2013/07/09

第135号

<コンテンツ>
ICT産業革命の真っ最中を忘れている日本
  要するに現時点の本質を見ることが、重要課題なのだ
  その、ICT産業革命の真っただ中、その意味は
  ICT機械化から免れる職業能力は、二つだけしかない。
  そんな労働力を、個別企業が計画的に確保するには
  だからといって、構想力または創造力とは万能ではない
  所詮キャリア、すなわち、これを整理・準備したところで
  「同じ賃金を支払うなら、より有能な人物を確保する」の原則
いじめ嫌がらせ事件の急増は、何を意味するか?
    【件数増加の理由には】
    【創造的解決を選択すること、打たれようとする社会的解決策】
    ☆=個別企業の推奨対策=☆
携帯やスマホと、所定外労働時間
      【労働契約法や労働基準法の解釈】
      【個人のICT機器そのものの使用料やレンタル条件】
      【トラブル回避のアプリ(通話機能)の存在】
事例紹介:「ソメスサドル」
     未来へと良い品物を提供:固有価値商品を創る会社



§ICT産業革命の真っ最中を忘れている日本
参議院選挙の真っただ中、さも目先に追われ選挙戦を戦う人たちではあるが、こういったときこそ、日本国中が忘れている事柄の議論をしてもよさそうである。世界から見捨てられた日本の製造業にあって、なけなしの税収の使い道や再配分をめぐっての話ばかり。日本経済復活の道筋を提起しているような話はどの政党からも聞こえてこない。むしろ、日本経済復活とは相容れない短絡的主張ばかりが目立っている。
巷の議論を観るに、
まるで高校生の試験問題の回答を探すような議論ばかりである。個別企業の経営にとって重要なのは、他の企業がやっていないような価値を生産して、他の企業が進出していないところに供給することに尽きる。だから、「試験問題の回答」の中には、経営管理や事業展開のアイディアも手法も存在しないのである。マスコミや政治家の誘導もあって、不毛な泥沼論議に終始明け暮れている。

要するに現時点の本質を見ることが、重要課題なのだ
日本がICT産業革命の真っ最中にあることを忘れている。これを忘れて議論していることが問題なのだ。もしかすれば、素人向けに規制緩和や既得権といった用語を使用しているのかもしれないが、規制緩和や既得権、まして富の再配分といった論戦よりも、ICT産業革命は、はるかに進行している。ICT産業革命により、経済・社会その他の価値概念と価値を生み出す方式が変化しているのである。
過日の日銀発表によれば、この数ヵ月間で通貨供給量は18.5%も伸びたのだが、企業への融資は2.1%しか伸びていないというものだ。すなわち、銀行の金庫の中に供給された通貨が滞留しているのである。日本経済の主力である民間には回っていない。ただ銀行は通貨を保有するだけでは不採算金融機関と金融庁に判断されるから、またもや金融投機に走らざるを得ない状況ということだ。これがインフレターゲットの結果である。挙げ句には、投機で金もうけした人たちが、ぜいたく品を買うから消費者物価は上がるかも?と、150年以上も前に否定されている論理を持ちだす始末である。たぶん彼らは、国民を馬鹿だと思ってるんでしょうね。
さらに、7月21日以降に金融庁から出される予定の通達によって、不良債権になりそうな融資の回収(一般的には貸しはがしという)が始まる予定なのである。そういった議論がバラまかれ、多くの人たちは右往左往、全く持って創造性のない話なのだ。

その、ICT産業革命の真っただ中、その意味は
今や職業能力の中の、技術・技能において中途半端なものの順に、その労働はICT機器に代替されつつある。だとしても原理原則は、価値を生み出すには、人間が労働をしてこそ、初めて実現するのである。ICT産業革命により、労働の指揮と分配の方法が変わりつつあるという訳だ。
最初の産業革命は、エネルギーを自然から取り出して人間の労働に置き換えた。蒸気機関が工場ごとに設置出来るような技術開発が、現実的意味での産業革命の姿だった。その蒸気や水などでタービンを回してエネルギーを取り出していることは、原子力発電をはじめ今も変わりがない。次の段階は、電気によってエネルギーを多種多様な機械や道具に伝達することであった。電気を使うことによって機械、家電製品に動力を伝えた。今や機械にベルトをつないで動力伝達することは珍しくなった。そして現在は、ICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)でもって人間の技能の代替が進んでいる。その技能とは、エネルギーの省力化の方向であり、発電などのより分散的(地元発電や家庭発電など)な姿になりつつある。石油やガスの化石燃料による動力(自動車など)も、今後は再生クリーンエネルギーの方向に収斂する可能性が高い。そしてやはり電気である。

ICT機械化から免れる職業能力は、二つだけしかない。
第一:仕事の段取りや効率化を進めるための構想力に関する能力
第二:それまでに存在しなかった商品を生むところの創造力に関する能力
である。(現在その理論的裏付けを整理しつつあり、詳しくは9月メルマガに発表)。
差し当たり、
構想力又は創造力その他の付随能力(付随能力があって、関連しながら構想・創造は可能となる)を育成するには、
1.まずは、その素地を持っている人物を発見すること
2.過去事例を論理的に説明した上で、体験・事例習得を短期に行う
3.実際の個別事業に、その人物を投入することで育成を図ることである。
構想力や創造力の原理原則は、個別事業単位ごとにしか技能(スキル)教育が出来ないということだ。また、究極的構想力の結果に生み出されるのは芸術性と言われているが、その領域は技能ではなくてアートArtの世界である。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/246

そんな労働力を、個別企業が計画的に確保するには
有能人物を確保する順序は、その企業の目的にあった水準以上の人物を探し出し、確保する方法しかない。ただし、ICT産業革命で、経済・社会その他の価値概念と価値を生み出す方式が変化していることから、何をもって有能な人物なのかを考えることである。…これこそが、実は不平等を排除する適切育成であり、汎用的均等教育とは区別するべき必要がある。
今流行している、「有能」といった概念は、「無能」に転換すると覚悟しておいた方が良い。巷の耳触りよい、「全く経験のない人物を採用し、真っ白い状態に仕事を植え付ける」といった方式は、全くの間違いである。人間の構想力(芸術性も含め)が発揮される最低条件は、頭の良さではなく、「勇敢であり愛である」と、イギリスビクトリア時代のジョン・ラスキンという人物は、王族やジェントルマンとレディに説いて回って、当時のイギリス社会に影響を与えた。その後は世界中でマニュアル教育(テーラーシステムやソ連のНОТノット)が世界の大量生産の基盤となったから、ICT産業革命に期待される有能さの発見は、過去の歴史的には見当たらなかった。
そういった意味で、今回開発した職業能力評価表は、有能な人物を確保するための構想力などを七つの能力に分解し、それを具体的に測定するものになっている。(そういった意味では、発明の領域と評価された)。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/254
既に導入した企業では好評であり、具体的に人物発見に驚くべき効果をあげている。七つの能力ごとに能力段階が示されているので、本人も上司も能力育成の道筋が見える。導入した個別企業にあっては、労働力の採用確保の方向に変化をもたらしつつあり、業務改善・新商品開発の基礎集団を形成しつつあるのだ。すなわち、それが収益と利益確保に役立っているのだ。
確かに、個人が、先に述べたような仕事のICT機械化されようとしている技術・技能に対して、学習意欲を持つことが可能とか、事業化するにあたっては困難極まりない。むしろ、それを個人でやり遂げられる人物は、ほとんどが変人と誤解され、何万人かに一人が天才と見なされるのである。一般の労働者は、ICT機械化を導入されることが予測される場合に、自発的な学習意欲が生まれることがない。反対に危機感をもって拒絶反応を示すだけである、これは歴史的事実からもいえることである。そのためには、現実的に役立つ教育訓練から始める必要がある。
大手企業のように、社外教育を事実上遮断し、社内OJT教育に重点矛先を向ける(社内の多数者はそれを望む)風潮では、その集団は滅亡の道である。ことに大手企業は資金源は潤沢であったが、管理職はゼネラリスト、すなわち素人レベルの管理職である。確かに中堅企業の管理職に比べ頭は良いのかもしれないが、頭の使い道は良いとは言えない。
そこで、現場段階での当面の教育訓練ポイントは次の通りだ。緊急課題は、労働意欲と収益性の経営要素である。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/248

先ほど述べた、技能ではなくてアートArtの領域のための教育・訓練を整理し、個別企業で導入しやすくしたものが次の内容である。現在、筆者も理論研究と体験を繰り返すことで改善を進めている最中だ。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/246

だからといって、構想力または創造力とは万能ではない
構想力または創造力によって生み出されるもの総てが、経済・社会その他の価値概念と物品価値増殖を果たすことはない。通貨・証券や利権を確保するために、構想力または創造力が使われる場合には物品価値は逓減消滅する。この物品価値が逓減消滅していけば、経済の総需要が落ち込むことに反論する識者は存在しない。巷では、「金利が上がれば、その分は価値となる」との迷信を信じている人は少なくないが、上がる金利は、必ず下がるのであり、売り逃げして通貨と交換出来ても、その作業は他の富を消耗しているから、純増としての価値を享受されることはない…よくよく考えてみる必要がある。(例えばことわざ、「棺桶に金を入れては逝けない」がヒント)。
そのように仕事=労働(これこそ労働力に限定されない)がICT機械化されようとしていることに対して、経済政策・経営管理手法が全くといっていいほど追いついていないのが現状である。ことに大手企業にあっては、中堅・中小企業よりもその拒絶反応が強い。その理由は、現在の大手企業が抱える労働者の失職が目に見えているから、急速に水ぶくれした組織であって学習・研究蓄積がないからである。したがって、プライドが生命線のサラリーマンともなれば、なおさら拒絶意識が強くなっていくのである。

所詮キャリア、すなわち、これを整理・準備したところで
【第1の特徴】
そういったキャリア人物は実際の事業には投入出来るわけがない。その意味で、厚生労働省が現在行っている政策(キャリア関連)は、民間個別企業では使い物にならないのである。一種の資格制度でステイタスは保障されるかもしれないが、民間事業現場での物品価値増殖には資することはあり得ない。国家資格その他で、ステイタスを基に、資格者団体が形成されているが、「潜在的失業者集団&旧式ギルド」の様相を帯びるばかりで、知的熟練的貧困者層を形成している。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/240
社会全体からみれば、「依頼者に対する仕事の拒否権」というものがポイントで、この権利を持たない資格者業務は、巷にあふれる出来高制労働者としか概念規定のしようがないのである。労働省シンクタンクもその考えで施策しているし、例えば「顧問」といった社会通念は崩れ去っている。

【第2の特徴】
「人をケアcareするサービス」は、サービスを受ける年代によって事業に特徴があるから、サービス提供者は同年代若しくは極めて良き理解者でもって、その年代に合わせた、「お金には代えられないほど大切な提供サービス」を必要とするのである。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/242
商品提供の内容が整わなければ、如何なる商品も交換される率が低下する。だから、総需要を増加するには固有価値を帯びざるを得ない。が、表面的に固有価値を帯びたような仕草だけでは、固有価値商品にはならない。どういうことかと言うと、固有価値の要素である、「意欲・感動・希望」のうち、生産者の都合で希望が欠落している状態が、表面的に固有価値を帯びたような仕草ということである。

【第3の特徴】
現在、ハローワークや民間職業紹介会社の行っていることは、離職前の前個別企業において培われたキャリアなるものを整理・準備しているにすぎない。すなわち過去のキャリアは、新しく就職する個別企業で通用する確率は微々たるものといった、何十年も前から明確な転職前提条件が生かされていないのだ。それは、一つの企業の社歴が長いほど、そのキャリアは転換が難しい。業務改善を進めている企業からすれば、同業他社の悪性キャリアは排除しなければ、初歩的日常の業務に悪影響を及ぼすことは、成長企業なら末端社員でも自覚していることだ。百歩譲っても、多種多様なキャリアをもつ場合のみ、ここでいう構想力または創造力に刺激が加えられるだけのことである。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/244
肝心なことは、少ないながらも構想力または創造力があり、新たに就職した個別事業のキャリアが伸ばせるかどうかということなのだ。

「同じ賃金を支払うなら、より有能な人物を確保する」の原則
個別事業を行う側からすれば、この意思は正当なのである。これは、現憲法にも保障された権利であり、公共の福祉に適うことはもちろんである。官僚その他に意味不明な理屈でもって、今までのように基本的な権利を抑圧される必要もないのである。日本では明治維新の初期を除けば、官僚による統制経済(戦後は社会主義経済理論を密かに採用)の連続であった。ことに、基本的人権とは、誰もが文化的な生活を確保されることから始まることを忘れてはいけない。多数決でも家族の要望でもボランティアと称するものでも、基本的人権は抑圧してはならないのである。経営者の「文化的生活&活躍による豊かな生活」は、世界の近代国家が保障している権利であるが、この日本においては江戸幕府や統制経済により、およそ200年の間にわたり抑圧されてきたのである。


§いじめ嫌がらせ事件の急増は、何を意味するか?
都道府県労働局に寄せられる、個人単位の労働紛争(個別労働紛争)は、平成24年度は、それまでの解雇事件に代わり、相談件数のトップが「いじめ嫌がらせ」になった。数値情報は厚生労働省の公表通りであるが、今回はこの動きについて解説する。
相談件数は、そのほとんどが労働基準監督署に訪問した相談、すなわち監督署に「何とかしてほしい」といった労働者の行動を、労働局に書類を回してカウントした集計である。確かに厚生労働省は、裁判所や法曹界が労働事件処理を裁判所で済ませようとする動きに対抗して、監督署の人的動員力をかけて、行政指導や紛争調整委員会のあっせん作業で解決を図ろうとしており、その相談件数稼ぎは否めない。だがそれ以上に、いじめ嫌がらせ件数の数値の急増は、解雇事件を追い抜いてしまった事態なのである。
また、裁判所の労働審判では、いじめ嫌がらせの解決が制度的には難しいことも事実である。加えて、労働審判の裁判官は、頭ごなしに金銭の「示談」を迫り「裁判上の和解」を強引に進めて裁判件数を減らそうとしている。
しかし、筆者の30年以上に及ぶ現場の経験からすれば、労働基準監督署に駆け込む行為は、直属上司に対するレジスタンスの意味合いが強い。経営者に対する戦いを決意する労働者は、必ず労働組合に駆け込むのである。

【件数増加の理由には】
結論的に筆者が考える背景は、ICT機器の使用によって、
 A.中途半端な技能では効率的な仕事が不能であること、
 B.中途半端な技能ならばICT機器が仕事の代替をしそうな雰囲気であること、
 C.定形繰り返し業務がICT機器に取って代られ技能者が内にだぶついていること
 D.そして、人件費や予算に対する効率的な業務ができていないこと、
などが考えられる。ある面では、うつ病などの精神疾患の増加と理由が共通しているかもしれない。
根本的な解決の視点は、ICT機器あるいはICT機器を使って事業運営する体制の根本となる教育訓練が不十分なところに置くとするのが妥当である。解決の道筋を示さず、現象面や問題点を論っていても、事態は収まらない。そのほとんどの現象面は、上司や部下や同僚同士のグチの言い合いにすぎない。グチしか思考しない程度の職業教育しか出てこなかったのである。
したがって、いじめ嫌がらせを行う者は、
  One 技能力の低い上司、
  Two 技能力の低い女性の「お局」、
  Three 先輩風を吹かせる無能力者
に集中している。すなわち、無能力者が、能力のある者に自分の立場や席を取られないために、正当な根拠もなく力ずくで排除しようとする動きなのである。事実、いじめ嫌がらせが横行する事業所は、経営課題に4ポイント(収益性・生産性・労働意欲・効率性)の低下を招いて、経営破たんの道を歩んで来た。筆者はそれを、まのあたり目前で見ており、いじめ嫌がらせが経営者の気持ちに反したとしても、いじめ嫌がらせの横行する実態に、具体的政策メスを入れなければ、経営破たんに至ったものばかりであった。もちろん、つぶれた企業の経営者の話なんか誰も聴かないから、原因分析が困難になるのは仕方がないことではあるが…。

【創造的解決を選択すること、打たれようとする社会的解決策】
あまりにも急激な、「いじめ嫌がらせ」事件の駆け込みに対しては、個別企業各々が根本基盤から解決するしかない。それが、場当たり的・事後処理的対策もとれば、経営破たんを招く。それを既に如実に示しているのはヨーロッパである。各国の研究成果の紹介はこの際省略するけれど、ヨーロッパの先進主要各国の国家的課題となっているのだ。アメリカの場合は事情が異なり、「早めに経営破たん実行する」の経済文化であるから、チームワークが保たれない事業組織は自動的に解散(廃業)させているので、あくまで表面に出ていないだけのことである。(ICT機器から取り残された労働者の社会問題としては現われている)。
ところが、日本企業の場合は、アメリカのような、「早めに経営破たん実行」の経営管理方式をとれば、労働者が集まらないから、ヨーロッパ系企業に似ているように思える雰囲気が、実際は素人目には安定雇用に似ていると見えるだけなのだが。
典型的なヨーロッパ事例はフランスにあるから少し紹介する。フランスの文化を日本人が理解するのは極めて困難ではあるが、いじめ嫌がらせを、労働法典、刑法典、公務員規定に、「モラルハラスメント」との概念で解決を図ろうとしている。
その労働法典の定義は、
「いかなる労働者も、その権利及び尊厳を侵害し、身体的若しくは精神的な健康を害し、または職業キャリアの将来性を損なうおそれのあるような労働条件の悪化を目的とする、あるいはそのような効果を及ぼすような反復的行為を受けてはならない」
となっている。そして経営側に対して、
「ハラスメントとは関係ない客観的な要素によって正当化される行為であったこと」
を証明するよう義務づけているのである。(労働省シンクタンクのBusiness Laber Trend 6/2013)
おそらく筆者の研究と経験から予測すると、厚生労働省が、今後は紆余曲折があるだろうが、このフランスの方向を着地点として法律整備(社会的解決策)を打つことが考えられる。そのような労働行政を行い改善されない企業は切り捨てるであろう。法曹界も、法律的定義と社会正義(=原則は自由平等)を掲げている以上、その方向に流れることも間違いない。日本国の政府自体も、派手にはPRしていないが、「いじめ嫌がらせ」の防止は、既に表明している。さて肝心の経済界となると、“大手企業の人事担当者は、厚生労働省になびく”から、いじめ嫌がらせの「防止の雰囲気」をかもし出すであろう。すなわち、「いじめ嫌がらせ」の対応策は、社会現象として考えているのではなく、経済問題・労働力政策として位置付けているということなのだ。

☆=個別企業の推奨対策=☆
個別企業は、資金というよりも、より有能な人物を集め、ICT機器を扱える資質である創造力・構想力を養う教育を実施し、1.労働意欲、2.効率、3.収益性、4.生産性の順序でもって、経営管理の水準を向上すること、その具体策をとることが戦略・戦術の要となるのである。この場合大手企業組織は、組織自体が戦略・戦術の足を引っ張り、組織自体が具体策を実施出来なくなる要因となっている、それはある意味、自然であり自明の理である。


§携帯やスマホと、所定外労働時間
ICT産業革命が進行している中、携帯やスマホそしてタブレット(ICT機器)が開発され、何処にいても仕事ができるようになってきた。ところが、この使用時間帯について時間外労働(賃金支払い)などの問題がクローズアップされつつある。労働基準法や労働契約法その他の経済法令を入念に検討すれば次のようになる。
【労働契約法や労働基準法の解釈】
(1)所定労働時間内に、ICT機器を使用して業務にあたることは問題がない。
(2)むしろ、ICT機器を利用して時間短縮を図り、単調な繰り返し定形作業の削減につながる。
(3)問題になるのは所定労働時間外でのICT機器使用であり、時間外手当を必要とする。
(4)作業場所に関わらず指示または作業した時間に限定して、時間外労働となる。
(5)部下から上司に電話をかけようと、時間外であれば、その通話時間の割増手当が必要となる。
(6)勝手に部下が時間外に仕事をして、上司が黙認すれば、作業時間も割増手当が必要となる。
(7)時間外を禁止するには、明確に告知や書面通達をする必要がある、その通達で割増手当の支払拒絶ができる。
(8)もちろん、部下が大量の時間外労働、居残り作業、自宅作業をしたとしても、同様に支払を拒否できる。
(9)時間外に、ICT機器への応対をするかどうかは、個々人との労働契約、すなわち、より良い条件に因ることとなる。
(10)「常時持ち歩き対応するように」とのICT機器の応対を指示すれば、持ち歩きの全間が労働時間となる。
(11)まさか、「1回の通話もなかったではないか」との言い分は法律上通用しない。
(12)すなわち、法律では、それを待機時間・手間時間と定め、賃金支払いを義務づけている。
(13)仮にそういったICT機器の活用方法を合法化すべきだと主張しても、100年後でも実現不能だ。

【個人のICT機器そのものの使用料やレンタル条件】
会社がICT機器を支給せずに、個人の携帯やスマホそしてタブレットで業務を進めているケースが多く見られる。ところが、こういった場合は、所定労働時間内であっても、使用者の指揮命令の範囲内(難しく言えば個別企業の統治権)には含まれない。すなわち、そのことで大損害を会社が被っても会社は賠償請求することが出来ないのである。日常茶飯事の良くあるケースで、例えば取引先に有利な契約を部下が内密に行ったとしても、追求することが困難になるのだ。追求が出来なければ、労働契約法によって懲戒や解雇処分は無効である。法律にいう無効という意味は賃金も賞与も減らせられないという意味だ。数年前に公務員がパソコン情報を漏らしたとして問題となったが、当時は個人のパソコンを役所が持ち込ませていたため、大事件になったけれども一切の処分を役所は出来なかった。これが個人のICT機器を無料で仕事に使おうとする時のリスクである。フォーマルには生産性や効率を求め、インフォーマルには利益の氾濫・洪水を放置する、経営管理の未熟さである。
その現実的打開策は、個別企業とICT個人機器を持つ労働者の間でレンタル契約を締結することしかない。それは、1ヵ月につきレンタル料1,000円程度でも十分なのである。そのようにしてICT機器の使用権を、個別企業が持つことしかないのである。通信料金の負担が増えつつあるから、トラブルも増加傾向にある。すなわち、経営管理のインフォーマル側面に、保水ダム建設をすることだ。

【トラブル回避のアプリ(通話機能)の存在】
例えば、個人のICT機器でも、個人用と会社用を区別して、会社用の明細と請求を個別企業に振り分けてくれるアプリ(通話機能)がある。それは、河川に堤防を築き&川底を深くする治水作業である。次のようなアプリは、通話料金も他社より低価格のようである。
(参考紹介)http://www.fusioncom.co.jp/houjin/keitai_use/
こういった場合でも、個人とのICT機器のレンタル契約は前提かつ必要である。ただし、NTTのように法人切り替えアプリ料金をとっている場合は、レンタル料にアプリ料金を加算する義務が個別企業にはある。
何十年も前から、上司は部下に対して、「電話代ぐらい、たいしたことない」と気軽に話すケースが多いが、他の目的・目論みでもない限り、労働者は悪印象を持っている。それは、通話料の金銭額の問題と受け取らずに、上司や経営者の人間性に対する嫌悪の問題なのである。こういった日頃の嫌悪が労使トラブルの先入観となって現れるのだ。筆者は労使紛争のあっせん代理人でもあるが、先入観の修復の困難さをつくづく感じる。それは、「細かい約束を守らない人物は信用がない」とのことわざの通りである。加えて、これが中小零細企業に横行し、労働者の協力を得られないがために企業発展しない要因ともなっているのだ。
話は余談だが、この「法人通話切り替え機能」をフュージョンは、約10年前から開発し機能提供しているそうだが、筆者からすればマーケティングの弱さを感じる。もとより通信事業と言うのは、国家や経済活動の根幹を支えるものであるから、物理的機能とともに法令をはじめとする社会的機能をマーケティングの柱に考える必要があるのだ。インドや中南米でノキアは数億台の携帯を出荷しているが、スマホの不要な地域ではダントツであることは間違いなく、それは次に紹介するようなマーケティングの基本と水準の高さによるものなのだ。
(参考)http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/159

§事例紹介:「ソメスサドル」
未来へと良い品物を提供:固有価値商品を創る会社


その会社の名前は「ソメスサドル」、日本で唯一の馬具メーカーである。その技術と技能によって牛皮の鞄や小物も製造し、それが長く利用できるようにと専門修理部門も持っている。ここまでの案内だけでも、日本では珍しい会社であることが分かる。
http://www.somes.co.jp/about/concept/index.html
この会社は北海道砂川市に拠点がある。ちょうど札幌と旭川の中間地点とのことだ。その創業は昭和39年なのだが、この地域の石炭採掘産業が突然終焉したことがあって、地元の雇用確保の目的も持って設立された。北海道では多くの農耕馬が使われていたが、その馬具職人を集め、創業当初より、「世界に売って出よう」との意気込みがあったとのことである。現在およそ60人の従業員のうち6人がパート、あとは正社員である。また家庭内職と称する地元に部分的に仕事を出しているとのことだ。とはいっても、3~4名のチームが仕掛りから完成までの一貫過程にわたって作業をしている。とにかく日本唯一の馬具メーカーであるから職人の引き抜きもヘッドハンティングもないとのこと、むしろ地元の高校生を採用して育てている、育てるしかないとの話であった。印象に残ったのは、社長いわく、どうしても仕事ばかりだと社員の視野が狭くなるので、「社会の話をし、社会の接点を持つよう」にしているといった点だ。
北海道の馬具メーカーといっても、資材の仕入れはすべて東京で行っているとのことで、「ものづくり」に徹している姿勢である。その技術・技能のポイントは馬に乗るサドル(鞍)づくりにある。革製品用ミシンなど主要な工作機械はドイツやイタリア製とのことだ。乗馬用のサドル(鞍)は主に日本人向け、競馬用のサドル(鞍)は国内70%のシエア、そして品質の良さでイタリアやフランスにも出荷している。
とりわけヨーロッパならば、「馬」に対する文化が異なり、何百年もの地元の馬具職人のヨーロッパ市場にも関わらず、そこに食い込む能力を持っているということだ。その日本文化というか、ヨーロッパ市場に食い込む能力というか、その点をたずねてみると、社長の語る趣旨はこうであった。近頃は熟年層が乗馬をするけれど、馬の動きは微妙であるから振り落とされる場合が多く、落馬で鎖骨を折る事故が多い。そこで落馬防止用に乗馬用サドル(鞍)を開発したというのだ。サドル(鞍)にまたがったとき、「ひざより下を安定させること」で、不意の馬の動きに対処できるらしいのだ。こういった発想は「馬の文化」であるヨーロッパにはないと、これが社長の話であった。そこで、「日本文化を目に見え触れるように見せないといけないのですね」と私が念を押し、社長はその通りと答えた。また、洞爺湖サミットのときに、内側を漆加工した牛革鞄(アイヌの紋様を生かした加工)を各国首脳夫妻のお土産用に納品、好評を得たそうだが、こういった発想も然りと社長は話す。そういった仕事への意欲が、ヨーロッパ馬具職人のステイタスをも突き崩すポイントだろうと私は感じた。ヨーロッパの職人たちがICTを大いに活用している点について感ずるところを聞いたところ、社長は一言、「ユーザーとの距離感」と答えた、実に物事の本質を社長はついている。とにかく社長が冒頭に発した言葉、「(馬具メーカー)他社がどのような仕事のやり方をしているのか知らない」と言い放つところにも現われているのだ。
この会社では、馬具を製造する技術で、牛皮カバーに合わせたパソコン(価格は70万円ほど)を作ったそうだ。木材エキスで牛皮のなめしもすることから相性の良い木製家具のシート部分の革張りも行っている。これらの作業は、サドル(鞍)の丸みを帯びた綺麗なライン形状を作る技術技能の転用とのこと。もちろん、宮内庁の馬車を引く馬の馬具も一手に引受納品しているそうだ。そしてここ数年にわたり鞄の修理を引き受けることを業務に加え、その専任者も複数配置して、親子代々にわたる鞄利用の需要に応えている。社長の話をまとめると、「いつも使うこと」が長持ちであり、生きている皮革の重要な保湿やケアを行なえる」との趣旨である。新しい鞄に買い換えてくれとは言わないのである。
この土日も地元で、皮革製品のワークショップを400人規模で行ったらしい。社員が、「にわかインストラクター」になるそうだ。年に何回か「馬の日」といったイベントも地元の人といっしょに行っている。「具体的なことをしてネットワークができることが一番」と、社長は数多くの試練を踏み超えた雰囲気で語りかけた。インタビューで私は圧倒されてばかりだったから、何か社長の役に立つことはないかなと…、「よい商品には固有価値というのがあり、これを今流行の経済学者は否定したから、よい商品が出来ず、日本は没落したのです」と言うしかなかった。
すなわち、北海道の寒冷地で、突然産業が亡くなり、「なにも無いところから労働で世界に打って出る」、ここに込められた「意欲・感動・希望」に優る産業基盤は世界有数のものに間違いないということである。
(2013年6月13日:講演&インタビュー むらおか)

2013/06/04

第134号

<コンテンツ>
アベノミクス、天気予報に曇り?ゲリラ豪雨も
 【日本市場の株安の引き金は】
 【世界の地下金融の動向】
 【論理構成の弱すぎるアベノミクス】
 【マイナンバー制の税収は6兆円?】
 【中小企業の信用不安は夏から】
OECDは、日本に対し提言(事実上の勧告)
サラリーマンから能力を抜いた賃金体系の真実
内閣府:税制調査会 タブーその2 「消費税」


§アベノミクス、天気予報に曇り?ゲリラ豪雨も
この4月から6月の、政府統計による経済数値が良好であれば、政府は10月の閣議決定で、来年度の4月1日からの消費税8%を導入することが出来るとしている。財務官僚=「霞が関党」の言いなりになって、ひたすら延命策を歩み続ける人たちの考えていることである。
そのためのアベノミクスと花火を打ち上げたものの、案の定ここに来て雲行きが怪しい。先月、この5月末の日銀マネタリーベースは約159兆円、この2ヵ月で9%増加させている。ところが、これによる物価高が確認できないのだ。敏感な商品なら動くはずにもかかわらず、物価高原因は円安によるものばかり。

【日本市場の株安の引き金は】
日本政府の国債利率が上昇してしまい、これが日本市場の株安を招いた。そもそも国債の9割は民間銀行が日銀から買わされている。政府と銀行関係者が会合を持ったが、その後に株安である。世界規模のファンドが日本株を売り、それを政府が手引きして買い戻しているのは一目瞭然である。だが、ことは強気の日銀総裁の話には留まらない。もとより意味不明なインフレ・ターゲット(短期政策的にインフレ目標を達成)といった論理が崩れてきているからだ。本日昼も政府期待の株価は1万3千円半ば、円は100円を切る円高である。
そもそも、インフレ政策というものは、経済学(一応、中学までには教えている)においては大衆課税のための手段である。その方法として生まれたインフレ政策は、その国の産業を政府が誘導するためにも使われたものである。すなわち国内のタンス預金(家のタンスに貯金すること)などの現金で自家保有している資産の効力を、物価引き上げによって一挙に目減りさせようという納税政策なのだ。「インフレになれば借金が減る」といった理屈で、今日まで中堅・主要企業が産業政策に誘導されたことは間違いない。
だがそのプラス面は昔話で、今やそれでは誰もが経済成長すらせず、潤いも失ってしまっているのは事実だ。

【世界の地下金融の動向】
どれだけ有頂天になってアベノミクス踊りに参加してみても、次の情報を聞けば、踊りも止まってしまうであろう。
それは、EUが地下金融の金融取引(世界の投機資金の主体)を把握しようとする動きを見せただけでスイスの銀行預金が他国(極東アジア諸国)に移動しているとの情報である。加えて重要なのが…それだけではない。
冷や汗が出るような情報はイギリスから
タックスヘイブン(税金天国)の島国を批判しだしたことである。カリブ海その他に浮かぶタックスヘイブン島国は、元はイギリスの植民地である。この島国の企業?に支払ったとされる金銭のほとんどがアメリカ企業の隠し財産となっていることは誰もが知っている。この資金がタックスヘイブン島国から流出しているとの情報である。発見したのはイギリス陸軍のMI6(映画にもなっている情報機関)のようだ。先ほど述べた日本市場の株安からすると、日本には流れてきていないのは確かである。その投資先は、アメリカ本国でもない…。

【論理構成の弱すぎるアベノミクス】
アベノミクスを擁護する学識者たちは、口をそろえて、「○○が出来さえすれば…」といった条件付きで、アベノミクスによる経済政策の成功を論じているばかりである。出来なければどうするのかとの問いには、論理的に答えることはなく、感情的!に「やらなければどうする?」となる応答ばかりである。また、TVに顔を出すのは金融や証券業界ヒモつきのコメンテーターばかりである。「こういう経済政策を採ろう」といった論議は皆無に近い。何本の矢なのか知らないけれど、所詮は前政権からの官僚の描いた政策である。反対意見のほとんども、政策の不十分さを暴露する程度のもので、抜本的着想すら見受けられない貧弱さである…。彼らには国際的視野やICT産業革命からの視点はない。
筆者の経済対策はこちらだ、たいした財政出動はいらないし、中堅・中小企業は個別でも出来る。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/30

【マイナンバー制の税収は6兆円?】
いよいよ平成28年1月1日から導入される。高校生のアルバイト、主婦のパート、Wワーク(2ヵ所以上で働く)の収入にまで、所得税5%、住民税10%、社会保険料が掛かって来る制度が出来上がる。個別企業の番号は個人情報ではないから保護されない、すなわち逆算・追跡可能となる。
このマイナンバー制で、社会保険料とは別に年間6兆円の税収を見込んでいると言われる。中堅中小企業の税負担の不公平さを無視して、IT機器による増税は、美辞麗句を並べたてたとしても経済・生活に影響を与える。日本の場合、 600年ほど前からの商品経済、明治以降の自由・平等さに欠ける資本主義経済を概観しながら述べると、紙幣(江戸時代の藩札)が発行されると、「紙幣を受け取る人々は、労働せざるを得なくなる」のである。そして、それを徹底して税収に結びつけようとするために、国民全員に番号をつける、「マイナンバー制」である。ヨーロッパその他とは地域通貨とか生活用品確保手段が日本は異なっている。
その点をよく見ないで、議論をすることはきわめて危険だ。マイナンバー制で利益を得る財務官僚たちの論点に対して、これほどまでに「静寂」な状態は、あまりにも今の日本人はコンビネーション(タテからの組織運営)に慣れきっているのかもしれない。
ヨーロッパ流の論議をするならば、商品市場がコンビネーション運営に傾くと粗悪品の増加を招く、すなわち価値生産の少ない労働の横行を容認しようという社会形成ではないのか?
日本流っぽい例え話、「高校生や主婦の片手間の、お小遣い稼ぎ、そこまでやるのか?」である、それは価値生産とはいえない半人前の仕事に過ぎないから。
……という議論なのである。分かりやすい例え話に変えれば、高級・安全品には「遊び」のメカニズムが含まれている、ということなのだ。

【中小企業の信用不安は夏から】
金融円滑化法により30~40万の中小企業が倒産を回避したと、政府はしている。この3月31日で期限切れになったが、4~6月の経済指標に影響が出ないよう、参院選挙(7月21日?)直後に金融庁通達(貸しはがし?や債権整理可能)が出ることになっている。今は下準備中で、「事業計画書」の作成がポイントと金融機関は言っている。参院選後の金融庁通達の直後に金融機関が一斉に動き出すことも忘れてはならない。
その流れで起る現象は、
  A 現在もそうだが、目立たぬよう休眠する企業が増加
  B 参院選以降に倒産をかける企業が出て信用不安の高まり
  C これにより連鎖倒産や仕入れ・売り上げの相手方企業が消滅
  D 大手企業は利益を逃さぬよう1年間の計画の上に破産をかける
…まだまだ個人消費に関わる中小零細企業の市場は少なくない。
そして、事実上の中堅・中小企業の株主は銀行である(金融庁も認めるところ)の、現実課題なのだ。
とにかく、4~6月の経済指標が重要だとしているのだ。


§OECDは、日本に対し提言(事実上の勧告)
を出している。OECDは、日本政府や「何本かの矢?」よりも、グローバル政策を進める視点であり、4月24日事務総長は経団連と懇談している。主な提言(事実上の勧告)は次の4つである。
1)日本が国を開き対日投資を受け入れること。
…(むらおかコメント)日本の競争力強化につながるのは明らかである。ところが、これをしてしまうと日本政府の官僚たち、財務官僚も経産官僚も権力がなくなるので、彼らは嫌がっている。
2)農業改革。稲作を除く活力分野の野菜、花、果物は高収益であり、競争力強化に向けて農地集約や生産調整制度の廃止。
…(むらおかコメント)非常に有望な海外市場に日本の農業が進出することは、買う側の海外も大勢はほぼ出来上がりつつある。ところが農業系を基盤とする議員たち、農水省官僚が、次世代の利権を創造しようと時間稼ぎをしているのが現状である。この時間稼ぎが日本にとっては致命傷なのである。TPPより先行できるFTAや日EUとの交渉が遅すぎて、この貿易実害は大きい。アメリカの手を借りて官僚が時間稼ぎをしている姿がTPPなのである。
3)研究開発とその閉鎖的な体制の見直し。
…(むらおかコメント)OECDの指摘は、日本の研究開発投資は大きいが、生産性が低く投資に見合っていないとしている。日本企業の閉鎖的体制とは、外国人を雇っても、絶対に日本人の指揮命令下に置いていることである。また海外からの研究開発投資は受け入れない。特に、エネルギーをはじめ重厚長大産業系の大手企業は、官僚と結びついて、国策だの何だかんだ言って徹底拒否をしている。
4)ICTイノベーションの活用。特に人口過疎地が多く高齢化が進む日本の特徴を指摘。
…(むらおかコメント)日本の官僚が進めてきた政策は、人口過疎地を増加させることを覚悟した上での東京:首都集中化であった。また、平成の大合併と言われる地方行政機関の統合整理は人口過疎地増加そのものの覚悟であった。OECDは、ICTを活用して高齢者(65歳以上の年金受給者)、女性、若者の人的資源活用には、過疎地拡大・都市人口の増大がマイナス要因としている。
OECDからすれば、日本の実態経済が回復しないのは目に見えているから、毎度のように提言(事実上の勧告)を行ったのである。OECDに対抗して日本の官僚たちや官僚たちが選んだ学者が何を反論しようと、世界経済はどこ吹く風なのである。そう、読者のあなたは気づいたと思うが、アベノミクスに対してOECDは、事実上の方向転換を勧告しているのだ。日本に外国人投資家が関心を寄せないのは、こういった筋からの納得性も存在する。
ところが、OECDの世界経済情勢や提言にかかわって、本家本元の少なからずの学識者たちは、「グローバル基準による、競争原理とか人物能力評価の物差しだけで、社会の総てが上手く行くわけではない」との意見を、徹底して繰り返している。(哲学者)マイケル・サンデル教授も、そのひとりだ、それはなにを意味するのか?…。


§サラリーマンから能力を抜いた賃金体系の真実
それは、様々な名称や仕組みを持つのかもしれないが、運用原理を「拝金主義」で行った賃金体系=拝金型賃金体系にある。その体系は解説をするよりも、次の図を見た方が早い。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/252
すなわち、年功序列型、職能資格型、職務給型、成果主義型と、様々に賃金体系の着ている着物は異なっても、サラリーマンの意欲を金銭に向けさせる原理に特徴がある。
では、金銭意欲を否定したサラリーマンはどうなったのか? 大手企業ではリストラの候補者としてリストアップされ、子会社出向、独立起業、中小企業へ再就職の道をたどって行った。
そのあげくが、大手企業の「体たらく」である。この日本経済復活とは無縁となってしまった「体たらく」の大手企業に、安定第一、高額収入第一の新入社員が入社したところで、先輩の能力を超えるわけがない。しかも、東京大学のある研究者によると、通信N社も食品A社も、OJT教育が中心で社外教育軽視のはなはだしいことが発表されている。もとより日本の労働者は職業性が薄く、すなわち職業能力が蓄積されておらず、自認するほどの職業意識の持ち合わせもない。1980年代後半のバブル経済到来とその崩壊以後、職業と職業能力を軽視する「拝金主義」が流行したために、職業能力の欠如は意識されず、当然のこととして中身のある教育を受ける意欲も激減した。はっきり言えることは、本当の意味での教育や教養がなければ、如何なる職業能力も向上するわけがないことだ。
筆者の伯父は、電産型賃金(年功序列の原型)をまとめた。それは、当時の電力会社(日本発送電株式会社)と各地配電会社(北海道~九州)をまとめて、水力発電から火力発電への切り替えをするための職業能力向上を狙っていた。それは、GHQが火力発電を否定し、日本の賃金を職務給で良いとした経済政策に対抗ものであった。この電産型賃金は、後に金融機関各社に導入されることとなり、年功序列型賃金という名前でもって全産業に広まった。さらに、その素地もない中小企業でも年功序列は理想的な賃金とされた。
次に、筆者が人事・賃金関連のコンサルティング手法を享受した恩師は、日本で初めて職能資格制度を導入した人物である。学者ではなく現場のコンサルタント、名前は滝沢算織である。その初めての導入企業は、大阪の国光製鋼だ。導入の要素は若手社員の生活安定と意欲向上を裏付ける若年賃金引き上げの必要性があった。硬直した労働組合幹部(当時:全国金属)に支配されていた労働組合の存在する企業でこそ、職能資格制度とその賃金体系が、若手をはじめとした職業能力向上の意欲を裏付けるものとなった。ある意味、そういった労働組合の無かった企業は、如何なる着物の賃金体系を着ていても、中身が旧態依然であったことから職業能力は高いとは言えず、その産業全般の生産性も高くはなかった。しかしながら要は、それでも米ソ対立のおかげで日本経済は、のんびりと潤っていたのである。
その次に到来したのが、1980年代後半のバブル経済到来とその崩壊以後の、「拝金型賃金体系」なのである。日本人は、それまでの社会教育制度が不十分であったことから、社会人になってから学習することは少なかったのだが、拝金型賃金が日本国中で広がるとともに、学校を出てから学習や勉強をすることが全く無くなった。そして、気がついてみれば、大手企業やその系列の造る日本商品は相手にされず、日本の労働・職業能力は地に落ちる一方となっている。
よって結論、
だからこそ中堅・中小企業は職業能力を向上させれば、日本国内ならば同業他社との競争で浮かび上がれるし、その職業能力が海外販売(決して進出するだけではない)に結びついて行くことになるのだ。有能な者にとって、中堅・中小企業は活躍の場なのである。その最初の教育とは、次の類である、これなら日常で出来る。
http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/248


§内閣府:税制調査会 タブーその2 「消費税」
消費税論議は、ヨーロッパが引き合いに出される。今回はドイツ19%の場合を考えてみる。前回のイギリス同様、ドイツの様々な社会制度・経済構造まで見ておく必要があるにも関わらず、マスコミも含め、やはり研究不足である。
消費税に相当する税金は、事実上免税品目、軽減税率7%、標準税率19%となっている。
☆免税品目:
教育費(大学まで学費は無料)郵便料金、住宅賃貸費、金融など。
学校の教科書・教材は無料、学校の共通カバン・制服・靴・体操服は無い。
医療費の自己負担ほぼ無く、医療保険で保障し…保険料は所得の14%弱(日本は10%ほど)、介護保険は1.7%(制度が違い計算不能)、出産も医療費扱+国の出産補助(中絶は少なく、シングルも生活も普通)。医療費の一部自己負担も総収入の2%を超えた額は戻ってくる。日本のように、医者と薬局を比べる必要は無い。
☆軽減税率:7%
食糧品、子供服、靴、公共輸送運賃、電気・水道代、家庭用燃料(石炭は非課税)、省エネ機器、住宅、チャイルドシート、書籍(立ち読み、座り読みが多く、その後に購入)、映画館等。
☆標準税率:19%
その他の品物。だが、外食費のレストランは19%だが立ち食いはテイクアウトとなり7%、DVDは19%だが映画館は7%。
☆ガソリン税:約60%(経済全般の流通・交通や公共輸送政策の違い)
……決定的違いは、ドイツの賃金は、国・地方政府が職種・水準ごとに決めている。(日本のように会社と本人の契約交渉では決めない)。現在の最低賃金は、日本円に換算すると、約1050円/時間である。なので、消費税の一律%では論議できない。
また、ドイツでは、リサイクル(ガラス瓶、ペットボトル、袋、靴、中古品は別売り=何度も使用すること)が庶民生活では定着しており、その分商品購入価格も安い。むしろ、電化製品、衣類、家具、自動車、中古住宅などは長持ちする商品が多く、中古品流通市場が発達している。日本のように多くの商品を新品に頼る社会ではないのだ。
物を大切にするからドイツのような税制になったのか、こういった税制なので物を大切にするのか、何れが先かは不明である。というよりも、そういった社会構造と消費構造をドイツは形成しているのである。すなわち、標準税率19%といっても、日本での商品購入を頭に浮かべての課税とは異なる。すなわち、よくよく考えてみると、一般庶民の生活に、消費税使用目的も含め、それほど消費税が影響を与えているようには考えられない。
……このように一歩踏み込んだ内容は、消費税論議の中では公表されない。内閣府:税制調査会も大手マスコミも、こういった海外の例を紹介することに意味があるにもかかわらず…。今年の4月から6月の政府経済指標で経済成長が確認されれば、10月の閣議決定を経て来年度からの消費税8%導入が図られるわけだが…。
(追加論議)
加えて、ドイツは旧マルク相場に比べユーロ相場によって外国為替が安く換算されるから、これによる利益は計り知れない。(そこで、イタリアやスペインなどの財政危機をドイツが救うのは当然との主張が浮上・存在している)。日本もだから「円安へ誘導…」との話だと、ただただ滑稽としか言いようが無い。為替相場は消費税導入の前提だし、そっちは経済政策だといって消費税導入とは別物の議論だと言い切るのは不自然である。

2013/05/07

第133号

<コンテンツ>
大気汚染によるアレルギー疾患
  =医師数人と意見交換・論議した結果=
  =厚生省系官僚は昔から=
益々、インフレ?政策が加速
  A.株価の操作、インフレPRに踊っている人たちは、
  B.政府の海外遊説による売り込みも、
  C.大手企業は、しかたなく…
  D.国内不動産会社は、
内閣府:税制調査会の「消費税」タブー
実体経済で、個別企業が伸びるには
  ・あなたの固有価値を重視する人間発達と能力評価
  ・職業能力評価表(固有価値焦点の絶対評価)の例
  =低賃金の如くの安価な労働とは=


§大気汚染によるアレルギー疾患
とうとう筆者も、このアレルギーとなった。4月27日、はっきりと医師に診断された。
このため声帯が炎症を起こし、声が出せず、まだ正常な声が出ない状況は11日目である。耳鼻咽喉科の通念からすれば5日ほどで治るところ、他のアレルギー症状(結膜炎、鼻炎)まで発症している。しかも、周辺では体力の弱そうな人からアレルギー症状の続発である。これは筆者の大阪中心部の話だ。東京のマスコミ関係者は取材しないからニュースにならないと、九州の方も嘆いていた。
次のURLは、参考になる。
「大気汚染とアレルギー」
 http://www.waghs.net/allergy/ar48.html
大気汚染予報(偏西風により中国沿岸から3日で到着)
 http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/index-j.html

=医師数人と意見交換・論議した結果=
1.大気汚染によるアレルギー要素が全員に蓄積されつつある
2.そこに添加物の多い食物摂取がアレルギー症状の引き金
 (筆者の場合、数ヵ月ぶりのワインの翌朝から発声不可)
3.大気汚染物質が次々と飛来し続けていることが危機的環境
4.別の疾患を持つ高齢者、ダイエット中の女性など低体力者が危険
……対抗策としては、
「アレルギーを引き起こす添加物食品、牛乳その他、アレルゲン(抗原)関連食品、大気汚染物質を避けること」といった具体策である。
少し具体的エピソード的に説明すると
イ)筆者もそうだが、花粉症やアレルギーになったことのないような人に続発している現象がある。
ロ)大気汚染によって、添加物食品の多めの摂取により突然発症する。
ハ)ことに(放射能汚染と同じく)窓を解放することや換気扇は危険行為そのもの、大気汚染物質は通常の空気清浄器ではなかなか除去が難しい。
ニ)加えて、それまで牛乳など全く大丈夫だった人が、アレルゲン(抗原)関連食品を食べるとアレルギー症状は長引く。
ホ)鼻炎などは、長引けば鼻汁ばかりか出血に至る。医師の予防意識は弱い。
ヘ)そして、ステロイド剤の塗布や投薬に頼ることは危険極まりない。
ト)とにかく、出来る限りアレルゲン(抗原)を防御することである。
チ)大気汚染の粉塵などを社内や屋内に持ち込まない努力。
リ)ほぼ放射能粉塵の対策と同じである。大気汚染物質からの防衛。
ヌ)外出時の一般市販マスクは、網目が広くスキマがあるから効果はない。
よって、個別企業の対策も必要となっているわけだ。

=厚生省系官僚は昔から=、
エイズ、豚インフルエンザ、うつ病その他、「正確な把握が困難」との口実で、危険情報すら出したことがなかった。そのため、とても多くの人は被害を被っている。彼ら厚生官僚からすれば、満70歳以上は積極治療医療を行わないこととしている。その上に、こまめな治療をしたがらない人物は、「この際、大気汚染アレルギーで生命短縮!」させて、将来の発症単位患者の高額医療費発生を未然に消し去って行きたいのだろうか?
日本の官僚たちは、
公表することと、自分や自分の家族の行動パターンは別である。(原発事故で未だ家族を東京近郊の外に住まわせている官僚も多い)。このメルマガは、豚インフル、うつ病、心臓疾患など、いち早く、【個別企業の対策】をレポートしてきた。毎回、厚生省系の官僚が対策発表するころには、近似内容だが手遅れもはなはだしい。とくに、個別企業内の対策となれば、法的解釈も絡み、管理実務無知だから出したことが無い。労働省系の官僚に、職場の安全衛生対策とすべきところ、官僚の縄張り争いである。
そして、今回は大気汚染アレルギーである。
このレポート可能な理由は、私ども総務部の顧客連携と現場インタビューの洞察能力にほかならない。
官僚が危険情報すら出さないは、官僚機構の「政策能力の高さ」といった美辞麗句よりも、国民支配欲である。訴訟を恐れているのではなく、「話題にされることを恐れ」ているのだ。日本は、世界での地位が落ち込み続けているが、日本文化の水準も官僚により堕落させられている。


§益々、インフレ?政策が加速
その裏での実態経済は、今年に入ってからの低迷と、4月に入ってからの消費急落で、さらにデフレが強まっている。
A.株価の操作、インフレPRに踊っている人たちは、
命運や夢をかけてカラ元気を出している。経済の歴史を見ようとしていない。むしろ、踊って資産をなくす人が多発するのが歴史であった。「手っ取り早く富裕には、金持ち相手より、貧乏人からカスメ取った方が早い」といった経済原則を否定する、経済学者の思いついた「デフレ脱却」PLANに、そもそもの原因がある。(だからこそ筆者は、別対策が現実的と主張)。
B.政府の海外遊説による売り込みも、
農業その他の中堅・中小企業産品の全国的事業化は、遅きに失した感がある。それは、個別企業の体力(特に財務ではなく、新商品『固有価値商品』の開発能力)をつけてこなかった、官僚たちの政策失態が現状だからである。そこへ、7月参院選直後から始まる、金融機関の一斉貸しはがしで倒産・休業が増え、個別企業の取引相手や仕入れに変化が生まれるにも関わらず、だからだ。
これからは、中堅・中小企業が単独でイノベーションをした方が早い。
「C章 固有価値の質量増強イノベーションの進め方」
【固有価値商品の開発・提供】
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/22
C.大手企業は、しかたなく…
こういった開発能力が、自らの企業組織にはないことが判っているから、直に海外進出を狙っていると分析するのが正当である。素材産業、資源エネルギー分野を除いて、一斉に社員を海外に出すことでしか、細々ながらの生命維持しかないのである。海外でも、日本企業はEUの技術や資金力の攻撃にさらされている。事実上の、旧態依然の技術とマーケティングで、中堅社員を海外に出稼ぎさせているにすぎない。したがって、意欲を海外に行く社員こそ、不正常な経営感覚といった現象が生じている。「日立のV字回復」に対して、日立の元社員が一言、「新幹線の次の商品はなんですか?」と、その本質をついた。すなわち、新幹線システムを海外に売っても、そのシステムを改良改革能力がないのだ。
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/30
D.国内不動産会社は、
その多くが8月12日までの銀行決済を期限に、夢に踊る小金持ちへの売り込みで必死だ。不動産会社にとっては千載一遇のチャンスであるから、マンションや住宅建設が好調なのだ。インフレを信じて夢に踊る人たちがジョーカーのカードを引こうが知ったことではないという風に。当社(総務部)の近辺は地震にも大丈夫な地盤の大阪中心部。ここでもワンルームマンションの建設ラッシュである。既にワンルームですら空家が多いにも関わらず、交通の便と「駅から10分」とのうたい文句で、東京や埼玉の投資家ばかりが、10部屋~15部屋とまとめ買いをしている。おかげで街並みは荒廃、町内会でも議論になっている、中古マンションの空の「巣」は入居・復元が難しいからだ。


§内閣府:税制調査会の「消費税」タブー
消費税論議は、ヨーロッパが引き合いに出される。「20%程度当たり前」との議論である。ところが、本来はその国の様々な社会制度・経済構造まで見ておく必要があるにも関わらず、マスコミも含め沈黙である。
例えばイギリスの場合は、
消費税に相当する税金は、免税品目、ゼロ税率、軽減税率、標準税率となっている。
☆免税品目:医療費、教育費、郵便料金など
☆ゼロ税率:食糧品、書籍、子供服・靴、公共輸送運賃など
☆軽減税率:(5%)電気代、家庭用燃料、省エネ機器、住宅改装、チャイルドシート等
☆標準税率:(20%)その他の品物。外食費(昔から家庭料理の習慣)
☆ガソリン税:(67%)(経済全般の流通・交通や公共輸送政策の違い)
☆博物館・美術館は、基本的に入場無料(全額公費負担)おまけは観光客急増。
☆医療費は基本的に無料。妊娠出産費用は全額公費負担(病院に「会計」がない)
……イギリスでの消費税にまつわる商品開発の面白話。
消費税に相当する税金の導入とともに、ミニスカートが大流行。その訳は、ミニスカートはゼロ税率子供服だと定められたからである。生活文化型商品の反応は速い。
…日本の大手マスコミは、こういった議論を紹介することに意味がある。
にもかかわらず、新聞業界の消費税率の取引疑惑、読売新聞の財務官僚天下り受け入れが実態である。


§実体経済で、個別企業が伸びるには
誰もが、デフレの深刻化していることを、肌で感じて知っている。給与の手取りは4月から(社会保険料増など)減った。衣食住の生活物質の値下がりが続くけれど、それでも消費する生活余裕がないのが実態である。
「インフレ気分」は、それもこれも、財務官僚と手先の人たちが、消費税の実施のための統計数値がほしいためのパフォーマンスと分析するのが正解だ。
そこで、個別企業は、有能な社員を残し、高い採算の取れる業務改善を一気に進めることが、明るい希望がある事業の存在を決める。

あなたの固有価値を重視する人間発達と能力評価
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/250

職業能力評価表(固有価値焦点の絶対評価)の例
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/254

【戦後、繊維業界飛躍の背景
 ……繊維産業は、高度成長期の重厚長大産業政策の対象外だった】
過日、昭和29年の「近江絹糸の人権労働争議」のインタビューをした。
主力の彦根工場の組合長朝倉克己さん(当時19歳)から、ご存命で争議に至った背景の内実話を聞いた。当時は映画館のニュースで映像が新聞・ラジオで、会社と組合の争議の様子が毎日流された。戦前の奉公制度に固執して、中学卒の青年たちを工場内の寄宿舎に閉じ込め、外部との接触を遮断していた近江絹糸であった。裕福でないから定時制高校に通えるとの希望を持った、地方からの青年が大半であった。会社は外部との接触を断つため手紙を検閲、労働基準監督署が工場事務所から押収した手紙の数は約3000通(社員数12,000人)。青少年は離職率も高く、繊維労働者は日本の最底辺労働者だった。
争議は、ゼンセン(全繊)同盟と近江絹糸の対決の形。労働省の調査結果によると現在の米価換算で、組合の闘争資金は21億円(食堂を閉鎖による食糧支援を除く)、会社経費37億円。海員組合と全日通の近江絹糸製品輸送拒否ストライキを、船舶各社・日本通運も容認。仏教を強制していたため、仏教会は会社を批判。繊維業界も近江絹糸を非難。
 http://goo.gl/dBXMQ
その争議を通して朝倉克己さん(当時19歳)は、「賃上げや労働条件はゼンセン同盟がやってくれる。現場の我々は、高校と短大設立を要求して労使で学園委員会を作った」と、この点を一番に強調した。朝倉克己さんが言うには、「地方から出てきた私たちは、ただ勉強がしたかった」と、誰にも知恵を付けてもらわずに考えたそうだ。それで、社内の身分差別もなくなったそうで、高級官僚や学者、各界ブレーンも出たとのこと。
繊維各社は、こぞって、
この近江絹糸の工場内の文部省認可の高校と短大を真似して、中卒女性労働者を採用することに業界として成功した。これによって、政府の高度成長期の重厚長大産業政策の最中でも、繊維業界は飛躍の基盤を作ることができた。

……そこから、筆者が思うには……、
これを契機に繊維業界の労働者は、教育水準が引き上げられた。各社本社は大学出身者が多かったものの、それまでは、工場は中学卒で作業方針が理解できない。女子中卒の離職率は激しいから有能な人物は定着せず、経営方針が実施出来なかった。ちなみに、実に繊維産業の技術は化学であった。「この種の社会貢献」こそが、日本の繊維産業を支えたばかりか、繊維からの事業転換を成功させる基盤となった。
(現代に必要なOJT教育とは)
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/248

=低賃金の如くの安価な労働とは=
「様々な障害を労働過程に抱え、努力・尽力の割には小さな結果しか無いもの」である。
したがって、安価な労働による個別企業は、生産性が低く事業主以下報酬は低い。
そこに教育がなされていなければ、労働過程の障害を取り除くことも出来ず、生産性は低いままである。よって、同じ賃金額を支払うのであれば、教育水準の高い労働者を集め、労働過程の障害を解決すれば、利益水準が上昇することになる。
この経済理論に基づいて、世界で初めて(受勲した財政学者の京大名誉教授の弁)、個別企業の経済・経営学としての拙書が、次のWeb書物である。

「D章 日本経済を豊かに再生するための人間発達と教育」
【固有価値を創造するシステム形成】
 http://netclerk.net/WebShomotsu/archives/24
【コミュニュケーション力編】(表現力)
 http://www.soumubu.jp/appli/fb01/
【仕事実行力編】(実行力)
 http://www.soumubu.jp/appli/fb02/
【仕事能力アップ力編】(知識習得力)
 http://www.soumubu.jp/appli/fb03/

2013/04/09

第132号

<コンテンツ>
いよいよ、4月から方向転換する経済
明日の日本社会に希望が残る?
賃金増加報道の裏で、個人所得総額の激減
多様化という言葉の、コメンテーターのマヤカシ
にわかに、厚生労働省からのお知らせ
女性の社会進出といっても、裏の実態
個別企業と日本の復活対策の存在を知る(Web近日発表)
  (内容) 固有価値の製品とサービスの展開
      固有価値重視における紛争防止と解決手法
      固有価値の質量増強イノベーションの進め方
      日本経済を豊かに再生するための人間発達と教育
個人で出来る医療費削減
  【心臓、血管、高血圧】
  【高い熱】【感染症】
  【血管梗塞(前兆を観る)】
ちょっとしたトラブル増加の時代が到来
  =合意調整を行う専門家が使っている合意手順…開示=



§いよいよ、4月から方向転換する経済
それは、昨年末に政権が変わったとしても、この3月末まではそれまでの政策の残務処理期間であるからだ。そういった意味で、円安基調による物価値上がりの目白押しである。円安になったからといって、日本製品の輸出が増大するわけではない。それは技術低下を起こした製品は、既に世界からは見放されているからである。民間企業に向けて、こぞって海外進出の掛け声が広がっている。それにも関わらず、実態の進出数値はマイナス傾向にある。すなわち海外進出=海外出稼ぎ、或は日本の技術者・技能者の身売り(海外企業へ転職)なのである。サムスン、ハイアール、LGその他で働く日本人技術者は今後も増えるであろう。もちろん国民所得が増えるわけでもなく、今更法人税・事業所税を下げたところで、時既に遅しなのだ。
中国とは事実上の経済封鎖に入ってしまって、日本の経済成長の矛先ではない。近頃、レアアースや海中メタンガスといった資源大国?のニュースが流れるが、このメルマガで従来から報告している通り、昔から判っていた話を、急に今更実行し始めただけにすぎない。ICT産業革命の最中であるにも関わらず、日本国内の情報遮断は酷い。インテリジェンスやインフォメーションといった情報は、個別企業の戦略・方針を定めた上で収集するからこそ価値がある。道を歩いていて何か良いネタが落ちていないかなと見回っているような行為は情報社会とは言わない。まして、ビジネスの話となればTVやマスコミの話ばかりする人物が多いが、まさに家の前に座っているだけで、悪徳商売人の話を聞いているだけのようなものである。


§明日の日本社会に希望が残る?
であろうか。商品経済の芽が出はじめたころの研究をしてみると、決定的な要因は、人それぞれによるが「希望」である。希望があるから感動もするし益々意欲がわいて来るのである。希望がなければ、食欲・生命欲のなくなってしまう事例は数限りない。人間は共同体(日本の場合は社会共同体)を維持しているから自由の幅が広がる。孤独になれば自由が狭まり、経済学で言う、「朝から夜まで食料を求めさ迷い続ける人生」となってしまう。昔は、「宿命の自由」を求めることが多かったが、現代は、「選択と決断の自由」を求めるケースが日本では流行している。ちなみに、経済危機と言われるEUは、日本とは異なり地下経済が幅をきかせているために生活は結構豊かである。そしてEUのリーダーたちは、“人間の内心の自由を広げるために、社会、国家、経済(商品)が存在する”といった主旨を強調している。
日本のマスコミ関係者は、社会、国家、経済(商品)のなかのスキャンダルにしか興味がないから、無意識のうちに貧困へと猪突猛進している、これに間違いはない。


§賃金増加報道の裏で、個人所得総額の激減
マスコミは、今年の賃金引き上げやボーナス増加を報道しているが、国民の個人所得増加の絶対量はきわめて少ないのである。この4月から、労働契約法のPRも官僚たちは大々的に行ない始めた。すると、頭の切れる企業から順に有期雇用(期間労働契約)を増やして、消費低迷に対応した個別企業の人件費削減を行うのが当然のこととなる。それを見て、うっかりしている個別企業は、「有期雇用による人件費削減」の真似をすることになるが、所詮はうっかりしているのだから利益率の高い仕事は残っておらず、不採算受注と労働契約法の狭間に陥って不良債務(予想していない大型出費)が増えるばかりの構造なのである。金融業界の情報によると、預貯金を保有している企業は非常に少ないとのことである。そこに7月に予定されている「金融庁通達」でもって、中堅中小企業への金融機関の貸しはがしが起こるのである。筆者をはじめ私たちも、さまざまな情報発信やリサーチを行っているが、賃金増加や出費増加のニュースは、みんなよく知っていて、さすが、そこに注目が集まるのは偉大・献身の証である。


§多様化という言葉の、コメンテーターのマヤカシ
マスコミに登場する評論家たちは、そのほとんどがタレント化している模様と思われる。だから個別企業にとって重要な情報は語らない。最近になって連発する評論は、「多様化」だとか「多様に働く」といったものばかりで、じゃあその具体的な内容を語るのかといえば、一切話をすることがない。おそらく、その多様化の一つに、株高や不動産高騰の幻想にあおられて出資者が多くなり、この8月下旬からの「景気息切れ」に端を発して借金を抱えることになるのである。「そんなことはない!アベノミクスだ!」と鵜の目鷹の目の熱病に罹っている人は反論するだろうが、経済学や商品経済の長い歴史からすれば、昭和大恐慌の際に田畑を保証人になったために失った大多数の人たちと、やっていることは同じものなのである。
多くの日本人が、マスコミを信用せず、ネット情報にも疑いをもつようになった。きわめて信頼のおける知人・友人の情報(いわゆるコミュニティ)で毎日をやりくりしている。なので、労働意欲にも限界が生まれ、社会制度の不備で何千円~何万円の損失をしていても無関心なのである。その根源は、「多様化している」と他人をマヤカシ、情報遮断状態の人たちに、「自分のことは自分で判断して、自己責任を取るべきだ」と、番組出演で首にされないようにしている人物に問題がある。筆者も20数年前に、1年半のレギュラーTV番組とその後の録画の使い廻し番組に出演(日本初の求人就職番組)したが、見ている人にマヤカシのようなことを言わなかったからこそ、たぶん3年以上は放映されていた。


§にわかに、厚生労働省からのお知らせ
トピックスと称して、有期労働契約に関する新しいルールがスタートしました~平成25年4月1日から改正労働契約法が全面施行~といった如くのPR(行政用語は周知徹底という)が始まった。今まで静かに潜航的監督行政、若しくは65歳雇用延長の話ばかりであったところ、加えて(平成24年8月10日から施行)について、記者会見や記者発表を著者は知らないが、Webに掲載しただけであった。

>>>>ここから引用
4月1日から、有期労働契約(期間の定めのある労働契約)についてのルールを定めた「改正労働契約法」が全面的に施行され、有期労働契約に関する新しいルールがスタートしました。
【改正法の3つのルール】
1.無期労働契約への転換
=有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
2.「雇止め法理」の法定化(平成24年8月10日から施行)
=最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。
3.不合理な労働条件の禁止
=有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。
【詳しくはこちら】
http://krs.bz/roumu/c?c=8518&m=736&v=338f8080
<<<<引用はここまで

※むらおかコメント
6年目に突入する有期労働契約は、平成25年4月1日以後に開始するものからカウントすることが対象としている。その場合、職務、勤務地、賃金、労働時間などの労働条件は、それまでの有期労働契約と同一となる。だが、労働協約、就業規則、個々の労働契約により労働条件の低下などの定めをすることも可能としているが、民間の個別企業の場合、「別段の定めをすることで、変更が可能です」と、優しい解説をしているが、労働意欲、技術継承その他、民間個別企業の利益源泉については全く無頓着である。官僚たちは、民間個別企業の沈没を容認しているようなものだ。「どうせ日本は技術立国が無理、人口も減るからどうでもいいや!」と思っているのであろうか。


§女性の社会進出といっても、裏の実態
は報道されていない。ないしはマスコミ記者の取材能力低下である。専業主婦が急増したのは、団塊の世代の妻たちからである。結婚永久就職=専業主婦それとも職業能力を身に付けて安定職業につくかの選択であった。だが、それまでの女性は、何だかんだ言っても子育てもして働きもしていた。それが短大卒や四大卒が増加するとともに、女性採用数は増加してきたが、昇進もさせず、教育も受けさせず、結婚退職→出産退職といった社会構造を、暗黙のうちに作り上げてきているのが日本の現状である。これが女性差別事件の背景だ。ところがここにきて、典型的な形態は、四大卒女性社員に、司法書士、社会保険労務士その他の資格を取らせ、その教育資金には政府の雇用保険事業からの助成金を充て、ことば巧みに体裁よく「独立起業」を呼びかけるのである。確かに女性は、先進国の研究を見ても、子育て・家庭生活・職業をバランスよく行う傾向があるので、専業の国家資格者としての働き方は少ない、といった事情から、当該「独立企業」=失業なのである。華々しいのは、当初の退職金が残っているうちである。ある社会保険労務士相手の事業を営んでいる経営者が言うには、「事務所開業をしても3年以内に連絡がつかなくなる」といったことなのだ。そもそも、そういった専門職業の豊富な経験&高度な能力もないのに試験に合格したからといって、社会の役に立つわけがない。それどころか、国家資格というものは、「社会共同体に役立つために特別の責任を負う公民である」こと自体考えたこともない人達がほとんどなのだ。昔、バブル時代に、20代後半女性の1000万円近い結婚資金?を狙って、証券営業マンが、「君達に情報教えてあげるから!」と言って貯金を巻き上げたことを思い出す。


§個別企業と日本の復活対策の存在を知る(Web近日発表)
具体策を考えなければ、時代激変に伴う「流浪の民」として、ことわざによく出て来る、「心優しい人から順に死んで行く」の通りとなる。「選択・決断・責任者交代」といったトリックに期待はできない。じゃあどうすれば…今回は二つの例を提供するから、あなたが現在身に付けている職業その他能力を伸ばして切り開くことなのである。これを突っ込んだ書物をインターネットで、現在作成中であり、数週間後から、直ぐに役立つ節から掲載、現在激しくTV宣伝していても失敗する理由、中長期製造流通ネットワーク、といたものから順次掲載する予定だ。電子書籍出版ではない、その理由は出版社が絡むと、「中身が過去のもの」になるからである。だがお願いしたいのは、研究費用・発案経費・維持経費が掛かることから、「この方法は使える!」と思った方は、知恵・金銭・物資を問わず、「御志」をお願いしたい。現在予定しているコンテンツは次の通り。
(メルマガ号外で、案内をします。社長が直接有能人材の発見道具も提供予定)

『(仮題)人間重視:固有価値商品の提供と事業運営』
 ◇固有価値の製品とサービスの展開
  I.生活文化型商品の将来性と産業展開
    =生活消費を豊にする&内心を解き放つための商品・サービス=
   1.今の不況原因は「使用価値論」に固持し続けることにある
   2.これからも売れる商品には特色がある
   3.商品価値の「固有価値」理論の果たす役割
      ―使用価値から固有価値への商品価値転換―
   4.生活の歓び、そしてライフが充実するとは
  II.新しい方向・方法のマーケティングを見定める
     ―固有価値商品と使用価値商品のマーケティング差異―
   1.固有価値を持った生活文化型商品の売れるわけ
   2.手法や装置ではなく、マーケティングの兆しの発見
   3.固有価値の源泉や性質などを整理してみよう
   4.生活や家族、そしてコミュニティに欠かせないもの
  III.固有価値の価格決定概念と、その価格見積もり方法
   1.個別企業が価格決定に関わることについて
   2.生活文化型商品における価格決定権
   3.原価積み上げ方式の要因・要素
   4.固有価値の価格決定=相場決定方式の要因
 ◇固有価値重視における紛争防止と解決手法
   【受注販売活動の転換】
  I.商品交換で、消費者と生産者は対立していない
  II.契約自由、基本的人権などの社会生活システムを武器に
   1.日本の社会共同体の根本システム
   2.憲法条項の知識と、経営実務への具体化
   3.民法などに関係する基礎認識
   4.本人外が本人の代理をするとは
   5.時効による権利消滅の真意
   6.信義則とは何のこと、そのルールとは
   7.公序良俗とは何なの、時代での変化?
   8.その他、ちょっと便利な民法制度の知識
  III.紛争予防、事前調整・合意、創造的業務展開、労使の創造的関係形成
     -さてここで、「判定・利害決着型」及び「調整・合意形成型」、
      その解決方法の違いや特徴を考えるために体験してみよう。-
  IV.事件・紛争状態、クレームの創造的解決技法、豊かさ優先ならADR流
    紛争解決
   1.事件・紛争発生、はたまた社内の無言抵抗運動の背景
   2.商品クレームの創造的解決技法と信用形成
   3.ADR流の紛争解決手法で損失の回避
   4.合意調整を行う専門家が使っている合意手順
 ◇固有価値の質量増強イノベーションの進め方
   【固有価値商品の開発・提供】
   1.使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
   2.高度な固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
   3.「人をケアcareする」サービスのイノベーション
   4.サービス(服務)行動を提供する「13ルール」
 ◇日本経済を豊かに再生するための人間発達と教育
   【固有価値を創造するシステム形成】
   1.創造性(芸術性)の育成と鍛錬のポイント
   2.生活文化型事業の、劇的OJT教育と訓練とは
   3.あなたの固有価値を重視する人間発達と能力評価
   4.事業での「人」の役割ポイントと、労働の規律性・協調性
   5.固有価値商品の事業化や産業化のための規範的労働ルール
     (1)個人ごとの労働契約=固有価値商品としての労働交換
     (2)労働契約に担保措置をつけるための労働協約(例)
   6.おわりに(著者自身の固有価値と、その形成背景)


§個人で出来る医療費削減
「貧乏と病気は一緒にやってくる!」
このことわざに、ほとんど間違いはない。世界的に社会経済構造が変化しているのであるから、これまでの社会保障制度や老化・傷病防御システムを変化させれば、それに掛かる費用を削減出来る。費用の削減を先に行えば、貧乏な人から病気になって行くのは必然である。今の厚生官僚族の行動から観ると、あくまで私の意見ではあるが、20年後には日本人の人口が今の半分「六千二百万人程」にしたいのかと疑ってしまう。「国破れて山河と官僚あり」である。
少しでも、
個人も個別企業も、余計な生命保険に費用をかける必要がなくなる。
社会保障財源の解決を、マスコミあたりは難問のように扱っているが、筆者からすれば厚生官僚族の予算確保=地位保身以外の何物にも見えない。厚生官僚族の某政策担当参事官は「医療IT化と医療情報の利活用」と称して、またまた莫大な国家予算を導入しようとしている。だが、世界の社会保障制度の方向はそれとは全く違うのである。そういった研究はさておいて、あなたも直ぐ出来る事例を紹介する。
なによりも重要なのは、個別企業その他で職業能力を身に付けた人材が、心臓や脳卒中で、毀損または死亡してしまうことである。これも総務人事部門の、次代の役割である。法律で義務づけられている定期健康診断の実態目的は、時代の要請にこたえてはいないからだ。

なお、以前の総務部メルマガで紹介したように、一刻を争う症状は次の4つだ。
【息苦しい】【高い熱】【血管梗塞(前兆を観る)】【感染症】
もう一つ加えると、口数が極度に少なくなって来る。
筆者は、今から20数年前、心臓病で2年以内に死亡する難病の宣告をされた。でもまだ生きている。近年、昔からの薬品が病状改善薬になることが発見され、一見元気にはなった。ところが、心臓病の初期症状の兆候は医学界では研究されていない。専門の研究機関財団に問い合わせても、そういった研究の発案ですら無さそうである。そういった所まで、医師は研究していないし、多くの患者も無頓着。だが、予防することで大手術も長期入院も防げるし、なによりも家計経済効果は高い。筆者の場合、心臓病診断がされた途端に、甘く囁きかけてきた生命保険社員たちは姿を消した。

【心臓、血管、高血圧】
初期症状の治療薬は、1錠10円以下のものばかり、1日3種類服用しても18円に満たない。ところが、初期症状を放置しておけば、職を失ったり、入院手術費用で数百万円の確保が必要なのである。だから、生命保険に入ろうと思ってしまうのだが、18円/日以下の生命保険は存在しない。アメリカでは、初期症状を発見する医師へのインセンティブを支払う生命保険会社が増えてきている。
筆者が集めた初期症状の兆候と予防法は次の通り、今も発作予防で通用する。
1.まずは、発作が起きる前の冷静な時に、自分で出来る措置をすること。
2.胸より上の苦しさ、首、頭、歯、両腕を含めての痛み、それは個人差の症状が出る。
3.痛みよりも、息苦しさが危険。狭心症の痛みは慣れてくるし、痛みのない人もいる。
4.横になって寝ていると苦しくなり、座ると束の間は楽になり、また横にならなければ苦しく、束の間の苦しさを逃れるため座る。心不全の可能性が高い、にも関わらず心電図には現われない。
5.胸の痛みが出た場合は、大きな深呼吸を数回行ってみて、痛みに変化がなければ心臓の疑い。
6.痛いけど狭心症で直接死んでしまうことはない。が、そのまま何ヵ月もほっとけば心筋梗塞も起こしかねない。
7.心電図、ホルター心電図で発見されれば、中程度以上に心臓病は既に進展。
8.息苦しさを感じれば、自分で、左手親指の付け根を右手でもむ。痛いと要注意。同じく、左足の裏全体を、両手親指でもむ。痛い場合も要注意。右足関係なし。そのことで心臓に刺激を与え、心不全状態を緊急に若干緩和できる。
9.外出とか、トイレやお風呂場の寒暖の差が良く言われるが、もちろん注意。
10.もっと恐いのは、冷たい空気を吸い込むこと、心肺に防寒機能がないから反射防衛が出来ず急速悪化。
11.マスクやマフラーで防ぐ?その程度では防げない。最低ホッカイロで工夫。
12.夏でも冬でも、体に風が当たれば狭心症や心不全も起こす。エアコン・扇風機注意。その時は、風邪もひいていないのに、軽い喘息の現象、胸の奥から咳が出る。
13.咳が出て、薄い茶色のタンや唾が混じっていれば、血液逆流(心不全の特徴)。
14.夏冬を問わず、首にはスカーフ、手首、足首を冷やさないこと。汗が出る程度が安全、足首はレッグウォーマー、寝るとき首にタオルを巻くなど。
15.心臓が疲れてくると、足のふくらはぎがはれて痛みを感じる。運動もしてないのに。足のふくらはぎの痛みを筋肉痛や寝違えと勘違えと決めつける人が多い。
16.冬場はとくに、布団の中でも、足のふくらはぎが、夜中突然つってしまう。この場合、身動きが取れないし、声を出せる状態になく、ほぼ気絶。
17.心臓病は寝返りが出来ないから、フワフワした血流を阻害しないベッド・低反発寝具で治療の効果を挙げる。
18.野菜は、48度以上に加熱すると、心臓に効果のある酵素がなくなるとのこと。
19.野菜はぶつ切りの方が食べやすい場合があるから、工夫をしてみる。
20.塩分の多い汁は禁止。水分は心臓に負担をかけ心不全を助長する。どうしても水分が欲しくなれば0.3%食塩水(スポーツ選手は0.1~0.2%)を飲めば、細胞に直接吸収され心臓に負担がかからない。
21.コエンザイムQ10(還元型)は異常に効果がある。目安は1日90mgを4日以上服用。1日90mgを4日以上服用しても効果の出ない人の場合は、その心臓病の直接効果は弱い。(お肌の色艶は絶対奇麗になりますよ。だが顔に塗っても無関係)。
22.コレステロールを即効で吸収するには、刺し身用、若しくは湯がいたコンニャクを大量に食べる。油いためにコンニャクを使った場合には、コンニャクは食べてはいけない。
23.高タンパク質の部位は有効。肉の脂身は禁止。焼肉の油は厳禁。
24.イカ・タコ・エビ・カニは表面を油等で消毒する程度の生で食べること。生の場合は、コレステロールを分解する酵素が生きている。
25.卵の黄身、いくら・筋子などの卵は、必ず生だけを食べること。ただし、徹底して避けることが無難。(煮付ける、焼くことは、コレステロールの塊料理となり有害)。
26.抗酸化サプリメントは、長期に飲み続けると体力自体の低下を招く。
27.テレビで良く宣伝している如く、活性酸素を除去したければ、水素水を冷水に溶かして飲む。細胞に直接入るから。脳内はサプリ系物質は入らない構造になっている。
28.血糖値が上がり、糖尿病になれば、ほぼ確実心臓病に至る。
29.初期の段階で血糖値に異常があれば、米・パン・ラーメン・スパゲティなど全面禁止。お腹がすくなら、赤身の肉、大量の野菜でお腹を膨らませる。穀物類は禁止。
30.まんじゅう、ケーキ、砂糖菓子は、大量に糖分量が食べられないから可能。
31.「野菜から先に食べれば良い」といった方法は、穀物類の量を減らすだけの手段にすぎない。
32.心臓病には様々な名称がつけられているが、その医学的原因解明は相当先のこと。
33.心臓は頑張るから、その頑張る時期は持続活発化するが、ホッとした瞬間に発作・心停止がおこる。
34.とにかく、「がんばろう!」と思ったら、すぐ横になって寝ること。心臓が動いている間の治療とは、病院や医師は無理矢理眠らせるための投薬を行うだけ。
35.心停止の場合は60分以内の治療完了が生死を決める。
36.むしろ、ろっ骨が折れても心臓にショックを与える必要があると言われている。
37.心臓めがけて飛び落ちる方法もあり(傷害罪阻却…アメリカはこういった場合の法整備が完備されている)。
38.酒・ビール・ワインなど水分の多い酒類は心臓に負担が掛かるから禁止。呑みたければ、アルコール50度前後の酒類をロック・ストレートで飲むこと。(あくまで、リラックスするための効果を期待する)。
39.純アルコールに換算して20ccが適量との説がある。喉が焼ける人は、0.3%食塩水で水分補給すれば心臓に負担なし、普通の水や水割りは禁止。(あくまで、リラックスするための効果を期待する)。

【高い熱】【感染症】
個別事業に関することをいえば、次の通り。筆者は医師ではないので、労働意欲のある医師に相談していただくことを推奨する。数年前、豚インフルエンザが流行したとき、某医師が症状を隠ぺい?したために学級閉鎖となった私立高校が出た。神戸市の某医師は、勇気を出して徹底して保健所への対応を求めたため豚インフルエンザの流行を防いだ。
A.鳥インフルエンザをはじめインフルエンザは、マスクで防止出来ない。
B.もっとも危険なのは眼球の粘膜。ウィルスが粘膜に入れば10秒以内で感染すると言われている。
C.したがってマスクよりも透明サングラスやゴーグルの方が効果がある。
D.風邪やアレルギー鼻炎・肺炎との違いは、「喉の渇き&鼻炎症状のないこと」である。顔や指先と洗うことの方が重要である。
E.感染症で高熱が出るのは、身体がウィルスや細菌と戦っているときに発するものである。
F.身体の一部に障害が出ないように冷却する必要があるが、頭脳を守るのは容易だが、その他の臓器を守るための冷却(冷たい風にあたるなど)は肺炎を起こすから素人が行ってはいけない。
G.うがいはインフルエンザに効果はない。
H.風邪やアレルギー鼻炎は、直ちに0.45%食塩水(痛みは全くない)で鼻と副鼻腔を洗い、鼻全体を徹底して掃除することである。
I.病院やクリニック(ベッド数20以下)には、なるべく行かないようにして、保健所に対処方法を問い合わせる方が確実である。

【血管梗塞(前兆を観る)】
この分野は、筆者が十分な知識や情報確認法が弱いから、次のURLを参考に。
http://www.noukouso9.com/apop/zen.html
コレステロールを多く含む食品を好まない人、狭心症の治療を行っている人は、血管梗塞になりにくいという学説もある。脳梗塞をはじめ、血管梗塞の原因も、またまた解明中と言わざるを得ない。
ただし、
イ)突然好みの味が変わる、例えば、甘いもの好きの人が酸っぱいもの好きになる、酒が辛口から甘口に変わるなどの場合は、既に脳出血を発症しているとみた方が無難である。
ロ)その後に、医学的顕著な症状が現れるのである。
ハ)また、後に倒れるとか、後によろける場合も、脳梗塞を起こしている可能性が極めて高い。起立性貧血は前に倒れる。
後に倒れるのは、重篤心臓疾患と脳血管障害の場合だけとのことである。

すなわち
個別企業、日本の社会経済を復活させようと思えば、個人一人ひとりを病気から守らなければならないのである。なお、心臓病で亡くなる人が増加したため、いわゆる「癌」患者が増加していることは事実である。
繰り返すが、経済政策とは、こういった物事を指すのである。これはあなたの仕事でも然り。


§ちょっとしたトラブル増加の時代が到来
 =合意調整を行う専門家が使っている合意手順…開示=

(1)近年日本国内で、紛争解決のための合意調整を行う専門家が採用する手順は次のようなものである。通常専門家は、こういった合意調整ステップを当事者に対し事前に説明する。示談屋や事件屋などは、共通して「それは泥沼ですね!私に任せなさい」といった口調だけである。労使紛争に未熟な専門家は、国家資格をもってはいるが「合意調整ステップ」が身に付いていないことから説明できない。弁護士で労働問題を専門としている者は、きわめて少なく、「裁判所のいう和解(=金銭示談)」を求めてきた場合は、弁護士を変えるなど振り出しに戻すことが肝要である。
First. 話し合いに乗る意思が双方ともに在るのかの確認作業をすること(対決:和解いずれかの選択…「同意は法律に、和解は判決に勝る」)
Second. 双方ともが、論点についての事実関係の大よその整理を暗黙のうちに完了させていること(Conciliation)…整理から始める
Third. 要件事実の把握による裁判所への訴訟額積算見積を、双方ともに正しく把握すること(要件事実=後述参照)
Fourth. 妥協の条件となる、双方の「忌憚のない意見表明」には念には念を入れ、その完了・確認を待つこと
Fifth. 当事者間の調停可能(=共通意思の)部分(それは代替措置を含む)の整理をすること(Mediation)
Sixth. 対決的思考の揺れる場合など、合意後のリバウンドについて議論の過程を踏む作業を持つこと
Seventh.和解に向けて、双方の将来に向けた共同行為(将来措置を含む)の提案作業を行うこと(Reconciliation)
Eighth. 和解作業にあたり、双方当事者の関係者を納得させる理由の集積をすること(一旦、双方は「自宅に持ち帰り」、一夜おく)
(2)ここでの和解とは前述した(Reconciliation)で裁判所用語の「和解」とは異なる。論点とは双方の言い分の食い違いである。
(3)要件事実とは裁判所が審判を下すためのマニュアル基準のようなもの、労使問題では弊害も多い。
(4)訴訟額とは不払賃金請求額とかの請求金額である。
(5)妥協の前提には、「忌憚のない意見表明」が欠かせない。取引や示談には「忌憚のない意見表明」は行われない。避けるものだからトラブルの拡張につながる。
(6)合意後のリバウンドとは、後日予想される感情爆発や恨み・やせ我慢といった理性的でない感覚認知を指す。
(7)関係者を納得させる理由とは、法律、約束ごと、人間関係その他の項目であり、関係者に大義名分の立つ理由である。それは客観的合理的なものでなくて差し支えない。
(8)「自宅に持ち帰り」とは、社内で検討するとか組合会議で検討するということではなく、当事者がそれぞれ、最も相談をしたところの配偶者、友人知人の納得を得られるかどうか、またその時間を作ることである。即決の場合、労使ともに正式な決定機関の作業を経たとしても、必ず不満が残るとか怨念を生む結果になっている。
(9)合意調整の「破談」する危険箇所を回避する
1)抜き打ちに斡旋作業を開始すると、不毛な混乱を生む。
2)「必要ならまたどうぞ」との姿勢や公言で、強制的な合意を排除。
3)妥協の最中に取引を持ち込むと、和解成立後の真の合意は成り立たない。
4)大まかな事件パターンを設定(専門家に聞くなど)した上で進める。
5)闇雲に出来事を並べたてると、目先の現象ばかりに振り回される。
6)本質をつかむ手法で、適切な論述をすることが可能となる。
7)合意を破壊するような言葉が出たときの瞬間対処が重要。
8)過去をほじくると激突化、要件事実(法律判例分析)は激突論理を構成・促進化する。
(10)なお、ここでの説明は、社会共同体の制度を形づくる機関での話題が多くなっている。ところがその神髄やソース(例えば:みそ汁の出汁(だし))を踏まえて具体的方法のいくつかを組み合わせ実行すれば、職場内の日常的な紛争・事件の解決に十分役立つものである。
(11)もちろん、固有価値商品を受注販売する過程にあって、提供・販売したと顧客・需要者との関係においても然りである、その理由は、固有価値商品は機能や数量だけを交換しているのではなく、商品交換を通じて人間関係・社会共同体関係を成り立たせているからである。

2013/03/05

第131号

<コンテンツ>
 今月は、通常月の2倍を超える分量です。
 面白そうな小見出しから読んでいただいても、
 多くのヒントを得ていただけるでしょう。

日本経済の行方は混沌としていて、
円安誘導政策で、日本経済を立て直そうとする幻想は、
生活必需品の物価高は秋から顕著
日本経済と縁を切りつつある中国
どこを探したところで良い話の存在する訳がない。
日本で初めて、職業能力=自己診断&向上の無料ゲーム誕生
改正:高年齢者雇用安定法の=駆け込み相談
ビジネスはタイミング、その主要な中身は、
もう一つは、仕事のできる人材がいなくなったこと
混沌とした状況なら、根本的な所から考えれば答えが出て来る。
  *今の不況原因は、商品の価値を「使用価値」に固持するから
  *なぜ便利な経営手法や学説が広まらないのか。
  *これからも売れる商品には特色がある
  *商品価値の「固有価値」理論の果たす役割
  *〔補足A〕昭和27年、職業安定法の施行規則改正で…
  *〔補足B〕固有価値の萌芽(Intrinsick vertue)
豊かな経済再生の、個別企業具体策
ビジネス創造性(芸術性)育成と鍛錬のポイント


§日本経済の行方は混沌としていて、
どちらにどう向かっているのか、不透明としか言いようがない。TVやマスコミは、ICT産業革命により経営危機を喰って、ポピュリズム(大衆迎合)に陥って、安上がりで視聴率の高い番組、売れさえすれば良い新聞雑誌に狂奔している。したがって、読めば読むほど、見れば見るほど、社会や経済の行方から遠ざかってしまう。ただはっきり言えることは、前も今も政権が代わったとしても、いずれも今の財務官僚あっての経済政策なのである。華々しく派手な話も、財務官僚がブレーキをかけるからうやむやになっている事柄が目立ってきたのは、読者のみなさんもご存じの通り。


§円安誘導政策で、日本経済を立て直そうとする幻想は、
幻想自体が見えなくなってきた。円安で輸出が伸びるかと思えば、幻想ばかりの話だけ、実際の数字が伸びていない。むしろ、輸入品や食料品の値上がりが相次いでいる。その影響は、輸出品の原材料である輸入品のコストが上昇し、円安になったところで輸出品の値上げをせざるを得なくなる…こういった構図は目に見えている。日本は加工立国であり、技術立国を目指したが失敗した。家電企業からリストラされた有能な日本人技術者たちは、今やサムスン(韓国)、ハイアール(中国)で大活躍している。工業製品で重要な物は「金型」であるが、その金型職人は海外へ海外へと異動している。
加えて、今年夏の参院選挙が過ぎれば、金融庁は金融機関に対して「貸しはがしOK!」の通達を出すと言われている。金融業界ならだれもが知っていることだ。今日現在の銀行員は、貸しはがしリスト作成のための情報収集である。中小企業金融円滑化法の終了とは、この動きの口実にすぎないのが実態である。だから、中堅・一般企業も貸しはがしの対象である。某信用調査会社の話によると、きわめて多くの中堅中小企業は、これまでの貯金を食い潰して生きているとしている。不動産をはじめその他投資にしても、過去に経験したように、本年8月12日までの現金回収が生死の分かれ目を決める。8月のお盆休みを過ぎれば急落することは目に見えている。そんなことが分からない経済学者は、評論家であり学者ではない。


§生活必需品の物価高は秋から顕著
になってくる。これは財務省も予想しているところだ。その前に、さまざまの法改正で労働者の手取り収入が、この4月1日分から5%前後マイナスとなる模様だ。益々、景気は落ち込む。こういった経済状況見通しを認識した上で、経営管理が必要なのである。
多くの人が好まない近江商人は、企業は残さず人材を残す。会社や商店などは、浮き上がったり沈んだりする道具としか思っていない。「会社組織に執着する近江商人はニセモノです」。すなわち、「いちど死んで、次に復活する」といった発想である。ただし、本当に企業を潰すのではなく、一挙に有能な社員に入れ替え、事業転換する、現実的方法だ。だからこそ、日本で商品経済が芽を出したころであろう鎌倉時代の末期から、戦国時代、江戸時代の大不況、昭和大恐慌といった長い歴史を乗り越えてきているのである。ある有名な財政学者から、私に学術的証明を依頼されたが、それは幼少の頃からの家系と地域の会話による伝承なのであるから、祖父母・両親・当事者の共通センス&哲学としか言いようがない。話は経済に戻って…。


§日本経済と縁を切りつつある中国
中国が、日本に対して経済封鎖をかけてきていることなど、全く報道されない。尖閣諸島関連のジャパン熱病でワクワクする話ばかりをマスコミが流す。お人好し・現実知らず(記者の多くは現地取材しない)のマスコミたちは、「日本がいなかったら、中国経済が困るだけだ」といまだに話す時がある。もう半年前から事態は変化し、中国に対してドイツがユーロ安を武器に進出、中国への資金投資と技術協力は今やドイツである。中国からすれば、日本にはもう用事がない。だから尖閣諸島に関しても、アメリカを警戒しながらギリギリまで挑発して来る。ついでの話だが、北朝鮮もドイツと経済協力に入ったから、「日本経済なんかあてにしない!」といった状況に入っている。こういったニュースは、日本のマスコミ以外から次々と入って来る。


§どこを探したところで良い話の存在する訳がない。
そんなことすら分からない経済学部卒業者が蔓延、日本の高等教育の弱点がさらけだされている。だが所詮、日本の企業は大企業を先頭にそのほとんどが、経済・経営・法律関連の大学院卒を採用拒絶していたから、欧米の企業とは落差が激しい。なぜ採用しなかったのか?それは能力のない社長を先頭に管理職が大学院卒にとってかわられるからにすぎない。ではどうすれば良いかは、根本的なところから考えれば答えが出て来る。それは、これからの文章を読めば解る。解らなければ、経営管理のセンスがないから、転職した方が良い。
Aエコノミクスに公共事業の期待をする人も多いが、まさに無知の象徴である。生産もせず、能力低下を起こす労働者、そこに架空財源を作り借金をする。これをめぐって「おこぼれ(利権?)」争奪に躍起になる。国内は乞食まがいの様相である。大手企業は海外へと身売り状態の出稼ぎ。こんな余波を受けて、業務改善・新規事業・優良企業までが余波を受けている。多くの企業は貯金の食いつぶしをしている。
…いまや有能労働者集団事業で無い限り、企業組織維持を図ろうとすると経営は破綻する。人も事業も「死ななければ復活しない」との心がまえ(本当に死ななくても良い)が必要となっている。現代日本には、そういった心構えを持つ経営者は激減している。


§日本で初めて、職業能力=自己診断&向上の無料ゲーム誕生
2月6日、株式会社総務部は、自己で職業能力と向上のための診断ゲームを開発した。現在無料版をFacebookで配信中。企業をおしなべて絶対評価と能力向上ポイントをマンガで作成している。「ゆとり世代」をターゲットに、彼らが教育されるのを嫌がることなく、自らの方向を学べるように設計されている。こういった情報能力関連のゲーム教育は日本での開発は初めて。

  チャレンジ「自分らしさ」
   第1弾 コミュニュケーション力
    http://www.soumubu.jp/appli/fb01/
    (スマホにも対応)http://bit.ly/THrYiY
   第2弾 仕事実行力編
    http://www.emotion-jp.net/check/soumubu/fb02/
    (スマホにも対応)http://bit.ly/ZeqwI2
   第3弾 「仕事能力アップ力」
    http://fbapp.jp/soumubu/fb03/jump.php
    (スマホにも対応)http://bit.ly/ZFdDqC

ゆとり世代の「学びたいけど教えられたくない」といった要望に応じた「職業教育」である。2月6日の発表後1ヵ月で、ほぼ口コミを通じ5万人以上に広がりつつあると推測。
「ゆとり世代」での、ひねてしまった子、ミエで暮らしている子、目的も夢もない子…この子たちが変化成長するよう仕込み、その効果は顕著である。芸術的要素も組み入れたことから、占いや性格診断の領域は超えている。従来の診断ゲームのように過去の分析と欠点の指摘ではなく、肯定的に自己診断し将来の能力向上と希望に真剣に取り組みたくなるような設計である。無料でPCでも試すことができる。若い子たちの採用、物になる若者の発見に役立つ。そもそも、光っている子は3ヵ月経てば何をやらしても格好は付ける素質があることに着目したもの。(それを潰すのは中間管理職かもしれない)。「ゆとり世代」の対策と叫ばれても、実態は排除とイジメが多い中、先進国基準での自己開発のひとつとしても日本初。春には、診断による適性相場賃金、職業能力向上の具体策、タイプ別セイフティネットを付け加えた詳細正確な自己診断開発アプリの発売を予定している。

===あなたの「自分らしさ」診断アプリ===
   第1弾 コミュニュケーション力
    http://www.soumubu.jp/appli/fb01/
    (スマホにも対応)http://bit.ly/THrYiY
   第2弾 仕事実行力編
    http://www.emotion-jp.net/check/soumubu/fb02/
    (スマホにも対応)http://bit.ly/ZeqwI2
   第3弾 「仕事能力アップ力」
    http://fbapp.jp/soumubu/fb03/jump.php
    (スマホにも対応)http://bit.ly/ZFdDqC

§改正:高年齢者雇用安定法の=駆け込み相談
3月31日までの手続きがせまり、相談が急増。役所の説明は労働契約法との関連を解説しないものだから、手抜かりの個別企業も多い。満65歳まで定年を延長するのであれば、さほど問題はない。退職金もマイナンバー制導入とともに影響が出ることなど忘れ去られている。過去の総務メルマガに解説をしている。手抜かりがないかチェックが必要。
  §〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
    http://soumubu1.blogspot.jp/2013_01_01_archive.html
  §4月1日、労働法改正にまつわる質疑
    http://soumubu1.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html
  §改正労働契約法と効率的労働力確保
    http://soumubu1.blogspot.jp/2012_10_01_archive.html
  §高年齢者雇用安定法、その改正の意味するところ
    http://soumubu1.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html#11
  ・労働契約法=解説ドキュメント
    http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc


§ビジネスはタイミング、その主要な中身は、
「ビジネスチャンス」+「ビジネス時刻」である。これを間違えれば、「没」なのである。今の日本の多くの企業が、
 1.チャンスがころがっているのに気付かない
 2.ビジネス時刻が、会議や根回しをしている間に過ぎてしまう
この二つの原因でタイミングを失っている。人材、投資、時間、貯金、総てが「没」。


§もう一つは、仕事のできる人材がいなくなったことである、特に大手企業から。仕事が出来ないとは、誰かに言われたことは出来るのかもしれないが、自分で新たに切り開く能力がないことを意味する。そのため、混沌とした経済社会状況の中であれば、自ら事態を切り開く仕事を行うのが本来ではあるが、誰からも大局的指図をされないため、毎日を安穏と暮らし、毎日を惰性で過ごしているのが実態である。ビジネスは惰性では成り立たない。


§混沌とした状況なら、根本的な所から考えれば答えが出て来る。
│なお、相当専門的なので、面白そうな小見出し、項目から読んでください。
│読む順序がバラバラでも大丈夫。あなたを納得させんが為にレトリック(修辞学)
│は使っていませんから。

今の不況原因は、商品の価値を「使用価値」に固持するから
である。使用価値とは、簡単にいえば商品の機能や数量そのものの価値を指す。商品を使うときの雰囲気や状況あるいは人間関係といったことなどは無視する考え方である。現在EUでは経済論議とともに哲学や社会学がない論議されているが、「人々の内心(注:良心や思想などのこと)を解放するために経済や商品が存在する」とまで訴えられているが、事実これがEU統合の柱となっている。
(1)現在の「いわゆる不況」の原因は、従来のような過剰設備による反動から来たものではない。日本の経済発展の社会状況を度外視して、使用価値にばかり焦点を当て商品を開発する理念だから、いつまでたっても個人消費の拡大が出来ないのである。だから何時までも景気低迷をおこしている。
(2)世界規模で見た場合では、たとえ不均衡に経済が発展するものだとしても、日本をはじめとした経済先進国にあっては個人消費の伸びが決定的に重要となる。発展途上国には経済先進国の資金や技術が投入されることで、数字での世界経済は成長だけはするかもしれない。しかしながら、経済先進地域にあって経済発展はおろか経済的豊かさが後退する可能性が高い。
(3)経済的豊かさとは、「個人消費と生活満足度が有機的に結合してこそ実現するもの」なのであって、とりわけ世界の経済先進地域においては、経済的豊かさにおいて、経済発展の原動力になっていると考えられる。この経済先進地域とは、日本国内での比較的に経済の豊かさを保つ地域(それは地方の中核都市であり、大都市圏に点在する地域)と考えられる。これらの地域は日本全体や流通経済圏全域ではなく、その内の局所的地域である。そこでは経済的豊かさこそが原動力となり追及され、確かにその傾向は少なくとも経済発展を果たしている。
(4)日本国内の「失われた10年×2回」が過ぎた現在、国内景気を回復させるには内需を回復させることだけでも十分可能である。そのことは、今や経済専門家の共通認識である。なにも無理して海外進出する必要は無い。ところが、国の経済政策担当者や多くの経営者が、ここまで認識しているにもかかわらず、国内景気回復の兆しは見えず、日本が失われた10年の3回目に突入しつつあるのはなぜなのであろうか。
(5)ややもすれば、「気力と熱意」ばかりを発揮するあまり従来型の政策や、伸るか反るかの事業経営を推進することの危険さに気がつかず、益々危機を深めつつある現象である。「通貨供給量が増えれば、金回りが良くなって、みんなが物を買う」といった「おとぎ話」では、現実の事業経営や経済政策は失敗する。「一方で儲かる者がいれば、他方で損をする者がいる」といったレトリックは、自給自足経済時代の「世間体」を優先する時代の代物で、経済学の学問ではない。
(6)そういった景気や経済のことを、抽象的には理解が出来ても、国の政策、個別企業の事業経営において、具体的な打つ手が明瞭にならない原因はどこにあるのであろうか。それは、いつまでたっても経済を論ずるにあたって、むやみに「使用価値論」をこじつけ、使用価値(効用価値等)と交換価値の交換へと、論理を教条的に進めるからであると考えられる。また、その原因を探るためには、なぜ人々は商品を購入するのか、なぜ物資が不足していても購入されない現象が出るのか、なぜ値下げしたからといって販売量が頭打ちとなるのかといった、数々の疑問にも、それも同時にこたえられる事が肝要である。
(7)経済先進国の販売の伸び、決してこれは、「経済のサービス化」であるとか人間の余暇・文化・芸術への関心の高まりなどと言われる経済現象の類の物事が原動力となって、個人消費の拡大がなされているとは考えられない。この経済現象は結果であって、むしろ個人消費の拡大に資するイノベーションが、もっぱら使用価値を超越した固有価値の創造にかかっていると考えられる。使用価値に何らかの価値を付加した、いわゆる「付加価値」論といったものではない。巷にあって、経済外的付加価値論として有名なものが、実態は詐欺行為であったり、陰湿な人間関係のしがらみを悪用した販売であったり、弱い立場の購入者に法外価格で売りつけることその他の横行である(8)したがって、不況からの脱却を大量生産型の技術革新、市場確保そして設備投資に求める定説は、百歩譲ったとしても、それだけでは不十分と言わざるを得ない。すなわち、先ほど述べたような経済外的付加価値論が織り交ぜられる実態が現状だからである。独占禁止法による規制、コンプライアンスの呼びかけ、企業の社会的責任などが注目されようとも、現実に水面下では、こんな風に無視されているケースが後を絶たない。
(9)大量生産するための技術面イノベーションは、その多くが商品の原材料や素材の柱となる、使用価値の部分にかかわっている。だから、原材料が安価で供給されるようなイノベーションが行われたとしても、むしろ最終消費商品の価格が上昇し、そのことで商品の利益を純増させているのが現状である。それは、大量生産の規模で事業の勝負をかける経営管理というものは、経済活動の牽引要素、経済波及効果、経済開発対象地域か否かといった事項を、「どんぶり勘定」方式で観察する習慣であるから、個人消費の実態分析に困難を極めている。もちろん、それぞれの商品を、どんな人が欲しがり、どの地域で良く売れ、地域ごとの販売価格差の善し悪し、地域ごとの採算割れ、現商品の将来展開調査といった物事は、ことごとく無視される実状にある。そもそも、「物事が存在するところに初めて真理が成り立つのであり、真理を発見した後になって実践を予定するとしても、既にそこには真理そのものが存在しない」といった基本命題すらも無視される。「金融資本の投下決定者の了承さえ採ればよい」、それが大量生産規模の事業経営での現在の実態なのである。
(10)ここで、今一度個人消費の拡大について考えてみる。
One 今や従前と同様の商品を提供したとしても、これに対する消費者の購買意欲は増加しない状態である。だからといって価格の値下げを断行すれば一時の販売量増加が認められたとしても交換価値の増加が図れるわけではない。そればかりか、むしろ売れ残り商品として交換価値がさらに激減し廃棄されるのが現実の姿である。こうやって自ら、売れたかも知れない商品が、売れなくなる道を招来する。
Two あるいは、単に賃金増加や福祉的に消費者の購買力増加策を行ったとしても、購買意欲が伴わなければ貯蓄が増えるだけで個人消費にはつながらない。「欲しくてたまらない商品を入手するために一生懸命働く」といった購買意欲は、やはり稀薄になるのである。若年層や子育ての世代にあっての商品購買意欲は著しく低下しており、その現象は「不要不急のものは買わずに貯蓄に回す」傾向が強い。ところが、これを将来不安に対する貯蓄説とも主張されている。だが、それでは国民年金保険料支払い拒否や厚生年金加入敬遠などの非効率的非安全な社会への思索傾向との辻褄が合わない。仮に、そういった意識の中にあっても、欲しくてたまらない商品であるならば、カードやローンで入手している若年層の姿が見られることに整合した正しい分析にはならない。やはりそこには購買意欲の希薄さが現れているのである。
Three さらに、貯蓄が増えたからと言って、また民間生産者側の資金需要は在ったとしても、売上高増加を目論むことが出来る投資先は見当たらない。そのことから、金融機関も当然のことながら不良債権リスクの高い資金貸付を見合わせている。消費者の「福祉(賃金水準)向上」、個別企業の「経営管理のイノベーション&商品技術のイノベーション」及び金融機関の投資による売上増加見通しすらが、有機的に結合しないベクトルが現状なのである。それは、中小企業も然りである。
(11)現代経済や現代生活とは遊離していることにも気づかず、「商品は使用価値(限界効用)のみが交換価値に転換される」といった、そんな視点やドグマに縛られているからこそ、個人消費を取り巻く矛盾若しくは不整合性が解明できないジレンマと考えられる。使用価値(あるいは限界効用)に付加される曖昧もことした「付加価値」の視点を取り止めて、商品の固有価値としての論理を当てはめている事例では、個人消費拡大のための着想・発想が次々と、経営の現場では組織的に生まれて出でている。それらは経済や経営の学問からは逸脱していると言われるところの、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、プレタマルシェ、DVDレンタル、カーシェアリング、テトラパック、ICTサイトその他である。
(12)ちなみに、1929年の世界大恐慌の後に売り出された商品、すなわち、現代では当たり前の商品は、アメリカでは低価格小型自動車、スポーツカー、IBM計算機(初期は手回し)、電気洗濯機、トースター、冷蔵庫、当時の日本ならば洋服、洋食、キャベツ、金属洗面器等などであった。だからここでも、「物事が存在するところに初めて真理が成り立つのであり、真理を発見した後になって実践を予定するとしても、既にそこには真理そのものが存在しない」のであった。だから「使用価値(あるいは限界効用)」や「付加価値」にこだわってはいけない。
(13)よって、個別企業の、「経営管理のイノベーション&商品開発のイノベーション」を進め、今の社会に適合した「高固有価値製品や高固有価値サービス」を、商品の固有価値として科学的に持たせることが注目されるのである。この方法を個別企業の経営に当てはめれば、適切な安定した価格決定も行われ、これにより業績拡張と利益増をはかることが出来る可能性が担保される。ことに「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」が有機的セットで行われる事業システムが、固有価値を生み出す源泉(ここが従来の労働価値説とは異なる)である。このことを自覚認識することで、正当かつ適正な賃金や報酬を維持することが出来る。「商品交換が活発化し+賃金も適正化され=具体的内需拡大」が図られる。それは、このことを自覚認識した経済グループ単位の範囲から率先して成り立たせることができる。これは、地域であり、地場産業であり、都市部の一角であり、ICTでネットされたグループである。

なぜ便利な経営手法や学説が広まらないのか。
(1)それは、アメリカにおいてさえ、NPOといったスポンサー付きの経済学研究は所詮、そのNPO理事たちの(もしかすれば素人)思考水準に、研究程度を落とさなければならない。
(2)日本では明確に、政府の審議会であれば官僚の思考水準に、大学等研究機関であれば「教授会や理事会」の思考水準に、研究程度を一致させなければならないからだ。
(3)日本の出版社の多くも、話題になって売れさえすれば良いとの出版方針である。そういった思考水準の質・創造性・世間体といった中身を、見直す必要があるはずだが。…残念ながら、われわれ経営者はそう考えざるを得ない。
(4)機能や数量といった商品の使用価値とか限界価値ばかりに目を向けていれば、「より少ない財の消費」を追及する商品を多種多様に生産・販売し、結果的には安値を強いられる経済循環に陥らざるを得なかった。
(5)加えて、個別企業の販売営業マンに良識があれば、「よりよい品を、より安く売って来る」あげく、経済循環が出来なくなり、今や、「お金」がないから買えませんといった消費低迷の結末を迎えた。「より少ない財の消費」は、労働生産能力や賃金・報酬といった個人の消費購買力までを抑えることとなった。
(6)どうしても、機能や数量の商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、巨額の金融資本の先行きに翻弄される。ところが、近年のヒット商品、例えば、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、カーシエアなどは、商品の固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り、その関係は売り手と買い手の創造的和解(reconciliation)の関係を形成している。数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあった時代の商品価値は、固有価値であった。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値を3セットで見いだした。
(7)ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん=Made in Japanは見向きもされなくなった。仕事の出来る経営幹部や技術者は、この15年ほどの間にリストラされた。
(8)だから日本は社会主義の計画経済と同様の道をたどった。中国部品でもA級品はあるようだが、日本製より高品質ながら価格も高い品物が存在しているが、まず知られていない、当の中国も高品質製品の量産意思が無い。
(9)なので、 こういった原因 & 事情を克服しさえすれば日本文化に基づくMade in Japan製品とサービスを再び世界は買ってくれることになる。

これからも売れる商品には特色がある
(1)従来から売れる商品というものは、次のいずれかに該当(重複該当する場合もある)している。 
  (1) とにかく価格が安いこと
  (2) とにかく機械的かつ合理的であること
  (3) いわゆる本物、もしくは本物指向
  (4) 健康、遊びに関連していることこの4項目のうち、(1)と(2)が工業文化の支配的な工業文化型商品であった。
(3)と(4)は生活文化型商品、生活文化型が支配的になろうとする意図が存在する。生活文化型商品はいずれも、その商品を入手して使用することでもって、そこでの人間関係を改めて充実させることにはなる。
(2)すなわち、(3)と(4)は命と健康の維持範囲を超えて人間同士のコミュニケーションや意思疎通をより充実させる意味が込められる商品である。工業文化型商品は使用すれば経年劣化を起こすとして「商品価値」を換算するならば時と共に低下をしていく、若しくは廃棄される。生活文化型商品は、固有価値が高いほど「使い込んでいく」ことにより、(流通するかは別として)その価値量は増加していく。数少ないが、商品として流通する場合は高値を呼ぶ。例えば、大量生産の安いギターはスクラップにしかならないが、高級なギターは購入時よりも経年使用頻度が高くなれば価値価格は高くなっている。

商品価値の「固有価値」理論の果たす役割
(1)商品には使用価値(若しくは限界効用)、及び交換価値の2つの側面の価値があるとされて来た。ところが、この使用価値よりも広い商品価値として、交換価値とは別に商品価値が存在し、交換価値として取引される世界が生活文化型商品や感性文化型商品の世界である。もちろん固有価値の存在を認識することから、「サービスと言われるものの業態」にも法則性論理性を認める萌芽が生まれてくる。
(2)現在までの経済社会の学術理論では、一方では、使用価値の範囲に限定しての交換価値が、価格決定要素として重要な位置を占めて来た。それは、労働価値説から労働力価値説(労働ではなく抽象的労働力投入時間価値)へと変遷であった。そしてさらには、今や政府や厚生労働省の日本型賃金決定理論基盤の共通認識となり、主要労使団体や主要政党の間での理念的概念の隔たりも無くなるに至った。この日本型賃金決定理論が現実の重層下請における発注価格を左右している。それは、労働者派遣価格や偽装請負価格以前の、いわゆる大手企業の外注工賃や構内下請価格に影響していた。〔補足A〕
(3)他方では、そういった、いわゆる古典派経済学に反発してなのか、効用価値から限界効用理論へとの方向に、「商品価値理論」(その商品価値を分析するのではなく取引価格決定理論なのだが)も理論変遷して来た。ところが、日本では近代経済学と言われている ケインズ、スラッファは、
(そもそも近代経済学とかマルクス経済学とかに色わけすることなど世界では行われていない)著作の中で労働価値増殖を認めていることが知られていない。〔注1:ピエロ・スラッファ『商品による商品の生産』1960年を参照〕。ケインズの著作『雇用・利子及び貨幣の一般理論』の題名の頭に「雇用」が冠されて、効用理論の教科書と言われる著書マーシャルの『経済学原理』(この著作は版を重ねるごとに理論発展する)で、高水準の賃金が生産能率(当時の能率とは現代用語よりも幅広い意味)を向上させると考えており、その意味で労働価値増殖を認識していたのである。
(4)最近の研究では、古典派経済学の集大成とされるマルクスは、その著書『資本論』の中においてさえ、商品価値=労働力価値説とは言っていないことが判明しつつある。いよいよ資本論研究者の中での論争も決着しつつある。
(5)ここ数年のアメリカにおける非資本主義運動のひとつの論理には、「貨幣による資本投下を唯一経済活動と考えることでは、いつの時代もどこの場所でも大規模生産優先に取りつかれている社会制度にあっては、労働時間で換算する“抽象的な労働力”を必要とし、労働時間換算だけでは換算することができない具体的な農業や職工業の具体的な労働価値を、社会通念労働者の労働時間賃金換算からはみ出てしまう具体的労働価値切り捨てるまでに至っている」、との理論(あくまで村岡の理解)も研究発表されている。グローバル経済を展開するアメリカ経済内部での、「ウォール街占拠運動(我々が99%)」などにおける、非資本主義運動の彼らは、伝統的階級闘争を否定して、“社会構造と哲学や価値観の変化を求める”としているようである。〔注2:モイシェ・ポストン(シカゴ大学)『支配・労働・時間』筑摩書房2012年10月翻訳出版〕。
(6)ところが、現場実務や実践的な商品価格決定や労働価格決定の世界では、こういった経済理論では解決は付けられようがなかった。しかしながら、商品生産が活発になり始めた時期、すなわち、産業革命が始まる直前の社会を紐解いて、固有価値の商品理論が存在することが発見・研究(池上惇京大名誉教授)がなされたのである。固有価値といった商品価値を最初に思いついたのは、ニコラス・バーボン(マルクスの資本論に「老バーボン」として登場)である。〔補足B〕
(7)こういった発見・研究の理論成果から、商品価値=固有価値及び交換価値との分析が明瞭に可能なのである。生活文化型商品や感性文化型商品の商品価値は固有価値であり、実際その世界での商品取引で固有価値が交換価値として明瞭に通用しているのである。それは、イタリア経済の生活文化型商品群、北欧経済の生活文化型商品群(これらイタリアと北欧の経済経営理論は、現在米英の理論とは分離区別され研究されている)においても、明瞭に商品価値(固有価値や交換価値)が解明できるのである。
(8)すなわち、固有価値とは、「需要者の購買・使用・保存の過程に具現化される意欲・感動・希望といった行動を生じさせるための商品に仕込まれた価値である」と定義づけられるのである。だが、固有価値といっても、まったく新たな価値形成ではなく、従来から世界各地で新商品、新規事業、新サービス、ベンチャーと言われる、もとより生活や感性に密着した商品群に含まれていたものである。曖昧極まりない「付加価値?」と言われる商品価値の一部でもあったし、「曖昧な付加価値論(寡占的価格や詐欺的商法)」に陥らないことによって形成されている商品価値でもあった。工業技術的イノベーションに基づく新製品や技術革新としての商品原価引き下げと、従来商品の販売価格との差益増大とは意味が異なる。
(9)現在の傾向は、「便利になったから高価格は当然」とするレトリックが受け入れられる社会になりつつあり、その最たる事例は、日本の携帯電話通信料金にみられる、設備投資の費用は少なくてすむにもかかわらず、通話料が異常な高値である、といった販売価格戦力とは異なることを意味している。
(事実、中国・インド・東ヨーロッパ大陸では、当初から光ファイバー敷設ではなく基地局増設やレーザー通信150メガが、設備費で進行している)。とりわけ、工業文化型イノベーションでは、商品を入手する側の希望といった要素が欠落しているところに特徴がある。
(10)したがって、この「固有価値」の理論解明がなされたことによって、生活文化型商品の産業展開、改められたマーケティング手法の基礎、商品の価格決定などに影響する。また、それ以上に、後の章で導入する、商品の受注販売活動の転換、商品開発の方法、職業訓練の方法へと、経済の豊かさを具体的現実的な事業行動にする理論開発や具体的経営手法の基礎が開かれていったのである。加えてこれこそが、市民生活や街づくりの世界を一躍させ、豊かさの経済としての事業行動を推し進める事(作戦)の具体化になる。
(余談:孫子の兵法と並ぶ呉子の兵法。呉子は心理的兵法とされ、「気=気力」、「地:地の利=条件」、「事=作戦」、「機=力量モーメント」が記されている)。

〔補足A〕昭和27年、職業安定法の施行規則改正で…
イ)欧米では労働者供給事業として扱われていた外注工賃や構内下請を、日本では労働者供給の範囲から除外し、それぞれの「親方」を請負事業主と形付けてしまった。当時の労働省内部の法改正構想では、それを目的としていたわけではなかったようだが、それこそ民間企業の知恵と工夫は労働者供給を民法に規定する「請負」と変質させてしまったのである。
ロ)日本経済の特徴である、中小企業の重層下請といった特徴の根本は、この職安法の法令改正にある。大手企業の協力会系中小企業は、こうして発生し現在も継続されている。
ハ)また、今も流行りの異業種交流とは、そもそもこの大手企業の下請協力会が、専属下請から切り離される経済社会状況のなかで、「異業種交流会」と呼び名を変更したことが始まりであり、それとは違った意味で「異業種交流会」の表面的言葉の意味合いに期待して離合集散するところの異業種交流とも、その認知が経営学でも進みつつある。
ニ)しかしながら、そこには当時の社会契約論や経済理論の未熟さが感じ取れるのである。日本経済の中小企業論、中小企業政策論の社会制度(法律制度)との関わりを研究した文献は少ない。大手企業協力会社の商品価格理論と、地場産業や街で活躍する生活文化型事業(その大半が商工業者ともいわれる)の商品価格理論との隔たりは、とりわけ経営学では認知されて来たものの、そこまでの解明はされなかった。

〔補足B〕固有価値の萌芽(Intrinsick vertue)
(ア) 発見した足跡はニコラス・バーボン(1640~1698)の『交易論』(久保芳和他訳、1966年3月、東京大学出版会)といわれる。バーボンは、マルクスの資本論にも登場する。これを美術評論家でもあったジョン・ラスキン(1819~1900)が固有価値(intrinsic value)と整理し、命名・理論化した。さらにこれを日本の池上惇京大名誉教授(1933~)が『文化と固有価値の経済学』(岩波書店、2003年)等でラスキンの固有価値論を再構成して固有価値論の経済学的基礎を築いた。ニコラス・バーボンは医師であり、土地銀行(Land bank:イギリス独特の土地制度によるもの)の経営者でもあった。その著書の『交易論』1690年著のなかの、「商品の価値と価格について」p16の項。
(イ) ジョン・ロック(1632~1704)はオックスフォード大学の英国聖公会神学校教授の職から、その後日本でも良く研究されているように、イギリス名誉革命後の政治経済宗教システムの構築に深くかかわった人物である。その著者『ロック政治論集』(山田園子他訳、2007年6月、法政大学出版局)の著述、p294「労働」1693年著の項、p314「売買」1695年著の項。
(ウ) これらを合わせると、次のことが言える。そのバーボンは、Intrinsick vertueとの名称や概念で固有価値発見の萌芽を表現していた。当時の英語はIntrinsickのスペル。現代のintrinsicとは異なり、まだvertueという言葉自体も存在しなかった。イギリス名誉革命当時のジョン・ロックとバーボン両者の著述から、
  (1) 市場での価格こそを公平正義ととらえ、
  (2) (程度の差こそ有れ)貪欲的経済政策を排し、
  (3) 労働が指揮され分配されることによる価値
の3点政策を推奨していることがうかがえる。
(エ) 当時、この両者は書簡のやりとりも頻繁に行っている。両者ともがローマ・カトリックの影響を受けた絶対王政の国王支配のもとでの重商主義や重農主義とは論理展開が異なる。例えば、バーボンは1666年のロンドン大火の翌年に世界初の火災保険引受会社を設立、1688年からの名誉革命前夜の時代にあって、当時の絶対王政経済理論では奇異であった「現物支給・原状復旧」あるいは火災外の損害全般を扱い、ロンドン初の消防隊(当時は保険会社が運営)をも組織した。
(オ) ロックはオックスフォード大学の英国聖公会神学校教授の職業倫理を重んじ、絶対王政の国王支配の理論的要であったローマ・カトリックの理念である王権神授説あるいは、教会権力、カトリックの無謬性、法律、通商、労働その他について彼らローマ・カトリックとの論理的違いを、旧約聖書、新約聖書を用いて展開している。その集大成が『統治二論』(1690年から数版が発行)である。重ねて絶対王政に商業経済利益を独占させない点において、ローマ・カトリックとは際立つ経済政策や国家形成の理論となっている。当時のイギリス社会状況である、反カトリックの聖書論議(ロックの文献には必ず聖書論が重ねられ、ロックの社会契約論理解には反カトリックの聖書認識が必要)が不可欠であった時代を考慮すると、現代や日本とは異なる価値概念であった。
(カ) 加えて、これらは名誉革命直後の反カトリック政治経済社会をイギリス国内で完成しなければならない必要性があった。若しくはカトリックを利用した絶対王政の多くが商品経済の利益を独占していたことから、それをイギリスでは排除しなければならない経済重要性とも相まってしている。
(キ) ジョン・ロックの社会契約論及び、これらの経済政策(経済価値観)との一体関連で当時の Intrinsick vertue を認識する必要かあると考えられる。だから、Intrinsick vertueの意味合いには、「本来に具わっている、光り輝くもの(天使)」のイメージが考えられ得る。経済学はそこまで発展してなかったのではあるが。
(ク) その深淵にはエリザベス1世の前夜、当時はフランス若しくはスペインの属国になることを迫られた政治背景の中、イングランド地方中心の民族独立機運を確保する必要があった。そこでエリザベス1世は、英国絶対王政単独ではなく、領主・地主、商業・商人界、海運交易の海賊(後に英国海軍主力)をも協力し統一してスペインやフランスと戦う道を選んだ。ローマ・カトリックの収奪機構から英国を永久脱出させるために、エリザベス1世は財産権その他を英国に取り戻す宗教改革を推し進めた。その後、一旦はローマ・カトリックの影響を受けた絶対王政に戻ったものの名誉革命とその後の社会経済体制の改革により、ローマ・カトリックの宗教経済支配から英国は完全に永久脱出した。
(ケ) その名誉革命の準備と完成段階での社会経済にかかわる理論こそが、その後に影響を及ぼしたフランス革命やアメリカ独立戦争の歴史の表舞台に注目するにとどまらず、次々と商品経済を活発にさせたイギリス産業革命前夜の経済政策理論の基礎を確立したことにも注目する必要がある。
(コ) そして後の続く、アダム・スミス、リカード、マルクス、マーシャル、ケインズへと、その研究が待たれる。


§豊かな経済再生の、個別企業具体策
それは、【固有価値を創造するシステム形成】につながる。
(1)教育にあたって、およそ働くといった概念で括るところの人たち(経営管理部門、技術部門、技能部門、一般労働部門その他を問わず)の現代的モチベーションへの取り組みを念頭に置く必要がある。それは、個別企業が取り組む必要あるいは、もしかすれば政府の施策や社会共同体の援助を要するのかも知れない。世界的な到達点は、
  (1) 仕事そのものが楽しいこと(共同体意識や意義ある仕事)、
  (2) 仕事の達成感がある(自己計画性と自己コントロール)、
  (3) プライベートの生活が充実している、この3つが共通概念化してきているところである。
おそらく共通概念は、いわゆる優良企業と言われる順に現実のものとされるだろう。だがそれより先の人間発達や教育については、はっきりいって未知である。
(2)ただ現在有力な方法と考えられる多くは、創造性を養うには、芸術や芸術性との関連が重要視されている。また、何よりも感動・希望とともに創造性の労働能力の向上や蓄積は楽しいからである。
  イ)それは「意欲・感動・希望」の有機的結合した3要件は固有価値商品の柱でもあり、少なくとも芸術作品の柱と考えられる。
  ロ)財貨に頼る物質的満足から、物質や人間関係の障害から内心の自由を解放する過程でも、「意欲・感動・希望」の有機的結合は効果があると考えられる。
  ハ)美術にしても音楽にしても、およそ500年前から芸術論議は盛んであったが、それが経済として成り立つはずの美術や音楽が、世界各地では成り立った地域と成り立たなかった地域とに分かれている。
  ニ)工業デザインは、19世紀、英国のモリスらが美術を庶民に普及する理論と行動から、現代先進国を中心に花開いている事例である。
  ホ)映画産業も芸術が花開いている事例である。
これらは芸術を他産業その他に利用することを目標としているのでもない。このように、固有価値商品をより密着により広く普及させる機能としての「芸術」に関する研究が待たれている。
(3)商品に固有価値を持たせるという作業は、芸術と同じで、技巧や人工物の機能や数量として寄せ集めるものではない。一般に分かり易い表現をすれば、次のような言い方ができる。「毎朝食べる味噌汁のようなもの」。固有価値のある「ものづくり」は、出汁(だし)を利かしているので、様々な味噌や合わせ味噌その他技術を行使して、買い手が満足(意欲・感動・希望)するような「もの」を作っているのである。あるいは、買い手に改めて付け加えてもらったら更に満足価値が高まるような「もの」である。使用価値だけの品物は、出汁(だし)が効いていない味噌汁のようなもので、味噌の種類や合わせ味噌の方法を駆使しても、せいぜい口にしたときの感触に限られ、後味や買い手の希望に応ずることができないという風に言える。実にこれは美術品でも音楽でも同様のことが言える。
(4)ところが、およそ海外移転させられるような部品製造は、それは芸術ではなく工芸品であり、ただの味噌だけのようなもので、出汁(だし)が効いていないものである。したがって、もちろん直ぐ他人に真似をされるし、他の「ものづくり」や商品への技術転用が効くだけの出汁(だし)も無いのである。その出汁(だし)の部分は、「人をケアするサービスの仕事のイノベーションと教育要点」でも同様である。そして、出汁(だし)の部分を念頭に置くから、初めて「ものづくりのイノベーション手法」にまとめることもできる。
http://www.soumubu.jp/documents/innovation_121009.doc
(5)さらに、「事業経営は芸術である」と言われる事も、事業としての固有価値をクライアントに提供しているからである。決して事業経営は技巧や人工物の機能や数量の寄せ集めでは成り立たない。(日本の音楽産業は経済には未熟なので)差し障りのない例えは、聞かせる音楽ではなく、「楽しみに行く音楽」は、もちろん興行収入で高値安定している。反面、「芸術」と言われはするが日本のクラシック音楽の大半は、「他人に聞かせるための自慢が先立つ演奏=聞きに行く音楽」となっているから経済として成り立たない。主催者も音楽家も最低限の生活が成り立たず、やはり貧乏だから結局は堕落の道を歩んでいるのが現実だ。貧乏だから芸術性と引き換えにパトロンの世話にもならざるを得ない。世界的にはクラシックその他の音楽でも、「クライアントを盛り上げ楽しませる=楽しみに行く音楽」との位置づけならば経済として成り立ちつつある、これが世界の流れだ。AKB48が注目されるのも、その興行アイディアに、「楽しみに行く音楽」の要素が含まれているからだ。今日本の老人層に流行っているのが、「合唱の会」とか「うたごえサークル」などの参加型音楽であるが、ここでも主催者や参加者同士の、「歌の上手さ」が自慢され始めると翌月から一挙に衰退するらしい。
(6)さらに、日本の音楽の例にとってまとめると、歌手や楽器を、機能や数量として寄せ集めても成り立たないが、
 ────────────────────────────────────────────────
  歌手や楽器を使う業態
 ────────────────────────────────────────────────
  A類 顧客の求めるものを提供する作業=カラオケ、コンサート
      など、(販売員、案内、調理サービス、配膳サービス、曲芸師)
 ────────────────────────────────────────────────
  B類 来訪者の要望や状況を聴き&それに応対する作業=合唱の会や
      コーラス会、文化サロンや文化教室など、
      (外科内科医類系、歯科医、弁護士、教師、指南役、理容師、美容師)
 ────────────────────────────────────────────────
  C類 その時間帯と場所に特定の人間関係を形成し顧客ニーズを満足
      させる作業=参加型音楽、うたごえ喫茶(来店者が調和して歌う)
         (精神科医、芸術家、疑似体験提供、エステティシャン)
 ────────────────────────────────────────────────
といった各々のまとめ方の特徴にまで掘り下げて考えることができる。商品の領域に到達しているものは、使用価値ではなく固有価値として歌手や楽器を活かす具体的手法をもっている。それが発達していなければ、歌手や音楽が商品として成り立っていない。自称芸術家のほんの一部は、「芸術は金銭にまみれるべきでない!」と力説するが、そう言ったところで実は商品交換できる水準に至っていない中身であることが多い。音楽は、「勉強?」なんかしなくとも、まずリズムが良ければ、誰もがそれに乗せられる。
(7)また、飲食・販売に絞ると、
  第一:店の見た目、
  第二:温かいもてなし、
  第三:新鮮高品質の順番に、
店舗運営の方針を展開している個別企業は伸びている。これは、日本においても同じだ。
接客接遇労働といっても、商品提供の現象面の「形」は、およそ3つ存在する。
(あえて、重複して記載)
  ア.顧客の求めるものを提供する作業
   …販売員受付案内、調理サービス、配膳サービス、コンサート
  イ.来訪者の要望・状況を聴き、それに応対する作業
   …外科内科医類系、弁護士、指南役業、歯科医、理容師、音楽教室、コーラスの会、絵画教室、文化サロンや文化教室
  ウ.その時間帯と場所に特定の人間関係を形成し顧客ニーズを満足させる作業
   …精神科医類系、芸術家、疑似体験提供、美容師、歌声喫茶、芸術空間
(8)様々な論理的解明よりもまして、教育やモチベーションそして「芸術」などが、実際に固有価値商品への効果が発揮され、生活文化型商品の普及にあっては、そこには創造性(芸術性)を併せもっている事実があり、確実に商品価値を増殖させている事実の存在である。こういった事実の存在を念頭において、この章では固有価値商品を創造するシステムを説明する。
(9)この多くのシステムも、個別企業に既に導入実証されている。おそらくそれは、現代の商品経済には当たり前の認識となっているような事柄でも、自給自足経済時期には考えられなかった事であるように、さまざまの成功事例が積み重なった後に、初めて「昔からの当たり前」のように認識される制度(=システム)であろうと考えられる。


§ビジネス創造性(芸術性)育成と鍛錬のポイント(1)端的に言えば、創造性(芸術性)を養うことで、人間は豊かになり、労働能力は増し、経済が発展する基盤となる。いちばん大切なことは、その創造性(芸術性)を養う人間発達・人材育成を、個人的消極的なものから自発的積極的なものへ転換することである。そして、この創造性(芸術性)は、それを養うための行動障害さえ取り除けば、人類は自発的自覚的に養うことを活発に行うのである。
(2)だが、ことに日本の経済活動においては、創造性(芸術性)を働かせる労働が「日陰もの」に位置づけられている。そのため、創造性や芸術性に関して数多くの誤解や錯綜が飛び交っている。日本における論理的な芸術論ともなれば、1954年に岡本太郎が発表した『今日の芸術』(光文社)くらいで、その後に出版されたものは見あたらない、若しくは感覚的すぎて意味するところが他人に伝わらない。
(3)芸術活動も盛んな各国地域にはさまざまな芸術論も存在しているが、共通していることは次のような用語でもって芸術に関わる能力について検討されている。そういった人たちの芸術論ともなれば、言葉(何らかの記号)を杜撰(ずさん)に用いない。次に様々な主題を一つひとつ順に扱い、混ぜる事をしない。何故、日本の需要者の間ではこういった芸術論の水準が低いのか原因はつかめていないが、言葉の杜撰さと様々な主題の混同が延々と繰り返されていることは間違いない、これが足を引っ張っている原因の1つではある。
(4)例えば、次のような分析は、欧米では当たり前のことなのだ。☆芸術の定義を、=供給者と需要者との間に創造され、「意欲・感動・希望」を一体セットで提供している如何なるもの。…とすれば、簡単に事実というものが整理出来る。
  教育&訓練、3つの分野
  A.スキル(技能)skill 見れば・聞けば、意欲は出る desires, will
  B.パフォーマンス(芸当、曲芸、技巧)performance 芸当や技巧があれば、人間は感動する  impressions
  C.アート(創造、芸術)art 芸術になると人に希望を抱かせる hopes
(5)ところが、日本では世間体が優先され、社会共同体が根付いていないから整理されなかったと思われる。むしろ、世間体を維持するためのレトリック(修辞学・詭弁学)が幅を効かせたために、言葉の杜撰(ずさん)さと様々な主題の混同が延々と繰り返されて、ほとんどの才能者の芽が摘み取られ、本物とは縁遠い「芸術家」がはびこってしまったと思われる。ここに着目して、個別企業での教育&訓練を工夫すれば、努力が報われることは確実だ。
(6)教育で名高い「山本五十六」の言葉、実は続きがあると先ほどFacebookで教えてもらった。山本五十六は、海軍からのハーバード大学留学で、これを学んだのです。当時は研究段階で、山本五十六は大型艦船と戦闘に、この教育方法を編み出した。ポンポン蒸気船程度の艦船から、ディーゼルエンジン艦船や艦砲操作術向上によって日本は大戦艦を動かせた。ところが、アメリカも、戦時中はヨーロッパと太平洋の両戦線で、兵員3交代勤務(前線・移動・休暇)であったため、アメリカ国内は人手不足。経済活動低下を防ぐため、このような教育を女性に施し、アメリカ経済を格段に向上させたのだ。(男女同一賃金は、このときの政策が世界最初)。では日本国内は、実施したのは海軍の大型艦船、国鉄鷹取工場くらいしか記録には無い。一般人徴用、女子挺身隊と、日本の人海戦術には目を見張るが、国内生産力は伸びなかった。昭和30年前後、朝鮮特需の後になって、労働省の外郭団体「日科連」がA項目のみ導入し、大々的に国内導入して、高度経済成長を迎えることが出来た。B項目、C項目の手抜きをしなければ、今の日本は少しはマシだったかもしれない。
  A項目「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」
  B項目「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
  C項目「やっている姿を感謝で、見守って、信頼せねば、人は実らず」
                               山本五十六

2013/02/05

第130号

<コンテンツ>
インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
改正:高年齢者雇用安定法の対策
あと30年はデフレ、これが真実。
なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
現在の「いわゆる不況」の原因は、
同業他社より一歩前に出るだけ
中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
実体経済が一層の深刻さを増す実態
現在の日本企業の社是・社訓というものは
仕事の教育を行うときの順序
監督職・技能職の教育ポイントは
固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール


§インフルエンザ、風邪、アレルギー性気管支炎
(1)これらが大変な流行している原因には、健康保険・医療制度に問題があると考えられるとはいっても、個別企業での目前の対策が必要である。
(2)インフルエンザは、……
予防接種をしておけば、まず罹ることがない。伝染で気を付けなければならないのは眼球の粘膜からウィルスが侵入することである。インフルエンザ予防にマスクは関係ない。ウガイも関係ない。それはウィルスが目に入れば10秒ほどで感染するからである。サーズ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザその他ウィルス性伝染病は総て粘膜から侵入する。侵入した後に手を洗っても仕方がない。だから眼鏡の方がまだしも有効である。とりわけ、世界中どこでも医者という人たちは手を洗わないから危険度は高い。自覚症状は喉から異変が現われ、そして熱が出る。あとの治療は医師と相談してどうぞ。
(3)風邪は、……
その感染経路が決まっている。まず鼻の粘膜が侵され、→喉の粘膜が侵され、→気管支が侵される。だから、変だと思ったら、0.45%の食塩水で鼻の中を洗うことである。0.45%の食塩水ならば、鼻は全く痛くない。鼻のタンを出し、耳を塞ぐなどして鼻をかめばキレイになる。黄色い色の病原体の塊を鼻から出さなければならない。感染当日なら、それだけで風邪を引くことはほとんどない。感染を防ぐにはマスクはそれなりに有効である。のどの粘膜まで感染してしまった場合、その後は、医師と相談して早く治すことである。水分補給には、0.3%食塩水を推奨、汗も出やすく心臓に負担がかからない。
(4)アレルギー性気管支炎は、……
風邪とは異なる。喉は痛くない。鼻水もほとんど出ない。突然、気管支から軽い咳が出るようになる。気管支のタンが咳をする程度ではなかなか切れない。風邪と誤診して抗生物質を処方する医者が多い。ところが3日や5日も薬を飲んだところで治らない。風邪薬は無用の長物である。アレルギー対策の薬を飲めば3日以内に治まる。怠惰な医者は直ぐ風邪と判断してしまうので数ヵ月たっても治らない場合がある。そういう場合は、アレルギー性気管支炎かもしれないと医師に、明確に告げて治療薬をもらう必要がある。とにかくこのアレルギー性気管支炎が大流行している。「今年の風邪は長引く」といった話はとんでもない誤解であり無知等である。
(5)肝心の厚生労働省は、そういったことを知っているのか知らないのか、それとも医師の水準が能力低下してしまったのか、疑問を抱かざるをえない。豚インフルエンザの時も、医師の誤診で学級閉鎖に追い込まれた事例があった。神戸の医師のように、保健所に強く迫って流行を食い止めた医者もいた。
(6)いずれにしても、この三つの病気が流行しているのは間違いないので、個別企業で率先して対策をとる必要がある。信じられない読者の方は、産業医に確かめることである。労働力や働く人たちの健康管理は、会社に責任があり、労働生産性の問題であるからだ。なお、中国の大気汚染や花粉症とアレルギー性気管支炎は、症状から異なるので、念のため。


§改正:高年齢者雇用安定法の対策
イ)これは、3月31日までに手続きを済ませなければならない。
ロ)満65歳まで定年を延長するのであれば、さほど問題はない。
ハ)再雇用制度や継続雇用制度、あるいは経過措置としての基準の労使協定といった手続きは、2ヵ月を切った今、もう無理かもしれないのである。
ニ)よく忘れているのが、昨年8月10日に施行された労働契約法の有期労働契約の部分である。相まって満65歳再雇用を考えなければならない。
ホ)退職金もマイナンバー制導入とともに影響が出る。それは税務署の退職金扱いは、確実に退職したときでなければ給与所得と見なすからである。
ヘ)次に示した、過去の総務メルマガに解説をしている。手抜かりがないかチェックが必要である。

*〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
 http://soumubu1.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html#07
*4月1日、労働法改正にまつわる質疑
 http://soumubu1.blogspot.jp/2012/12/blog-post.html#06
*改正労働契約法と効率的労働力確保
 http://soumubu1.blogspot.jp/2012_10_01_archive.html#05
*高年齢者雇用安定法、その改正の意味するところ
 http://soumubu1.blogspot.jp/2012/09/blog-post.html#11
*労働契約法=解説ドキュメント
 http://www.soumubu.jp/documents/roudoukeiyakuhou-kaisei-kaisetsu.doc


§あと30年はデフレ、これが真実。
One 政府の記者会見や、それを鵜呑みにするTV・マスコミの報道で、何やら日本経済が明るくなりそうな幻想にとらわれている。ところが、確実に言えることは、その動きは8月のお盆休みまでのこと。7月に参議院選挙があれば、今の明るそうな余波も8月までも続かないかもしれない。「知恵より地位」、それに振り回される流浪の民といったところだ。だが、今回の金融トランプだけはジョーカーをつかみやすいのだ。
Two すなわち、どのような経済分析をしても、どのような世界経済状況だとしても、この半年に限って、株価・土地その他の数値がインフレ傾向を表すにすぎない。外国人投資家は現在半身の構え、兆候が出れば直ぐ引き上げる動きを示している。あらゆる評論家も、「政権与党がデフレ脱却に取り組むことができれば…」の仮定の冠を、必ず経済分析の文章に付けている。
Three まして、政府の「産業競争力会議」での経済成長戦略は相も変わらず。必要かつ日本経済を復活させる産業育成は、「口先」ばかりで現実性のない物ばかりである。直ぐ取り組める産業育成も、「今少し時間をかける」というばかりである。もちろん、大手企業は東アジアからインド方面に向けて、利益率も悪く事業構築も困難とは解っていても、薄利を求めて海外進出している。それは、新商品開発力を失った大手企業であるから、仕方のない話といえばそれまでであるが。また、いくつかの大手企業は腹のなかで、自社の技術をアメリカその他に買ってもらおうと虎視耽耽(こしたんたん)、腹の中はトップをはじめ仕事をする気なんかあるわけがない。
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai1/siryou.html
Four エネルギー問題ひとつとっても、成長戦略から外れている。たとえば、富士電機が世界有数の技術を持っている地熱発電、発電を認めず熱効率だけに規制している。全国各地で小規模発電事業を始めようとしているが、官僚らは大規模な施設をつくるのと同じ基準や手続きを押しつけて妨害している。小水力発電などは水利権問題などを、無理矢理官僚が絡めて来る。農業用水路の小規模水力発電所設置に、大規模ダムの仕様・許可申請を官僚が求めて来るのだ。こういった官僚の動きは、経済成長戦略会議を開かなくとも、大臣の指示で通達を出しさえすれば解決する。
Five それにも増して円安になって喜んでいる人たちは、果たしてどれだけいるのか疑問である。輸出産業と言っても、今や誰も買ってくれない日本製品を作っても仕方がない。円安によって輸入品のエネルギーや原材料は次々と値上がりをしている。毎月13兆円日銀が日本国債を買い取ると言っているが、そのツケは一体誰が払うのかといった論議自体がない。
Six これとよく似たことは、戦争中に横浜正金銀行が行っていた。正金とは金地金を取り引きする銀行だが、当時、金地金ではなく証券発行にまで手を出して、あげく国債暴落を招いた。この証券をアメリカ国内で売った資金で、日本政府は中国侵略の武器と兵站に使ったものだから、アメリカが怒ってしまうのは当然であった。対日ABCD包囲網の経済封鎖をかけられても当たり前であったのだ。
Seven 日本経済が、本当にインフレに転換すると思っている人は多い。それは情報遮断の中だから、仕方がないのかもしれない。しかしながら、本当にインフレになるまで通貨政策を強行すれば、アメリカよりも先に日本の通貨、「円」と日本国債が崩壊してしまうのは目に見えている。
Eight 中国の対日経済封鎖によって、様々に日本経済の悪影響が出ているが、ほとんど報道されない。尖閣諸島をめくって中国人民解放軍の人事異動がなされていることも報道されない。日中経済関係は、「切っても切れない!」と幻想ふりまく評論家が後を絶たないが、既に中国(北朝鮮もだが)にはドイツ資本が入り、ドイツの生産技術が入りこんでしまっている。
Nine さながら、大本営発表→マスコミ報道→国民には情報が入らない→みんな貧乏になって行く、日本国内に物資や貯蓄はあると言いながら、半失業状態は広まるばかりである。


§なぜ日本で、偏った情報や経済論評が
それは、アメリカにおいてさえ、NPOといったスポンサー付きの経済学研究は所詮、そのNPO理事たちの(もしかすれば素人)思考水準に、研究程度を落とさなければならない。
日本では明確に、政府の審議会であれば官僚の思考水準に、大学等研究機関であれば「教授会や理事会」の思考水準に、研究程度を一致させなければならないからだ。
近年は、政府の審議会の言いなりになる学者が少なくなり、聞いたこともないような大学教授?がテレビや新聞に登場する。良識ある学者は、学問や真実とは似ても似つかない話をしない。そのような先生はまだ多数!と観ることが妥当だ。


§現在の「いわゆる不況」の原因は、
A項目 従来のような過剰設備による反動から来たものではない。日本の経済発展の社会状況を度外視して、機能や数量の使用価値にばかり焦点を当て商品を開発する理念だから、いつまでたっても個人消費の拡大が出来なかったのである。現在もそうであるから何時までも景気低迷をおこしている。そういった日本製品は売れるわけがない。製造業に従事する労働者が1000万人を切った。だがそのほとんどは他業種に職業転換できたのではなく、失業・半失業・潜在失業なのである。日本製品が売れないばかりか、製品を作ってきた労働力も買う人が居ないのだ。

B項目 世界規模で見た場合では、たとえ不均衡に国ごとの経済が発展するものだとしても、日本をはじめとした経済先進国にあっては個人消費の伸びが決定的に重要となる。発展途上国には経済先進国の資金や技術が投入されることで、数字での世界経済は成長だけはするかもしれない。しかしながら、経済先進地域にあって経済発展はおろか経済的豊かさが後退する可能性が高い。

C項目 経済的豊かさとは、「個人消費と生活満足度が有機的に結合してこそ実現するもの」である。とりわけ世界の経済先進地域においては、「経済的豊かさ」において、経済発展の原動力になっていると考えられる。この経済先進地域とは、日本国内での比較的に経済の豊かさを保つ地域(それは地方の中核都市であり、大都市圏に点在する地域)と考えられる。これらの地域は日本全体や流通経済圏全域ではなく、その内の局所的地域である。そこでは経済的豊かさこそが原動力となり追及され、確かにその傾向は少なくとも経済発展を果たしている。

D項目 一部の学者は、防衛製品産業での輸出回復を主張している。ところが彼らは、世界最先端の防衛製品産業の現実を知らないのか、合理的思考が出来ないのかのいずれかである。ドイツは、昔のマルクであれば、マルク高で輸出は停滞しているところ、EU内の農業国のおかげでユーロ安、輸出は膨大に伸びている。EU域内、NATO加盟国などに、「騒音環境に優しい」ユーロヘリコプター、あるいは「ユーロファイター・タイフーン」戦闘機を出荷しているが、性能は日本とは比べ物にならない。スウェーデンは2010年に徴兵制を廃止、従来から超高性能銃器輸出産業を柱として社会保障を支えている。撃っている最中にネジが緩む機関銃?で有名になった日本製の性能に及ぶ物ではない。まさか、中国や北朝鮮の暴発率の高い粗悪品市場に日本が進出を出来るわけもない。コンピューター操作の日本製戦車・装甲車との夢物語も飛び出すが、日本の自衛隊に実践操作ノウハウなどありもしない。

E項目 どうしても、機能や数量の商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、巨額の金融資本の先行きに翻弄される。近年のヒット商品、例えば、アイパッドiPad、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、商品の固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り上げた。その売り手と買い手の関係は、あくまでも創造的和解(reconciliation)の関係を形成している。「消費者に買わせて、利益率を高くして、消費者と対決して商売をする」といった発想は、ヒット商品を出す企業にはない。もとより、数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあった時代の商品価値は、固有価値であった。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値を3セットで見いだした。そして、「意欲・感動・希望」といった価値をわけあった。

F項目 ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん、あげく=Made in Japan は見向きもされなくなった。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのだ。中国部品にもA級品はあるようだが、日本製より高品質ながら価格も高価であるから日本企業の部品には使わない。そして中国も量産意思が無いのでどうしようもない話ではあるが。

G項目 日本経済は、こういった制度的悪循環の原因&事情を克服しさえすれば日本文化に基づく Made in Japan製品とサービスを再び世界は買ってくれることになる。


§同業他社より一歩前に出るだけ
で、今の経済状況であっても、その個別企業は高利益率で経営をすることが出来る。怠慢を続ける企業は経営が行き詰まるが、その市場は優良企業のもとに集まる。
ただし、使用価値商品を売るのではなく固有価値商品を売る、ことに末端の生活文化型商品を提供することを念頭におく必要がある。天然ガスは末端の家庭発電事業を進めている。某大手氷砂糖メーカーは機械製造に踏み切り料理材料商品を狙っている。還元型コエンザイムQ10は、安価で共有されているサプリメント食品、糖尿・心臓の疾患予防に、何よりも「健康意欲」を目指している。すなわち、素材原材料メーカーであっても、消費者の、「意欲・感動・希望」といった固有価値商品を念頭においているのである。


§中堅中小企業には【直ぐ取り組めるOJT】
がある。そのOJT教育訓練は、固有価値商品あるいは生活文化型商品の場合は次のとおりに行うことである。
A.部下を育てたいのであれば、メールとは別に、部下を客先に連れて行くこと、あるいは部下に聞こえるように電話交渉は行うこと。
B.検討会議や報告会は所定時間内に行うこと。昼食を用意して昼休みを短縮して行う方法もあるが、ただ自由参加が原則。
C.メールのやりとり効果は、伝票や届出書面などの機能には、けっして及ばない事実を徹底すること。
D.社外の低料金の経営講習会・勉強会に出席させ、「事業の深化」を追求することとは別に、「事業の広さ」を追求するための視野を持たせること。
E.生活文化型商品の需要を肌で感じるために、夕刻は所定時間に退社させ、休日も十分に与え、消費者と同じ生活をさせること。
F.書面、文章、メールの効果は、物事や論点の整備確認には役立つ以上のもの、例えばアイデア、創意工夫、構想性、創造性などがないことを徹底すること。
G.着想、発想、創造、構想といったヒラメキは、議論を面と向きあって行われることを徹底すること。
H.どの分野に限らず、なるべく理論的な本を読ませて、合理的理論的に考えさせる訓練をすること。
I.「期限を決めて退社するつもりの人間」ほど、会社のことを良く勉強しているのが事実であること。
J.「打てば響く」と言うような単純思考(思い)を改善するには、「物事は時間とともに変化する」といった「X,Y,Z+Tの4次元概念」を教えること。
K.原因から結果への、いわゆる因果関係を日常的に考えさせ、文章にまとめさせること。個人が悪かったのではなく、自分で予見しなかった事または予見せず放置していた行為が悪かったことを徹底すること。
L.ずさんな言葉の使い方はさせないこと、様々な主題を一つ一つ順に扱うようにさせること。
M.仕事(契約行為)にかかわって「取り引き行為」をすることは、失敗を招く原因であることを認識させること。
N.上司がOJTを行うが、別にOJT教育担当者をおく。
ところが、大手企業では、ICT機器による効率追求、機密保持の機械的徹底、高度な労働能力水準の敬遠その他によって、OJT教育訓練面がなおざりにされている。その元凶は、東京大学大学院の中原淳教授が『経営学習論-人材育成を科学する』(2012/08/31、東大出版会)の中で調査をしているが、惨憺たる教育不足の現場である。


§実体経済が一層の深刻さを増す実態
そこでは、固有価値商品を先ずは内需の柱として、次に直接間接に多国籍展開することが柱となる。このままでは、大半の輸出製品は、採算割れの安値で輸出するしかない時代が来る。だから、まずは内需だけでも、生活文化型商品の産業化を進めることになるが、その教育の柱は次の5点である。実は内需だけでも相当景気は回復する。
イ.接客方法…親切な行為を現す、温かさを表現する。それには、客からの世間話には直ちに応じる手法である。それができてこそ、「意欲・感動・希望の3セット」である固有価値を紹介することができる。売り手からの世間話、売り手の押し付けは禁物であること。
ロ.商品知識の活用…お客の生活意欲・受容感動・将来希望の3点を同時に叶える、固有価値の商品知識を3点セットで提供すること。
ハ.提供する価値…とくに、巷の使用価値限定品(機能や数量)とは別の、どんな固有価値を提供しているのかを説明すること。
ニ.直接間接のリピート…リピートを念頭に置かず、廻り回って経済循環することを念頭に置く。それで買い手の共感も得ることができること。
ホ.具体的行為の中に、クレーム予防にとどまらず、クレームの創造的解決を、販売営業の最先端現場で行うこと。


§現在の日本企業の社是・社訓というものは
イ)今の時代になれば、昔の良いことばかりを思い出して、引っ張って来ようとする。ところが、それは創業時のものばかりであって、これから事業を継続するとか、今の時代環境に事業を合わせるといったものがない。
ロ)それは、第2次世界大戦後の米ソ対立の経済構造と、江戸から明治にかけて生き残った老舗といわれる企業が活躍した経済環境のものばかりである。
ハ)ことに、生活文化型商品を色濃く立たせる場合は、顧客と接する先頭社員は、「社是・社訓」が敬遠されるばかりである。ことに固有価値の内容を買い手と如何に共有するかが決定的ポイントなのに、「社是・社訓」が邪魔となるのである。
ニ)固有価値商品の由来・作り手の技・長きに重宝させるコツその他の、「地域と歴史のコンテクスト」を、買い手と相互理解することのプロセスが貴重となる。
ホ)これが、お客側の価格評価の基礎となり、商品価格が相場決定となる起因である。この場合はフェア取引が行われるから値崩れもしない。とにかく、より科学的な具体的な行動が、営業販売の末端にまで求められる。社是・社訓を社員が口にすれば、ほとんどの客は鳥肌が立つ! アイデンティティーが強いと、客は引く!


§仕事の教育を行うときの順序
A.これには定石がある。取扱商品や仕事の段取りが流れである。
(1)原理原則を教えること。
(2)基礎理論を教えること。
(3)歴史背景を教えること。
B.必ずこの「教育の定石3点」を示し、その内容を商品や仕事ごとに解説することが重要である。今日までの教育は、「歴史的背景」を教えなかった。すなわち、
One どういった具合で商品が開発されたか、
Two あるいは売るようになったのか、
Three 今の仕事のやり方を何故するようになったのか
といった事柄である。
C.「どうして実施・実行力が伴わないのだろう」といった疑問、すなわち教育訓練の行き届かなかった原因はここにあるのだ。
D.ではなぜ、それを教えなかったのか。その理由は、仕事や商品の売れ行きよりも旧態組織や人間関係しがらみを優先したからに尽きる。日本で資本主義が形成されて以来、その前時代の「世間体」を解消するシステムが社会に定着しなかったからである。明治以降、この「世間体」と戦って数多くの人が経済活動を発展させ教育を充実させたが、その闘いを全事業に行き渡らせる為のエネルギー消耗は多大なものがあった。そんな困難にあっても、その効果は、日々現われるものであった。
E.一昔前に大企業病といった言葉が流行したが、1977年職安法改正以後は、その大企業は仕事ができる有能な人たちを徹底してリストラしてしまった。その後は社内での教育体制は「人間関係しがらみ」を優先したものに、益々陥っているとの研究が発表されている。(前掲:東大大学院研究成果)であるから、
F.大企業の、大企業病は→心不全状態といっても過言ではない。


§監督職・技能職の教育ポイントは
今回のメルマガではその教育ポイントは省略する。監督職・技能職といった人たちは、新採用者・パート・一般職を経るなど(中途採用でも短期経験でも可能)した人たちに、次のとおりの教育をほどこして後、採用するものである。決して、監督職や管理職にふさわしい年齢に達したからとか、長年勤めているからといったものではない。
First 技術・理論を現場に落とし込み、重要者の多様性・一回性に答えられる技能の教育
Second 提言開発・企画プロセス、すなわち買手の受容動向により長くも短くも・効果的に調整できる技能の教育
Third 人材、機器材、基礎理論技術を、A及びBのために組み合わせる技能の教育
Fourth 業務の改善・改革、新商品その他は、個別事業の内外での主体的モーメント集約の結実であることを理解させる教育
例えば、日本の年功序列型賃金の基礎は、「電産型賃金」(日本初の人材確保型賃金体系)であったが、ここには年齢給ではなく経験給が用いられ、それは技術技能を積み上げるとの趣旨で組み込まれたのである。こんなことも、日本の電力産業のためにGHQと命がけで制度作った先輩のことは忘れ、電力各社では忘れ去られている。「電産型賃金」を、ちゃっかり真似した銀行や大手企業の多くは、命がけの制度であったことは知る由も無い。


§固有価値商品の、サービス(服務)行動、13ルール
(1)ここに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なるサービスであろうが、仕事に従事する姿勢を示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動がおろそかにされていた。あげく、サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)にまで至る。すなわち、そのことが営業販売作業を極端に未熟になっていった原因である。
(2)機能や数量に目を向けた使用価値・効用価値ばかりの商品には、本来的にサービス(服務)を考慮する必要がなかった。さらに、サービスそのものが商品となって対価が発生するようになるのは近年のことである。それまでのサービスとは、生産物商品の販売完結の一手段であり、製品価格にサービスの対価が含まれることが多かった。工業文化製品にはサービス(服務)行動が存在すること自体を、多くの消費者が理解できなかった時代があった。
(3)ところが、サービスすること自体が発達することにより、経済活動が活発になったり、社会の安定が進められたり、事前に無駄が排除されたりと、その効果は見直され、今や経済効果は絶大なものになったのである。昔の、あまりにも文化が進展していなかった時代には、サービス(服務)行動の価値や重要性が分からなかったのである。
☆そもそも、サービスの行為は「文化の応用」の側面を持っていることから、その地方の文化も良くわきまえている必要がある。
☆サービスを進めている過程で使用する業界用語は技能を現している。
☆ノウハウを含め技術(社会、人文、自然の3分野の科学的裏付けを持つ)が発展するきっかけは、はじめに言葉の概念の変化から始まる。
☆さらに柔軟性があるということはパラダイム(固定概念・概念規定)の転換をすることなのである。
☆サービスの事業化には概念、シンボル、コード(方策や方法)の3段階を揃えることから始まる。
(4)だが、「サービスの事業化」が完成を待たずして、まずはこの13個のルールをサービスに取り入れるだけで、販売(収益性)は増加し始めるのである。とりわけ固有価値商品を交換する過程では、その価値を伝えるための不可欠な行為でもある。
(5)サービス(服務)行動を充実させる 13ルール
イ)自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる
ロ)スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
ハ)動作が軽快でスマートであること。それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
ニ)時間を厳守すること、時間を守らない人物は信用されない時代になった。
ホ)念には念を入れること。お客の「意欲・感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
ヘ)技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではない。
ト)案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・感動・希望」を決めつけないこと。
チ)お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
リ)受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
ヌ)依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
ル)突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
ヲ)何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
ワ)人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。
(6)ここに示した13個のルールは、「失われた10年×2回」の時期には、およそは確立されていた。ところが当時は、商品の固有価値といった概念が確立されていなかったために、残念ながらこれらルールは曖昧なものであった。しかしながら、曖昧ながらも導入した個別企業では、とても販売(収益性)向上につながっていたのである。
(7)だが当時その一方で、いわゆる「サービス産業?」として華やかに紹介されていた、スーパーマーケット、外食チェーンなどの実態といえば、「サービスレス(serviceless)」であった。すなわち、商品を選抜・運搬するサービスは客自らが行う、低価格の飲料は客自らが取りに行くといったわけで、店舗側のサービスが省かれたのである。小分けやパック詰めは商店街でも行われていたし、むしろ数量や販売量におけるサービスレスであった。さらに、ICT機器の普及で、ますます製造・提供者側の「サービスレス(serviceless)」は進行している。
(8)ところが、固有価値商品としてのサービスだけは省くことができず、その固有価値のサービス自体の全部または一部分を買い手との商品交換は継続してきたし、現在も変遷・進展が起こっているのである。それこそが、人類の文化・文化活動の変遷・進展により、売り手と買い手が相互に、「意欲・感動・希望」を託す行為であると考えられる。さらにそれは、平和平穏な人間関係にあって社会共同体が維持される状態でこそ、さらに変遷・進展することが担保されると考えられる。ちなみに、それは芸術性豊かな作品や商品が担保される要件と同じだと考えられる。
(9)13個のルールの解説は、現在、社会人大学院の教科書執筆中なので、そちらでまとめている最中なので、細かい解説は今回省略する。

2013/01/08

第129号

<コンテンツ>
書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
目前での恐怖は中国問題
「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
確実な勉強と学習が欠かせない時代
〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
  <1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
  <2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
  <3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
  <4>サービス(服務)行動を提供するルール


※新年あけましておめでとうございます。
本年は、いよいよ激動の始まり、それは日本が世界経済の危機に振り回されてしまうからです。機能や数量に商品価値(使用価値とか限界価値)を追求すると、どうしても巨額の金融資本の先行きに翻弄されてしまいます。近年のヒット商品、iPod、キンドル、ノキア1100、カーシェアなどは、固有価値を追求し、売り手と買い手が協力して商品価値を作り、その関係は売り手と買い手の創造的和解(reconciliation)ばかりです。数百年前、世界各地で商品経済が広まりつつあるとの商品価値は、固有価値でした。買い手も売り手も、その商品に、「意欲・感動・希望」といった価値をセットで見いだしました。
ところが、日本の大手企業は、コスト削減で利益率上昇ばかりを狙ったために、商品開発・技術蓄積が破たん=Made in Japanは見向きもされなくなりました。それは社会主義の計画経済と同様の道をたどったのでした。ですから、この原因を克服しさえすれば日本文化に基づく商品を再び世界は買ってくれます。
私は今年早々に「生活文化型商品の産業化」の本をまとめようと思っています。もちろん、中堅中小の個別企業向けに経営管理、商品開発、人材育成も本の中でまとめます。その価格決定論その他は、国際学会でも注目いただきましたので、あなたの企業・事業で即役立つものにします、ぜひともご期待ください。


§書式集【無料ダウンロード】のページ全面改訂
http://www.soumubu.jp/download/index.html
をいたしました。それは日本の雇用・労働市場が、1986年以来27年ぶりに新たな段階に入るからです。世界の基準に合わせて、個別企業のビジネスモデルも変わります。とりわけ労働契約法の改正はその中心です。日本の社会制度としての終身雇用や年功序列は一挙に終結、趣味の世界で残るだけです。
ところで本当に、中堅中小企業が、世界から商品を買いに来てもらえるのか、世界市場から間接的にでも買いに来てくれるのかといった疑問があります。その答えのカギは、商品の固有価値(機能・数量にあらず)を追求する商品で、多国籍展開している企業は沢山存在する事実、今の日本でも数多くあるのです。旧態依然・従来型の経営を念頭においている限り、デフレは恐いのですが、その念頭を止めて「時代の波」に乗れば、デフレでもインフレでも個別企業の成長と豊かさは確保できるのです。(そもそもデフレでもインフレは国家財政の話)。日本国内で売れている商品、日本国内企業から出荷する高級商品は、すべてが固有価値商品です。
先ずはその、「時代の波」に乗るための、安全で便利な“サーフボード”を用意いたしました。衰退する企業には、衰退する世界観とその“サーフボード”です。あなたの会社、あなたの関与する事業では、ぜひとも安全で便利な“サーフボード”を活用いただき、個別企業の成長と豊かさを確保いただきたく存じます。


§いわゆる「デフレ状態」は、確実に数10年続く
今の政府や官僚では、日本国内の経済を上向きにすることが無理である。もちろん、アメリカをはじめ世界経済に翻弄される彼等でしかない。日本経済を再建する足場固めをするよりも、うまく泳ぎ回って延命することが彼等の共通目的のようである、様々なもっともらしい理屈をつけながら。
だから焦点は、「景気回復している感じ」といった虚構を、「この一瞬だけ」作り出すことでしかない。金融緩和によって、だぶついた金融資金が商品投機に回り、土地、株式その他金融商品に回るだけである。もとより実態経済が景気回復するわけがない。真剣な経済学者の共通の意見は、実態経済の景気回復には少なくとも300兆円の資金が必要と言ってはいるが、その資金の肝心な出どころが全くない。
あるいは、いわゆる財政再建の国の借金をクライシス(金融恐慌や経済危機)に遭遇しないような安全策はある。現在金融機関の保持している国債を、高齢者の年金に転用する方法である。永久に利息を払う相続可能な国債(コンソル債という金融商品)であろうが、死亡時若しくは一定年齢償還の国債でも、その他の方法でも良い。彼らはもう既に経済学者からサゼッションを受けている。これだと、まだまだ余裕を持って国家財政危機は回避出来る。けれどこの方法では、財務省官僚、厚生労働省官僚たち共に、彼等の官僚権益を失うので反対をしているのだ。
よって、選挙の前でもあとでも、政府や官僚たちは、せいぜい「景況感」だけの経済政策を踏襲しているのである。


§目前での恐怖は中国問題
今もっとも、目前での恐怖は中国問題である。一時は、日本政府の華々しい「尖閣諸島対抗策」(公務員常駐や船着場建設)を口実にする中国人民解放軍と海上保安庁や自衛隊の衝突である。(国際的に海上保安庁のような沿岸警備隊は軍隊に扱われる)。そこで1番の問題は、その衝突を防ぐために中国政府は、中国政府の言うことを聞かない人民解放軍中部海軍の勇み足を防ごうと、その前に日本に対する経済封鎖を掛ける懸念だ。中国政府にとって、アメリカ空母ロナルド・レーガンの極東配備(3.11東北地震前の3/9にサンディエゴから出港命令)などを展開して来るアメリカ海軍との衝突を避けることが、日中経済断絶よりも優先なのだ。
数ヵ月前の反日暴動の後は今や、中国経済維持に必要な資金・技術・設備についてドイツから仕入れる段取りが完了したとのことである。中国の経済封鎖の実施手法は、過去の日本企業も経験したが、現地の資金・設備・製品の総てを中国側が没収するというものである。整理がつくまで十数万人の在留日本人はしばらく足止めを予想する必要がある。そして設備と日本人技能者は中国工場に残る。これを信じられない方は、極度の不勉強である。事実、大手企業の多くは中国からの脱出を図っており、中国に設けた不動産の持ち出しは断念したようだ。
すなわち、マスコミが流す、中国側の「日本経済必要論」といったものは事実無根なのである。特に新聞業界は宅配販売の再販価格維持制度や消費税免除の動きといった政府官僚の特別優遇、おまけに読売新聞などは財務官僚まで天下りいただいているから、中立公正(ジャーナリズムでは、そもそも意味不明なのだが)の報道要素が無くなっているのだ。


§「前門のトラ、後門の狼」にハマった経済界
経済界の動きも「微妙?」である。経団連の会長は、「我が国は…課題山積の状況にある」とか「課題が山積し、正に危機と言える」と、口を開けば言い回っている。経済界では、ただ「民主導の経済成長の実現」といった決意ばかりが目立つ。が、やはり現在の経済界は組織維持ばかり目が向き、実際の実行力が喪失しているところにメスが入らないのだ。だから、経済界も政府も相互に、よそよそしい社交辞令ばかりが目立つと思われ、そこを官僚たちに牛耳られていると思われる。海外進出で活路を開く経済界といいたいところだが、「日本的労務管理」は海外でも通用しなくなり、単なる現地生産とコスト切り下げでの海外進出であるから、「前門のトラ」である。日本は国内経済の厚みがあるので、内需拡大での経済回復の可能性はあるが、大手企業には実行力が組織に残っていない、「後門の狼」なのである。
中国を脱出して日本企業はアジア全域にシフトしている。未だ中国にこだわるのは、しがらみ若しくは趣味の世界である。そこでインドネシアに進出すれば、今年1月からのジャカルタ州の44%最低賃金引き上げである。最低賃金ばかりではなくインドネシアはストライキの頻発、日系企業が主力である金属労連などの「72時間団体交渉」は常である。ベトナムでも最低賃金は18%アップである。インドも過激な労働組合が多い。タイは大洪水の如くインフラ整備がまだ進んでいない。ミャンマーの軍事政権は中国経済の危機を回避するために中国と手を切ったのだが、工場内秩序完成には時間がかかる。日本企業社員の文化水準が高ければ、東ヨーロッパに進出することも可能だが、現行大手企業社員に役者はいない。だから、「前門のトラ」。
国内内需拡大には、新商品の開発があらゆるところでなされることが条件である。ところが、経済界も文科省も、人材育成や教育の焦点が曖昧である、それは「厳しいこといえば嫌われるから」曖昧にしていると言わざるを得ない。新技術はさておいて、新商品のマーケットその他に関与するのは経済・経営・法学系の知識を持った労働者であるが、大手企業というものはことごとく、その大学院卒業者を雇用しない。その本音は、「有能な後輩に席を取られる」といったもの、これは確かな話なのだ。そろって人材育成政策が曖昧であることから、大企業の人材教育を研究している書籍や論文の調査を、筆者は昨年秋にかけた。その結果、おしなべてOJT教育に重点をおいていることであった。それは、社外からの教育知識や情報知識を遮断している人材教育が浮き彫りになった結果であり、社内での広範なOJT教育によって社内人間関係優先の下での教育であることが判明した。(その資料としては東大大学院の中原淳教授の“経営学習”が素晴らしい)。だから、1997年の職安法改正をきっかけにして、「従来型の仕事をできた社員」を若手低賃金社員と入れ替えることに成功したのだが、残念なことに若手低賃金社員の育成には失敗(投資しないから低賃金のまま)したのである。これが、「後門の狼」。


§確実な勉強と学習が欠かせない時代
一挙に世の中が変化しているから、確実な勉強と学習が欠かせない時代になった。便利だからと言ってWebに凝り固まっているのは危険である。Web中毒と言っても、もう今は個人の症候群ではなく、ビジネスとしてWeb勧誘されている結果とみて差し支えない。Webの出来ない人物でさえ、Web勧誘された人からの間接的誘惑で、Webビジネスのターゲットにされている。マスコミ企業自体の営業思惑やTVその他の企業宣伝に警戒する人は増えているが、Webビジネスでの警戒はまだまだ弱い。
メタンハイドレートの世界エネルギー事情の変化、最も安い化石燃料である石炭の有効活用、「売り手に地獄、買い手に極楽」のデフレ経営、中国・北朝鮮経済の危機と激変、原発核廃棄物を受け入れるロシアの経済戦略、国家経済は財政学であり家計簿ではない事実、有能と言われるサラリーマンが軽蔑される東ヨーロッパ文化、こういったものは挙げればキリがない。基本的には、表面知識ばかりをかける前に、「ボタンのかけ違い」をしているから、ほぼ無駄な人生学習をしているからだ。もっと、真の「人生勉強」が必要にも関わらず。

【1例目】
老いも若きも、サラリーマンの主婦も、子どもたちも、「短時間では出来ない勉強時間」を造ることが重要だ。とりわけ、年寄りはこの際、麻雀、カラオケ、ゴルフ、若中年もfacebok他SNS、ゲームといった、何らの生産にも寄与しない息抜きは止めるべきだ。それに代わる芸術関連に楽しさを求める方が、よほど役に立つ。美術系は「ものづくり」に大きく影響し、音楽系は「人をまとめ動かす」ことに影響する。「勘」が鋭い人は直ちに仕事や日常生活に転用する。コミュニケーションには語学も重要、東南アジア各国の現地語、インドのヒンディー語、ロシア語、東ヨーロッパの現地語である。今更、英語などのメジャーな外国語なんか勉強しないで、大マーケットや希少マーケットに乗り込む準備も、努力家には向いているかも知れない。
ただ、芸術性とは何か、それは「人々に共通して、意欲・感動・希望といった三分野をセットで提供するもの」といったような世界観・哲学を、自らで常に考えてないと、「芸術に名を借りたビジネス」を称する人たちの餌食になる。そのビジネスとは、お稽古ごと、社会に役立つ仕事、楽器販売、曲芸・芸当(パフォーマンス)といった「物で釣る」類の代物である。それは、価格が安いからと言っても同様の代物である。だけど、自らの芸術性に係る世界観・哲学を持てば、それはあらゆる勉強や学習と同様に、貴方が取捨選択して芸術性として身につけることが出来る。その試金石はなによりも、「意欲・感動・希望」の3要素を、貴方をはじめ周辺で保っているかどうかである。「売り手と買い手が利害対立」するといった場面で芸術性は論外である、そういった商品経済構造に300年余り頼ったからだ。売り手と買い手の利害が一致するビジネスには芸術性が効果的である。それは、これからの有望商品群である、固有価値商品との結びつきが強いからなのだ。

【2例目】
デフレというのは、一見(というよりも従来の思考では)商品需要がなく、失業率が上がるという経済状況、これは間違いがない。だから、商品需要は、商品の価値を、「固有価値」に転換しなければ、需要が減るばかりというわけだ。
ところが、デフレは個々人に長生きを保障する。保障するというのは、デフレ時代の生き方に転換すれば長生きすることが出来、出来ない人は早く死んでしまうことである。それは、
 (ア)物価が下がるから消費財を安く買えることになり、世界の良い食べ物が買える。
 (イ)売り手は、特に従来方式の業者は、借金をしてまで「一生懸命サービス」をする。
 (ウ)タンス預金、金地金、非課税経済(物々交換)などで生活に潤いが出る。
 (エ)激しい企業間競争のため、公序良俗に反しない限り経済規制が自然と低くなる。
 (オ)社会保障が充実、生活保護、特に年金が充実。やはり票欲しさに政治家は動く。
 (カ)企業間競争は、実力のある人にはチャンスが増加、新産業の発展を招く。
 (キ)消費財が安く手に入るので、生き方や生活には幅が出て、バラエティー豊かになる。
さてさて、考えてみてください。経済成長だ!インフレ政策だ!と、マスコミではその手法ばかりが議論の的になっていますが、貴方や家庭を見たときに、果たしてどんな社会が、理想かはさておき、現実には良いと思いますか?


§〔緊急課題1〕金融円滑化法期限切と年頭の仕事
金融円滑化法は、今年の3月31日で期限が切れる。東京商工リサーチあたりは、金融円滑化法で現在倒産回避しているのは事実だと、資料を示して公言している。その他、倒産の形をとって6万社程度が破綻すると予測されている。その6万社を金融機関が破綻させる時期は、憎まれたくないから、参議院選挙後に金融庁が引き金を引く時期を待っている。ところが、2回の不渡りによる私的整理といった表に現われない事実上倒産は既に増加傾向にあり、来年4月1日からが急増することが予想されている。これが金融円滑化法の影響の真実である。金融庁は、表に現れる約6万社の対策でお茶を濁そうとしているが、これが金融業界の通念である。
金融機関は憎まれたくないから、4月1日なってから貸出企業に「経営改善計画」でもって具体的に迫る予定をしているとのことだ。その次の、金融機関の定石はこうだ。
 One  小規模企業は手間が掛かるので後回し。(ことに、今までから経営改善計画を作っていない企業が多いので、手間暇かけても私的整理が増えるから後回し=金融機関の援助停止)。
 Two  個々の金融機関自身には不良債権発生の引当金があり、その引き当て対象企業の選別を開始することとなる(=元本返済額や返済期間が左右される)。
 Three 企業の利益低下かそれとも収益(売り上げ)低下であるのか、という風に、金融機関は兆候とともにストーリーを観る。だから、巷には「与信管理チェック表」というものがあるが、金融機関はその上の水準での情報収集(趨勢分析やストーリーを診る)を図ることになっている。
 Four  金融機関は個々に準備万端、そして、参議院選挙後の金融庁が引き金を引くのを待つ…という訳だ。
だから読者の企業も、お正月・松のうちを過ぎれば、発注顧客や仕入れ先・外注先の信用取引関係を点検することが、今年に限る年頭課題である。


§〔緊急課題2〕改正高年齢者雇用安定法のQ&A
官僚たちの労働行政も、修復に次ぐ修復を繰り返すものだから、複雑怪奇になっている。そこで新たな疑問が個別企業に出て来るのも自然の成り行きである。そこで法律問題に限ってQ&A(それ以上は別途課題だから)。

Q1:労使協定で、61歳から65歳までの年金支給開始年齢までを、従来の労使協定の基準のままで再雇用出来るのか…との疑問
A1:順次年齢が厚生年金受給とともに変更するけれど、その労使協定は今年の3月31日までに、合法的に結ばれている必要がある。もとより法律により4月1日以降の協定には効力はない。協定当事者の、「過半数要件」であるとか、「合法的選出手続き」なども、協定効力に影響力を及ぼす。

Q2:従来の労使協定の基準は、就業規則の記載事項なのか…との疑問
A2:就業規則の記載事項ではありません。ところが現実には、「そんな労使協定」は知らないとか、「就業規則に書いてないから」関係ないといったトラブルが発生してきた。今後デフレが続き雇用不安時代を迎えるから要注意である。たとえ会社側から理路整然と説明していても、トラブルというのはそういうもので、個人加盟の労働組合との団体交渉は受けなければなりません。従って、就業規則に、3月31日までに締結した労働協約内容を記載しておくことは重要である。

Q3:「希望すれば全員を65歳まで継続雇用」といわれても、「65歳までの更新を周知」せよといわれるが、その場合、担当職務や労働条件は変更出来るのか…との疑問
A3:労働官僚は、「定年退職者の希望に沿った雇用を義務づけていない」としているが、これが中堅中小企業の実状を黙殺した、曲者の表現である。別の項で、「事業主の合理的な裁量の範囲の条件」としている。労働官僚の発表書面を裏読みすれば、制度的道理が必要、恣意的個別契約は違法、同一労働同一賃金その他を65歳まで実施せよということになる。それでも本人が同意せず本人退職となっても罪を問わないという高飛車の姿勢という訳だ。そういった前提で、二人で定員ひとりの仕事を週3日勤務で分担する場合でも「就業実態、生活の安定などを考慮」せよといっている。

Q4:労働契約法20条の社員と契約社員の「不合理な労働条件格差禁止」に関係しないか…との疑問
A4:労働条件格差は法律の禁止規定(労働契約の形成権から請求権へ)だから、すぐさま損害賠償の対象、時効は2年である。要するに「同一労働・同一賃金の原則」である。なによりも、労働契約法で、社員と期間契約などの者の区分には、明確な労働内容や責任の差を求めているのである。「そういった原則は曖昧である」と一部の法律家はタカをくくってきたが、定年前の業務をそのまま引き継いで期間雇用となったことにより労働条件が下がれば、すぐさま労働条件格差である。彼らがタカをくくっていた法律家は、一挙に方便を改めている。まるで整理解雇4要素説が消えていったように、だから顧問弁護士にはすぐさま確認を要する。すなわち、損害賠償を支払わされるのは個別企業であって弁護士ではない。
【その防止には】……
 イ)配置転換その他は社員と同一基準で行うこと、
 ロ)他の契約社員や社員との整合性を保ち賃金その他労働条件引き下げ
 ハ)普通解雇の基準も社員と同一基準とし期間契約の独自基準は禁止
 ニ)期間契約の更新と共に雇止めする場合も普通解雇基準と同一に
なお、厚生労働省は「要素別点数法による職務評価の実施ガイドライン」を公表。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002pgc5.html
昨年11月29日、厚生労働省はパートタイム労働者と正社員の待遇の均等・均衡を図るためとして、それぞれの仕事の大きさを点数化して比較できると言っている。今年4月1日から、いわゆる「社員と同じ仕事」をしているのに賃金の安い、という労働条件格差が禁止となる。ただし労働契約法第20条では、つぎの理由による労働条件の差は差し支えないとした。
 (A)業務の内容に合理的差異のあること
 (B)業務内容の変更できる範囲に合理的差異があること
 (C)業務に伴う責任に合理的差異のあること
 (D)業務に責任の範囲に合理的差異のあること
 (E)配置転換のできる範囲に合理的差異があること
 (F)その他の事情を考慮した合理的な差異のあること
……すなわち、正規社員と非正規社員の違いがあるからには、こういった明確な仕事の差異が付いているはずだと法律は要請している。労働者の形成権から請求権へと法律の位置づけが移行している。よって、非正規労働者に、正規社員と同じように仕事をさせた場合には、賃金・労働時間・福利厚生その他で差があれば賠償させられることになった。


§〔特集1〕デフレ時代の新商品開発
個別企業も国の経済も、人材の能力を如何に開発するかに掛かっている。そういった意味で、本来の人事・総務は、次世代を見通す事と援助アドバイスなど、極めて重要な役割を負っている。今年1年は激動するが、その中で活躍するための参考として、固有価値商品の事業化・産業化について、現在執筆中の書籍(早ければ3月末出版)粗原稿の一部を掲載する。

<1>使用価値(効用価値)の新商品開発方法と破たん要因
1.固有価値商品が注目されるまでの新商品開発と言えば、次のような経済学者シューペンターのポイントが定説であった。
 One  新しい財貨、新しい物の発見
 Two  新しい生産方式の導入
 Three 新しい市場の開拓
 Four  新しい原材料、半製品の発見
 Five  新しい事業組織を(社内から社外にわたり)開発
これらのポイントは、素材産業、原材料生産、エネルギー産業であれば、かつ原産国などに進出・移転を繰り返し現地生産するならば、まだもう少しの期間は産業として有効ではある。ところが、10年もすれば未開の原産国へ、また10年もすれば次の未開の原産国へと移転を繰り返さざるを得ないことになり、挙げ句南極大陸や月面プラントまでとなると限りがない。資源活用や経済の豊かさからすれば非効率極まりないことになる。ここでも、現在のところはまだ採算が合うかもしれないが、こういった原材料資源を固有価値商品として商品開発するならば、移転を繰り返すことも不要となる。スーパーマーケットの業種の成功は、もっぱら「新しい事業組織の開発」として非正規労働者を大量に確保したことによるものである。これに失敗したスーパーダイエーは巨額の赤字を抱え込み経営破たんをした。

2.前項目で述べたような個別企業の事業展開では利益率が逓減する。機能や数量といった商品の使用価値とか限界価値ばかりに目を向けていれば、「より少ない財の消費」を追及する商品を多種多様に生産・販売し、結果的には安値を強いられる経済循環に陥らざるを得なかった。そして経済循環が出来なくなり、今や、「お金」がないから買えませんといった消費低迷の結末を迎えた。そこで、いわゆる「職人技」をおり交ぜて商品開発を行って来た。その結果、「職人技」との結合も含めて、商品開発は新しい段階に入った。バブル経済崩壊直後の「失われた10年」開始時期からが、日本国内経済における新しいシーズンであった。その種の新商品開発の特徴は、次に示す項目である。
 (a)取扱商品を絞り込む。販売地域を絞り込む。
 (b)同業他社とは変わった技術(技能ではない)を売り込む。
 (c)製品の販売する際の、サービスのきめ細やかさで売り込む。
 (d)同業他社、同業他店舗にはない特色を出す。
と言ったものであった。例えば、コンビニ、外食チェーンといった業種は、その種の新製品の典型である。

3.この時期の風変わりな新商品が生まれた。社会構造の変更により、「労働者派遣業」とか「業務請負業」といったその種の新商品は、女性技能職の賃金引き上げ&就業機会の増加、男女雇用機会均等法と相まって女性の社会進出が促進された。1999年の労働者派遣法改正までの間、「労働者派遣業」とか「業務請負業」の事業は、その種の商品開発に大いにあやかることになった。規制緩和の大号令のもとに、正規社員の職業紹介事業の規制緩和が1997年に行われたが、中高年労働者の中で高賃金の者を狙い撃ちにして、若年低賃金労働者と入れ替える事業であったため、その種の新商品は社会一般から支持されることは少なく、広がりは見せなかった。ただ、商品価値としては少なかったものの、アウトプレースメントであるとかヘッドハンティングと称して話題になったため、経済取引外の出向制度、希望退職制度の促進の種子になった。

4.この種の商品開発において、定型業務作業者も職人もプロフェッショナルへの転換を求められた。バブル崩壊から2008年リーマンショックに至るまでの間の、「失われた10年×2回」の時期は、新商品開発といった概念とは異なり、商品開発や販売活動の手法の転換を求められていたことになる。「労働力の発揮内容転換」は個別企業の収益(売上高)を伸ばすことになった。
 (I)職人は自分の考えに基づくが、プロは客の要求を中心に考える。
 (II)職人には時間効率の観念がないが、プロは絶えずすべての効率を考える。
 (III)職人は売れるかどうかを気にしないが、プロは売れることをいつも考える。
 (IV)定型業務作業者はサービスとは時間をかけることだと考えるが、プロは短い時間で丁寧に行う。
 (V)職人も定型作業業務者も、良い物だから売れるはずだと考えているが、プロは客の要求を聴き先取りして注文を確保する。
ところが、こういった「労働力の発揮内容転換」の掛け声ばかりが強まると、現行の変質した「マーケティング」が流行し、「サービスの経済化」であるとかコンサルティング営業、挙げ句は「ソリューション」なる意味不明なものまで現れた。経営の4要素は、収益、生産、労働、効率であるが、収益は向上したが、生産・労働・効率については向上しなかった。すなわちそれは、採算割れを招来し、個別企業の長期借入金漬け、長時間労働と低賃金の増加、本来的な新商品開発の停滞をもたらした。

5.もとよりこれらは、固有価値商品を開発するといったことは念頭になかった。だから今から考えれば、次の2つの要素で破たんせざるを得なかったのである。
 (1)活用すべき労働も、「労働力発揮」に限られ、人間の果たす「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働全般による商品開発ではなかった。
 (2)所詮は経済的合理性とか社会(共同体)構造合理性が考慮されていなかった。
この種の商品開発が流行し始めた当初は、バブル経済崩壊で傾いた企業をしり目に、収益を向上させることができた時代であった。その種の商品開発を行わなかった個別企業とその集団は、衰退低落の一途をたどり、保有資産枯渇の切れ目で倒産・廃業するに至っている。

6.いずれにしても、その場合の職人技の概念は次のようなものである。
 職人技とは、若年時から熟練を積まなければ習得できない。
 職人技とは、明確にマニュアル化が不可能と判断できる作業である。
 職人技は、科学技術、生産技術に優る労働である。
 職人技は、標準化(マニュアル)できない作業である。
現在の労働経済学の研究において、単純労働、複雑労働、技能労働といったこれら3つの区別は、その差異も含めて解明されていない。技術労働ならば、ある程度の学術的に集積された知識その他の基に作業を進めるとの特徴を持っている区別・差異の程度は認められている。すなわち、技能労働者と技術労働者の作業手続や育成プロセスが異なっていることは知られている。その種の新商品を扱うことによって、事業組織の中での、「入社が1ヵ月でも早ければ先輩である」といった極度の年功序列型統制や年功序列型賃金は崩壊した。それは、大いに女性労働者から歓迎されたのである。

<2>高固有価値製品の「ものづくり」イノベーション
1.日本は、今日の経済破たんを迎えた。政府の金融政策は効果がない、通貨貸出準備が整っているも個別企業に貸し出すだけの新商品がないのである。既存の商品は労働力商品も含め低下の一途をたどっている、この現象をデフレと称して「不況?」と呼んでいるにすぎない。そこで、固有価値商品に目を向け、且つ世界経済や世界市場に目を向けながら、日本国内のここ60年ほどの新商品開発の教訓を踏まえ、世界的成功している新商品開発をまとめたものが次の項に示したものである。そしてこれらは、もう既に導入した個別企業において成功を繰り返しつつある。

2.固有価値商品の「ものづくり(消費財の固有価値)のイノベーション手法」
それは、中学校区単位(行政単位)、地場経済圏、地方経済圏、民族文化その他に蓄積された「労働蓄積+労働能力+労働力発揮」といった労働価値に基づくところの、商品開発作業である。
(1)常に非凡な商品・製品を設計してみること。「思考の地図」といったような、別々のアイデアの結合はイノベーションの前段階である。
(2)製品の1ヵ所だけを変えて、非凡(木製自動車その他の例)にしてみる。非凡にする行為はイノベーションではない。
(3)重要な改善発見きっかけのツボは、「他社と違う、他地域と違う」ところにある。違う機能を求めることはイノベーションではない。
(4)固有価値商品の新鮮さをアピールするイベントを行う。(店先の実演販売、半製品を店先で完成するその他の意思疎通)。ビジュアル映像では商品の新鮮さが伝わらない。
(5)商品の容器や容量を変えてみる。(土地柄、一人暮しや核家族向けの数量、保存法)。買い手の、「意欲・感動・希望」を探ることになる。
(6)製品(家電、衣料、水、木製自動車、食品、住居など)の原材料成分を変えてみる。その地方特産品だからといって、それを商品原材料に使うことでの固有価値商品は生まれない。カラシ明太子、水産加工品、昆布製品などすべて労働集約商品である。
(7)顧客が前に何を買い、途中は次に何を買い、また考え直して買った品物を調べてみるといった、「その商品を買うに至る顧客の旅」をよく見る。そこから商品のストーリー(コンテクスト)を添える。それは⇒ホッ!とする効果であり、「意欲・感動・希望」をプロデュースしている。長持ち製品も丈夫さという集団ではなく、商品のストーリー(コンテクスト)で、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることとなる。また、「使い捨て商品」と名付けられる物は、メリハリを持った商品ストーリーと、「意欲・感動・希望」のプロデュースである。
(8)真実を現す色にする。「独自の色彩:それとも:ぼんやり灰色か?」といったような色決めを行う。「真実を現す」とは、買い手の頭の中にある事象であって、裁判所や研究機関といった団体や地球自然現象の中にあるものではない。
(9)買い手が、経験を集めたい、体験を集めたいといった、「意欲・感動・希望」を手に入れられるようにプロデュースされた商品。顧客の体験シリーズや旅(旅とはもとより「人生の旅」に近い概念で、決しては団体旅行パックなどではない)。加えてメソッドバッジ(技能章)といったグッズも用意するところまで徹底する。

3.商品を提供する装置の開発・転換というものは、あくまでも手段にすぎない。装置の開発は、そういった装置を製造提供する企業の固有価値商品である。量販店、小売店、飲食店、通信会社、ソーシャルネット、健康ケア、配信会社、団体旅行社が、商品を提供する装置を手を変え品を変えてみたところで、固有価値商品を提供することにはならない。あくまでも、固有価値商品の提供は、「意欲・感動・希望」をプロデュースすることにある。とりわけ、手を変え品を変えて装置を提供する概念と手法から決別すれば、それに携わる人間、個別事業、社会は経済的豊かさを確保できると考えられる。

<3>「人をケアcareする」サービスのイノベーション
1.固有価値商品は、買い手の、「意欲・感動・希望」を満たす形態で、その価値を実現する。したがって、前時代的な「サービスの経済化」といった程度では固有価値が売り手と買い手の間に成立しない。またそれは、前時代的な「接客業務の改善・改革」といった概念をはるかに超えるものである。

2.「人をケアcareする」といった固有価値商品を完成させる(サービス業の飛躍的イノベーション)は、世界各地で成功している実例でもある。それは次の通りにまとめられる。
(a)相手の悩み解決の手助けならば、その解決方法の選択を非常にうまく導いていくこと。悩みを解決することでケアする仕事の、1番最初の作業は、その悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択することである。解決の答えを提示することは間違いであり、その仕事を相手は望んでいない。解決方法の組み合わせと解決要素の選択=相手自らが選択する行為を導くこととなる。そうすると意欲・感動・希望といった固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(b)新たに固有価値商品を楽しむことを阻んで来たあらゆる障害を、細かいところまで見つけて取り除くこと。その障害が、どこにどのような形で阻んでいるかが、買い手にも売り手にも分からないのが現実である。だから、楽しむことすら買い手には分からない。売り手は的外れにも機能や数量をアピールしがちであるが、これが大きな間違いとなっている。この間違いによる無駄な労働は極めて質量が多い。無駄な労働を重ねて、あげく疲れ果てて、仕事をこなした気分になって人も多い。障害を取り除く過程で、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(c)買い手となるクライアントの恐れる要因を、一般的多数順位から排除あるいは軽減すること。売り手には、買い手が興味を持つ段階での「恐れる要因」が全く分からない。この「恐れる要因」を外していけば、買い手が次々と試してくれることになる。だが、試そうとするきっかけは買い手にも分からない。だから、マーケッティングよりも独特のサンプルインタビューこそ重要となる。「恐れる要因」が無くなりつつあるからこそ、意欲・感動・希望の固有価値を認め、価値の実現に協力する。
(d)例えば、医者(専門家)は治療するのではなく、個別企業側が病気を直す(悪化予防・治療へ)といった方向に変えること。未開人や子どもを納得させるには、医者や魔術師の奇跡や神話が手っ取り早い。無理に奇跡や神話で納得させて病気を直そうとすれば、どんな大人も抵抗する。病気の悪化予防や治療への、固有価値商品=意欲・感動・希望であればこそ、病人の大人は価値を認め、価値の実現に協力する。
(e)買い手は自分の好みを知っている、個別企業側は「好みに合う品と使い道」を知っていると割切ること。それは、買い手が固有価値商品の意欲・感動・希望といった価値を認め、買い手も価値の実現に協力する、そしてなによりも、商品交換を完成させるのは買い手の納得だからである。
(f)相手は、「常に沢山を学びたいが、教えられるのは嫌いだ」と、割り切って接すること。学びたいとは、意欲・感動・希望の固有価値を繰り返し実感するからである。学び手の意欲(やる気)が残っていても、感動や希望が失せてしまえば「学び」に価値を見出せない。意欲だけでは消耗を招くだけであるから、機械や装置にとってかわられるのが自然である。まして、その「学び」である固有価値商品の商品交換を完成させるのは買い手の納得である。
(g)相手に知識を押し付けるのではなく、重要ポイントを一緒に発見するスタイルに徹すること。「知識を得たい」とは、学び手の頭脳の中にある真理に向けて、意欲・感動・希望を伴って知識の蓄積を重ねる行為である。真理に向けて重ねるために重要ポイントの発見作業が不可欠なのである、でなければ相手の頭脳の中に蓄積されない。蓄積されなければ生産的ではなくなるから、商品として購入される量やチャンスは逓減する。無理やり知識を押し付けようとするから経済外的な行為となり、労働に比して非効率非生産的だから経営破たんを招くのである。
(h)芸事を教える場合、相手の技能習得の焦りには、個別企業が、「ゆっくり出ても大丈夫です、手元は遅くで」と、買い手の焦りを取り除くことに集中すること。そして、ゆっくり確実に技能を説明する。ここでも技能説明に限っては、「言ってみて、やってみせて、やらせてみせて、ほめること」が大事である。意味のない複雑かつ速い動きといった曲芸は押し付けないこと。有効な芸術性は手元の複雑かつ速い動きを相手自らが発見するように働きかけること。そのことで、相手は初めて、固有価値を意欲・感動・希望を持って習得することが可能となり、その後は相手自らが固有価値を実現あるいは増殖した上で、再び芸事を伝え固有価値を盛り上げることとなる。

3.その導入手順の要領は、
 イ)これらをすべてシステム化しなければ、事業が成立しない。それは個人であっても同様である。
 ロ)買い手に接する作業者に教育をするから、仕事に笑顔が生まれることで取引の導入がなされる。
 ハ)「人をケアcareする」ことの職種により、a)~h)の項目を選択・具体化する。
 ニ)常に、a)~h)の項目を点検し直し内省(ないせい:深く自己を省みる)して開発を怠らない。
 ホ)「人をケアcareする」ことをシステム化することで安価に供給、それはコストカットではない。
 ヘ)すべてを一気に導入するよりも、a)~h)も各人バラバラに進める方が事業進展は速い。
 ト)顧客探しは、国内外からの「お客」を集め、需要を喚起することを念頭に置く。

<4>サービス(服務)行動を提供するルール
1.つぎに示すサービスのルールは、従来型商品を提供する場合であっても、十分効果的である。サービスとは、日本語では服務というものであって、如何なる仕事であろうが、就業する姿勢のことを示している。ところが、これを事業資金面ばかりから考え、顧客の価格・注文の要素を考えないことから、服務行動おろそかにされている。サービス=値切るとか価格破壊といった誤解(滑稽さが増すと笑い)に至る。すなわち、それは営業販売作業が極端に未熟になっている原因である。

2.13個のルール(営業力が、極端に未熟な原因=改善教育の柱)
 1.自己顕示欲は捨てること、権威のあること。買い手に接する教育をするから、仕事に笑顔が生まれる。
 2.スキ間に配慮。(親切がスキ間の入り口になる)。音楽家モーツァルトや、建築家の多くが述べる、『わずかの違いを大切に』である。
 3.動作が軽快でスマートであること。 それは、重要ポイントを一緒に発見するスタイルである。
 4.時間を厳守すること。時間を守らない人物は信用されない時代になった。
 5.念には念を入れること。お客の「意欲・ 感動・希望」に、念入りに耳を傾けること。そうすれば、それに対する固有価値が提供できる。
 6.技術を身につけること。それは技能=職人技や曲芸・芸当の類を磨くことではないことではない。
 7.案内の良いこと。機能や数量の説明ではないこと。決してお客様の「意欲・ 感動・希望」を決めつけないこと。
 8.お客様の世間話には、仕事を差し置いて直ぐ応対、こちらからの世間話は、就業時間中では禁止であること。
 9.受付のしっかりしていること。買い手の好みを知って、「好みに合う品と使い道」を案内する準備をすること。
 10.依頼手続きが簡単なこと依頼の邪魔くささや障害をなくすこと。
 11.突っ張らないで、リラックスして仕事すること。お客の悩みに応じた解決方法をいくつか組み合わせるとか、いくつかの解決要素を選択すること。
 12.何事も明るくふるまうことで、お客の「意欲・感動・希望」を受け入れる姿勢を、組織的に保つこと。
 13.人間に対して、心からの信頼感を持つこと。買い手の焦りを取り除くことに集中すること。