市町村に存在するところを、霞が関財務官僚がイニシアチブを取れないからでもある。
今回の労働法制・労働者派遣法改訂は「召使いと奴隷たち」の労働市場形成をすることとなる。どこの企業でも有能な管理職、有能な専門職といった人たちは、労働時間や休憩・休息に融通を効かせて労働能力発揮を導いている。何も政府に残業代金や賃金制度を画一的に指図される筋合いは無い。だが、霞が関財務官僚らが狙うのは、個別企業での召使い員数を増やし、「税と社会保障」名目の増税回収システムの強固な柱とするためである。今や、労働能力ではなく、作業の労働力だけをレンタルする制度となった労働者派遣法は今回の改正で、「召使いが使いやすいレンタル労働者」を創り出すことである。「召使いサラリーマンとレンタル労働者のセット」のために、あえて対象労働者が数少ないにも関わらず法改正を行うとしているのだ。霞が関財務官僚は税収確保を決して忘れてはいない。だがしかし、労働能力を発揮させるのではなく、「召使い化」となった場合、個別企業の経営や商品開発や販路拡大が進むわけがない、せいぜい節約節減ばかりである。

【ひとつの個別企業の事業単位では】
そのオリジナルは小さくコンパクトである。これを拡大・広域に進めるためには、資金投資を要するといった組立である。
「お客の話を聴いて」、採算と提供が展開できればよいのであるから、銀行や企業内の召使いの意見を聴いて無理を重ねることはないのだ。大概の倒産事件というものは、個別企業の大小を問わずに、無謀な銀行融資とその返済、企業内官僚(召使い風体人物)らの無理難題を、不都合だと知っていながら、経営者や経営参謀が招来してしまうことが事実だ。したがってここでも、教養と予見する力をもって未然防止が出来てないから命取りになる。
ひと昔前と違って、規模が大きくなれば無駄が多くなる、~だがそれは、現代経営環境では利益率低下となる。銀行サラリーマンや無知な投資家は一様に「大投資、投資家の大利息」と今でも言うばかりである、時代遅れにも気がつかず。
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視点1 世論や霞が関財務官僚の気がつかない商品
これが個別企業の存立基盤である。ICT産業革命はICT機器を使用するにとどまらず活用する使い道である。電力での産業革命とは、電気でエネルギー伝達やコンパクトに電動動力を使えるようになったことである。蒸気機関も鉱山の大規模設備を、工場ごとに分散してコンパクトに使えるになったことである。ICT機器を活用して、《分散してコンパクト》に使えるようにすることである。そこには旧来の管理官僚的な企画とは異なり、消費する側に「意欲・感動・希望」が湧くことによる需要構造が不可欠である。すなわちクリエイティブのみならず芸術性といった労働が大切となる。クリエイティブやイノベーションには技術や学問で間に合うが、芸術性には理性・科学に基づく「希望感情」を生み出す労働が不可欠である。現にICT機器は雑多なクリエイティブや審美的ではあるが商品価格形成に直結しない技能の拡散には役立ち、徐々にではあるが商品価値を形成する芸術性(意欲・感動・希望)商品や「仕事完成行為」の拡散や普及および代金回収に資する役割を果たしている。
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視点2 日本料理が世界で有名になる本質
についても、その理由について官僚や行政官では把握ができない。日本料理の顧客ニーズは、
①見た目も実質もヘルシーである。
②胸焼けしない味付け、胃にもたれない。
③作る手間が少ない、だが出来上は美しい。
④後片づけや食器洗いが楽である。
といったものだ。だから世界各国で人気のある料理の上位には、ステーキ、ラーメンを先頭に、寿司とか蕎麦が下位に位置するのである。
────────
視点3 ついでに、観光政策の的外れについて述べると
個人単位当たりに落してくれる金額順位は、国別では
①オーストラリア
②フランス
③イギリス
④アメリカ
だという調査結果がある。韓国、台湾などは下のランクであるにも関わらず、役所からは海外富裕層を狙った観光政策や情報が流れてこない。中国の爆買物は「運び屋」であり、一過性なのであるから、観光対象ではないとみておくことだ。すなわち、海外富裕層に対する観光の本質は、「古い伝統的町並みや風景&自国以上の親切に対する期待」のセット提供である。マスコミなどが取り上げている、「おもてなし」は提供側日本人の錯覚である。
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コンパクトでよいから、こういった着想や物事を支える労働能力を発揮することが出来るシステムが個別企業には必要である。規模の大小、展開の広い狭い、コスト切り下げなどで、企業の利益率や貴方の賃金は決まらない、利潤(配当や報酬)も然りである。


§霞が関財務党 マイナンバー法制度の思惑崩壊!
《年間約3兆円の、彼らの所得税増収作戦が、当面不発に終わった》
・主婦パートや高校生バイトの個人消費冷え込みも防げた。
・さて構想力着想力の優れた個別企業には、一大ビジネスチャンス!
極めて微妙な話なので、記事の奥底にある真意を読み取ってください。
=「官僚の成す事は、お恵み深い。だが、お恵みを授かる時は、既に時遅しである。」=
自由・平等:民主主義が、財務官僚による国民からの税金収奪をストップさせたという状況である。企業も個人も収奪には抵抗しよう!、事情を話せば!窓口の公務員は結構:事情理解に協力的であるから、税務署、市役所住民税課、年金事務所、職業安定所を恐れずに、企業の事務担当者も一般個人も、あきらめずに「わが身を守る」努力の甲斐がある。
主婦パートや高校生バイトにもマイナンバーを個別企業に届出させて、源泉徴収+住民税=賃金の15%程度を増税しようといった目論みが、そもそものマイナンバー法制度の当初目的であった。ところで、日銀のQEによる株価粉飾を除けば極めて深刻な不況に陥っている現在、家計に潤いをもたらす賃金15%増税が遠のいた事態は大手マスコミが気が付かないニュースでもある。
これは「税と社会保障」を一体化させて、とにかく国庫金増収を図ろうとする霞が関財務官僚たちの社会経済幻想政策の中で、数年先を予見出来る個別企業にとっては、またとない一大ビジネスチャンスでもある。
=「予見する力のない者には不幸に襲われ、予見できても成否は教養に因る」=
さて、マイナンバー制度の主なポイント盲点は次の通り
1.本人の同意があって初めて
マイナンバーを会社に届出させるが、その際、所得税源泉徴収、社会保険被保険者資格取得、雇用保険被保険者資格取得など、使用目的を明記しなければ会社は番号を収集できない。はっきり言って、個別企業が官僚仕事の肩代わりをするまでの必要はない。DV被害で逃げている女性などは、居所は差し支えないとしても、住所(住民票所在地)ともなれば、暴君夫などに知られたくないから、年金事務所に住所を知られたくない。年金事務所に住所を知られたばかりに「問い合わせ郵便」が発送され、暴君夫などからの避難が危うくなっている。少なくとも現在は、社会保険も雇用保険も偽名・偽生年月日で手続きが可能であり、将来本名のもとに統合して給付を受けることが出来る。すなわち、雇用保険も社会保険も直接交渉に持ち込めば何らかの対処を行政はしなければならないのだ。それは自由平等の社会制度(日本国憲法)にあってはマイナンバー法制度のために労働契約の自由が阻害されてはいけないとの正当趣旨だからである。すなわち、様々な理由でマイナンバー届出がないことでもって、役所から不採用の指示や圧力その他を個別企業が受けることはないのである。
2.本人が届出を拒否した場合には、
個別企業の事務担当者が強制的にマイナンバー番号を聞き出すことは出来ない。事務担当者が精神的圧力で強制することはできない。当人以外を通じて収集したり聞き出したりすることもできない。「届出拒否」への対応は、匿名で差し支えないから、次々と役所窓口に執拗に問い合わせればよい。まして、月額88,000円の源泉徴収義務、社会保険手続き義務(強制適用)、雇用保険手続き義務(強制適用)といった国家が企業に課した義務自体が会社に存在しないのだから、事務担当者が勇んで聞き出すこともない。尚更に強制できないばかりか事務担当者が本人に届出せざるを得ない状況を作り出してもいけない。先ほどの例にあげたDV被害女性に係る雇用保険手続きといっても、少なくとも2年に遡って改めて資格取得が可能である、そのDV女性の緊急避難のためには。マイナンバーが無くとも生活は出来るし小中学校に子供も通学出来るし、それは如何なる法律制度よりも基本的人権が優先されるからである。国家の税収増税目的のために個別企業の担当者が基本的人権を阻害するのは、社会的道徳として許されないばかりか、勇み足は犯罪となる。
3.近々「要配慮個人情報」保護の“個人情報保護法改正”
が行われる。本人の同意を得ないで、個別企業も担当者も「要配慮個人情報」を取得してはならないとの法改正(EU指令に準じ)である。要配慮個人情報とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪により被害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するもの」と改正して、具体的には政令で定めるとしている。会社は本人に住民票の提出を求めてはいけない趣旨と同じく、マイナンバー番号の届出を義務化することもできないのである。そもそもDVは男女を問わず家庭内であろうと刑法犯であるから犯罪被害者なのである。女性の1人暮らしや母子家庭は、残念ながら未だ日本では、「偏見その他の不利益」の対象となっている。差別や不利益は客観的に証明される必要がなく、特に注意しなければならないのは、DVを行う暴君夫や暴女妻の家庭外での外づらは、妻や夫に優しく他人に親切な姿を演出している。
(筆者が繰り返し「DV」を引き合いに出すに、奥底理由が潜んでいる!)
4.そして、形骸化が予想される事務処理方法
といった書面までを、個別企業のマイナンバー取扱規則で定めるようにとはなっていない。ことに、マイナンバーの安全管理を図るには、電子データ化しないことは最大の安全策である。大手企業だと言っても効率よりも安全・情報保護が優先されるから、またマイナンバーの個人番号は退職後も必要となるから、あえて鉛筆等で専用ノートのみに!書き留める方法が安全・情報保護の第一級安全対策と言える。電子データのように持ちだせない、データ崩壊しないといった鉛筆ノート方法は、事務担当者の転記ミス連続や失念よりも遥かに崇高な措置なのである。番号利用にあたっての情報保護立法趣旨もここにウェイトを置かざるを得なかったのである。
5.構想力着想力の優れた貴方にとっては、チャンス!
このマイナンバー記事の奥底にある真意を汲み取れば、自由・平等:民主主義の基本理念を間違えることさえなければ、ビジネスチャンスであることは、気付いていただけることだ。カースト制の残るインド、自立した人間として女性を扱わないアラビア語圏ならば経済発展はおろか、ビジネスチャンスにはなりえない。
今や日本の大手企業は、猫も杓子も“国際人事部門”への有能人材を投入しているが、頭脳画一肉体労働派の人材が多すぎて機能していないが、何れの企業も人材が決定的であるとの判断だけは間違ってはいない。世界経済の落ち込みから新発想の人材育成こそが、日本経済を救う道なのではあるが、日本流高学歴:無教養人材では着想が湧かないから、教養さえあれば中堅・中小企業にとってもビジネスチャンスが、学歴や職歴とは別でもって訪れるのである。
例えば、
①65歳以上の女性労働力の活用をキッカケとした有能女性労働の一般化が個別企業を救うといったふうに…。
②隷属のもと仕事と家事に働き詰めで睡眠不足に女性の大半は嫌悪感が…。
③また、マイナンバー番号の届出が必要ない労働者は社会に多数存在するのだから…。

2015/07/07

第159号:真の「予見する力!」のもとに経済成長と富裕豊かさが訪れる

今月のテーマ「真の『予見する力!』のもとに経済成長と富裕豊かさが訪れる」
<コンテンツ>
経営者や管理職に必要な「予見する力!」とは?
 【結論=予見する力!を先に解説すれば】
 【実践=「予見する力!」の入出力パターン】
 【日本の社会や経済は当分の間】
 【ちなみに江戸時代の日本は不況政策の連続だった】
 【幼い頃から幼いながらも50年以上も】
 【順序が分かれば、予見は難しいことではない!】
 【おなじみの、一見して芸術?といわれる分野だと】

マイナンバー制で、誰が得をするのか?
(この分析を通じてこそ、目前の社会貢献=ソーシャルビジネスのヒントが)
  例えば1、公開される企業ナンバー
  例えば2、高齢女性のさらなる負担増
  例えば3、成長期の高校生でも課税直撃
  例えば4、非公式の緊急避難生活者の劣悪化
  例えば5、予防医療・健康医療が抑圧される
  #……さて、こうした問題は何ら個人の問題ではない。


§経営者や管理職に必要な「予見する力!」とは?
日本における職業能力として近年中に、この「予見する力!」が話題になる。
商品の買い手のニーズを時代と共にマッチしたものにする新商品開発こそが、商品経済の柱なのであるが、そういった先のことに対して、「予見する力!」=職業能力を使用するのである。この職業能力が十分に発揮されない傾向にあるから、個別企業の経営停滞や日本経済の不調が延々と続いているのだ。官僚や官僚主義者(召使たち)の冷めた着想では「予見する力!」を表現したり説明したり指摘することはできない。
だから残念なことに、その話題の大半は、画一的商品開発と商品流通(交通)における、欠損費を無くすための予見部分を無理矢理追及させる手段としての的外れな予見であり、堂々巡りや効果が期待できないものに行き着くのである。
その本来の「予見する力!」は、個別企業経営でも、日本経済や経済流通(交通)であっても、そのような欠損費を無くすための予見部分を発見する力?といった取るに足らない程度を越える、抜本的イノベーションや経営刷新といった職業能力として存在するし、商品経済が始まってこの方、そういった能力の連続発揮であったことが経済経営の学問的常識なのである。
異なった言い方をすれば、
欠損費の予見部分を無くす常套手段は管理(コントロール)する一部分である。ところがこの管理を繰り返し徹底重複したところで、ICT機器を使って分析したところで効率が悪いから、イノベーションや経営刷新を「予見する力!」を前提として展開するのである。
(新商品開発とは、売れる商品とは)
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/144
国家や企業の投資予算や借入金により開発されたとする商品や事業などは、後日必ず破綻をして損害賠償として舞い戻って来る。それは、ICT産業革命の最中にあって、その損害賠償から免れる個々人は皆無になりつつある。いわゆる「景気刺激政策」とかけ離れて因っているからだ。
現在、「予見する力!」をもとに創意工夫することで
新商品開発や新流通(交通)経路を、全国各地の民間個別企業が国内外を問わず促進出来るための措置を必要としている。その措置は民間が主人公で行われるべきであり、官僚や国家財源に群がる官僚主義者に発案させることはきわめて危険である。また、その措置は国家財源などをあてにせずとも民間で実行することも可能である。それが本筋における「予見する力!」だ。繰り返すが、この「予見する力!」を欠損費を無くすための予見力?を無理矢理追及させる手段と言い換えてみたり、「素人には分かりにくいから簡単に」とのことで素人説明を行って、(エコ運動を経費節減と誤用するように)似て非なるものに言い換えるから(哲学者の指摘)失敗するのである。
昔から既に、「予見する力!」は約150年前に経済学(ラスキン)で提唱されており、現代流に言うならばインテリジェンスの一翼として発見され、インフォメーションの弊害を指摘(知識が多いと知恵が回らぬ)しているのである。巷の書籍に論じられる「予見力?」はほぼ全般、こういった学問の歴史について無知にならざるを得ないようだ。
https://www.youtube.com/watch?v=bVCEZ6CdpIM&feature=youtu.be


【結論=予見する力!を先に解説すれば】
イメージ的には幅広い視野を持って、社会や経済を「予見する力!」が必要とされるのであって、それは平たく言えば物事のプロデュース能力と重なる部分が多い。その「予見する力!」は、前もって蓄積しておくことができない能力であるから、心身や経済的に富裕・豊かさの実態での余剰に依存する。もとより「予見する力!」は、将来の事業ないしは事業展開に備えて行われるものである。
すなわち巷で言われるところの、「まずは余裕を持つ」ことと共通した実践方法であり、「極力に余裕を持つ人間関係づくり」であり、「あくせく毎日を、交際や応接とか労働の消耗に走らないこと」なのである。だが、この歴史的にも成功者の経験則に裏打ちされた「富裕・豊かさや余裕」について、未だ経済経営学で法則性が解明されていないばかりに、似非合理的な理屈やレトリックに多くの人が惑わされてしまうのである。
例えば、「予見する力!」を養うため、
また組織的に個々人に蓄積するために、余裕を創り出す管理(コントロール)方法を実行するわけだが、その要点は出来る限りの共通作業をコントロールし人物・時間・物資や資金などにわたり、余裕を持たせることなのである。この余裕をもって次のステップに向けてビジネスを進めることが定石であり、これが個別企業経営や商品経済を拡大(事業化や事業拡大)をさせた方法である。それまでの成り行き管理の着想では、鶏が先か卵が先かといった風に、目前の作業が先か管理(コントロール)が先かと悩んでいた時代が存在し、まるきり古典的職の人物像である。この管理(コントロール)することによって余裕を生み出したことで、「予見する力!」を養うことができ、これでもって作業が飛躍的に進展することになった。経営管理における新しい社会的道徳(管理を適切にすることで無駄を省く)となったのである。…そう、その通り、道徳とは無知・主観満足概念ではない。
以上は社会科学で解明されているわけではないが、
形骸化を防ぐために歴史的裏打ちとして確立されている概念の通りである、
「仏造って魂入れず」とか
「心尽くし、気持ちを尽くし、思い(思索のこと)を尽くし、力(物量質量)を尽くし」
「気(気力)→地(地の利:条件)→事(作戦)→機(力とモーメント)」…呉子の兵法。
……代表的なこの3つは、巷にあふれるビジネス書の、出版社が売らんがための耳ざわりや心地よさとは全く異なる。


【実践=「予見する力!」の入出力パターン】
それは、
a.ティッシュペーパーを一枚ずつ積み重ねるような合理的論理性の上に立つ知恵(知識ではない)の集積によって、
b.目前や将来濃厚な予測の事実関係に対して、
c.その場で時空を越えて取捨選択結合できた工学的知識により具体化されるところの計画をもっての、
d.大多数の良心的人たちが現実的に実現できそうだと確信する、
e.個々の意思疎通における「意欲・感動・希望」を湧かせるイメージを意思として伝える作業の能力
……であると考えられる。
※1 知恵の集積はインテリジェンスに学び、これを体系づけることである。
※2 事実関係とは事実ではなく、そのような事実が生じる背景と関係性である。
※3 時空を超えるとは(x)×(y)×(z)×timeに歴史的裏打ちある叡智をconnectするところの5次元の作業。
※4 良心とは善悪ではなく、危害圧迫がない状態での素直な内心の気持ちといった概念。
※5 イメージを意思として伝える作業は、形式表面的にはプロデュースと共通する概念。
※6 契約その他行為の全般には意思が働く。(契約=申込と承諾の意思一致の繰り返し)


【日本の社会や経済は当分の間】
「生活のための収入」を合言葉に、画一的な文化に踊らされて、大多数の人がこのまま生活苦に支配させることになる。それは、個別企業の経営管理にとどまらず、生活様式や内心を左右する文化芸術にまで画一的な習慣を根づかせる。
そして、その結果はイノベーションの足を引っ張る経営体質となり、国内外を問わず商品を求めるニーズであるところの、人々の「意欲・感動・希望」とは正反対若しくは裏腹な商品開発が蔓延することになるのである。それはまた、社会的道徳とは何なのか?といった課題を追いかけようとする社会でもある。
ところで、投資予算や借入金による新規商品開発が成功した例がない。あくまでも投資予算や銀行借入金は、新商品が開発された後に、次のステップとしての供給拡大のためのものでしかないのだ。
人々の「意欲・感動・希望」への期待に応えていない商品は誰からも見向きもされず、実態は供給組織の惰性を延命させるための似非商品開発に無駄な投資予算や銀行借入金を浪費しているだけのことである。折しも世界経済は、過去に終焉させたはずの金本位制度に事実上舞い戻ってしまった。一方ではICT産業革命が進行するなかで事実上の金本位制度は金融危機?を生み出すきっかけとなり世界経済の足を引っ張っている。したがって、「意欲・感動・希望」への期待に応える商品や流通づくりは局所的にならざるを得ないが、あなた個人や個別企業が新たな社会的道徳を創造品から浮かび上がる(富裕・豊かさとなる)ことの条件がそろいつつあるには違いないのである。
だから、資金がないからイノベーションや経営刷新が出来ないというのは、子供だましの嘘である。個別企業内に能力もないのに、「まずは現存社員で何かをやってみる」という呼びかけも、自信過剰気味の熱病にかかっている社員を騙すための嘘である、もとより自信過剰の熱病社員が多くいての話だが…。


【ちなみに江戸時代の日本は不況政策の連続だった】
その時代の世界での商品経済が進展するなかで、日本列島は特殊な世間体(社会に非ず)が徳川家康の知恵によって継続された。現代語で言う社会や社会共同体とはかけ離れた世間体である。幕府を批判せずものを考えない人間を育て上げる、その柱は3本=徳川家康が考えたと言われている。
1.生活する上で、経済的にぎりぎりに心身を貧しく困窮させること。
2.とにかく知性を乏しくさせる政策に徹する。(この時代の「知」とは知恵を指す)。
3.人間は動物だから、男女ともに性を抑圧し、性を気晴らしの道具に転換させる。
……さて、徳川家康は社会科学はおろか自然化学も発達していないこの時代に、かつ、迷信や子供だましが大流行している世間体の中にあって、どのようにしてこの知識(知恵ではない)を発見したのだろうか。むしろ幕府官僚はこれを疑問を抱かず実行した。
さてそれに続く明治維新では
経済成長最優先の富国および、列強国からの侵略を防止する強兵を図ったものの、日本国内の力量を集中することができなかった。そのために(反対派の弾圧に終始)、経済成長はしたものの富裕・豊かさは相当失うこととなった。それは日本での文化的要素も矮小化してしまい、あげく行政官僚&とりわけ軍事官僚の無能さや国内人材の「予見する力!」を否定することまで招いてしまった。
誰しもが良かれと思ったとしても、知識を自慢すれば誤用は避けられず、それは古今東西の歴史的裏打ち・哲学・高度学問によって証明されている。かろうじて徳川家康は知恵を自慢しなかったには違いない。日露戦争より後の軍事官僚たちは、ひたすら数多くの知識とサル知恵を自慢した。陸軍は満州のPR演説会を全国20,000ヵ所で行い→満州事変を演出し→偽失業対策としての満州開拓団と称して→軍事官僚が専門とする略奪経済を進め→計画経済まで導入した末、日本経済の崩壊・敗戦を迎えるのである。
要するに、少なくとも学問や歴史的裏打ちで「証明されている」事柄の上に初めて、「予見する力!」が必要となってくるのである。
→→それは、「誰かに学び・誰かが教えること」を効率よく進めなければならないのである。


【幼い頃から幼いながらも50年以上も】
筆者のように経済学や経営学を研究していると、同じことを新手口のように話し書いているだけの商品がやたら目について来る。新手人物の話なら聴いてみようという鵜目鷹目(うのめたかのめ)の人たちが寄って来るが、所詮は他人に依存する自立しようとしない人たちである。巷にはびこる新手口が昔とは変わっている部分と言えば、「どちらが現実的で何れが非現実的な言語であるのか」を選択したにすぎないだけである。
創造性・構想性・権利義務の無視された着想が基盤だから、
麻薬のような依存性習慣、不毛セックスの助長、無知・主観満足概念で道徳皆無的な内容もたない言葉、こういった「(商品を含む)もの」が客観的で普遍的だという感じを与えてしまう。この傾向は今の日本で現実に蔓延しつつあり、あげくは、戦前ドイツのヒットラー政権の甚大な借金地獄的経済となって現れるのだろう。一見して現代の社会的道徳は、それを許さないかのように見えるが、個別企業のイノベーションや経営刷新を確固たるものとするには、先の時代を見越した「新しい社会的道徳」が必要とされる。それは、個々人の生活における、「新しい社会的道徳」の実行も必要とされることは間違いない。
いわゆる先進国の地位にとどまった社会(ただし日本は落ちる一方)では、こういった研究が20年ほど前から次々発表・発見もされ定着が進みつつある、失われた日本の20年とは違って…。
「予見する力!」とは、こういった風に各々で構想され、道を開くための手段となる。


【順序が分かれば、予見は難しいことではない!】
商品経済が支配的な社会にあっては、まず商品や商品の価値がいったい何なのかをよく知る必要がある。あれこれと手段を選好するものでもない。
(商品の価値とは何か、本来的に売れる商品が「固有価値商品」)
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/57

# 社会主義や全体主義でもないのに、「民衆参加を欠落させて、お恵み深い官僚」の画一的管理に期待や依存をすることは、商品経済や資本主義経済が瓦解する手助けにしかならない。その意味で税収回収増目的のマイナンバー制や保険料増収のための社会保険の被保険者拡大といった、官僚的縦社会構造が個人や企業の豊かさの足を引っ張ると言っているのだ。
# たとえ、「官僚や公務員が民主主義の牽引車になる!」と綺麗事をいったところで、「お恵み深い官僚」の画一的管理そのものなのである。行政施策と個人や企業の豊かさの同時整合を進める方法はいくらでもある。まずは画一的管理の枠外でのコントロールを宣言(官僚たちは臭いものに蓋をして野放しにする)して、明日に向けてICT産業革命として進展させることこそ、社会的道徳が創造される中で富裕・豊かな個人と企業が成育するのである。NGOやNPOはたまた近世の如く各種宗教団体に耐えること非現実的である。
# いう付加価値といった意味不明な概念では、
仕事の的を絞るわけがない。むしろ、「無知・主観満足概念で道徳皆無的な内容もたない言葉」で人々は相互に惑わされ、運命や個人的問題(自己責任)だと自らを欺いてしまえば、先ほど述べたように「麻薬のような依存性習慣、不毛セックスの助長」に起因した、「巧みな策略・表面的取り繕い・期待をそそる言葉」を使った詐欺行為の被害に遭遇するだけである。「小物詐欺師は大物詐欺師に騙され奪われる」のである。


【おなじみの、一見して芸術?といわれる分野だと】
芸術ではなくても単なるパフォーマンスが、形骸化したプロデュースによって売買される、けれども長持ちはしない。
その低劣なものは、歌の世界では各国共通で=声が高い・声が低い・声が長い=といった珍品歌手の手を変え品を変えといった演出姿である。
あげく素人は奇声を発し五線紙楽譜上の音をひねり出し異状音で注目を引こうとする。パルス(信号)と拍子(メトロノームなど)とリズム(流れ)を混同して、それぞれを異なって表現できない。
こういった似非テクニックは楽器や映像そして絵画やデザインといった日常を越えて、個別企業の民用日常商品にまで悪影響を及ぼすこととなる。だから長持ちしないどころか短命を招来する。そうなってしまうのも(芸術においてもやはり)科学的に解明された音の法則性や脳科学について無知で道徳皆無的な行為でもって台無しにしているからである。確かに飽きないかもしれない?けれど、気晴らしにはなるけれど、聞き手に、「意欲・感動・希望」の3つをセットで心から沸き上がらせるといった芸術性は無い。すなわちリピートしない代物でしかないのだ。……感性を重要視する真のマーケティングは、ここがポイントであり、これが新しい時代の「新しい社会的道徳」でもあるのだ。
あえて似非テクニック愛好者のために
形骸的露骨なテクニック表現をしたとすれば、
「画一的管理の末広がり組織に、先着順で留まり押し合いへし合い、楽しみと言えば用意された気晴らし、夢と言えば敷かれたレールを時間通りに生きるだけ」といった概念である。
# よって、順序である最初の第一歩は、「ただ一歩の意欲・感動・希望かもしれないが、ICT産業革命の中でICT機器操作に追われることなく、予見する力!を養って、職業も日々の生活も人生設計も意欲・感動・希望に向けて、活きる道にこそ余裕(富裕・豊かさ)と経済経営成長の姿」、これを心掛けて実行するので、みるみるうちに予見!出来ることになるのである。


§マイナンバー制で、誰が得をするのか?
(この分析を通じてこそ、目前の社会貢献=ソーシャルビジネスのヒントが)
政府機関、とりわけ税収や社会保障(厚生や労働の保険)関係の政府機関では、やっきになって導入準備が進められている。さてそこで、表現の自由のギリギリでもって、そのマイナンバー制の社会経済に与える悪影響の解説を試みる。
ところで、目前の社会貢献=ソーシャルビジネスは、民間の営利目的とされる個別企業でも不可欠な要素であり、それは近江商人といわれる人たちの企業運営マニュアル、「買い手よし、売り手よし、世間よし」とも同様の概念である。

例えば1、公開される企業ナンバー
昨年、国税庁が提供した情報でもって、社会保険庁は社会保険(厚生年金や協会健保)の未適用の約80万事業所に対して一斉に実態調査を行った。マイナンバー制における会社ごとのナンバーは、個人情報に当たらないから公開情報だ。国家の行政機関でなくても自由に使える。
だが、そもそも自由平等・民主主義における行政機関の方法は、もっぱら民意に沿った政策誘導が本筋である。国の権力でもって個別企業に対して統制をかけたり規制をかけたりするのは、あくまで自由平等・民主主義=経営権利や契約自由が損なわれないためのもののはずである。法人格が生まれては消えまた生まれるのは、自由平等の原則である。税収や税収機構では自由平等こそが最優先されることは、情報漏えい防止以上に優先されなければならない。

例えば2、高齢女性のさらなる負担増
また、従前から所得税額と健康保険加入状況とは、ホンのたまに刷り合わせが行われていたが、近年の年金問題による職員不足から滞っている状況である。これがマイナンバー制を導入することで、所得税源泉徴収対象者である月額88,000円(年収106万円)申告のデータによっての、社会保険の未適用者洗い出しを行おうとしている。
その政策の理屈には社会保険料収入が前面に押し出されているが、とりわけ高齢配偶者のパートタイムにとっては、その多くの女性が支払う保険料の見返りに値するだけの年金額増加は見込まれることはない。医療保険の給付も、主たる収入者の扶養家族で3割負担の医療を受けられたところが、本人負担分の社会保険料である毎月の15,000円前後が家計収入を圧迫するのである。高齢者の就職困難や少額年金額による貧困極貧に焦点を当てずして、高齢配偶者を含め社会保険を適用させることは、その人たちに新たな貧困を生み出すことになる。これはいったいどこが、人類の叡智で追及した自由平等・民主主義における行政機関のなすべきこと?なのだろうか。高齢女性が闇の中で生活苦に追いやられことは間違いなく、介護保険自己負担の深刻さに加え、悪徳後妻業増加や嫁姑人間関係悪化などの社会の不安定を助長させるものである。

例えば3、成長期の高校生でも課税直撃
来年1月からのマイナンバー制で、国民個人の生活豊かさや、その恩恵に与っていた小売業は、多大な影響を受けることとなる。高校生のアルバイトは就学するための費用に使われるのが大半で、決して高校生の小遣いをはるかに超えて遊興費を生み出すものではない。いわゆる主婦のパートタイムと言われるものも、生活費補てんや文化的生活(憲法での権利)をはじめとした幸福を追求するためのものだ。これらは、「働きたい動機」といった意味不明な統計項目とはかけ離れた現実である。いわゆるこれらは経済豊かさの補足的なもので社会で人間関係に潤いをもたらす部分である。これも、いったい何処が人類の叡智で追及した自由平等・民主主義における行政機関のなすべきことなのだろうか。差別や区別をしてはいけないといった理念は、あくまで自由平等・民主主義を貫くための社会構造における課題であって、そもそもが格差是正を行わない国家の言うべき論理ではない。ちなみに高額所得者に対する累進課税はアメリカで発明された税制である、が日本では貧困層からの所得税増収を狙っているのだ。

例えば4、非公式の緊急避難生活者の劣悪化
マイナンバーを賃金支払先に届出できない労働者は、社会にどんな影響を与えるのだろうか。何らかの事情で現存人間関係から逃げなければならない人がいる。家庭内暴力などで心身破たん寸前の労働者は緊急避難をしなければならない。ところが、住民票を基盤としているマイナンバーを使ってしまえば、DV男に追跡される。
現状でも、避難して来た母子の子供の小中学校入学に住民票の所在を問われることはない。社会保険も雇用保険も杓子定規に本名と生年月日での被保険者手続を行ってはいない。すなわち、基本的人権を優先し保護することによって就労権や安心生活への危害が起こらないようにしているのである。この人たちにマイナンバーを無理強いすれば、働いたり社会保障を受けることができなくなるからである。建前だけではこの人たちを保護したり生活安定を図ることはできない。
加えて、世の中には悪徳企業も存在するから、この人たちの足元を見て賃金を払わない、不公正な対価や現物支給で強制的に働かせる事態が生じるのである。これらの人たちに負い目を味合わせて低賃金に追い込むことは普通に考えられる、まるで外国人研修生の賃金不払い事件かのように。

例えば5、予防医療・健康医療が抑圧される
個々人の確定申告における医療費控除を、インターネット申告する場合に限り医療費領収証などの添付を免除するとの方針を打ち出した。これは、インターネット申告する場合にマイナンバー記載は不可欠との前提で、マイナンバーを軸とする医療費の調査が充実すると言っている。
ところが、現在日本の医療は予防医療や健康医療を個々人が望むのであれば、そういった医療を提供してくれる医師を探すには重複して診察や継続治療をうけるしか道がないのである。確かに保険医制度はよい制度だが、厚生省が保険医のフランチャイズチェーン化を促進野放しにしている状態であるから、予防医療や健康医療が進展しないのである。「切った貼ったの大手術といった傷病治療」となれば、もちろん病気や疾病は悪化した後であるから医療費自体が高額とならざるを得ない。例えば、手術なしの脳こうそくでも2週間ほど入院しただけで100万円程(保険給付のみ)を必要とする。
この傷病治療だけを取り沙汰して医療費の抑制(重複診察や重複検査)を都合よく話題にしているのである。ところが官僚は説明しないけれど、現在の自由診療(患者が医師を重複して選択できる自由)においても、医療の検査結果は貸し出しが行われていたり検査コピーを患者が持ち歩けることになっており、そこでの重複が相当避けられている。既に複数の医者による予防医療や健康医療が仕組みとなりつつあるのだ。むしろ医療全般に高額検査や高額薬物投与を誘導促進させるような厚労省の保険医政策が問題なのである。マイナンバーによる治療費情報の集積の効果よりも、さし当たっては複数の医者による予防医療や健康医療といったものの啓蒙や促進こそが、高額医療費用を抑制する仕組みである。心臓疾患があれば誰でも短気・不機嫌になるし、脳血管疾患は多大なリハビリ費用が勃発するのである。いったい国家は何をコントロールしたいのだろうか?

#……さて、こうした問題は何ら個人の問題ではない。
これは、この100年ほどの日本の歴史のなかで同類のことが繰り返されて来た教訓から予見や予想出来る事柄である。戦後の経済改革理念の主流は、官僚のために国家統制を行えば経済が停滞して、あげく典型的略奪経済(軍国主義官僚)の侵略が行われ、さらに経済や社会が崩壊してしまったことから、日本におけるその道を遮断したことにある。アメリカの核の傘?にあっても活発な経済活動を自由平等のもとに行った(ただし多分に社会主義計画経済的だが!)ことである。
彼ら官僚や、そのおこぼれに期待する大手企業の官僚主義者たちにとっては、マイナンバー制は綺麗ごとの表向きの美辞麗句ではあるが、経済成長や経済的豊かさを日本にもたらすものではない。彼らとてエリートは高額収入を得るのかもしれないが、その程度の高額収入を得る前の個人的教育投資や高額収入維持経費(住宅費・生活費・家計からの交際費など)を差し引いた場合、彼らもやはり実質可処分所得は低賃金・召使同然の者としか考えられない。彼らには、他人よりも似非富裕・豊かさだという自己満足の趣味程度しか存在しない?かも。彼ら特有の知識の自慢こそ自己否定につながり、知恵と自律の欠落により昼夜暇なく働き詰めで過労の召使一家に満足するフリをする虚栄心でしかない。
たとえ若いうちに「私は将来、大きな仕事をする!」と豪語したところで、今の境遇で一歩も踏み出せない程度では概念的情緒的隷属を彼らは続けざるを得なくなる。そんな者たちを、経営者からすれば丸め込むのは一発で可能だ、むしろ経営者は手間が邪魔くさいものだから、その手の管理職や専任丸め込め職を採用配置するだけの話だ。おしなべて企業規模が大きくなる順に、画一的組織を無理強いするための「丸め込め能力」のある職業人材が人事部門に配置されつつある。「召使が召使を集める」のだ。
そう、先ほど述べた「予見する力!」などを持ってしまえば、(逆説的意味で)召使は精神疾患に陥る(ユング的精神分析)危険にさらされるばかりである、召使は予見してはいけないから。
すなわち、経営者の一人である、あなたも
国家の官僚政策やその他官僚主義的経営方針に載って、敷かれたレールの上を彼らの時間通りに人生を走らされていては、あなた自身の個人生活が心身ともに富裕・豊かになるはずがないのである。だが誰でもが、召使も奴隷女も脱出する手助けを求めさえすれば、そこから脱出が出来るのであり、それが社会における社会貢献する側の「予見する力!」でもある。

2015/06/09

第158号:事業経営の経理と心理が、国の型にはめられる

今月のテーマ「事業経営の経理と心理が、国の型にはめられる」
<コンテンツ>
マイナンバー制度、個別企業側の肝心な留意点
12月1日実施、国の「ストレスチェック制度」の狙い?を解説。

◎特集=既成政党の誤算(都構想廃案)となった「大阪春の陣」
 大阪市住民投票は、「経済視点の商工業住民自治」が仕切った!【ケーススタディ】
(序:住民自治側の反対派参謀ブレーンの功績)
 ・
大阪都構想成立予定の住民投票は、
 ・5月10日の日曜までは、都構想賛成は優勢
 ・5月11日月曜ごろから、反対派の反撃
 ・5月13日水曜から「つばぜり合い」
 ・5月14日木曜から賛成派は最後の作戦計画に入った。
 ・5月15日金曜から、最終決戦の反対派大反撃開始。
 ・15日の午後からは、賛成派の戦術崩壊。
 ・5月16日、二の足をふんだ、都構想総大将
 ・5月17日、大阪市中央区最大の投票所では
 ・5月18日からの負け惜しみ?、結果分析?
 ・当時の、反対派戦時同盟のFacebookこそが、
 ☆選挙戦とは、(そもそも原理原則とは兵法に基づく)


§マイナンバー制度、個別企業側の肝心な留意点
マイナンバー制度の説明。こればかり聴いていても、肝心のことが分からないのが当然である。
そこで留意点を解説する。
所得税の徴収漏れや申告漏れ、及び行政(保険)給付の実態捕捉などを充実させることで、ある試算によると年間6兆円の国税収入を確保する制度である。社会保険料など派生的収入となる。
で、その実態と問題点も徐々に浮かび上がって来た。
(1)賃金支払いとして扱い、それを企業経営の損金とするためには、労働者のマイナンバーの登録が不可欠である。マイナンバーの不明な労働者に賃金や報酬を支払っても、企業の損金計上できない。
(2)そこから、賃金を日本円通貨で支払うことをやめて、各種商品券や現物支給が生じる。報酬は「お礼」扱われることとなる。これらは戦後の混乱期などでは、誰でも何処でも行われていた方法である。
(3)来年10月1日から週20時間以上労働のパートにも社会保険が適用されるが、月額88,000円以上の源泉徴収対象者と連動させることにより、年収106万円を超える労働者のコンピューターによる洗い出しが可能となる。個別企業の社会保険未適用ついては、既に国税と社会保険は連携をとって洗い出し作業を行い個別企業競争進めている。これが、これが個々人にまで及ぶこととなる。ただし、社会保険料の支払い義務は個別企業に課されているから、意外にも企業規模が大きくなるほど指導に対する弱みが露呈する。すなわち、社会保険に加入しない脱法行為(実質内容が強行法規に違反)が摘発されることとなる。
(4)決定的弱点がマイナンバー制にはある。東京や大阪には事実上治外法権の街がある。東京の歌舞伎町、大阪の千日前などは昔の山野、釜ヶ崎とは趣を異にしているが、ここでのマイナンバー売買が弱点なのである。この売買による不正経理とか脱税行為に対する行政側の捕捉は全く無理であると、行政も想定しているのだ。マイナンバーの流用は同居の親族間でも流行する可能性がある。
(5)人手不足である企業では、DV被害女性やその他ワケありの男女労働者を常時雇用している。この人たちはマイナンバー、住民票記載事項はおろか、本名や年齢を隠して働かざるを得ない状況にある。現行行政機関では、いずれも住民票記載事項の捕捉は行わず運営を行っているが、それは各々の法律の趣旨に基づいているものだ。マイナンバー、住民票記載事項などを必要事項としていない行政機関は、健康保険、雇用保険、労災保険、小中学校入学など多岐にわたっている。こういった部分にマイナンバーが使えない実態ため、そのための特別措置を各行政機関が現在実証的に進行させている。が、この10月1日が番号配布である。
(6)現場でも偽装請負で労働者派遣を行ったり、独立自営と称して外部労働者に仕事が発注されている。現在でもこの分野については社会保険その他の制度からはみ出している、決してその範囲は小さくないのである。マイナンバー制度もこの分野では実行を果たすことが極めて少ないと考えられる。高度経済成長に至っても大都市部では、2年以内に本社所在地を変更するとか、税務申告をしないで税務署管轄外を渡り歩く事業所は多数存在したのである。政府のマイナンバー制度は、この部分についての具体策を持っていないのが実態である。


§12月1日実施、国の「ストレスチェック制度」の狙い?を解説。
世間の話題にもならずに法案成立した「ストレスチェック制度」、その個別企業への影響について解説する。
今年の12月1日から実施、労働分野におけるストレスの増加や精神疾病急増の対策として、労働者50人以上の事業所での制度とされている。この5月8日にも厚生労働省は実施マニュアルを発表した。ところが、その影響する効果については、その殆どが示されず、個別企業にとっては対策の検討が難しくなっている。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/
このストレスチェック制度実施に向けて、個別企業の委託先として、健保組合や民間企業その他が活発な営業受注活動を行っている。まるで疾病分野をめぐるニュービジネス、精神科医や関係者向けのニュービジネスとなりそうだ。厚生労働省は、国の基準に従って実施を済してもらえれば差し支えないといった責任回避の姿勢である。
そこで、その影響や効果について検討した。
1.チェック項目を集計すれば、職場単位の管理監督責任が判明する。
2.実施して監督署への届出が、事業所の安全配慮義務の履行の裏づけ証拠となる。
3.労働者個人はチェックの拒否が可能、チェック者率も問われないから、事業主の実施できない理由が成り立たない。
4.この制度は個別企業の統治権統治義務あるいは企業内自治権とは相反する。すなわち、自ずと導入にあたってギクシャクした事態を招くことは企業統治権では当たり前のことだ。これを回避するために外部者への委託実施とならざるを得ない。
5.並びにストレスや精神疾病についても医学的にも確立したものとなっておらず、対象を疾病(概念としてはdisease)であり傷病(illness)としていないことから、法律と適法性が受け手の経験を分断して、職場人間関係、家族関係、教育、ストレスの定義にまで影響をこぼすことから受け手の気持ちの納得性に大きな疑いが残る。
6.すなわち、個別企業としても企業運営の心理方針・企業理念・社是社訓に官僚統制がかけられることとなる。その官僚統制の実施者が個別企業自前の人物であるから、画一的管理にそぐわない或いはイノベーションや創造性・構想性を重視する企業にとっては、経営の足を引っ張るマイナス効果とならざるを得ない。
7.とりわけ日本の個別企業は、商品価値を高めて正当な理由を得る(固有価値商品)の国際的提供が不可欠であり、そこには事業に従事する者たちの個性によるイノベーションや創造性・構想性に頼る労働を一挙に促進する必要がある。そのための個性に関する日常教育は、いくつかの専門分野を各々のマンツーマン教育と教育者の能力水準にかかっている。すなわち、こういったストレスチェック制度を持ってして、労働者の共通教育を行って個性を潰してはいけないのである。ストレスチェックを毎年行うことは個性的労働にブレーキをかけることとなる。
8.ことにサラリーマンは周囲の人間関係や社会的人間関係に影響を受けて労働するから、働き方ストレスの共通性や着想の共通性を企業内で野放しにすることは、個別企業事業の創造的構想的事業展開の命取りとなる。
9.なお、社員や企業の中心メンバーに至る可能性のない、いわゆる非正規社員ついては、個別企業が要求する労働契約内容が労働ではなく労働力の売買であるから、非正規社員に労働を期待しない限りにおいて、今日の時点の経営環境では当該ストレスチェックは有効と考えられる。すなわち、社員や企業の中心メンバーの雇用を長期的に考えれば、創造的構想的に育成しない限り、個別企業にとっては「お荷物労働者」の面倒を一生になければならないのだ、まさにそれが終身雇用制度の責任である。


大阪市住民投票は、「経済視点の商工業住民自治」が仕切った!
(序:住民自治側の反対派参謀ブレーンの功績)
大阪都構想をめぐる住民投票は、日本全体の経済構造と住民自治の将来に大きな影響を残した住民自治のイベントであった、そう、政治政局にはならなかった。「経済視点の商工業住民自治」とは、経済と経済経営を支える商工業街地での住民自治として根付いている文化や生活や経営の概念で、政治とは一線を引く意識である。そこで今回は、大手マスコミなどの視聴率や部数確保のための記事を差し引いて分析し、かつ現地末端での実際の選挙運動と整合性のある分析を試みる。このことは今後日本の地域経済・地場産業の育成&住民自治における豊かさを象徴する「まちづくり」を進めるにあたっては、個別企業経営に資するものであり、その地域基盤形成の基準なのである。すなわち、
1.行政運営のための国税や公営事業の配分ばかりに焦点を当てた大阪都構想に対して、
2.行政や国税交付使途と公営事業を以ての経済基盤・労働基盤に焦点を置く、100年以上の理念を持つ政令指定都市との制度選択であった。
結果は、大阪市民は政令指定都市制度を選択し、経済成長と豊かさの住民自治を継続することとなった。
都構想は道州制の大阪版概念とされたため、この敗北で道州制にも一旦停止がかかった。大阪は経済最優先の歴史が400年以上も続いていることから、住民自治システムも経済からの視点が問題となったのである。多くの政治家が狭い政治課題ばかりに目が向いてしまったから、大阪の本質的特異性を見落としてしまった。学術的理論的にはこのようになる。その証拠として、賛成派が反対派に対して経済政策がないと言い放ったところ、反対派からは反対政党議員団の経済政策はまとまっていないが、具体的な国際商業工業都市政策や新幹線計画(都構想は新幹線を拒絶)が反対派の戦時同盟(ソエキタス:社会の語源)から示され、賛成派中枢からの「経済政策がない」といった切り込み事態が止まってしまった。加えてこれこそが、賛成派が国税や公営事業の配分ばかりに焦点を当てていたことを証明したのだ。だがこれらは一般住民にとっては難解であった。否、住民にとって肌身で感じている事柄を政策や理屈にする必要はなかったかもしれないのである。とにかく大阪という所は、いずれの政治や政治家の組織力も脆弱な街なのである。
そこに突然降ってわいた、「住民自治側の反対派参謀ブレーン」が、烏合の反対派をまとめ、そのベクトルで大阪都構想を打ち破った、戦国時代の勝因のごとくに。

大阪都構想成立予定の住民投票は、
「チェンジ:対:現状」といった短絡的争点が目立った。この短絡さのためか、マスコミ報道などの情勢判断とは裏腹に現地大阪では、告示当初は大阪都構想への賛成が25万票の大差で成立するはずだった。日本国中のあらゆる政治家がそのように観ていたし、そう見ていたからこそ政治屋の目は曇っていた。

5月10日の日曜までは、都構想賛成は優勢
チェンジを掲げる賛成派は政治的思考で将来を託した。現状を掲げる反対派は経済経営生活的思考で抵抗を試みた。いわゆる、本当にいわゆる単なる政策論争は、最後の1週間まで、「絡み合う」こともなかった。雰囲気で大阪都構想は優勢を続け、反対派も大阪市廃止の是非に翻弄されたことから劣勢であった。旧来政治パターンをもとに、10日の日曜日に開催された反対派集会も不発に終わった。ところが、

5月11日月曜ごろから、反対派の反撃
反対派戦時同盟(仮称:極右から極左までの集合)が形成していたFacebookから、「大阪市営地下鉄の京阪電車に払い下げ疑惑」が持ち上がった。これに大阪都構想賛成派は否認できず、よって創価学会(約15万票)は5月13日に都構想反対への方向転換を行った。旗色を鮮明となり、公明党議員は14日からテレビ出演を開始、投票動員を投票日の20時まで大動員をかけ決死の組織力を徹底した。この現地の路地や投票所の動きをマスコミは気がつかず報道できなかった。
(これが反対派勝利作戦計画第1弾)すなわち、反対派戦時同盟は、二重行政キャンペーンに負けており、その反撃として「地下鉄毎年340億黒字、市水道局の毎年100億黒字、なぜ民間に払い下げ?」を、全有権者211万人に話しかける作戦を開始したのだ。数10年を必要とする大阪都構想に、なぜ北陸新幹線誘致が挙げられていないのかへの疑問も提示をした。それは、マスコミ流の政党組織票を併せても大阪都構想賛成票数には数10万票及ばないとの判断からであった。だが、賛成・反対いずれの政党もこの作戦計画に気づかなかった、今流に言えばネット選挙すら理解出来ていなかったのである。「市内全有権者211万人話しかけ」は極めて高度なノウハウである。創価学会(約15万票)を反対派に付かせる作戦スタートとは、マスコミも既成政党もの誰もが気づかなかった。

5月13日水曜から「つばぜり合い」
賛成派が水面下で準備した「反対派への反撃チラシ」、これが発行者無記名で準備されていることを、反対派戦時同盟Facebookから暴露した。このチラシを配布するために、日本維新の党は議員ら1,000人を投票日の20時まで全国動員をかけたのだ。ところが、これに対する反対派戦時同盟は、発行者無記名チラシに対する反論を地元の路地で展開する機動力を見せた。賛成派の発行人無記名チラシ配布前に原稿が漏れてしまったから、賛成派のドンデン返しは不発に終わった。加えて反対派が、全国の「維新の党議員」の元へ、個々の議員の政策と大阪都構想の政策の食い違い、例えば北陸新幹線の大阪誘致を都構想では拒絶!といったことが、反対派戦時同盟から大阪動員された議員の地元選挙区に直接にNetで追及され、1,000人全国動員の足を300人程度に止めてしまったのだ。

5月14日木曜から賛成派は最後の作戦計画に入った。
それはマスコミを通じて住民投票が運動員同士の戦い(傷害事件も発生、両派対峙の映像も流出)に矮小化し、投票所前にオレンジTシャツ団数10人を配置することによって、ホワッとした反対票の投票阻止に舵を切った。維新は元総務大臣が企業ぐるみ選挙を行い企業単位で賛成票確保しようとした。反対派戦時同盟は賛成派の街頭演説内容の微妙な言葉ジリと、都構想賛成派の選挙ビジネス屋の定番定石どおりの作戦を見抜いていた。おまけに、見抜かれていることを賛成派が悟ったのは投票前金曜日だったことから作戦計画転換の余裕は無くなっていた。反対派戦時同盟の参謀ブレーンは、この先ほど述べた賛成派最後の作戦計画の実施を見定めてから、あえて見抜いていることを口に漏らした感がある。結果、賛成派はすべての作戦計画ネット配信を停止した。またこの作戦で計画ネット背信停止は、反対派のネットによる運動を勢いつかさた。

5月15日金曜から、最終決戦の反対派大反撃開始。
その作戦計画は選挙ビジネス屋とか使い古した既存政党方式ではなかった。反対派戦時同盟の参謀ブレーンは、大阪都構想賛成派の運動計画が、「策を労使政策に溺れる!」と判断していたのである。
(反対派勝利作戦計画第2弾)それまで温めていた賛成派幹部らの社会的道徳の欠落に対して、この日から一斉に211万有権者語り掛けるといった反撃を開始した。ことに黄色いTシャツ団がメタボの風体で市内交差点を練り歩く外人動員部隊の姿が、戦前ドイツのヒットラー親衛隊に酷似しているとして、反対派戦時同盟は地元大阪市民の心と気持ちをつかんでいたのである。社会的道徳欠落を理由に反対票を呼びかけるイラストも作成され、Facebookに投稿されシェアに次ぐシェアが繰り返され、土曜早朝にはネット配信完了、プリントアウトもされ、そのまま投票日に突入することとなった。賛成派の運動員らは、社会的道徳問題を反対派戦時同盟が引き合いに出したことに対して、「汚い手を使われた!」と激怒したようである、そもそも住民投票や選挙戦になるものに対する賛成派の不認識であった。それは一気に、「目的のためなら手段を選ばず」との大阪都構想理念をさらすこととなったのである。

15日の午後からは、賛成派の戦術崩壊。
(反対派勝利作戦計画第3弾)反対派戦時同盟は市内小学校などの投票建物入り口に設置されている防犯カメラのチェックを金曜日から開始した。それは、オレンジTシャツ団の動員と傷害事件を防止するために、衝突が発生した場合には防犯カメラに事件の証拠を残し110番通報準備を済ませ、ホワッとした反対票の投票通行路確保の作戦であった。投票日、これに対してオレンジTシャツ団は投票建物入り口への大量動員を、全国動員不振とも相まって作戦を断念した。ホワッとした反対票の投票阻止に大阪都構想賛成派は、決定的失敗を犯したのである。すなわち、反対派戦時同盟の参謀ブレーンは、「ホワッとした反対票の投票」のない限り勝てないと認識していたことから、投票日の最先端現場での戦術を繰り広げ、賛成派の運動ブレーンは策に溺れたのである、ましてこの金曜日の午後の時点で。

5月16日、二の足をふんだ、都構想総大将
そして賛成派総大将であった橋本大阪市長は、大阪の御堂筋最南端での最終演説会で、彼は大阪市民の社会的道徳に対する反発を見抜くことができず、賛成派ブレーン提案の苦肉策にも踏み切ることができず、まさかの敗北をしてしまったのである。選挙ビジネス屋の用意した投票日限りの顔写真入りチラシは、その効果を反対派戦時同盟に逆手をとられてしまうのである。賛成・反対いずれの既成政党も、繁華街での最後の大演説会に焦点を定め、それはマスコミ報道されることによって、「翌日の投票に影響を与える!」といったふうに、議員選挙と異なる住民投票制度の無理解並びに時代錯誤を起こしていたのだった。だが、反対派戦時同盟のネット運動は土曜日曜と益々盛んになっていたのである。

5月17日、大阪市中央区最大の投票所では
ヴィジュアル的に激戦となったのは大阪市中央区の中大江小学校入口だった。私拙者は朝7時から夜20時過ぎまで、小学校入口周辺で状況を見ていた。「百聞は一見にしかず!」、今回のメルマガ記事が書けたのである。大阪市は小学校設置の緊急防災放送を使って小学校区域に投票を呼びかけた。マスコミは、「この小学校入り口が激戦だ」としてTV局2社、新聞2社は張りついたが、ヴィジュアル的な報道は投票日当日もその後もされることはなかった。マスコミの出口調査をじっと観察していると、意見を言いたい人が応じているだけで、その数は3割にも満たなかった。
都構想反対票の人は静かに投票し静かに返っていった、賛成派運動員に見向きもしない。午後3時あたりからの創価学会の組織動員は、常時乗用車が切り替わり5台ほど停車しているとか、地元の創価学会の決死の動員が手に取れることに分かる。小学校入口で初めて分かることだが、企業ぐるみ選挙で反対票から賛成票に寝返った数は少なくない。いわゆる旧来自民党の組織票は大阪では崩壊していた。
投票終了後の大勢判明前に、反対派戦時同盟の参謀ブレーンからは反対派の手ごたえが投稿され、「あとはアナログを併せての選挙結果を見るだけ」と述べられていた。その数10分後に各マスコミが反対派の選挙選勝利を発表したのだ。

5月18日からの負け惜しみ?、結果分析?
マスコミ各社は様々な思惑を未だ引きずって、選挙結果の分析を行った。行政区別の分析を行うも、マスコミ出口調査の数値だけが勝手に走り回っている。南部の老人票・北部の若者票といった非科学的な話まで流れる。老人票の差というのは、旧来自民党の強い所の行政区で(自民党組織票の崩壊により)大阪都構想賛成派が優位に立っただけのことである。それに比べて、反対票の動きは、各党併せての基礎票が50万票程度の所を、反対派優勢地域の投票率自体を平均よりも10%程度引き上げることによって、大阪市内有権者数211万票の10%以上の反対派20万票を基礎票50万票に積み上げて、その差10,000票の70万票で大阪都構想が否決したのである。
この住民投票では、賛成・反対の両派既存政党の旧来型選挙戦の運動方式が通用しなかった。既存政党各派の選挙総括は、筆者が見た限りいずれも煮え切らない論調ばかりであった。すなわち、大阪市内できわめて重要なことは、経済復興豊かさ問題と、社会的道徳の現代風信頼関係への視点だったのである、少なくとも経済学や社会学的にはそうなる。それは、
1.いわゆる教養の差=大阪都構想の合意理念はもとより崩壊していた。
2.社会や人間の原動力への無理解=
 人の意見を聞かないギリシャ文化の象徴が修辞学や詭弁であり、良心でもって合意を形成するローマ文化すら大阪都構想の理念には無かった。そのことから、社会的道徳や人情味(心や気持ち)をテーマに反対派戦時同盟からタイムリーに追及されれば、最後の3日で、ひとたまりもなかった。
3.賛成派の作戦参謀は営利主義なので、選挙ビジネス屋の営利に載せられ崩壊
 大阪市の選管経費9億円?に加え、10億円ともいわれる選挙資金を使い果たしたのだが、すべての着想・発想が営利主義に偏っていることを反対派戦時同盟ブレーンには見透かされていた。大坂都構想に先行投資した者が支持母体の賛成派は、営利主義理念を選挙終盤で転換出来るわけがなかった。賛成派の拝金作戦参謀が納得する選挙ビジネス屋の口車に載せられ、選挙屋、広告会社、印刷会社などが資金を食い散らした。反対派戦時同盟の参謀ブレーンに、都構想賛成派は「策を労して、策に溺れる」ことを無自覚のうちに強いられたのであった。

当時の、反対派戦時同盟のFacebookこそが、
にわか仕立ての反対派戦時同盟の唯一の運動道具であった。このネット運動道具を使って行動を繰り広げ、旧来政党政治家から離れた住民主導の住民自治の緊急にわか行動であった。だからこそマスコミは取材し切れなかったのだ。
賛成派の大量運動資金とは裏腹に、反対派の政党は地方予算を使い果たし、投票日4日前からはチラシ印刷の資金もなかった。そのため反対派戦時同盟は個人が手書きチラシを作るなどして、その種類は少なくとも十数種類が確認された。細かいポスター類はパソコンで出力された。反対派戦時同盟のネットは、地元の各派市会議員ばかりか、その後援者、細かい地元路地のリーダーや運動ボランティア、大阪市外からの宣伝ボランティアの元へと、おおよそ1時間程度で通信が届いた。賛成派のネットは維新系が3本稼働していたが、情報が漏れるとして投票前の金曜から全面停止、維新応援議員のFacebookもほぼ動かなくなっていた。反対派戦時同盟Facebookでは、金曜から投票日深夜に至るまで、書き込みを読む以上に投稿数が激増して内容はともかく多賑わいだった。これらは住民自治を充実する上ではネットの欠かせないことを証明し、民主主義を進展させる形態で新たな創造がなされた。反対派戦時同盟Facebookの大所とは別に、無数のFacebookグループも存在し、市内チラシ配りボランティア調整Facebookまで登場した。反対派既存政党のFacebookは、ほぼ機能していなかったことも現実であった、すなわち反対派既存政党は昔の選挙戦運動をそのまま繰り返していたのであった。

選挙戦とは、(そもそも原理原則とは兵法に基づく)
自治体であろうが個別企業内(就業規則代表者選挙など)であろうが、戦争と全く同じで、途中でたじろげば負けるし、引けば崩壊する…その上で、最後の1週間の作戦参謀ブレーンの頭脳戦で勝敗が分かれる。社会的道徳や信頼関係が形成できない総大将に、有能な作戦参謀が付くわけがないし、作戦参謀は金銭では買えないのである。そしてもとより、反対派戦時同盟の作戦参謀ブレーンは、いわゆる世に言う「兵法」の原理原則を行っただけのことである。近年の政治学者やマスコミに翻弄された有権者には思いもつかないノンフィクションである。
敵を知り己を知れば、百の戦争も危なくない、その他である。
日本における総務人事部門は、本来実に作戦参謀部門なのである。私どもの会社の仕事の「売り」は、作戦参謀本部ブレーンと情報収集事務であり、たまには地域経済復興の端緒としての作戦参謀も行なえることであり、それはサラリーマン的官僚的無責任さを持たないことなのである。

2015/05/12

第157号:地域経済を立て直す政策例示

今月のテーマ:「地域経済を立て直す政策例示」
<コンテンツ>
沈没経済!の岐路が、今週末に決まる大阪
固有価値商品論に基づく地域経済政策(例示)
 =大阪経済復興の経済政策
 =世界有数の産業産物取引プロデュース拠点の「場づくり」
 ==経済政策の財源確保の方法==
 =大阪経済は約400年前から
 =民間事業者や住民の参加がなければ
 =経済政策というと、その道の権威??
地元経済を活性化する公務員制度改革の例示
 ────────
=みなさんから寄せられた感想や質問への回答=
  【医療・介護の経済と保険制度を考え直す
  【中国経済の不思議を解く考え方】
  【経済社会制度のシガラミを離れて考える】
  【パナソニックの不振は、果たして後継者問題か?】
  【フランスが少子化を阻止した、ある裏話】


§沈没経済!の岐路が、今週末に決まる大阪
大阪市の橋下市長は、都構想が実現した場合の大阪中央区の見通しを語った。
大阪の場合、大阪都になると市内中央部のビジネス街が沈没するとの予測が出ていたが、これを裏付ける話をインタビューで行っていた。スポニチの日刊紙ではあるが、たとえ娯楽紙だとしても大阪中央区の船場・谷町や御堂筋などの界隈の経済にいっさい触れることなく、「中央区は文化芸能に力点を置いた街づくりをするでしょう」としているのだ。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/05/08/kiji/K20150508010310630.html
現在大阪市はさらに景気の落ち込み、人も企業も空洞化が激しく、北九州市に次いで人口が激減している政令指定都市である。ここでの、この視点での経済対策を住民投票運動期間中、大阪市長は一言も語らない。大阪都になればオリンピックを誘致すること言い出したが、反対に大阪市の中心部は完全に経済が沈没する。
大阪の企業ばかりか、京阪神から西日本に至る経済に大阪都構想は大打撃を与えることは間違いない。

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§固有価値商品論に基づく地域経済政策(例示)
これを大阪市を例として考えてみた。行政や官僚が作成するものとは、これだけ細部にわたり充実するかの典型例である。これは、大阪市の住民投票にあたり、およそ3年前にまとめたものに加筆したものである。

大阪経済復興の経済政策
地方自治体の重要な役目は、福祉を充実させることである。
その柱は経済や生活を向上させるための経済基盤づくりであり、重ねて社会保障や社会保険その他の充実も併せ持つのである。
収税額や効率は結果であり、税金の直接投資ではなく、民間や住民の経済活動その他福祉の誘発である。
とりわけ、政令指定都市の行う経済政策は、都市に人口・産業が集中するなどして問題点が発生するなかで、福祉の充実をするための政策の一環として行われるものである。現状では産業にも人口が先行集中している大阪の特徴である。
決して、地方公共団体の機関事務、地方公共団体の黒字転換といった、本来の役目をないがしろにして議論される筋合いではない。

都構想?といっても、実態は大阪市のみの分割であり、
経済や生活を向上させるための経済基盤の大きな柱といったものはない。
とりわけ、幻想や項目羅列といったものは排除しなければならない。
その理由は、仮に都構想?となった暁には、選挙で貢献した者、時の権力を振り回す者、目先の営業受注活動に優れた者、その他その時点の都合や思いつきで経済政策を実行するように首長の存在を許すことになるからである。
それは自明の理であり不合理な既得権の温床だからである。

世界有数の産業産物取引プロデュース拠点の「場づくり」
イ)大阪を、世界有数の経済拠点として復活
させる方法として、産業・産物・取引・情報の経済プロデュース拠点を構築する、「場づくり」を行う。
(注:プラットホーム方式の情報提供・販路拡大は、経済行動力を伴わないから、シンクタンク類の一つの形態でしかない)
また、大阪湾岸は大陸物資や商品の荷揚げ港にはなりえず、世界経済の動向からして国内流通基地以上の役目を持たせるための港湾開発は不要である。せいぜい大型観光客船船着場とか、湾岸製造業者の工場が足りないくらいである。マネーロンダリング機能を持たないカジノは貧困の連鎖を生じるだけで論外である。

ロ)この「場づくり」から、
日本文化・商品着想・資源需給・製造過程・物流販売などの指示の発信基地とした経済プロデュース拠点を築く。
付加価値を含む商品といった曖昧性は排除して固有価値商品を念頭に、日本全国の民間や労働者が正当かつ公平に参入出来る場所(船場・谷町)とネットワークを築く。
幸いにも400年の歴史から全国ネットワークは辛うじて大阪には残っている。
(注:物資の集積流通では何ら価値を生まないから、全国からの船場地域に集積する労働の指揮・分配・統制の価値創造を握ること)

ハ)本町通り&中央大通り周辺に、
企業などの常設展示場、商業イノベーション基地、需要創造研究基地、企業の企画部門事務所、次世代育成のための各々の産業大学校などの集積・促進・誘導を行う。
(見本市会場やイベント会場といった広大な敷地は不要で、一過性のもとに関係者を呼び込んでところで新商品開発や研究開発にはつながらない)。
後にも述べるが、船場・谷町周辺に、これらに携わる経営者・労働者の職住近接、保育所整備、街中介護施設、その他の整備・誘導する。

ニ)ここでの出荷指示する商品は、
世界の富裕層1億人に焦点を当てた、高水準の固有価値(付加価値の顕在部分)商品を意識したものとする。
その価値水準をブランド化するための「場づくり」とする。
(使用価値・効用価値から→固有価値商品だから価格決定権が握れる)
これによって、高付加価値製品と高水準サービスの発信による世界のバイヤーや商人の呼び寄せを図ることが出来る。
単に外国人を呼び寄せたり混在させたところで経済は発展しない。むしろ、闇雲な外国人呼び寄せは上海マフィアや外国人貧困層の再生にしかつながらない。
大阪府や大阪市の人口を現状より増加させる必要はない。

ホ)とりわけ、イノベーションに資する経済政策として、
企画・投資・技術・販路の人物を抱えた、「楽市楽座:安心地帯」を本町通り周辺に確保する。
(注:安心感と安全が保たれる街だからこそ、市場経済に役立つイノベーション発想の促進基盤となれる)
高層建築物を建造するよりも、現存する本町通り周辺を集積地帯として誘導する。
路面電車はその経済復興の象徴であり、通勤輸送手段ではなく、経済交流手段である。
高層ビルのエレベーターのような不便さは無くし、どこでも乗り降り自由な「チンチン電車」は、脳活力の着想・結合・定着の労働効率の行政的後押しをする。
周辺一帯の乗用車・自家用車乗り入れを制限し、侵入料金月額30万円を徴収するなどして、市内の不毛な混雑を避け、イノベーションの時間効率や道路利用効率を引き上げる。直接的な物資流通や物資流通効率向上による利益率の低い事業は終息させ、イノベーションにより高利益事業への転換を促す。

へ)この本町通り&中央大通りの隣接周辺に、
こういった仕事に携わる事業主・社員、海外バイヤーの職住接近を図る。
そのための保育所を設置する。
(それにより、若年労働力の隣接周辺での確保・福祉増進をすすめ、足の軽い事業展開を世界マーケットに進める。本町周辺は東西南北への交通機関、関空、伊丹、神戸の各空港への交通便利な位置にある。身体の移動に必要な交通機関としてヘリポートを整備し、大手企業の施設や各空港との利便性を図る。ICT産業革命に併せる経済活動では少人数経営中枢の身体的移動は効率が悪い。

ト)経済拠点の「場づくり」としての整備をするため、
復興象徴:路面電車、本町通り一帯の経済産業インフラを、大阪市直営の失業対策事業で構築する。
(大阪の文化蓄積レベルが高く、紛議紛争の少ない55歳~65歳の失業者を確保することが出来る)
①「チンチン電車」
馬場町~靱1丁目まで、レトロ・低速(時速6キロ)・乗り降り自由の「路面電車」運行(人物対面での経済・商業・分業活動はICT機器の活用と相まって効果的となる)。
②いつでも何処でも、Net通信設備
本町通り&中央大通りの隣接周辺には、ICT機器のあらゆる通信網を充実させ、ICT産業革命を推進させる。
都市ガスその他による常時自家発電機器の設置を各施設に促進する。
この一帯を事業と衣食住のICT産業革命モデル地区の典型として形成する。
高齢者失業対策と併せることで高齢かつ発展途上国向けのICT機器開発を促進する。
これによって、大陸方面からの観光客その他に魅力を持たせ、一生に一度は行ってみたい極東都市の創造を図る。
③自転車と駐輪場による経済ガイダンス機能
中央大通り(谷4から西本町)の歩道部分に大規模駐輪場枠を設置し、乗り捨て自由のレンタル自転車事業(人物対面活動と情報ガイドのガイダンス)を行う。
加えて、安心促進の「辻番(ガイダンスと警戒)」又は自家用車侵入制限&迷惑駐輪自粛を実施するため、60歳以上の中高年失業者を吸収する。
(経済復興基金の民営事業として、当該地区の乗用車等の侵入料金30万円/月額を徴収するとか、隣接周辺活性化のニッチ事業の促進など)。

チ)パリ~モスクワ~を結ぶ高速新幹線
世界の富裕層一億人に対する、高水準の固有価値商品の売り込みや持ち込みを促進するため、大陸極東の玄関口のウラジオストクとつながる「極東高速鉄道」に向けて、新大阪~亀岡ルート(容易な用地買収)から敦賀港~金沢への北陸新幹線の建設を促進し、船場・本町地域の国際化を促進する。
多くの若年起業家の、高水準の固有価値商品の極東からヨーロッパ方面への販路拡大や直販売り込み(行商)に進出しやすい国内基盤を作る。
(スエズ運河・マラッカ海峡などの運送は政情不安が付きまとうため、高水準固有価値商品の流通販売には、パリからウラジオストクに直結するシベリア鉄道=古代:草の道のルートを、確保する)。
当面は、新大阪駅から本町通り、あるいは関西国際空港などへの需要はヘリコプターの運用で経済効率は十分である。ICT産業革命に併せる経済活動では少人数経営中枢の身体的移動は効率が悪い。

==経済政策の財源確保の方法==
民営事業による大阪の経済復興を助成
(1)経済復興のため基金を創設「大阪経済復興基金」
(2)大阪府・大阪市予算からの復興基金運営経常経費を支出。加えて、神の主力は民間から経済復興資金を基金に集め、民営事業による大阪の経済復興事業を助成する。
(3)民間からの経済復興基金への出資額は事業税や住民税の課税対象外とする。
(4) 経済復興事業の認定と民営事業助成率(額)については、民間(事業家、住民、労働者団体、公募委員)による選考委員会で定める。
(5)選考委員の選出と選考委員会の運営にあたっては、基金に出資した民間(企業、個人、町内会、労働者団体、財団法人など)の基金出資額を反映させるものとする。
(6)大阪府と大阪市の職員は、この経済復興基金業務のうちの、判断を伴わない作業部分の職務にあたる。大阪府と大阪市の担当職員が、行政用語でいう事務は取り扱わない。必要に応じ行政企画能力者の諮問をその都度実施する。
(7)その他にも、産業産物取引プロデュース拠点の「場づくり」
に資する保育所、街中在宅介護、職住・芸術文化・次世代育成などの経済復興助成の事業や経営指導も行う。少なくないNPO法人は、株式会社などの営利事業の破たんからの転換事業主が存在することから、ソーシャルビジネス営利事業の経営指導は欠かせない。すべてを税金で賄うとか、創意工夫を抑圧する制度の弊害を減少させるシステムとして、基金目的に併せて執行するものとする。

大阪経済は約400年前から
豊臣秀吉らの大阪開発に始まり、“大坂に行けば実力さえあれば自由がある”といった理念のもとに有能な人材を集めた。これを徳川幕府も引き継ぐことで、船場港湾開発を進め国際的工業貿易都市を市場経済原理によって進めて来た市街地である。
江戸時代の鎖国政策であっても、次々と需要にあった商品開発を行い、その提供・供給方法の開発も進めできた。
近年になって明治政府の経済振興施設の東京移転にも関わらず、大阪市特有の都市ならではの重点施策(政令指定都市へと続く)を行って、昭和大恐慌の早期克服、戦後の経済復興、高度経済成長の受け入れ条件整備などを行い、現在の大阪市に至るのである。
これを、「強い大阪府と5つの植民地区」の枠組みに大阪市を解体してしまえば、さまざまな重点施策は行なえないばかりか、国、大阪府の手の届かないところへの対策も不可能になるのである。現在の国や大阪府の政策からすれば、大阪中心部の経済政策は不可能となり、一層の産業と住民の空洞化を招くことになる。
現状の如く大阪市内を経済空洞化に任せて、行政機関のリストラ切り捨てを進めるのではなく、大阪中心経済の復興を行うことによって、大阪全体の産業・商工業・労働者の生活を安定させることこそ、行政機関の考える経済政策である。

民間事業者や住民の参加がなければ
現実には、行政機関が経済政策を提起したところで、空中分解してしまう。それは地方ごとに住民参加する社会構造になっており、今回の様に域内経済圏を検討せずに一方的に5つの特別区に分けてしまえば、強い大阪府といえども政策効果は当初から特別区ごとにバラけてしまう。
例えば、大阪で週休2日制が一挙に広まったのは行政機関が一斉に土曜休日を採用し、その背景には経済界が控え、表には官公労・民間の労働組合要求があったからであった。同じく大阪での女性の社会進出は、男女雇用機会均等法と相まって、京阪神では一年程度で派遣の女性労働者の賃金がパートの倍近くに跳ねあがり安定的労働市場が形成されたからである。当時、そのような高賃金と雇用安定を事業戦略とする新興派遣会社が現われたからであった。すなわち、経済政策が出されたところで、実施行政機関と民間・住民との共同作業がなければ空回りする、若しくは歪(イビツ)なものになってしまうのである。いま進められている介護・少子化・保育所などは、女性の社会的立場と関連する策と連動していないから、実際のところ歪(イビツ)になりかけているのである。

経済政策というと、その道の権威??
あるいは、その道の経験者といった思考からの、上から目線の経済政策が目白押しとなりがちである。
ところが、若い人たちは、「思い通りに働きたい」といった意向が強い。
とりわけ、いわゆる、ゆとり世代のゆとり教育を受けた者は、そのような活躍の仕方の「場」が提供されれば、極めて可能性に満ちている存在である。
ここに世代間断絶が生まれ、その断絶により、職業、生活、子育てといった生々しい不都合が不合理が生まれることから、感情的対立に至ってしまうことが多いのである。社会問題も然りであるが、ことに経済政策となれば大阪のように社会的道徳水準の高い地域であるから、心や気持ちの内側の意志疎通を図ることにより、相互に福祉(幸福になること全般)増進に様々なアイデアが持ち込まれ、何事も金銭で解決する刹那的着想にはならないのである。
この点は住民自治・地方自治の具体的方法の分野である。
既得権益や利害が対立とするかのように住民を煽って、住民同士を激突させる方法は、本来の住民自治を認めない思考に転落してしまう。戦国時代ならば既得権益確保の争いが、文化や言葉も通じない中武力衝突に至ってしまった歴史である。そして基本的人権も平等も軽々に扱うならば既得権益がすべてとなってしまう。しかしながら、その中でも、中学校の体育館に集まるなどして、地域経済、介護医療、次世代形成その他を、自由参加の住民自治で進めることにより、地元からの活性化は促されることになる。まず行うべきことは大阪市は24区長が地元の特徴を把握して、「中学校体育館の住民自治」を促すことである。


§地元経済を活性化する公務員制度改革の例示
大阪市を例に、個別企業や住民からの役所の意識改革をまとめてみた。
職員の先例主義、目立たない主義等の意識変革をするため、また年功給の根拠を撃退・しがらみの鎖を切る。

=すぐ出来るアクション大阪市=
①給与体系のうち、勤続昇給部分、年功昇給部分を来年度から引き上げを行わない。(勤続や年齢だけで能力は伸びない)
イ)その上で、ソーシャルビジネスや経済の豊かさ・成長に資する、大阪市職員の職業能力重視の給与体系に改めること。
ロ)セイフティーネット系の正規・非正規職員ともに、専門特殊チームとしての職業能力向上の能力給に改める。
ハ)行政改革の企画立案と遂行能力の、教育育成と結果に連動した職業能力給に改める。
②市職員のインフォーマルな特権・職権濫用を是正
(ア)大阪市長の、「行政手続法活用宣言」で、市職員の市民や民間企業の規制行為を排除すること。(目の届かないところの抑制行為の排除を促進)
(イ)行政手続法による、市職員の行政指導及び許認可業務の公平・透明性確保すること。(判断を市職員が一定基準によって行うこととなるため、業務時間の無駄の排除にもなる)

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=皆さんから寄せられた感想や質問への回答=

【医療・介護の経済と保険制度を考え直す】
視点を変えれば、生活形態への参加が出来れば良いのであり、生活形態も参加しやすくなればよい、ここの論点である。
例えば、医療も、
生活形態に復帰できるような治療医療、
生活形態から脱落しないような健康医療、
参加しやすい衣食住改善や予防医療
と分ければ、介護、医療、老化の課題は、手段が変わってきます。
19世紀は、結核、コレラ、腸チフスで、老化の前に死亡する時代だったが、生活水準の向上で老化するまで生きれるようになった。
現代は、癌や心臓病、高血圧。これらは治療よりも予防である。
社会制度からは……
健康保険は、病気(illness)には対応するが、疾病(disease)のは対処しない建前になっている。医学概念は、疾病といったなぜか気分が悪い状態も対象なのだが、医療保険制度が対応しない建前だから、疾病で医師の診察を受けない老人は多すぎる。医学知識のある人は、疾病でも診察に行き、医師と論議して病気の発見や治療を進めている。
病気(illness)とは、病名をつけられるとか、エビデンスが集められるとか、いわゆる病気概念を、ほぼ特定できることを指しします。
現状、良心をかけている医師は、こじつけてでも疾病を病気として保険を効かせます。
疾病は、厳しく言えば、エビデンス(医学会では根拠とか証拠とか曖昧な意味)が見当たらないのに、正常な生活形態への参加が出来ないとか、障害や過度の努力を乗り越えないと生活形態への参加が出来ないといった概念です。…すなわち、病名?が在ったとしても意味不明だったり、言語的にはこじ付けだったりするものです。
ここ20年の、政府の健康保険(協会健保、健保組合)は、財政難を口実に、疾病に対してレセプト点数を切ってきます。ビタミンは疾病治療には使えなくなりました、てき面の効果があっても。コエンザイムQ10は制限がきついです、タウリンは、ほぼ使わせません。
疾病は健康医療や予防医療が効果的なのですが、保険上は一切使わせませんね。
こんな説明で的を射ましたか? 現代医療問題の根幹です。

【中国経済の不思議を解く考え方】
いわゆる西側経済の論理構成で理解しようとするから、困惑するのですよ。彼らは、計画経済&守旧イタリア経済学そして科挙式官僚です。
それを踏まえて、中国国内での供給をしようとします。市場(市場価格が正義とのルール)はありません。だから彼らには不道徳が付きまとう思考にもなりやすい経済を克服できないのです。
そう考えると、悩みも困惑も消えて、中国対策が打てるのです、やってみてください。

【経済社会制度のシガラミを離れて考える】
資本主義なら資本投下、計画経済なら設備投下、ここでの経済的社会的制限の制度に問題があります。
過剰過度になれば投下を停止して、資本や設備を消化するような生産調整とか、在庫処理(過激なのが恐慌状態)すれば、国内経済や社会調整が出来る…と錯覚してる場合は、過剰生産が相対的個別的現象や経営者や経済政策者の個人的問題と認識してしまうのです。高校生の教科書にある需要供給曲線が経済理論と誤認したことも影響してるでしょう、あれは「絵に描いた餅」で観念的例えなんですよ。
…で、過剰生産は、微調整分は仕方ないのですが、ICT産業革命が進むにつれて、経営的には劇的に縮小して来ています。そんなこともあり金融に金銭や国債が流れるんでしょう。では、何が過剰生産時代かと言われてるのか、
…それは、
①経済外的目的の資本や設備の投下を正当化するマーケティング
②需要無視、時代錯誤の商品価値採用、…が大半です。
*計画経済と日本の公共事業はパレート理論で官僚が議員をごまかす場合。*銀行あたりが投資の見返りを夢のように持ちかけ資金の借り手から利ざやを稼ぐ。*サラリーマンが付加価値なる意味不明な価格の夢を上司に語り売上を幻想させる。…まぁ、こんなことを世界中でやってるんです。
誰でも、
こんなことに巻き込まれなければ、EU諸国や北欧経営じゃ無いけれど裏側でホクホク経営できます。日本の個別企業でも、自社の道徳的権利を貫けば、チャント可能なんですよ。それがわが社の、ミニシンクタンクの売りですから。
企業や個人の自律、徳性、社会的道徳を追求し、時代や新規事業・新商品とともに道徳を発展させる着想ならば、(これを五次元:X×Y×Z×T×Cと哲学で言う人も)さして「過剰生産がもたらす、雇用削減や価格低下」で右往左往することは無いのです。EUと言えば経済共同体と思いがちですが、実は相当、自律、徳性、社会的道徳(宗教観)の課題を経済政策とリンクさせて研究激論出版をしてるのです。

【パナソニックの不振は、果たして後継者問題か?】
昔から松下グループの人材には、あるひとつの特徴が目立つという。それは、経営戦略争い、労使間対決、販売網の矛盾と様々多岐分野にわたるが、各々勢力の幹部から中堅に至るまでの人材に、社内でしか通用しない「内弁慶」的性格や着想が強いことである。そこで松下幸之助は苦労を重ね「内弁慶」の表面化を防いできたようだ。
これが、松下幸之助の引退からパナソニック理念からの松下幸之助排除とともに、決定的な「内弁慶」の弊害が強まり分散した。松下幸之助のパナソニック理念からの排除時期に、直に松下幸之助に釣上げられた中心幹部で身を引いた者も少なく無い。
後継者選びで間違ったのではなく、否応の無い後継者幹部らの欠落に陥ったのであろう。
だとすると、幾つかの西欧・北欧系企業が克服しつつある、企業や個人の社会的道徳の創造が事業展開で欠けていたと言えなくはない。すなわち、社内での「内弁慶」が優先され、社外にそのツケを回して、クライアントや協力企業と遊離してしまったことだろう。
松下幸之助の引退からパナソニック理念からの松下幸之助排除とともに、パナソニックが一気に衰退したことも納得がいく。松下幸之助の生前にも「商売は世のため人のため」に象徴される当時の社会的道徳観が辛うじて保たれていたところ、社内での「内弁慶」が先に立ち、直に松下幸之助に釣上げられた幹部が身を引くことで、パナソニックの箍(タガ)が外れたように思われる。
さて、これ以後のパナソニックの実証具体化は、直接の関係者が行うことが最適である。悪くも良くも社内での「内弁慶」で企業体を支えられていたからである。

【フランスが少子化を阻止した、ある裏話】
恋と愛の花が咲いて、愛の結晶が……。
フランスの少子化克服はこれ、結婚制度も変更した。でも、驚くこと無いのです。
フランス革命の自由・平等・同胞愛と、表現に風刺画を必須とする。この市民革命思想基盤には百科全書派の性と愛の思想があるんです。
だとすると日本の場合は、若者、愛を貫け!愛の結晶を育てろ!主婦業なんか止めろ!。
高齢者も老人も、純愛に走れ! …江戸時代がそうだった様で…
といったところになるのでしょうか。