2005/01/11

第33号

 新年あけましておめでとうございます。

 この年末年始は、事件と災害のニュースで明け暮れたように思います。
 表現に問題があるかと思いますが、景気の悪い時ほど、事件や災害が
 取り沙汰される。マスコミは、ウケねらいなのか人目を気にしてなの
 か? 好景気であれば災害などは経済発展のバネにすらなってきたの
 が人類の歴史である。ものの本によると、人心不安の大きいときほど、
 「天災や凶悪事件が来るぞー。」と不安をかき立てる人たちが現れ取
 り沙汰されるのとのことである。

 ところで、今年末年始は、私達が本当に知りたい経済動向については、
 はっきりした論評が出て来ない。平成14年年末に日本がアジア経済戦
 争に負けて、これからの日本は、「高付加価値商品生産と高水準サー
 ビス商品」の2本柱であることは、ほぼ日本国中で異論のないところ
 になった。だがそれ以降は、経済動向について、諸説氾濫・正反対の
 意見が出てくる始末で、どの説が本質を突いているのか判断出来ない
 状況にある。
 それは、景気の拡大と後退が同時進行しているからである。景気指標
 と景況感のズレ。産業間で景気回復にズレ。企業規模により大手のプ
 ラス方向と中小のマイナス方向でのズレ。同じ産業でも企業間に、増
 収増益、増収減益、減収増益、減収減益の4タイプにズレ。地域間に
 景気のズレ。地価の格差は地価下落率が地方都市での20%以上の下落
 と三大都市圏とで大きな格差が生まれ、東京銀座五丁目や大阪御堂筋
 では上昇する現象すら現れてきた。資産の格差が急拡大し、若年層の
 無貯金世帯は急増している。旧来の経済指標と経済の動きに関する定
 石がコトゴトく外れているのである。これは旧来の調査方法が全面通
 用しないことを物語っている。
 そもそも、経済構造が急激に変化しているときに於いて、「旧式」の
 経済指標でもって景気動向を語ろうとするところに無理がある。状況
 を数字でもって表現すれば、具体性があり一般的にもよく理解もして
 もらえるが、経済統計や経済指標の前提が崩れているとか尺度が異な
 っているにもかかわらず数字数値を用いれば、それはマヤカシにもな
 りうる。諸説の共通点をあげつらっても安心材料にもならない。江戸
 時代から明治時代の経済制度が大転換したときには石高などの指標は
 すでに無意味であった。昭和大恐慌の立ち直り時期に、科学的管理法
 を製造業や商業に導入をしたのだが、それまでの職人的作業方法との
 指標比較をすることはしなかった。今回のバブル崩壊以降の経済状況
 は、人類の英知である国家の金融や信用維持政策によって、それなり
 に「打撃ショック」は緩和されたので平成恐慌(実は当時昭和恐慌と
 も言わず、長引く不景気と言った)とは多くの人が言わないものの、
 昭和大恐慌をはるかに上回る経済変動である。
 加えて、世界経済において日本がアジア経済戦争に負けてしまったの
 である。この経済戦争敗北とて、人間の数、資源、資金力のどれをと
 ってみても日本が優位なものは何一つないにもかかわらず、「人・物
 ・カネ」の三経営要素のみに関心を絞り込み、ノウハウや、情報の残
 る二つの経営要素を軽視したための誤算でもある。今や時代は組織主
 義から機能主義の転換の真っ最中なのである。19世紀以来のピラミッ
 ド型もしくは類似型の組織に頼った経営管理によって、減益となった
 個別事業が続出しているのである。
 要するに、大きな歴史の変化の中で、混とんとしている状況において
 は、「旧式」の経済指標でもって状況判断をすること自体が、事業経
 営転落への道なのである。現実的なひとつの側面から言えば、「高付
 加価値商品の生産と高水準サービス商品」を提供することによって、
 個別企業が「増益」となり「周辺に豊かさ」を享受できたかどうかを
 「指標や試金石」としていれば間違いはない。日本国全体の経済活動
 の結果である経済指標などは、弁解や責任回避の材料に使えこそすれ、
 今年については経営方針の本質からは度外視しておくほうが正解なの
 である。個別企業は、決して世俗的経済評論家の「いまや経済は踊り
 場?」論のようなマヤカシに振り回されている訳にはいかないのであ
 る。
 また、この1月、2月、3月は、不良債権の最終処理期間である。こ
 れに遭遇してしまったときには、冷静に考えるとして、「味方本隊か
 らはぐれ、敵に取り囲まれてしまった場合」と同じであるから、前方
 に突き進み正面突破する以外に、誰もが生存の道は無いのである。

 いよいよ今年の4月1日から、個人情報保護法が施行される。ところ
 が、話題の割にはどのような対策をとったらよいのかが知られていな
 い。多くの書籍には「個人情報管理体制の整備」とか「就業規則に禁
 止項目を記載する」と書いている程度で、対策としては「ざる」のよ
 うなものである。とくに、個人情報保護法とプライバシー侵害の不法
 行為(民法709条)は別建てであるとの認識が弱く、プライバシー侵害
 の不法行為については、未然防止対策(たとえばこのメルマガ巻末に
 示すような誓約書など)を取っていない個別企業がまだまだ多い。こ
 れでは訴訟となれば、個別企業は「踏んだり蹴ったり」の事態を招く
 ことになる。また、政令上の「個人情報データベースの件数が5,000人
 以内の場合」などに該当しないからといって、プライバシー侵害の不
 法行為は起こらないものと錯覚している人も多い。さらには、個人情
 報と個別企業の機密事項を混同し区別できないでいる人も多い。機密
 事項とは個別企業ごとで具体的に特定しない限り、「業務上知り得た
 機密は漏らしてはならない」などとの曖昧な表現では「機密事項」に
 は該当しない。

 (以下、メールマガジン2004年7月号再録)
 個人情報保護法の全面施行は、平成17年4月1日からである。ところ
 が、情報漏洩対策として、単に「機密と個人情報守秘」とのことで打
 たれている現場の対策だけでは、民間の損害賠償事件には、大きな手
 抜かりを生じる。巷でよく例示・論議されているものは、個人情報保
 護法や情報公開法理からだけの対策(4ポイントなど)ばかりに目が
 向いていて、企業経営に一番大切な損害賠償事件とか基本的人権トラ
 ブルの対策には欠落(瑕疵)がある。所詮、国家または官僚は民間の
 経済活動にとやかく口出しすべきではないのだが、法律に基づく国の
 アドバイスが無いからといって、民間企業では対策を忘れてはいけな
 い。個人情報保護法とプライバシー侵害の不法行為(民法709条)は別
 建てである。
 特に、秘密を取り扱う末端の従事者が、「どれが機密か分からない」、
 あるいは「具体的に個人情報かどうか区別できない」、さらには「情
 報を漏らして良い人と悪い人の区別が分からない」、と主張されてし
 まえば、「知らなかった(法律上は善意となる)」ということで悪意
 が無いことになり、個別企業は末端従事者の責任を問えなくなり、重
 ねて教育をしてこなかった責任も問われることになり、いわば事件が
 起こったときには踏んだり蹴ったりとなるのである。末端従事者に、
 就業規則上の処分が出来ないのはもちろん、「知らなかった(法律上
 は善意となる)」と言われ、民法上の損害賠償も求められない。外注
 や派遣ではさらに複雑になる。法律上の手抜かりで、事業者の過失責
 任ばかりが問われる。
 そこで、決定的ポイントを含めた具体的対策を誓約書の形で作成した。
 このメルマガの巻末に例示掲載。
 誓約書以外の形式でも自由。これを従事者に示すだけでも、法律上の
 効果には、「善意なのか悪意なのか」の大差が出る。ほとんどの「ウ
 ッカリ漏れ」は未然防止できる。ところで、IT関連業務のパスワー
 ド自体は機密事項でパスワードを悪用して個人情報を故意に漏らすこ
 ととなる。医療関係のカルテなどは個人情報かつ病院にとっては機密
 事項であり、病院が守秘項目としてカルテを機密に特定する必要があ
 る。と言う具合である。
 (再録ここまで)

 厚生労働省は、規制改革・民間開放推進会議の第1次答申に対する考
 え方を公表。市場化テスト(官民競争入札制度)と「主要官製市場等
 の改革の推進」などの意見を整理し、徹底して民間開放推進会議の答
 申を批判している。
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1228-4.html
 議論のテクニックにおいて、推進会議はお粗末にも劣勢に立っており、
 厚生労働省は非常に優位である。しかし民間個別企業の立場からする
 と、議論が空中戦になっており、民間開放推進会議の提案は、腑に落
 ちないし、現実味も湧いてこない。
 民間開放と言うのであれば現実身近なところで、たとえば、雇用保険、
 社会保険、労災保険などの保険手続きである、被保険者の加入脱退や
 給付について、官民双方の無駄・非効率そして個別企業総務部門から
 アウトソーシングするのに「ネック」となっているポイントは、代理
 した書類に「事業主等の記名押印が必要」なことである。弁護士や弁
 理士(特許、商標登録、サービスマーク)の業務は代理人の記名押印
 で済ませられる。安定所や社会保険の届出書類は全国共通で作成に個
 別企業の特色は無い。一般社員の問い合わせに対する担当社員の回答
 も(本来は)全国共通。非効率にも、これらの事務作業を個別企業の
 社員が行う必要はない。アウトソーシング会社などの社会保険労務士
 が行った方が品質・期間・コストは適切である。電子申請の普及が進
 まないのは添付書類が多いからだけではない。事業主の電子署名を省
 略し代理人の電子署名のみにすれば良い。現行法令で保険手続きなど
 のアウトソーシングには外部社会保険労務士の国家資格者を必要とす
 るが、その外部資格者のもとで事業主等の記名押印を省略するだけで、
 すぐさま多大な事務が効率化されるのである。この外部社会保険労務
 士活用範囲においての規制改革こそ、即、個別企業に役立つものであ
 り、厚生労働省の「権利義務を具体的に確定するための業務」にも有
 益なのである。特に社会保険関係事務の無駄には効果があると思われ
 る。もちろん、詐欺・横領、瑕疵などへの特別対策と供託をさせるこ
 とにより犯罪や事件での損害金の担保も必要である。これらは法令の
 大した改正もせずに実施できる。EUなどでは個別企業の経理事務を
 行政機関が代行して、個別企業の経営支援を行っている動きさえある。
 これからの小規模事業所の増加が予想されることも考えると、これだ
 けでも個別企業の間接部門の生産性は向上するのである。
 豊かな日本に向けての制度的インフラについて、主義・主張、文化・
 価値観を語っている事態ではない。民間からすれば、官僚組織は「自
 らの保身と権力を増やそうとしているのでは?」と疑っており、公か
 らすれば、民間は「営利目的だから不採算業務の切り捨てによる品質
 低下とか、劣悪不良な業務をするのでは?」との疑いが、互いにある
 様である。「疑い」があるのだから、そこは、この際、具体的な方策
 を考えて、規制改革や経済発展を目指す必要がある。数千年の昔から、
 イデオロギー対立の議論の末に有効な対策が行われた例はないのであ
 る。

2004/12/07

第32号

 いくつかの経済指標を良い方向に支えてきた要因が崩れてきた。中国
 経済の見通しやデジタル家電の動きである。今までは、少々中途半端
 でも、中国経済やデジタルなどの支えが働き、まだ何とかなっていた
 傾向があった。この支えが機能しなくなって、いよいよ、年末から年
 度末にかけ、大手・中小・零細企業に至るまで、組織主義から機能主
 義への経営管理の転換を余儀なくされる。
 ところで世間は、この秋からは卸小売業をはじめとして、経営管理の
 機能が発揮されない限り、賞与をはじめとして人件費を直接削減せざ
 るを得ない状況である。世界に向けて、高付加価値商品や高水準サー
 ビスを提供していくとしても、国内の個人消費の低迷は、とても痛い。
 それも1400兆円といわれる貯蓄?を狙って、イタリアなどの外資系が
 国内の個人消費支出の中で幅を広げ、有能な外国商売人が日本にやっ
 て来ている始末である。
 大手都市銀行の不良債権処理計画と再編は目標達成をほぼ果たし終了
 段階を迎えた。地方銀行や信用金庫などは最後の仕上げに、これから
 入っていくのである。不良債権処理をしなければ破たんさせられるか
 大手都市銀行の下請銀行にならざるを得ないから、各銀行も必死であ
 る。地銀の中で、「比率」をクリアしている銀行の存在であるが、も
 ちろん首都圏は全滅、全国を見ても関西の三行だけとの情報が流れて
 いる。来年3月末の不良債権処理期限まで、これらの要因が個別企業
 を襲ってきているのである。
 ではあっても、昔とは違って、機能主義の路線を選んだ個別事業には、
 すぐさま豊かさが享受されるようになった。「世の中、損する者が居
 れば、得する者も居る」などとの、非経済学的な迷信は通用しなくな
 りつつある社会である。

 組織主義から機能主義へと、個別企業の経営管理のあり方が再編成さ
 れる時代であるからこそ、個別の労使紛争が急増しているのである。
 確かに、社会秩序と労働市場の再編成の引き金は、税制上の退職金引
 き当て制度の廃止、適格年金の崩壊、公的年金等の不透明な社会保障
 制度が引き金を引いてしまった。個別企業にとっては、経済再生の要
 である高付加価値商品や高水準サービスを提供していく上で、社員の
 労働意欲低下と企業内秩序の崩壊は致命的な障害となる。
 11月10日、2年ほど前の事件で、札幌地方裁判所は「笑顔がない」こ
 とを理由に27歳の女性介護職員を退職させた病院に対して、解雇無効
 と約2年間の賃金及び25万円の慰謝料の支払いを命じた。組織主義で
 あれば病院の主張する「笑顔」も必要だったかもしれない。航空会社
 の客室乗務員の笑顔のように機能重視であれば、まったく別の対応と
 なったであろう。組織主義においては、社員を組織周囲の人間関係に
 はめ込み、はめ込みきれないので排除した途端に訴訟や監督署に走ら
 れてしまって、「切った張った」の対決にならざるを得なかった。だ
 から、社員は労働組合などの組織を通じて対抗したのである。国の機
 関で独立行政法人に移行し民間事業となるや、労働組合員加入者が増
 えているとのことで、いまだにこの傾向は存在しているのだ。
 業務や経営を機能主義へと転換させたならば、トラブルや紛争を人間
 関係の破壊に至らせないようにしなければならない。この場合の人間
 関係とは業務指示系統機能であり、コミュニケーションであり、ボト
 ムアップであり、労働意欲の向上をコントロールすることである。こ
 れが「物事を経済学的に進める」ということである。この指向性は、
 北欧を筆頭に、イギリス、ドイツの経済回復で実証されている。今注
 目されている紛争調整委員会のあっせん制度は、裁判等のような「対
 決的紛争処理」ではないこともあって、機能主義の時代に対応した国
 家の用意した紛争調整の制度なのである。同一事案を労使のいずれか
 らあっせんの申請をしても、その目的や機能を期待できる。旧来は中
 間管理職とか人事担当者が行っていたトラブル調整を「あっせん代理
 人」にアウトソーシングすることもできるのである。

 「労働紛争のあっせんを持ちかけられたら、どうすればいいか」の経
 営者人事担当者向けの記事が、日本実業出版社発行の企業実務誌12月
 号に載りました。著作は弊社代表取締役の村岡利幸です。制度の概要
 ではなく、あっせんをどう活用すればよいのかについてまとめました。
 A4判4ページ建ての記事です。必要な方には、見本の白焼きコピー
 をお送りします。ただし、お送りするについては、電子データになっ
 ていませんから、事務方の手間がかかりますので、次の通りの費用を
 お願いいたします。
 [注文方法]
 見本の白焼きコピーを1枚……返信用封筒と80円切手2枚を送付。
 [送り先]
 540-0022 大阪市中央区糸屋町2?1?6 株式会社総務部コピー係

 定年が国家の強制で引き上げ。
 平成18年4月から62歳、19年4月から63歳、22年4月から64歳、25年
 4月から65歳と段階的に、個別企業の定年が引き上げられることにな
 った。平成19年から団塊の世代が60歳定年を迎える「2007年問題」に
 対して、年金受給開始時期とのズレにあわせての国家的危機の回避策
 そのものである。
 ただし、労使協定でもって合意基準を設定すれば、ある程度社員の中
 で、能力の低いものは定年等の延長から除外することができるように
 なっている。これらは正当かつ合法的な手続きを行った上でのことで
 あり、何も決めなければ全員を定年延長しなければならない。就業規
 則などで定年を定めなければ当該本人が死亡するまで雇用義務が発生
 することと同じ理屈である。
 対象者選定の基準となるわけであるが、恣意的に雇用排除しようとか
 法律や公序良俗に反するものは認められない。(1)意欲、能力等をで
 きる限り具体的に測るものであること(具体性)、(2)必要とされる
 能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができる
 ものであること(客観性)?が必要となった。「社内技能検定レベル
 Aレベル」「営業経験が豊富な者(全国の営業所を3カ所以上経験)」
 「勤務評定が開示されている前提で、過去3年間の評定がC以上(平
 均以上)のもの」などが例示されている。反対に「会社が必要と認め
 た者」「上司の推せん」「男性」などはまったく認められない。
 厚生労働省は、高年齢者雇用確保措置に関して質問の多かった事項に
 ついて見解を示したQ&Aを公表している。
  http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/qa/

 労働組合法が、55年ぶりに改正された。労働組合が無いからといって、
 安心してはいけない。コミュニティユニオンといって、社員個人単位
 で入れる組合が全国各地に存在するので、個別企業で労働組合を結成
 しなくても、一個人が労働組合事務所に寄って加入申込をすれば、そ
 の個別企業に労働組合が存在することになるのである。
 すると、会社側が、労働組合員や労働組合団体に対して、行ってはな
 らない行為がある。組合員だからといって差別をするとか、団体交渉
 を拒否するとか、正当な組合活動妨害するとか、組合をやめさせよう
 とすること等である。これらの行為を「不当労働行為」という。労働
 組合活動には、面会強要罪や不退去罪などでの刑事免責とサボタージ
 ュやストライキ損害賠償での民事免責があり、この範囲での自力救済
 権を持っている。この自力救済行為が正当な労働組合活動に該当する
 ため、これに対抗した会社の行為が不当労働行為かどうかの「審査と
 労働組合救済」が行われるのである。救済内容では原状回復のみなら
 ず、解決金(ペナルティー)や1文字5センチ角の謝罪文を会社門前
 に掲示することも命令される。
 この審査と救済が、今までは、期限も決めずに、ノンベンだらりと行
 われてきた。それが今回の改正で、あらかじめ「テキパキと」審査の
 進行や救済される場合の時期が計画されることとなったのである。審
 査にあたる中心の公益委員を常勤させることができるようになった。
 職権により証人や証拠の提出命令が可能となり、拒否すれば訴訟の際
 の追加や「後出し」証拠は出せなくなった。
 複雑な不当労働行為事案以外は早期審査となるため、労働組合とって
 は非常に有利に働く。会社側の明確な不当労働行為は、次々と即座に
 排除される。おまけに、従来から不当労働行為事件を扱える経営側の
 有能な弁護士は非常に数が少ないので、最低限300万円(三百)の着手
 金を用意しないと、労働側の弁護士に論述で負けてしまう。労働側の
 弁護士は、東大や京大法学部の現役司法試験パス組の宝庫であり、日
 本労働弁護団その他を形成して日常的に切磋琢磨しているから、頭脳
 の有能さでは負けるのである。
 なお、今まで地方労働委員会と言っていたが、改正により、「都道府
 県労働委員会」に名称が変わります。施行は、来年1月1日から。

 来年1月のメルマガ発行は、平成17年1月11日にさせていただきます。
 年の初めの「税務と労務」は掲載しておきました。明るく良い年を迎
 えください。

2004/11/09

第31号

 労働基準法の関係書式の便利なWEBが見つかりました。群馬労働局
 のものです。法定様式は便利です。参考書式は適用できない場合もあ
 りますから、よく検討してからにしてください。今しばらく様子を見
 てから当社のダウンロードページにリンクしたいと思っています。そ
 れまでは、このURLを「お気に入り」にどうぞ。
 http://www.gunmaroudoukyoku.go.jp/youshiki/yousiki01.html

 会社側からの申請が急増している紛争調整委員会への「あっせん制度
 を活用した労使トラブル解決法」の解説論文を私ども株式会社総務部
 の代表村岡利幸が発表しました。日本法令発行のビジネスガイド誌11
 月号。この雑誌のPRの意味も込め「お分け」出来そうですから、ご
 希望の方は気軽に、お申し込みください。
 mail@soumubu.jp

 業務請負と人材派遣、活用する上でどこが違うのか。
 人材派遣とは人材を時間単位でレンタルすること。業務請負は発注し
 た業務の完成を期待して注文すること。これが職業安定法や労働者派
 遣法での区別である。人材派遣を偽装して業務請負している場合があ
 ることから、労働組合からは「請負労働」と暗いイメージを名付けら
 れた。
 ところで、どちらが経済的に有効なのかは、一般的に論じられていな
 い。昭和61年に「業務請負」の形態と名称が開発されたときから、こ
 の重要なノウハウは持っていた。それは、労働力需給は地域ごとに発
 生することが多く、業務請負会社が地域ごとにカバーをすることで、
 製造業者と地元労働者の役に立つとの存在意義である。(大阪で当社
 のメンバーが、このときの企画立案を行った)。すなわち、採用募集
 の経費と手間が不要となり、労働者には解雇や雇用の切れ目の不安が
 無くなるから、業務請負が一挙に地元から支持され急成長と高い利益
 をあげたのである。人材派遣を偽装した場合には募集の無駄なコスト
 がかさむだけでなく労働者の質が低下傾向になる。業務請負で働く労
 働者の形態はフリーターで占められている。からといっても地元に地
 に足が着いているので質は低下しない。たしかに、業務請負で働く人
 材は高熟練技能者とまではいかないが比較的質は高いものである。多
 量のパートタイマー採用の場合には25%ほど増量して雇用しなければ
 ラインを回すことができない実態からすると労働者の質が大切なので
 ある。業務請負は実に「派遣と請負の区分」の当時の労働大臣告示か
 ら生まれたニュービジネスであって、利益の源泉は職業安定所が手を
 つけられない地元企業間の細かい密着の労働力需給システムにあった
 のである。あげくは人材派遣を偽装した業務形態であれば、労働力の
 質が低下しコスト増加傾向を招き、不採算業者ゆえに悪事にも手を染
 めざるを得ないのである。
 この3月の解禁によって製造業の人材派遣が増加したが、それは法律
 違反の危険を回避するために偽装業者が派遣に切り替えたものが大半
 である。人材派遣なので労働者の社会保険加入が必要条件となるが、
 増加する社会保険料を発注会社が負担したケースはほんの一部である。
 派遣法違反の危険がない業務請負の場合、人材派遣と比べて現実に人
 件費コストは安く、それは事実上、社会保険料の労使負担分約22%が
 該当する。社会保険事務所は保険収支の不採算となるフリーター低賃
 金労働者を健康保険や厚生年金に加入させようとしない。業務請負会
 社に対して社会保険事務所の調査はほとんどなく、実施しても「ザル」
 どころではなく「そこの抜けた桶」そのものである。政府の社会保障
 政策の大転換がない限り、この社会保険事務所の取り扱い実態は変わ
 らないから、許されるかどうかは別として、業務請負会社と付き合う
 方が本来の利益システム以上に経済効果が存在するのである。また、
 総務省はパートやフリーターに対する住民税課税を2007年になってか
 ら強化するための地方税法改正の方針を発表したので、所得税と雇用
 保険が関係するだけである。
 結局、急場しのぎやゴマカシの労働力需給管理では、製造業は成り立
 たないのである。

 一部の製造現場では、現場ヒアリングを軽視してまでも、人材派遣や
 業務請負の利用で以って人件費を削減した。それにより「ベテラン労
 働者」を排除してしまった。ために、安全衛生確保に必要な知識や技
 術などのノウハウ(現場力)が組織的に欠落(現場力の低下との指摘)
 し、現場での事故を多発させたとの指摘は、論議すればするほど多く
 の人が認める内容である。どんな仕事においても事故や過失は予想以
 上の損害をもたらすのである。こんな事が分かっていても、「ハゲタ
 カ」ファンドと「ハイエナ」ファンドが関係する個別企業で、このよ
 うな現象がよく見られるのは、単なる気のせいではなさそうだ。

 東京の日本商工会議所の事務所職員に対してのサービス残業が指摘さ
 れた。ご存知の通り、日本商工会議所は厚生労働省の労働政策審議会
 などで政策提言や意見を述べている団体である。監督官は解雇に関す
 る就業規則の変更届や衛生管理者を設置していないことについても指
 摘した。手抜かりではなく姿勢の問題だとして、率先して法律を守ら
 なければならない団体でのサービス残業がゆえに社会の批判も厳しい。
 日本は世界に向けて、高付加価値製品と高水準サービス商品で、経済
 成長を図ろうと政府も財界も機運を盛り上げ、アジア経済戦争に負け
 た分をとり返そうと個別企業で頑張っているさなかの出来事である。
 「地域経済の足を引っ張っている原因は商工会議所だ」と極端な意見
 も出ているさなか、それを裏付ける様な事件である。

 テレビなどで年収300万円時代が来ると話題になっている。確かに、
 正規労働者の年収は減少し続けている。特に若年者は昔に比べて物価
 スライド後の賃金額が極端に少ない構造になってしまった。この6年
 ほどの間に、正規労働者は171万人減り非正規労働者は260万人増えた。
 中小企業に働く人たちの(企業規模29人以下の労働者)は民間労働者
 の46%を占めるが、年収300万円以下が半数を占めている。長期パート
 は年収が150万円前後、契約派遣は年収が200万円前後との報告もある。
 中小企業経営者の所得は年収300万円以下が5割を超えそのうちの60歳
 以上では7割を超えている(03年の「中小企業白書」)。一般の雇用
 統計に出てこない取締役400万人は、そのほとんどが中小企業経営者で、
 正規社員3400万人と比べ約10人に1人が、会社役員という不思議な現
 象となっている。
 失業者の半数は雇用保険の失業手当が切れているとの指摘がある。国
 民年金収入は平均5万円で無年金者も増大。生活保護者は139万人、
 自己破産者24万人、自殺者は3万4千人、ホームレスが2万4千人、
 刑法犯は369万件などと過去になく「貧困化」を現わす数値が高くなっ
 て来ているのである。
 ここまでも個人購買力が低下をしてしまい、経済構造も変わらないの
 で、この傾向が日本経済の打撃となって、この秋を迎えている。
 なげいていても、不満を言っていても仕方がないので、根本的に脱出
 する意味から、日本経済は世界に向けて、高付加価値製品と高水準サ
 ービス商品で進出を計ることが大切だ。地方企業であっても、中小企
 業であっても、これで将来が開けてくる。語学や貿易の知識は必要で
 はない。この道を選んだ者だけが既に享受している豊かさである。い
 つまでも海外ブランドに、日本人の貯金を持っていかれることも無い
 のだ。

2004/10/05

第30号

 来年3月末の不良債権処理計画期限まで、六ヵ月を切った。金融庁は
 地方銀行や信用金庫に手を付けてきたので、その面から中堅中小企業
 のリストラや企業再編が本格的になってきた。事業自体の赤字企業は
 相手にされず、支払い予定額(たとえば退職金債務)や借入金のバラ
 ンス超過にまでチェックが、融資条件に入ってきた。これをキッカケ
 に大手中小を問わず、旧態依然の社会や世間体にあぐらをかいてきた
 個別企業は激烈なリストラか事業廃止を迫られることとなった。
 ここで日本再生に向けての「高付加価値商品」または「高水準サービ
 ス商品」を提供できる事業体制を作り上げるための総務部門の役割は
 きわめて正念場である。営業や製造その他部門の活躍が大切と一般論
 では言われるが、これを現実に各部門の力を発揮させて、足を引っ張
 り合わないよう社内をまとめるのは、総務部門だけが組織的に行なえ
 るのである。

 「退職金が支払えない!」。ほとんどの企業が頭を悩ましている。景
 気の良い時に節税対策だと言われて、退職金規定を作り退職金引当金
 を水増ししたのだからなおさらである。そこへ、金融機関の貸し出し
 条件に、労働債務(とくに退職金規定と支払い資金)の縮小までがチ
 ェック項目に入ってきたから、ここにきて退職金問題に急に火がつい
 た。適格年金などを取り扱う金融機関や生保は「さぁ?。大蔵省が認
 めた?ものだから?大丈夫?なのでは…退職金規定で払うと決めたの
 は、お宅の会社でしょ」と、制度加入の時とは裏腹に200%の逃げの
 姿勢である。「退職金の廃止だ、減額だ」との労働条件不利益変更は
 とても厄介なもので、定年退職(解雇)と重なり、危険は少なくとも、
 法律上の手続きと社員との合意努力がなされていない場合は5年の間
 は訴訟されれば5%の利息付で敗訴する。労働者側の弁護士費用を支
 払えとの判決も珍しくない。秘密のうちに退職金規定を変更しておい
 ても周知した事実がないので、もとより変更は無効となる。社員から
 退職金廃止の同意書を取り付けても全面無効である。労働基準法や判
 例に則っていなければ、紛争調整委員会の「あっせん」を申請しても
 門前払いとなる。退職金を払う一時金がないとのことで、それに見合
 った継続雇用で難局を乗り切る方法があるが、労働意欲を低下させな
 い合意形成が非常に難しいのである。退職金資金が危なくなる2年前
 の対策が必要であるが、今からでも「あっせん代理人」にアドバイス
 を受けるのが良い。あと3年で、団塊の世代の大量の退職者が出るな
 どの2007年問題と言われているが、一件の裁判が個別企業においては
 全員に響き激震を起す。退職金訴訟は部長クラスの退職者に集中して
 いることに注意が必要である

 人事や総務部が、驚き弱ってしまうセクハラ事例。次の事例は、最近、
 紛争調整委員会の「あっせん」に持ち込まれたケース。あっせん代理
 人が付くことで裁判よりも気軽に持ち込まれるのだが、自分の会社で
 こんなことをする社員がいるかと思えば、今までのセクハラ対策は、
 いったい何だったのかと落胆してしまう。そこには、悪質セクハラの
 加害者の多くが高学歴であり有名大手企業などの安定した地位の男性
 であるとの特徴がある。「まさか、あの人に限って」の人物なのであ
 る。
 ・寄ってたかって触り放題の乱チキパーティーを強要し、それを右斜
  め前で見ぬ振りをする上司二人。ソフト開発業。
 ・十数年にわたり職場妻をしつこく迫り、被害者が精神疾患となれば
  自己都合退職を強要。社会福祉法人。
 ・50歳過ぎたおばさんにお恵みをと、みんなの前で1円玉を投げつけ
  る親会社の出向社員。
 ・派遣先の上司に仕事で呼びつけられ、車に軟禁、ラブホ未遂、水を
  飲ませずケーキを詰め込み、駅にポイされて、会社の誰もが知らん
  振り。
 ・セクハラ相談したところ、警察への通報や損害賠償請求は致しませ
  んとの確認書を書くように強要した人事部。大手派遣会社。
 ・セクハラ被害者を無視、加害者男性を昇格させる、会計事務所の所
  長。
 ・普段はエロいやみ、飲めば女の服をはぐ、「そういうキャラなおま
  えが悪いんよ」とうそぶく、フィギア系の強面店長。外食チェーン。
 加害者の責任はもちろんである。人事・総務部門が本当に困ってしま
 うのは、セクハラ発生後に現地の管理責任が果たされていないことだ。
 よって、問題はこじれ、憎悪が募り、自殺未遂が生じ、そのすべてが
 会社の責任になることである。現地の下部組織で中間管理者も含めて
 事件が隠されているため、あっせん開始通知が来た人事総務部門では
 寝耳に水なのである。表面的セクハラ対策だけでは高学歴者のセクハ
 ラは地下に潜ってしまいがちなのである。

 black-humor???
 「こうすれば儲かる!社会保険事務所の営業???」
 ・標準報酬月額の全国平均より給与の高い企業単位では強制適用と法
  律を振りかざして保険に入れる。
 ・平均より給与の低い事業所は、難癖をつけて社会保険に入れない。
  …出費が多くなるから。
 ・保険料が未納になるようなら、数十人以下の事業所は、さっさと社
  会保険をやめさせる。
 ・倒産会社などでの保険料が回収できない遡及加入手続きは、担当社
  保職員の出世にひびかせて遡及加入を阻止。
 ・脅しに弱い大手企業の子会社を重点に、「パート加入」で保険料を
  かき集める。
 ・回収に手間の掛かる企業とか調査に時間の掛かる事業所はこの際、
  手を付けない。
 ・これらを10年ほど続け、社会保険は高給与優良企業ばかりにする。
 ・安月給劣悪企業は保険給付が持ち出しになるので被保険者と事業所
  を国民健康保険と国民年金に移してしまえば空前の利益金が出る。
  そのような法律改正をするだけだ。
 ・年金受給者への資金が無くなれば支給額をカットするだけのことで
  ある。??えっ?そんな!「政府のやることか?」と国民に抗議さ
  れたら、社会保険を民営化して官僚も職員も丸ごと天下るだけ???
 (と倫理観のない営業方針の話。一応パロディのツモリ…2003/9/9当
 メルマガを再掲載)
 もとより昭和36年の現行年金制度創設のときから給付と保険料バラン
 スは「合う分けがない」のだから法律改正などどこ吹く風で、社会保
 険事務所の現場で文句さえ出なければ良いと、官僚は考えているのだ。
 民間に対する現場での合言葉は「保険ですから採算が…」の二枚舌。
 よって、年金改正が今月から実施されても、個別企業の社会保険に関
 する総務部門の方針をめぐる背景や状況はそのままである。来年は健
 康保険の改正である。

 『私ども、株式会社総務部は、新時代を切り開く事業を総務部門から
 支えます。』

2004/09/07

第29号

 労働関係諸法令の時代にあった整備が進められようとしている。現実
 には、法令も行政解釈も今の時代の変化にはついていけない状況であ
 る。だがしかし、労働基準監督官の一部には、時代についていけない
 のではなくて、もとより学習不足のために、民間企業に対して、何を
 言うやら分からない監督官が存在する。
 サービス残業の監督指導については、厚生労働省本省が、マニュアル
 めいたものを作るまでは、労働基準監督官個人の関心の高さ、関心の
 低さ、未熟さや熟練度によって、是正勧告書の内容が大きく違ってい
 たのだ。手練手管に一杯食わされていた若年監督官がとても多かった
 のである。今年、労働基準法第18条の2の解雇条項が施行されたが、
 この法律改正が取りざたされるまでは、「平均賃金の30日分さえ払え
 ば、いつでも解雇できる」(これは間違い)と、口頭説明していた監
 督官が何人もいた。これを信じた民間経営者は、「何人もが煮え湯を
 飲まされた」のである。
 つい先日は、政令都市の中央労働基準監督署が、大きな間違いをした。
 事案概要は、36協定の届出が社長と社員会の間で締結されて届けられ
 た。この社員会は労働組合であるとの証明書が添付されていた。労働
 組合の機能を持つかどうかは届出時に窓口確認されていたにもかかわ
 らず、「協定不適格当事者」と言って、監督署は空論法を繰り返し、
 つき返したのである。会社からの猛烈な抗議に対しても、労働組合法
 条文の読み間違いと間違った解釈を披露するものだから、協定当事者
 問題根本からの大論戦になった。結果は監督署がことごとく間違って
 いたのであって、最後には「労働局が悪いんです」と責任逃れをする
 始末であった。当該監督署挙げて結論に達していたにしても、上級機
 関の労働局の間違った指示に気がつく能力がなかったにしても、監督
 署の組織も監督官も理論水準の低い限りなのである。
 時代にあった法律整備が必要ではあるが、本省としては、それを待つ
 間にも労働基準監督官の、「せめて、正確な法解釈」をする程度の理
 論指導は、当然のことではないだろうか。監督署に聞いて、それを信
 じて実行すれば、裁判に負けて、監督官からは、「裁判のことまで知
 りません」と言われる始末であれば、誰も監督官を信頼しない。

 普通解雇と懲戒解雇の区分けや記載方法での質問が、私どもに相次い
 でいる。次回のメルマガあたりで、手抜かりの出ない作成・運用・実
 務方法を解説する予定でいる。
 今年から、労働基準法第18条の2の解雇条項が施行されたことで、解
 雇法理が判例法理から法廷法理に変更された。これに伴い就業規則の
 大幅変更がされないと解雇無効となるケースが続出する。(規則を変
 更せずに解雇無効となる事態を招くのも事業主の自由との論理に立つ)
 とくに、「客観的に合理的な理由」を就業規則で表現する必要がある。
 客観的とは外部の第三者が確かめられる事実で証明できるかどうかで
 ある。合理的とは理由の事実が真実で、解雇の正当な事由を証明でき
 るかどうかである。よく見受けられた、普通解雇の4?5項目規定で
 は「客観的に合理的な理由」に欠ける。普通・懲戒共にそれぞれで重
 複した解雇条項を挙げておかないと理由に欠けることになる。「悪質
 なときは懲戒解雇」との規定も「悪質」の部分で理由に欠ける。「こ
 れはこういう意味です」と説明しないと判読できないものは客観性に
 欠ける。作成技術の側面に限定すると、想定される普通解雇条項を列
 挙し、その中から、事業社会共同体の秩序維持のための「見せしめ」
 および「ダメージ」の必要な条項を拾い挙げて懲戒解雇条項とするの
 だ。ただし、中間管理職一般に理解してもらうには、これだけでは不
 都合を続発する事になる。規則とは「踏み外せば罰する」ものではな
 い。世に言う証拠と手続きも必要。裁判になってからでは取り返しが
 付かず、判例の合否では社員の納得は得られるはずもなく、働いた経
 験がなければ就業規則を書ききれないなどの課題をクリヤーした解説
 を書きます。

 個別労働紛争の「あっせん」を申請されたときの会社の対応について
 の、原稿依頼があいつぐ。(マニュアル的にまとめますので、少々お
 待ちを)。「あっせん代理人」の書籍(日本法令刊)は1ヵ月半でビ
 ジネス本のベストセラーに突入。あっせん申請への対処の方法やあっ
 せん代理人の選び方が読み取れるとのことで好評らしい。トラブルや
 事件が発生しそうでも、一般的弁護士は裁判所から「訴状が来たら連
 絡ください」と話にも乗ってくれない。こんなことから「あっせん」
 は広がりを見せているのだろう。

 ビジネスマンなら、産業業種そして職業を問わず、誰でも知っておか
 なければならない経済の話。世界経済はどちらを向いて走っているの
 か。アジア経済戦争に負けた(平成14年末)日本はどちらを向いてい
 るのやら。
 中国経済バブル、拡大EUの誕生、インド、ブラジルなどアメリカ中
 心の世界経済は急転換していることは確か。これに対して、小泉はア
 メリカ中心の経済戦略一辺倒。片や経団連などは、「東アジア自由経
 済圏」確立と、異なった方向で走っている。いまの日本は、どっちつ
 かずの状態である。
 来年3月末の不良債権処理計画期限まで、六ヵ月と少し。金融庁は地
 方銀行や信用金庫に手を付けてきたので、その面から中堅中小企業の
 リストラや企業再編が本格的になる。これに加え、アメリカ大統領選
 挙の結果如何にかかわらず、選挙後は景気後退するのは間違いない。
 中国経済バブルもあと4年(北京オリンピック)で終了するが、すで
 に鉄鋼分野の来年予想では「大幅落ち込み」となっている。
 とはいえ、「どっちつかず」の上にマイナス要因ではあるが、「高付
 加価値製品」または「高水準サービス商品」に軸足をおいた事業経営
 を行っていれば、「どっちつかず」には巻き込まれることはない。こ
 れを基本に、大手も中堅も中小零細企業も「多国籍企業展開」を考え
 ているのであれば、アメリカか?東アジアか?とのどっちつかずの論
 戦は、知識として知っている程度で十分である。「どっちつかず」を
 克服すれば、東ヨーロッパやアフリカも視野に入ってくるというもの。
 二つの軸足での事業経営と現有人材のベクトルが一致すれば、マイナ
 ス要因の影響も、そよ風程度に感じるだけである。
 失敗事例の三菱で説明をするとわかりやすい。テレビ東京系列で、三
 菱自動車水島工場の研修風景が放映された。水島工場の幹部らしき男
 が最初に社員に話しかけたのは、「ただでさえ忙しいのに、なぜ、企
 業倫理か」とめんどくさそうな顔であった。もうずれている。テレビ
 東京側には「従業員には話を聞くな」との取材規制があったと報道し
 たが、TVクルーに三菱が辛酸を舐めさせたから報道されたものだ。
 アメリカでも東アジアでも「ブラ下がって経営をしておれば」と考え
 るから「ほっかむり」しようとなる。そこへ、巷の評論の中での、三
 菱系列には「高学歴の人材さえ抱えていれば技術が?というものの、
 チームワークもないので…」では技術発揮も疑わしい。企業の倫理観
 に問題があるというよりも、そもそもが、遠い昔のままの時代錯誤の
 経営戦略。世界経済動向にかけ離れ、「高付加価値とか高水準サービ
 ス」など眼中に無いから、ますます企業倫理など気にもとめない。三
 菱の行為は日本経済の足を引っ張り続けている。財閥系といっても明
 治以降の新興だから気づくKNOW-HOWすらない。

 月100時間を超える時間外労働には、事実上の罰金政策か?
 過労死や過労自殺につながる過重労働による健康障害発生を防ぐため、
 月100時間を超える時間外労働を行った場合、労働者自身が健康に不
 安を感じた場合、周囲が異常を疑った場合などに、医師による面接指
 導の実施を制度化する方策。厚生労働省は18日、「過重労働・メンタ
 ルヘルス対策の在り方に係る検討会」の報告書を発表した。現行の時
 間外を長時間させたときの健康診断も事実上の罰金政策である。
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/08/h0818-1.html

2004/08/10

第28号

 「この世の終わりか?異常気象!」と、一昔前なら大騒ぎである。猛
 暑が来て台風・水害、秋がきてトンボが飛び交い、名月を見たかと思
 えば、二度目の夏でまた猛暑。みなさんくれぐれも、からだを、お大
 事に。

 景気が活性化しているときは、天災や猛暑は経済のプラス材料になる。
 昔から、「災難や大飢饉」は、不況の真っただ中に起こった。江戸時
 代は経済抑制政策で不況の連続であった。なので話題になり歴史に残
 った。一時的災難で人々はめげないのである。景気がよければ、災難
 も経済活性の起爆にもしてしまうのである。
 今年の夏は猛烈に暑い。ところが、猛暑の夏の年のような夏物商戦に
 はなっていない。商品の売れ行きが伸び悩んでいる。答えは簡単。個
 人消費の伸び悩みではなくて、個人消費をする余裕がないのである。
 夏のボーナスといっても、大手の三分の一の企業は好調のようだが、
 残り三分の二、そして中小中堅企業では、まだまだ下回っているのが
 実態である。まして、日本の約5400万人ほどの雇用者数のうちで1900
 万人ほどは、契約社員、派遣社員、パート、そして会社役員なのでボ
 ーナスがない。
 いよいよ、来年の「平成17年3月末が不良債権処理」の金融庁の目標
 期限である。
 おりしも、高度経済成長時代の華やかしき頃、あこがれの的であった
 グループ集団が腐敗と崩壊の危機に立っている。有名なところでは、
 社会保険庁・社会保険事務所で加えて運営組織の機能不全と組織求心
 力崩壊も起こしている。「ウソ印乳業」は近代歴史の地位から転落し
 た。「菱モチ」グループは再生不能どころか、改革方針が実行できな
 いほど組織崩壊の状況で、世界市場や技術の真価においても衝撃は甚
 大である。
 こう見てくると、大きな歴史的大転換を認識せざるを得ない。例年と
 か…、通常は…等の尺度はまったく通用しない。
 ブッシュ大統領は4年前にITバブルを意識的に崩壊させた。今また
 IT産業は回復基調のようであるが、アメリカ大統領選挙は歴史的大
 転換にプラスに働くのであろうか。候補者人物よりも選挙支持応援集
 団と政策に分析の焦点がある。平成14年年末の日本のアジア経済戦争
 敗北以来の、日本の「高付加価値商品と高水準サービス」経済戦略上
 の焦点もある。一方、中国経済ブームに、アメリカ大統領選挙がなけ
 れば2008年北京オリンピックまでの限定期間付きで、浮かれていても
 安心である。中国の反日運動は、従来から存在していて、一般日本国
 民が知らなかったことだけのことだから、殺人事件でも中国側から報
 道されない限りは、中国政府の外交問題化は先送りと見てよい。オリ
 ンピック後の抗日運動、それは中国政府の無関心裏で、工場実力占拠、
 技術詐欺流用、代金不払事件などの多発と予想すればよい。

 個別個人ごとの職場トラブル、労働条件や退職トラブル紛争の解決方
 法に、紛争調整委員会の「あっせん」が一挙に知れ渡ってきた。平成
 13年から制度はあったが、知る人ぞ知るで、個別企業での有効活用は
 あっせん代理人制度が出来てから始まった。
 今までなら、労働組合か示談屋が出てくるか、トラブルにならないと
 しても労働意欲の低下を覚悟しなければならなかった。全てが労使対
 決姿勢であったからだ。コミュニティユニオン(合同労組)で解雇な
 どがトラブった場合、パートで100万円、社員で300万円ほどの解決金
 が必要である。地位保全などの裁判を起こされると70万円持って労働
 専門の弁護士事務所に、会社が、駆け込まなければならない。着手金
 が50万円の弁護士は敗訴の覚悟が要る。労働者側弁護士は、東大や京
 大の学生現役司法試験パス組の宝庫であり、情実による10万円着手金
 で後払いはザラである。解雇を撤回して組合員がひとりでも残ると、
 どんな会社でも団体交渉でプロを相手にすることになる。労働組合は
 刑事免責と民事免責をフルに使った行動が出来るので会社には「無視
 の仕様」が無い。労組に、「たいがいの事」をされても警察はじめ、
 監督署、安定所なども結局は(国家の民事不介入で)手を出さないこ
 とになっている。…これが現実。
 では、「あっせん」とは。都道府県労働局に紛争調整委員会が設置さ
 れている。個別企業が労働局長あてに、職場トラブル発生前にあっせ
 ん申請を行い、紛争調整委員会のもとにあっせん委員があっせん作業
 を行うことで、労使の話し合いの場を提供する公的機関である。今ま
 でだと、個別企業では「事前のリスク対策に落ち度があったと」あき
 らめていた労務トラブル事案についても、今では、あっせん申請をす
 ることによって後からでも取り戻すことがでる。一般のコンサルタン
 トと称する人は、「事前のリスク対策」しか口にしないが、「あっせ
 ん制度」ができたおかげで、この分野では「事案が発生してから後で
 も」対処は可能になった。紛争調整委員会は、司法機関のように法律
 判断をつぎつぎに下していく所ではない。行政機関に属するので、こ
 こは労使の個別的当事者間の主張の食い違いを調整していく所である。
 話し合いを促進させることが目的。うやむやにならざるを得なかった
 事案とかリスクについて、紛争調整委員会という公の場でもって、個
 別企業にとっても権利を主張することができることになったわけだか
 ら、労使トラブル処理の内容と方法は大きく広がったわけだ。あっせ
 んの初動対応で労組や示談屋も排除できる。特に個別企業の権利主張
 などは、初めてできるようになったので注目される。
 では、いったいどんな事例が取り扱われているか。人事総務担当者と
 しての入門書が出版された。民間の立場から書いた書籍の類はまだま
 だ少ない中で、「あっせん代理人の仕事と受注開拓のすべて」(村岡
 利幸著、日本法令出版、2800円)である。あっせん代理人のあるべき
 姿を示す専門的教科書ではあるが、個別企業側からの、「あっせん」
 を依頼するノウハウや、「あっせんをどのように活用すれば有効なの
 か」にわたり知る上で、大いに役に立つ本である。
 「あっせん代理」…でGoogle検索などすると書名の紹介が出る。
 日本の賃金問題研究の第一人者の孫田良平先生(中央労働委員会の斡
 旋の調整課長も務めておられた)から、時代の大きな変化の過程で
 「法律も行政解釈もこの変化に追いつけず、賢者の斡旋・調停でしか
 解決できない。事実と解釈を当事者個人は自己の都合で勝手に判断し
 て紛争を泥沼化する。泥沼を清流にする賢人の業務は責任重大だがや
 り甲斐あり、」と「法文よりも事実尊重、理性より徳性による解決が
 期待されます。」と孫田先生の永年にわたる蓄積からの書評をいただ
 いた本である。とりあえず買ってみる価値は大いにある。
 「あっせん」制度は、職場トラブルのみならず、退職金など大型労働
 債務の労務政策での切り札となり、企業存続・好転のきっかけとなっ
 ている。民事再生や「裁判覚悟」強気方針では無理がある。大手中堅
 企業においては、希望退職を募り3年分の年収を退職金に上乗せして
 10年分の人件費を払わなければ7年分お得なんてな単純発想はもう通
 用しない。今流行の「転籍予定出向制度とコスト抑制型ヘッドハンテ
 ィングを組み合わせ」ても、実は数字合わせの焼石に水で、労働意欲
 減退やトラブル事件発生率は高まるばかりである。事業の柱と会社の
 石垣は築くのには何十年もかかる。話題の「菱モチ」グループは、や
 はり明治以後の典型的な「日本国あっての新参者」集団で、有名有煤@学卒者をかき集めの、時代錯誤の身分的人事管理を行ってきた結末で、
 信用で敬遠される集団に陥ったのも歴史の必然かもしれない。とする
 と「あっせん」制度が、今までの制度の枠組みとは異なり人事総務部
 門の仕事概念が変わる勢いで広まっているのも、納得できる。

 景気経済の先行き、社会の先行きが、本当に見えません。今年の8月
 9月は猛暑の中で、じっと我慢しながら状況分析をしましょう。残暑
 お見舞い申しあげます。

2004/07/06

第27号

 年金問題は、日本の社会経済の将来をよく考えさせられた課題であっ
 た。出生率1.29問題。ところが、2007年問題というのがある。これは、
 人口の多い団塊の世代が60歳定年をむかえ始める年が2007年で、その
 うちの、日本の雇用者数約5000万人のうちの約500万人が3年のうちに
 リタイアする事態のことである。個別企業においては、自然減という
 形でスムーズに人員削減が進み、人件費の大幅な削減で経常利益は増
 加し、資金に余裕ができるとのプラスの見方がある。その半面、この
 年代の雇用による所得額は比較的多く、これが縮小されると、個人消
 費の落ち込み、所得税とか社会保険料の落ち込みとなり、経済をデフ
 レの方向に大きく引っ張る。一例をあげると、従来の年金制度だと、
 団塊の世代が年金を受給しだすと年金財政バランスが崩れ、年金財政
 の破綻が分かっていたから、年金の受給年齢を65歳へ向けて引き上げ
 を行ったのだが、2007年に60歳定年を迎える人は64歳になる2011年ま
 で基礎年金の受給ができないことになっており、退職金などの資金を
 取り崩すにしても4年間の空白は長すぎるのである。2007年問題とい
 うのは、このように一触即発の危機を抱えている。団塊の世代の人達
 に、65歳まで働いて収入を得てもらって、社会保険料も払ってもらっ
 て、子や孫のために多額の消費をしてもらわなければならないな?と、
 短絡的に発想してしまえば、日本経済は沈没していく。「出生率1.29」
 よりも、背筋が寒くなる夏のひとときでした。

 65歳以上の高齢者(現在は60歳)のための「生きがい対策」と、大義
 名分を立てて行われている。シルバー人材センターには、意外な落と
 し穴があった。シルバー人材センターは、旧労働省が肝いりで設立さ
 せた社団法人で、高齢者政策の柱である。
 つい近所の最近の事件は、今年の6月14日、植木の剪定業務を請け負
 った大阪のシルバー人材センターが、いわゆる業界用語で言う「職人
 がケツをまくった」ことに対して、二名二時間分の賃金支払いを発注
 者に請求したものである。シルバー人材センターは請負業務であるの
 で、仕事の完成がなければ代金請求できない。そこで、シルバー人材
 センターは請求根拠がないため、請求姿勢で、いわゆる「すごんだ」
 (すごむとは相手を威嚇すること)のである。シルバー人材センター
 の責任者は道路に刈り込んだ植木の枝葉を散乱させた状態で、時間分
 手数料の「金を払え!」と大声を出し、発注者側のおばあちゃんから、
 「お支払いしますぅ…」の返事を聞くや、後片付けもせず自動車で走
 り去ってしまった。発注者の苦情申し立てに対して、その後、電話を
 かけてきて、「請求はしない」とだけ通告し、暴言を吐いたり大声で
 すごんだりの弱いものイジメについては、「金を請求しないのだから、
 もういいだろう」と、反省などまったくしない。厚生労働省本省の調
 査や大阪労働局から、「職業紹介ではなく請負業務を行いなさい」と
 の指導を受けて、やっと謝罪文書を出した。
 さて、いつもは「身内の親戚」には甘いのかと思いきや、今回は頑張
 った。シルバー人材センターは、生きがい対策といっても労働してい
 ることには間違いない。労災保険の適応をされた事例もある。また社
 団法人であれば無料職業紹介となるが、その場合手数料は(例えば現
 行の7%のように)取ることはできない。秋から労働者派遣事業を行
 おうと許可申請を予定しているシルバー人材センターも少なくない。
 だが、そもそもの原因は、20数年前にシルバー人材センターを全国各
 地に作った時に、「65歳以上は労働政策の対象ではない」だから「生
 きがい対策」と、その当時の、その場しのぎの拙速な大義名分を、未
 だに政治も社会も変化したにもかかわらず、相変わらずそのままにし
 ておいたところに原因があるようだ。なので、シルバー人材センター
 の現場は法的社会的根拠が薄いことから、就業態度が悪くても許され
 てきたし、すごみ、ごまかし、横柄になるのだ。さて、シルバー人材
 センターの民法や厚生労働省法令無視の横柄な態度は、まだしばらく
 続きそうである。周りに迷惑な話。高齢者就業の受け皿にもならない。

 「是正勧告対応マニュアル」(著者森紀男、日本法令)という本が、
 6月10日に発行されたが、書店からの撤収回収となった。是正勧告と
 は、労働基準法違反を起こしたときの労働基準監督官の監督指導であ
 る。折しも、サービス残業や労働時間の管理をめぐって、書類送検や
 逮捕と日本国中が上を下への大騒動をしている時期である。売れ行き
 は好調で、二週間もしないうちに約2500冊が瞬間的に出回ったようだ。
 回収の名目は本文中の引用部分についての著者森紀男氏と、引用部分
 版元(TK社)との争いのようである。ところが、異論を唱えた版元
 (TK社)は、筆者も経験があるが、著作文の法令上のミスを指摘さ
 れても感謝することもないズサン性のある出版社で、今回に限りどう
 したことか?と驚く。この本は撤収回収となったが、著者のセミナー
 はとても好評のようだ。大手企業担当者をはじめとして、全国から約
 400人が詰めかけているそうだ。
  http://www.horei.co.jp/seminar/

 個人情報保護法の全面施行は、平成17年4月1日からである。ところ
 が、情報漏洩対策として、単に「機密と個人情報守秘」とのことで打
 たれている現場の対策だけでは、民間の損害賠償事件には、大きな手
 抜かりを生じる。巷でよく例示・論議されているものは、個人情報保
 護法や情報公開法理からだけの対策(4ポイントなど)ばかりに目が
 向いていて、企業経営に一番大切な損害賠償事件とか基本的人権トラ
 ブルの対策には欠落(瑕疵)がある。所詮、国家または官僚は民間の
 経済活動にとやかく口出しすべきではないのだが、法律に基づく国の
 アドバイスが無いからといって、民間企業では対策を忘れてはいけな
 い。個人情報保護法とプライバシー侵害の不法行為(民法709条)は別
 建てである。
 特に、秘密を取り扱う末端の従事者が、「どれが機密か分からない」、
 あるいは「具体的に個人情報かどうか区別できない」、さらには「情
 報を漏らして良い人と悪い人の区別が分からない」、と主張されてし
 まえば、「知らなかった(法律上は善意となる)」ということで悪意
 が無いことになり、個別企業は末端従事者の責任を問えなくなり、重
 ねて教育をしてこなかった責任も問われることになり、いわば事件が
 起こったときには踏んだり蹴ったりとなるのである。末端従事者に、
 就業規則上の処分が出来ないのはもちろん、「知らなかった(法律上
 は善意となる)」と言われ、民法上の損害賠償も求められない。外注
 や派遣ではさらに複雑になる。法律上の手抜かりで、事業者の過失責
 任ばかりが問われる。
 そこで、決定的ポイントを含めた具体的対策を誓約書の形で作成した。
 このメルマガの巻末に例示掲載。
 誓約書以外の形式でも自由。これを従事者に示すだけでも、法律上の
 効果には、「善意なのか悪意なのか」の大差が出る。ほとんどの「ウ
 ッカリ漏れ」は未然防止できる。ところで、IT関連業務のパスワー
 ド自体は機密事項でパスワードを悪用して個人情報を故意に漏らすこ
 ととなる。医療関係のカルテなどは個人情報かつ病院にとっては機密
 事項であり、病院が守秘項目としてカルテを機密に特定する必要があ
 る。と言う具合である。

2004/06/08

第26号

メイド・イン・ジャパン、商品の売れる基準は、「高付加価値製品と
 高水準サービス提供」の相まったものである。国内市場で認められれ
 ば、世界市場でも認められることになるのである。DVD、液晶テレ
 ビ、デジタルカメラも、この基準である。中国特需で輸出される商品
 もこの基準である。新技術開発一辺倒では成り立たない。世界に肩を
 並べる家電メーカーは、サンヨー、シャープ、キヤノン、ローム、で
 あり、昔から名前を聞く家電メーカーは入っていない。大手企業も中
 小企業も、メイド・イン・ジャパンで未来を切り開くには、個別企業
 の持っている技術や技能をもう一度棚卸ししてみる必要がある。
 今や、この棚卸しが、総務部門や人事部門の重要な仕事の柱となって
 いる。その意味ではつい先日まで使われていた評価基準などは、時代
 の目的にかなっていないので、根本的なところからの修正を必要とさ
 れている。場合によって旧来のものは使わずに、個別企業ごとの棚卸
 しを想定して、自社開発した方が現実には大いに役立つ。
 NHKで「冬のソナタ」という韓国の番組を流している。みなさんも
 見ての通り音声や画像が何か不具合を感じる。これは俳優の手抜きで
 はなくて、音響や映像の技術が、驚くほど未熟だからである。口元と
 セリフが合わないとか、常にエコーがかかっているようなものは、日
 本のプロだったら、絶対に製作することはない。「高付加価値製品と
 高水準サービス提供」とは、例をあげるとこういう事なのである。
 一方、中国特需の内で、新日鉄のバーター目的の合弁、トヨタの自動
 車ローン販売は、「腹に一物、背中に荷物」の観が否めない。中国の
 開放経済以来、よく似た戦略で、多くの海外資本が辛酸を舐めてきた。
 乗せられ浮かれ泣いた日本企業も同じ事をしていた。現代中国の深層
 文化と実態経済を把握してないが故に選択した幼稚な経済進出方針で
 ある。中国は現金取引、代金回収の担保が無いのである。ここでも
 「高付加価値製品と高水準サービス提供」の戦略に尽きる。中国がダ
 メでもアフリカや東欧には市場がある。
 ところが、このようなポイントは分かっていても、なかなか改革でき
 ないのが現実である。と、ここまでは素人の話だが、プロの専門家か
 らすれば、改革にブレーキをかけている原因は次のものである。経済
 的な背景としては「利回り資本」なるものに頼っていること。職場
 (社内)問題としては事実上の「拝金型賃金体系」と拝金主義で物事
 のお茶を濁してしまう横槍横車で判断が歪むところに原因がある。詳
 しくは別の機会にお話しするが、決して日本の教育制度の問題ではな
 い。個別企業においての今日までの総務部門や人事部門の政策的欠陥
 を根本的発想から変えることがホームランとなる。

 景気回復とテレビやマスコミで一斉に宣伝されている。回復している
 のは、自動車産業とデジタル家電ぐらいのもので、それ以外は、「う
 まくいけばこれから何とかなるかな??」程度のものである。三菱の
 リコールは、技術とはまったく無縁で、単なる会社の不道徳な経営方
 針だっただけである。一部には「自動車産業全部がそうだ」と企業の
 不道徳性と技術改善方法を故意に混同させる屁理屈まで持ち出してい
 る。スリーダイアモンドといっても明治維新以降の新参者なので、や
 はり、深いところの理念は未熟である。このような不道徳性がメイド・
 イン・ジャパンのブランドを傷つけるのである。日本のIT部門は今
 年中に韓国に追いぬかれることは間違いなさそうだ。液晶テレビとい
 っても外国企業との技術争奪戦で3年後には負けるかもしれない。ま
 だまだテレビやマスコミの「景気回復」の宣伝に浮かれる状況とは言
 えないのである。

 来年の2005年3月末までに、不良債権を半分にしてしまうという金融
 政策は、数値目標だけは達成しそうだ。竹中担当大臣も地方銀行の不
 良債権については、「数値目標にこだわらない」として、余裕を見せ
 ると同時に地銀各個撃破も辞さない構えである。いわゆるサービサー
 の効果(債権回収会社)も不良債権「棒引き」に一役買っているよう
 だ。ところが、世間一般でほとんど話題にされていない重要な危険事
 項がある。それは国債の大量発行だ。日本銀行と市中銀行と財務省の
 三者で、融通手形を回し合い、をしていることと同様のことを行って
 いる。ハイパーインフレ論が受けなかったので、今度は「融通国債」
 論というところか? テレビで「身近になった国債」などと宣伝を行
 っているが見るたびに恐怖を感じてしまう。来年3月末までの経済指
 標の注目点は金利と国債の価格である。設備投資や物価水準あるいは
 失業率はとりあえず見ておくだけで十分である。個別企業の経営管理
 のポイントは、参議院選挙でもなければ、年金問題でもない。今は自
 社の技術と技能の棚卸しである。

 年金問題は何回も取り上げたのでもうメルマガに書くことがなくなっ
 た。これからの注目点は社会保険庁や社会保険事務所がダブルスタン
 ダード(裏と表の二重の運用基準)をどのように取り扱うかの部分だ。
 今のところは、「こうすれば儲かる社会保険事務所の営業」のパロデ
 ィ(メルマガ03年9月7日17号)に、だんだん似てくるようだ。
 健康保険や年金の手続きを扱う社会保険事務所では、職員などの増員
 をする予定は一切なく、現在でもサービス残業が行われているケース
 があるところへ、今回の改正で業務量が一層増加する、との信頼でき
 る消息筋の話!

 今年の3月1日から労働力需給政策が大きく変化した。労働者派遣法
 などの大幅改正である。申請書の書き方がちょっと変わったとか、法
 律が実情に軌道修正されたとかの認識はとても甘い。請負業のチェッ
 クリスト、派遣労働者のチェックリストなど、次々とパンフレットや
 WEBが流されている。
 この状況の中、人材派遣大手といわれているスタッフサービスは、い
 わゆる「やり玉」に挙げられている様である。5月24日大阪での過労
 自殺に引きつづく賃金不払いでの3箇所の家宅捜索。6月5日派遣先
 富士通での派遣法違反と行政指導の報道。このスタッフサービス(テ
 クノサービス)は昭和61年の派遣法施行から、業務請負での先駆的役
 割、業務確認(面接ではない)、コスト計算での派遣料金明瞭化、複
 合業務(一般業務ではない)の派遣、雇用保険の全面適用でのスタッ
 フ確保、社会保険の適切加入などを業界に先駆けて実施し、派遣業に
 対する風当たりのキツイ中、「市場の良識」の支持を得て急成長を遂
 げた派遣会社であった。反面、パソナやパソナソフトバンクは、労働
 省の政策はどこ吹く風として、札束を握りしめ、札束でスタッフのほ
 っぺたをたたくような行為を行うなどの体質から、当時、いわゆる
 「やり玉」にあげられていた。あえてそれをしり目にし、逆手に取っ
 て成長したのが、このスタッフサービスであった。
 ところが、政府の政策がこの春に転換しても、転換することは数年前
 から情報が流れていたにもかかわらず、スタッフサービスは経営方針
 を切り替えられなかったようである。背景に持っている体質から、暫
 くの間はスタッフサービスが「話題を提供」してくれそうである。今
 回のいわゆる「やり玉」での問題分析において「労働政策の転換では
 仕方ないのか」と分かったような悟りを開くのは間違いで、トラブル
 のきっかけは、単なる「おごる平家は久しからず」なのである。

2004/05/11

第25号

 偽装請負(請負契約と称しながら実のところは労働者派遣)を続ける
 違法業者に対しての行政対応が厳しくなった。いかなる内容が請負で
 はなく、いかに労働者派遣法に違反しているかを、事細かに解説した
 パンフレットを厚生労働省が配布している。今年3月1日の法律改正
 は大々的な制度改正となった。マスコミとか行政が、とりあげていな
 くて大きな影響があるのは「派遣労働者の社会保険適応」である。今
 まで現状は、二カ月の期間を超えての派遣労働者の雇用であっても社
 会保険に加入させていなかった実態が数多く見られたことである。今
 回の改正で、業務請負契約を選択せずに労働者派遣契約を行った場合
 には、一般企業に比べて労働者の厳格な社会保険加入が点検されるこ
 とになった。これは社会的制度化というもので、当然のこととして人
 件費コストに跳ね返ってくる。詳しくは次のURLをどうぞ。
 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kaisei/dl/ukeoi.pdf

 「 今後の労働契約法制の在り方に関する研究会 」の開催について。
 ?労働契約のルールについて、包括的に検討?。と銘打って、厚生労
 働省は新しい政策を実施するための法律改正に具体的に手をつけた。
 対象となるのは労働基準法を中心とした改正である。今年の1月1日
 の改正は解雇に関するものであった。労働条件の変更、出向、転籍な
 ど、労働契約について包括的な法律を策定するためとしている。要す
 るに、法律本文に明確に記載しないと、裁判所の判決(判例法理)だ
 けでは(専門的な方は除き)弁護士をはじめとして無理解がはなはだ
 しいので、一般国民の間にはっきりさせよう、具体的に記載しなけれ
 ば法律違反をしたという自覚を持たない人が増えて社会秩序が形成で
 きないと、いうことである。事実、国が弁護士を養成するときには労
 働関係法を勉強させないので、個別企業が弁護士に相談した場合、民
 法解釈を取り間違えるなど企業担当者からすれば、お話にならない答
 えが返ってくるのが圧倒的に多いのである。好くて判例法理の棒読み
 返答なのである。労働関係法は数ある法律の中でも独自の類型を設定
 しており、民法第一条第三項にある権利濫用と一致しないなどと、弁
 護士常識と一致しない部分も相当多いのである。解説するときにこれ
 を説明してくれない弁護士は労働問題は専門外なのである。社会保険
 労務士でも、この説明が出来なかったりする者がいるが、これも専門
 外なのである。「あっせん代理人」を引き受ける弁護士や社会保険労
 務士であれば、ほぼ大丈夫だろう。法律改正の成り行きを詳しく知り
 たい方は、次のURLをどうぞ。
 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kaisei/dl/ukeoi.pdf

 国会などで年金問題がすっきりしない原因は、昭和36年の国民皆年金
 を成立させるときのいまだに明かすことができない全野党ぐるみの無
 責任決着問題と、これを覆い隠すために社会保障年金問題への専門家
 の参加を官僚と全与野党で徹底排除してきたところにある。政治家な
 るものは議員だけではなく官僚内部にも各政党の後援会(事実上の党
 員)が存在しているにもかかわらず。
 官房長官とか党首などの辞任も茶番劇。国会議員の国民年金保険料未
 納問題などは、ほとんどどうでもいいような話でこれを国会に持ち込
 んだ議員たちは与野党と官僚の根本的失態を知る由もない。ところで
 昭和36年までに何をしたのか。今ではほとんど記録も残っていない。
 国民年金が決定的な赤字であることは制度成立前からはっきり分かっ
 ていた。今流に言えば、国民皆年金が発足すれば即刻不良債権に苦し
 むことは自明の理であることを誰もが当時知っていた。ところがその
 反対運動が、ある日突然に終息してしまう。裏でカネが動いたとのウ
 ワサはもらった人がいるから事実だ。反対運動していたある貧乏な団
 体は数階建ての(この当時の2?3階ではなく鉄筋コンクリートの頑
 強な)ビルディングの持ち主にもなった。
 国会議員の未納問題。これは「国民年金に入れない」であったり「国
 民年金に入らなくてもよい」と表現はどちらでも良いのだが、そのよ
 うな行政指導をしたのは間違いがないのである。当時も今も、旧厚生
 省は、「表と裏」の話ばかり。旧厚生省の裏表は専門家は誰もが知る
 ところなのだ。社会保険事務所の裏の話をめぐって、騙されたと裁判
 を起こした国民に対して「過失があっても法律を知らないあなたが悪
 い」と行政官を保護する判決まで存在した。旧厚生省は時代が変わっ
 ても徹底してこの考えである。なので、個別企業としては社会保険事
 務所の裏話は「いつひっくり返されるか分からない」との覚悟がいる。
 これが国会議員大半の未納問題の弁解をめぐる前提の話である。みん
 ながみんな、未加入問題が生じたときに、そもそも市役所や社会保険
 事務所に「法律通りに実行しろ」と問題化しなかった本人が悪人であ
 るとの非現実的不毛論議にハマってしまった。このような屁理屈に人
 をはめた張本人は、「裏と表」の行政指導、いわゆるダブルスタンダ
 ード(裏表の二重基準)を行っていた旧厚生省本省官僚であるにもか
 かわらず、本質をついたマスコミも存在しない。社会保険事務所も社
 会保険庁にも盾突くとほとんど必ず圧力をかけてくるから、マスコミ
 関係者の足がびびってしまっているのはよく分かる。旧態依然として、
 社会保険には表と裏が残っているが、どのような年金制度を法律で決
 めたとしても、旧厚生官僚からすれば、ダブルスタンダードを使えば、
 彼らの思いのままなのである。社会保険事務所の問題対処方法は、首
 をかけても白を切ること、常用の「耳打ち」トークは、「上げたこぶ
 しをどう収めるか」と事業主に不安をあおることの二つである。国会
 議員の例を習って、実務担当者のあなたは「ワナと脅し」に乗せられ
 ないように注意しましょうね。

 さて冷静になって、今後の個別企業対応の話です。年金の崩壊が一挙
 に進む。個別事業主や一般被保険者にこれだけ不満をもたれた年金制
 度は、制度自体を守って育てようというモラルを崩壊させてしまった。
 たとえば、パート労働者は非常に多くの人が社会保険への加入を自覚
 的に拒んでいる状況で、個別企業や人事担当者が説得をしても、いっ
 こうに社会保険加入する希望が増えることはない現状がある。これと
 同じで、一般被保険者が、「そっぽ」を向けば社会保険にそもそも加
 入しないで済む方法を考えるし、保険料を違法減額して加入し続ける
 ことにもなりかねない。社会保険事務所が社会保険労務士を頼りにせ
 ず、場合によっては社会保険事務所が法律を順守しない事のある現状
 では、社会保険の専門家である社会保険労務士の協力は非常に難しい
 状態にある。
 そうなってくると、益々、個別企業では、「一切社会保険は知らない」
 との極端な態度が発生してくることは当たり前のことである。社会保
 険調査官の調査と言っても、個別企業担当者が、4回から5回の日時
 を変更すると、そのほとんどの調査自体が省略されている現状である。
 社会保険事務所の雇用形態アンケート調査に答えなければそれだけの
 ことであり、社会保険に入っていないパートが居るなどと答えて初め
 て調査が入るのが実態である。保険料は滞納でも「保険料で差し押さ
 えられればわが社が倒産する!」と泣きを入れれば、社会保険事務所
 は積極的保険料の徴収をしないので、いまや数千万の保険料滞納は当
 たり前のこととなっている。社会保険の「雇用保険の被保険者が全員
 いなくなれば即日社会保険も脱退」との行政指導は、小零細企業の脱
 社会保険を促進するだけのことになっている。そこへ最近の社会保険
 事務所は、新規設立会社の適用を厳しく排除しているからなおさらで
 ある。
 官僚の中で、国民年金は手がつけようがないから切り捨てて、「厚生
 年金だけを立て直すことが先決?ではないか」なる理屈が浮上してき
 た。社会保険事務所が進めている実態からすると、厚生年金加入を比
 較的高額な保険料を安定して納入できる優良企業に絞って、「安月給
 者と不安会社」は国民年金のごみ溜めに放り込む方針、と言われても
 仕方がない。02年度の厚生年金の加入事業所数は約162万9000事業所、
 加入者数は3168万人(統合された農林共済分を除く)。5年前に比べ
 事業所数で4.4%、加入者数で5.3%減っている。99年度に行われた財
 政再計算では、02年度の加入者を3500万人(同)と見積もっており、
 すでに約330万人の想定ミスを公表までした。今回の法律改正の再計算
 の仮説は、これ以上に現実とはかけ離れている。10年どころか07年ま
 で持たないだろう。

 あっせんの合意形成率約6割を維持?。埼玉労働局(村上文局長)で
 は、個別労働紛争解決制度の効果的な運用に向け、労働相談員らに独
 自の研修を行い成功しているとのニュース。平成15年度に受理したあ
 っせん申請は前年比2.9倍の195件と高い伸びで、57%にあたる111件で
 (あっせんが成立したとまでは言ってないが)合意が成立したとし、
 申請件数の大幅増にもかかわらず高水準の合意形成率と発表している。
 相談員にあっせんを傍聴させたり、過去の判例を丁寧に説明するなど、
 地道な取組みに効果があるとのことである。厚生労働省は、このあっ
 せんの制度を何としても確立させようとしている。この制度にかかわ
 る労働局の国家公務員たちの労働組合(全労働)もあっせん制度には
 賛成の態度を示しており、労使紛争に関する政策について、政府内部
 での労使は一丸となっているのである。この制度は、今までの日本に
 はなかったもので、個別企業の経営者の側からも有意義に使える部分
 があるので、「絶対に従業員がおかしい」と思ったときには、あっせ
 んの手段での解決を考えた方が効果的である。ただし、よほど慣れて
 ない限りは「あっせん代理人」を立てないと、一般行政の癖である件
 数数字の実績向上材料にされるかもしれないので要注意。

 東京都心は臭いにおいが漂っている。下水道とパイプがつながってい
 るトイレ、洗面所、風呂、マンホール、駅など軒並みにおっている。
 地方から東京に行った人は、たいがいの人が感じていたようだが、東
 京に住んでいる人は、どうも慣れっこで感じている人は少ないようで
 ある。一説によると、中小ビルの地下に「汚物槽」の清掃や汲みだし
 が行われておらず、「硫化水素」が発生し東京都内の下水を伝わって
 町からビル内から、においを行き渡らせているとのことである。パリ、
 ロンドン、ニューヨークに続いて、都市衛生とか環境問題の歴史に、
 次は「東京硫化水素」も名前が載りそうである。都市問題というのか
 貧困化現象というのか、いずれにしろ「いびつな経済集中と労働者流
 入」のお粗末さである。…なぜお粗末かというと、これだけ臭いのに、
 名実ともに行政もマスコミも、社会問題化させず「臭いものにふた」
 をしているからである。都民はマンホールにテープを貼ってふたをし
 ている。経済回復?というけれど…豊かな経済とは反対の現象である。
 「シュッシュの消臭剤を買って、さらなる経済効果?」などと冗談を
 言う場合ではなくて…。
 下水道とつながっているところの、穴という穴、口という口にふたを
 して、これに水を溜めておくと効果があるようだ。水溜が不可なら完
 全密閉。ささやかな個別企業防衛策。でも外出したら町は臭い臭い!
 腐った卵と言うよりは強烈なユデ卵のにおい! 要は硫黄なので温泉
 というか「屁(おなら)」のにおいだ。また実際には、この硫化水素
 は「U字管」では防げない。おそらく硫化水素は水に溶けるというの
 で、どうも原因が下水に溶けきれなかった硫化水素がブクブク地上に
 這い上がってきているとのことからすると、少量の水では即飽和して
 しまうようで、洗面所もお風呂場にも「いつも新鮮な水を張って」お
 いてこそ効果があるようだ。職場環境対策の一環として参考に。
 (このURLは硫化水素)
 http://www.city.yokohama.jp/me/cplan/epb/kanshi/worda/h2s.htm

2004/04/06

第24号

 年金国会の真っ最中である。
 視野を広くして考えてみた場合、福祉なるものが次の3つの分野に、
 どのように配分されるか。そしてそのバランスはどうなるのか、と考
 えれば、「保険料と給付バランス」というのはいかに理屈にもならな
 い幼稚な話かが判断できる。
 1.社会、コミュニティー、国家が行う福祉
 2.企業が従業員のために行う福祉
 3.家庭内で行われる福祉
 人口が急増した団塊の世代の人たちは、将来は国の厚生年金が面倒を
 みてくれると思って、せっせと貯金のつもりで保険料を払った。ちょ
 っと裕福な家庭の妻は国民年金もそうだと思って払っていた。その人
 たちにとって福祉の中心は、会社がいろいろと用意をしてくれる企業
 内福祉であったし、男だけが外で一生懸命働いて専業主婦が夫の手足
 となり身体介護を行うかのような福祉を担っていた。完全雇用が前提
 であった企業の福祉が期待出来なくなり、国家に福祉を頼らざるを得
 なくなったときに、いままでためていた厚生年金の資金は官僚たちに
 よって使い果たされていたのである。「お金が無くなってびっくり。
 さあどうしよう」というのが年金問題の本質である。
 平成14年の総務省統計を見てみると、正社員3500万人、パートなどの
 非正規社員1450万人、会社役員400万人、個人事業主と家族1000万人
 である。とくに会社に勤めている人の30%が非正規社員である現状は、
 現在の厚生年金や健康保険の「法律の想定」した状態ではない。平成
 14年の秋からは、日本がアジア経済戦争に負けて、労働力の転換がこ
 れ以上に進んでいるので、法律の想定とは一段と乖離した現状に至っ
 ている。なのに、厚生官僚は「3500万人+400万人の保険料収入と、
 給付のバランス」のことばかり主張し続けるのである。
 昭和36年、国民皆年金制度と称して、当時、専門家の「将来財政破た
 んは免れない」との指摘を無視し、内外の反対を押しきって国民年金
 を開始し、これらをどんぶり勘定にし厚生年金の資金をはじめとして
 年金資金を使い切ってしまった官僚たちの責任を問いただすときにも、
 この3つの分野とバランスの視点はとても重要である。

 労働者派遣法の改正が、全般的には労働力政策の大きな転換を示すと
 の実例が飛び込んできた。製造業に限っての今回の改正はこのメルマ
 ガの1月号で述べたとおり。改正の大きな効果には、正社員を補完す
 る労働市場の形成によって、正社員を取り巻く半専門的半技能的労働
 者層の形成を作り上げることになる。派遣先が労働社会保険や人事管
 理に原則的責任を持つようにしたり安全管理義務を徹底させたりする
 ことは派遣先企業の直接的影響力をもとに派遣労働市場を安定化させ
 ることになる。人材派遣会社の許可単位を変更することで業界の再編
 と新陳代謝を加速することになる。戦後一貫して国家主導で行ってき
 た職業紹介行政の半専門半技能部分での一部民営化である。人材派遣
 業は吹けば飛ぶような業界で、またもや付加価値機能形成やノウハウ
 蓄積基盤が遠のいてしまった。
 さて、その事例とは、4月1日の日経新聞は一面トップ記事に、トヨ
 タが派遣社員を大幅に導入することを報道した。13面には製造業を解
 禁した労働者派遣についても関連記事を載せている。製造現場の派遣
 期間の条件も、2007年3月からは3年になると、まだ正式には決まっ
 ていない内輪話も報道してしまった。派遣会社の営業トークとは別に、
 よく読んでみると、自動車関連の「期間従業員」よりも労務コストが
 安いと言っているだけである。自動車産業のように1本のラインが大
 きい場合には、法律的な請負要件がそろわないので業務請負に仕事を
 発注することが出来ない。トヨタ式生産システムでは合法的に人材派
 遣業を受け入れられなかっただけのことである。ボルボ方式なら問題
 なかった。ところが、自動車産業の多くには偽装請負業者が非合法に
 活用されてきた実態がある。
 社会保険や労働保険を管理する担保を整え、安全衛生について派遣先
 が責任を持つのであれば、製造業の労働者派遣も認めようというのが、
 今年3月1日の製造現場での労働者派遣規制緩和である。非合法派遣
 からすると、労働社会保険料の会社と本人負担のコスト(給与の23%
 ほど)および安全管理費用を、とどのつまりが派遣先で負担するので
 あれば合法化しようというものであった。これらを免れて非合法派遣
 したり、業務請負と称して実態は労働者派遣であったりした場合には、
 強制力を伴った指導をし企業名を公表するとしている。労働局は本年
 度から派遣労働者の労働災害発生動向の把握と防止を行政項目にあげ
 た。旧来から本省職業安定局では内部文書を廻し悪質企業をリストア
 ップして全国の職安に通知をしていた。職安によっては事業所にアン
 ケート調査を行い「□□会社との取引はありますか」と洗い出す方法
 や、「利用している派遣会社を教えてください」と企業名を出させて
 許可業者一覧とすり合わせ派遣先を指導する方法であった。今回、企
 業名が公表されれば「□□会社は違法な労働者派遣ですから使わない
 でください」とはっきり郵便で知らせたり掲示することもできるので
 ある。それを押して違法会社との取引を続ける派遣先は、陰ひなたに
 安定所や監督署の圧力を受けることになるのである。
 派遣業界唯一の業界団体である日本人材派遣協会と、派遣労働者など
 を組織する全国ユニオンらは、3月1日、団体交渉を行った。個別の
 企業との団体交渉よりも業界との団体交渉を優先させるのは、ヨーロ
 ッパでは常識的なことである。日本の春闘方式とはイメージが大きく
 異なっている。この労働組合は悪質業者に対しては徹底して戦ってい
 るようである。

 75年以上にわたって、小売業のイメージを花形リードしてきた百貨店
 が大変容している。4月4日、大阪ナンバの高島屋の74年前に東洋一
 の大食堂とコマーシャルをしてオープンした「百貨店の食堂」が終了
 した。ライスカレーは、これも75年前に大阪梅田の阪急百貨店で客寄
 せのために出されたものだ。今から75年ほど前、今の百貨店のイメー
 ジが出来た。それまで全国で300ほどあった中小規模百貨店が、昭和
 恐慌のときに現代のような大型ビルを建設などして、今のように切り
 替えた。ところが本質は、客引き商品や大型ビルだけではない。それ
 までのイメージはやはり市場や公設市場だったのである。百貨店で働
 くデパートガールやエレベーターガールなどの計画的育成教育で販売
 技能を向上させマーケティングを行ったところに大きな違いがあった。

2004/03/09

第23号

 4月から労働基準監督署に「(仮)就業規則等点検指導員」を配置す
 る。1月施行の改正労働基準法の解雇規定部分の指導に乗り出すこと
 になった。全国の主要労働基準監督署に配置し就業規則などの記載内
 容を精査、違反是正などの「点検・指導・助言」を行うようだ。就業
 規則変更を促進させるなどするのだろう。地域の社会保険労務士、行
 政OB、学識経験者などに委嘱するとのこと。ところで賃金不払とか
 不当解雇などの労働基準監督署への申告は今年になってからも急増し
 ている。厚労省としては労働基準法の空文化傾向は絶対に許さない方
 向のようだ。
 ところで経済構造との絡みで分析すると、国内で唯一、名古屋地方は
 経済が成長しているといわれているが、サービス残業不払の摘発は名
 古屋がとても多い。人数で最大記録の中部電力や最近は売上好調の百
 貨店の松坂屋でも発覚した。名古屋の労働基準監督署が特別ハッスル
 したわけでもないしそんな力もない。名古屋の経済成長に薄っぺらさ
 があると見てよい。

 厚生労働省のサービス残業の取り締まり方は、前回のメルマガでのと
 おり。また、サービス残業で監督官が指摘する内容は労働基準法の次
 の条文を用いる。厚生労働省の発表の文言を借りると、
 「24条は、賃金の支払いについて全額を払わないなどのケース」
 「37条は、時間外休日に深夜の割増賃金を払わないケース」
 「110条は、報告の義務。虚偽報告の疑い」
 「109条は、記録の保存」となる。

 では、現場の個々の労働基準監督官はどのように認識しているのか?
 ほとんど多くの監督官は、次の4つのポイント+オマケでもって、サ
 ービス残業発生のからくりが存在しているのではないかと考えている。
 1.始業時刻や終業時刻の記録がはっきりしていない。記録しなくて
   も罰則はない。通達(平成13年4月6日基発339)が出されていて
   も行き渡っていない。
 2.法律制定の当初からの問題でもあるが、管理職の範囲を定める規
   定が曖昧である。裁量労働者の範囲についても曖昧である。擬似
   管理職等と言って免れようとする。
 3.定額制の時間外手当が支払われている。「計算作業に煩雑さが在
   る」と言って実態を隠そうとしている。定額の根拠となる一定時
   間を超えたかどうかが曖昧である。
 4.自己申告制とっていても「申告しづらい仕組」。自己申告と実際
   の労働時間の記録とは別物。業務体制、業務の指示、その他人事
   管理全般に問題が波及しているがサービス残業の違反理由になら
   ない。
 +オマケ (主要な問題としてないが事実上の注意の勧告)社会保険
   労務士が36協定を数十枚から数百枚一度に提出して、その中身が
   コピーされたような同一内容のものが存在し、法律の主旨に反し
   ている。
 これらは、厚生労働省本省関係の考え方とは異なっているが、全国最
 前線の監督官ほぼ全員にフィードバックされ、直接臨検をする監督官
 は相当影響を受けている。
 労働基準監督官で組織する労働組合(全労働)は、「行政の手続きを
 正確にすることで国民の信頼を得る」との方針を取り、サービス残業
 の監督行政では労使一丸となっている。

 年金制度の大改革がなされたとでも言うのなら、旧厚生官僚の作戦が
 外れて、「赤字補てん目的のパートタイマー保険料が5年先送り」が
 第1で、第2は「国庫負担が、3分の1から2分の1になる見通し」
 の2つである。最近は旧厚生官僚の気持ちを代弁して「景気が良けれ
 ば年金は黒字なっているはずだ」などとうそぶいている者までいる。
 労働生産性が上がらないというのは確かに「持たない」のだが、それ
 は年金ではなくて日本経済の話である。国庫の年間収入は、法人税収
 入が9兆円、所得税収入が19兆円、そこへ「いったん入ったお金は私
 のもの」とのわらをもつかむ錯覚もあって厚生年金保険料収入は44兆
 円は資金ぐりに使いたくて仕方ない資金とでも言いたいのだろう。
 ところが根本は昭和36年の無謀な国民階年金の仕組みが問題なのだ。
 その点の追求が少ないことから、社会保険事務所は社会保険の適用を
 (強制適用であるにもかかわらず)加入を外しているポイントが浮き
 彫りにされていない。35歳未満のフリーターは417万人といわれるが、
 このポイントに社会保険は手つかずである。そのうち百万人ほどは業
 務請負会社に勤めているとのことだが社会保険事務所はここにも手を
 つけることはない。又、いよいよ国民年金だけでなく厚生年金も加入
 者が減少している統計数字がはっきりと現れて来た。社会保険事務所
 は、「こうすればもうかる社会保険の営業」(昨年9月のメルマガの
 記事)のようなことを続けているので、すべての与野党が何を言って
 も実態は反映していない。
 事業維持には保険料未納をしてでも社会保険には加入し続けることが
 必要で、そうしてでも事業経営の石垣である人材を大切にしなければ、
 個人も会社も日本も経済も発展はあり得ない。この経済学、財政学、
 経営学でも立証済みの、基本原則を思い起こそう。

 実質経済成長率7%の記事は波紋を呼んだ。実感のない問題とは別に、
 デフレなので、実質成長率は何もしなくても上がる時代である。昔は
 名目成長率ばかりで実質成長率のことは話題にされなかった。でも見
 る人は見ていた。名目成長率(水増しか?)2.6%とすれば、4.4%は
 何もしなくても伸びた分である。これやあれやの話題でマスコミ情報
 があてにならないとの議論が盛んになってきた。テレビも新聞も本当
 のことを言わないとかの事である。昔と違って、政府の官僚たちもマ
 スコミを使っての世論操作に躍起になっている。「生意気なこと書く
 とニュースを流さないぞ」とマスコミ記者は官僚に言われっぱなしだ。
 三文小説ならぬ「三文記事」を書いて読者を増やせと言っているよう
 なマスコミ三文編集者と言われても仕方がなさそうだ。日本経済新聞
 をはじめ新聞記者は文学部出身が圧倒的に多いから、ツブシも効いて
 三文記者への転職も瞬時に出来るのかもしれない。年度末恒例の3月
 株価操作、中国経済仕掛バブル、ヤフーBB詐欺的商法のDATA流
 出、年金まやかし討論など、経営管理においても「(@_@。ハマりそう」
 な話ばかりである。今の時代は、成長企業を目指そうとすれば、物事
 の本質をつかむキッカケとなる情報と理解判断する弾力的思考方法が
 モノをいう。

 紛争調整委員会の制度が充実してから労働紛争のあっせん制度は件数
 もうなぎのぼり。それとは別の「労働審判制度」が国会に提出された。
 地方裁判所の裁判官である労働審判官1人と労使双方の2人の労働審
 判員の計3人で組織する労働審判委員会で行う。調停でも審判でも
 「和解」の扱いとのこと。今の裁判所は「攻撃と防御」のゲーム世界
 であり、審理は3回以内で、としていることから、今まで「労働紛争
 は複雑なので和解のチャンスが来るまで時間を稼ぐ」との裁判官姿勢
 のうち早期和解可能分だけ「入り口でさばく」様になるだけだ。同じ
 司法改革でも大きな質の差だ。時間的に早くなるので失業手当受給中
 決着の可能性から労働者の利用は多いかも。失業状態の弁護士が多い
 から労働者向けの営業開拓は増えるかも。経済団体は裁判所での解決
 を望んだのだが希望どおりではなさそうだ。対決型紛争処理とすれば
 「ひとつの選択肢」かもしれない程度で各界の本質的意見は入らなか
 ったようだ。国会でどうなるでしょうか?
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/houan/16index.html

2004/02/10

第22号

 サービス残業の摘発が次々と行われている。是正勧告で賃金不払いを
 支給させただけでなく、近年になく、次々と書類送検をおこなってい
 る。刑事訴追をするのでいわゆる見せしめ的な傾向があるが、近年に
 なってこのような連続して摘発はなかったものだ。さらに、マスコミ
 でにぎやかに報道されていることを受けて、内部告発が相次いでいる。
 サービス残業に関する労働基準監督署の着眼点はこのようなものが考
 えられる。(フィクション作品にあらず)
 まず最初に通報とか申告があった場合に、7つのパターンでもって、
 サービス残業の方法を想定する。
 (1)自己申告規制型(自己申告させつつも、陰に陽に圧力)
 (2)上限設定型(一定時間以上は切り捨て)
 (3)定額型(一定時間以上は支給せず)
 (4)下限設定型(定めた時間に達しない場合は切り捨て)
 (5)振替休日消化型(時間外分は休日にと言うが未消化)
 (6)年俸制組み込み型(年俸制で時間外込みと説明)
 (7)法不適合型(管理職範囲を拡げている場合)
 次に、監督官は手間のかからない方法で資料の収集を行う。通報者か
 らのコピーを集めたり、申告者の事例を充分検討したりする。この段
 階で、あまりにも具体性が弱い場合には「労働条件の調査について」
 と称して、事業主の呼出し行う。そこでもって全体的な資料の収集を
 行うのである。いくつかの具体的な証拠が確保できた場合には「臨検
 (りんけん)」と、俗にわれる立ち入り調査を行う。その場で証拠集
 めをする。タイムカードや賃金台帳のコピーなどを提出させる。労働
 基準法違反でもって調査をすることから、申告した者に限らず幅広い
 範囲で証拠集めをする。さまざまな証拠を示し、監督官は管理責任者
 に問い詰める。サービス残業があったかどうかをその場で返答させよ
 うとする。ここまでくると、ほとんどの人は「持ち堪える」ことは出
 来ない。「天下の○○電器」と強気な管理職の例ほど、直面すると、
 非常に弱かったり、事前に分かっていると、その日に欠勤をしてしま
 うと見た方が通例だ(要するに、単なる内弁慶)。あいまいな返答や
 説明を続けていると、深夜の臨検で現場を押さえたり、社内パソコン
 の電源記録、メールの送信記録、ビルの最終退出者記録などを用いて、
 「悪質な対応に対して」は徹底して調査または捜査を行ってくる。セ
 キュリティシステムの万全な職場ほど証拠はすぐあがる。その後も否
 認を続けたり、サービス残業の賃金支払いを拒否し続けると、検察庁
 の書類送検は免れない。残業時間の記録操作とか証拠隠滅をはかった
 りすると逮捕は免れない(労働基準監督署に身柄を拘束される)。賃
 金不払いがその事業所だけで一億円(ひと月に按分すると420万円ほど)
 を超えていると、ほぼ逮捕となる。

 日本には独特のモノづくりの方法がある。日本における「開発風土」
 といってもよい。日本の高学歴、日本での仕事の進め方、職人的技煤@の蓄積の仕方とその職人の生活保障、日本国内での高品質に対する仕
 事の評価、高品質商品の購入動機など。これらが重なり合って生まれ
 ている風土ではないかと思われる。
 世界に向けて、今売れている商品はこのようなものである。昨年来
 「高付加価値と高い質のサービス」と言われてきたものである。この
 ような開発風土はヨーロッパの北の地方と日本にしか見当たらない開
 発気質のようである。問題はこれを支えるための仕事を遂行すること
 である。そのような部品供給だったり、そのようなコンピューターメ@フト開発だったり、ITネットワークだったり、対事業所サービスだ
 ったりなのである。日本で行われている一般消費者向けサービスは外
 国でも通用する。国内で試して、次に標準化をして、人材を育成し、
 その成功事例をもとに多国籍展開をすることは、中堅・中小企業でも
 充分可能なことである。日本経済はいよいよ民間の知恵と自力で再生
 をし始めたようだ。70年前の昭和大恐慌のときは、回復を取り戻した
 途端に政府がいわゆる「ぜいたく禁止令」を出して成長を止めてしま
 った。今の政府の経済政策は止めることはなさそうだが、育成も大き
 なブレーキをかけているのが実態だ。
 そこへ、今まで、属人的といわれてきたKNOW?HOWの蓄積方法
 が科学的に解明されエクセルなどで整理分類されるようになったので、
 KNOW?HOW開発も日本の有効な得意資源となり、個別企業の大
 きな武器となるだろう。

 年金改革の問題はテレビ、マスコミで話題が集中している。今さら話
 しても仕方のないようなことは、ワイドショーに任せるとして…。パ
 ートタイマーの年金加入問題の先送りは官僚としては痛かったようで
 ある。官僚はまさか経営者団体が理論だけで、そこまで反論するとは
 思わなかったようだ。厚生官僚はマスコミ報道のニュースソースに本
 質的な話は流さなかった。政府審議会の委員も年金問題に素人な者に
 限った。これで何とかホオカムリし続けようと事実事務次官は自信を
 持っていたようだ。ところが、経営者団体には本当に本質を見抜かれ
 てしまったようだ。労働団体はそのへん厳しく見抜くことは出来なか
 った。
 しかしながら、「保険料と給付のバランス」の理屈をこねて、被保険
 者がキツネにつままれているうちは、まだまだタカをくくるつもりの
 様子だ。5年先送りになれば給付が減るだけという案ばかり。18.0%
 になったとしても70歳以上の給付を削るだけの考え方も同じ発想パタ
 ーン。官僚としては4百数十兆円の使いこみを、責任追及されるまで
 は、保険料と給付のバランスと言っておけば、なんにも考える必要が
 ないのである。女性の年金、もお茶を濁したようなお粗末な話。「離
 婚をしたとき妻に年金がない」とまことしやかに説明されているが、
 西独で30年ほど前に同じような制度を実施してからというもの夫は離
 婚されないように、家庭サービスを励むようになったことから離婚が
 減少していったとの事例がある。これにしても厚生労働省の議論は枝
 葉の問題ばかりで的を射ていない。厚生年金基金は年金制度と一体の
 制度である。まるで別もののように宣伝し取り扱われているがそうで
 はない。給付カットや解散が続出しているが、そもそも厚生年金基金
 の設立を促してきたのも、今の事態を充分予想出来得る厚生官僚であ
 った。

 65歳までの継続雇用義務化。今通常国会に高年齢者雇用安定法改正案
 を提出。65歳までの継続雇用を企業に義務付ける高年齢者雇用対策報
 告をまとめた。継続雇用の年齢を2006年から段階的に引上げ、2013年
 までに65歳定年などを完全実施する計画。3?5年は暫定措置として
 就業規則での選抜方式でも可能な道も考えた。2007年から団塊の世代
 の定年ラッシュが始まる。全雇用者数の9.3%に当たる500万人が2010
 年までに60歳になる。このままでは年金にしろ個人消費にしろ納めた
 り生産する側から給付を受け消費するだけに変わるのである。経済を
 ストック(蓄積)と考えている人にとっては、背筋の凍りつく話であ
 る。(ベビーブームとは1947年生まれが約267万人、1948年が約268万
 人、1949年は約269万人。ちなみに、2002年の出生数は115万5千人)。

 「派遣」と「請負」の区分が極めて不明確になっているとの調査が、
 今ごろになって発表された。業務請負を利用する企業の3割が請負社
 員の勤怠管理を自社で行っているとのこと(愛知県経営者協会の「非
 正規社員雇用管理調査」)。これは特に小規模企業では顕著。ユーザ
 ー企業が、業務請負社員に対し、業務命令を出している割合も全体で
 4割、小規模企業では8割を超えるとのこと。3月からの都道府県労
 働局の取り締まりの大きな利用資料となりそうだ

2004/01/13

第21号

 2004年、明けましておめでとうございます。
 経済構造大変化の真っ最中です。事業の枠組みの選択で明暗がはっき
 りする時代になりました。新経済状況でのジャパニーズドリームの可
 能性が見えてきた時代でもあり。事業を切り開くのかどうかの時代。
 「世の中こんなもの」と悟ってしまえば先は我慢の連続。暗闇であり
 ドン底です。
 私たち専門家も知恵と工夫の発揮しどころです。幸いにも職業能力は
 持ち合わせがありますチームですので、どうぞ私どもをお役立てくだ
 さい。本年もよろしくお願いいたします。

 この1月1日から労働基準法が改正施行される。実務上の目玉は期間
 雇用契約と解雇事由の2つである。時はグローバル社会。労働力調達
 策や業務遂行体制において、個別企業の事業運営方法が2極分化する。
 「改革と効率」それとも「現状と人目を気にする」の2極だが、企業
 間でも企業内でも2極に分かれる。

 具体的な書式などを公開しました。ダウンロードのページからどうぞ。
 ○期間雇用の雇用契約書(2-02)
 ○解雇規定の例文と説明(雑誌の企業実務1月号誌より内容充実分です)
 まずは見てください。一挙に解決する課題もあるでしょう。労働基準
 法のイメージチェンジもしてください。さらに正社員対象に業績評価
 の出来る業務内容・評価基準契約の労働契約書も開発中です。
   http://www.soumubu.jp/download/

 皆様から寄せていただきましたネットでの質問。総務部門での弊社WEB
 のフリー相談に寄せられた質問。これらの公開承諾分の一部、第一弾
 をnet掲示板にしました。よく似た疑問などを探してみてください。
   http://www.soumubu.jp/contact/

 実は、製造業の派遣解禁とは、偽装請負の摘発抑制の対策。実態が派
 遣である偽装請負を派遣業者・派遣先共々でも解決させようとのこと
 での摘発抑制対策が大きな狙いとしてある。(偽装請負とは、民法で
 言う請負と称して実際には労働関連諸法で言う派遣、出向、労務供給、
 職業紹介、雇用の仲介などを行っている状態)。だから、期間は1年。
 安全衛生上で派遣先が保護。労災事故の管理監督責任は派遣先。
 政府は指導監督業務を公共職業安定所から格上げして労働基準監督署
 の上級機関の都道府県労働局でもって進めようとしている。
 また、狙いが偽装請負対策なので、社会的コスト対策は熟慮しても個
 別契約にコスト軽減の政府配慮はない。派遣先からすれば社員と比べ
 ると人件費減だが、偽装請負会社が派遣許可業者として契約した場合、
 従来の偽装請負に比べコストの増加を見込まなければならない。特に
 製造派遣では労働局の指導監督の厳しいことが予想されるため社員の
 欠勤や休暇の緊急代替程度しか使えない。個別コスト増の要因は、
 1.社会保険料のコスト増。社会保険料は毎月の給与の22.7%もかか
   る。そのコストは、やがて請求として派遣先に回ってくる。
 2.労基法改正で浮上した期間雇用者のコスト増。具体的には、派遣
   会社は雇用契約を結んだ場合その途中で派遣先の都合で契約解除
   したときは残りの賃金を保障しなければないことになった。派遣
   会社が残りの不就労日賃金の損害賠償の責めに応じなければなら
   ない。派遣会社に利益の余裕がないので、その派遣会社が責任逃
   れをしたとき「派遣会社の責任だ」と言っても派遣先が責任を取
   らねばならない。派遣先が共同被告としての訴訟ケースも可能性
   大である。業務請負のように人数の融通が利かない。
 3.派遣先でも解雇事由が問題になり損害賠償の責任が発生。派遣労
   働者に解雇事由があったとしても今般の労働基準法改正で派遣会
   社の就業規則に不備があれば解雇無効。また派遣会社の支払能力
   や倒産などの場合、結果的に解雇を暗示または指示した派遣先の
   派遣契約解除行為が賃金保障等の損害賠償の引き金になっている
   との責任を免れることはできない。その金額は派遣労働者の定年
   (60歳)までの賃金総額。(これからは派遣先でも派遣会社の就
   業規則の点検が必要)。
 業務請負の形態とノウハウを持つ会社は、今回の改正でも、何の問題
 も生じない。実態として経営基盤の弱い業者が将来にわたって不安定
 だからこそ「今こそ、派遣業解禁!」と主張しなければならないのだ。
 水ぶくれした大手派遣会社こそが、投資の割には受注が少なかったり
 膨大な先行投資をかかえているので銀行のツナギ融資のために表面的
 売り上げが必要なのだ。派遣先へはこんな派遣業者のコストの跳ね返
 りは必然的。不安定業者。ダンピング。そして法律違反。派遣業の
 「追い風」とは偽装請負専門業者が自らの営業トークに使っているに
 過ぎない。メーカーが、その片棒をかつがされてはたまらない。だか
 ら製造派遣は自社雇用と変わらないのである。
 ここまで説明しましたように何時までも偽装請負を続けるとか派遣法
 違反を繰り返す製造業関係の違法業者が、政府としては本当に邪魔に
 なってきた。「物の製造」業務への派遣解禁にともない、従来からの
 偽装請負を法改正後に取り締まるために司法警察権が使われる。
 指導監督業務を公共職業安定所から格上げして労働基準監督署の上級
 機関の都道府県労働局でもって進めようとしている。派遣先への指導
 も、従前の例からすると、製造派遣業者の契約企業から順次定期指導
 が行われる。(なお、事件事故があった場合は優先的に即調査が入る)。
 派遣業の「追い風」とは偽装請負専門業者が自らの営業トークに使っ
 ているに過ぎない。もう一つ違う側面から。労働局の労組である全労
 働省労働組合を傘下におさめる全労連は製造業の派遣について、この
 期に何も言っていない。だとすれば監督指導要員の増員要求をしてい
 ることからして労働局の職員の意識実態は取り締まりに賛成であり、
 労働局は労使挙げて、製造業の違法派遣の取り締まりに乗り出すと見
 てよい。

 年金改革。マスコミもすべてが決まってから大々的に報道。テレビで
 元大蔵官僚が年金財政は破綻し粉飾決算と認めたとおり。マスコミは
 この周知の事も報道するのをチュウチョしていた。
 厚生労働省の官僚たちは抜本的改革どころか、マスコミ外では、もと
 より「概ね合意」された改革案の成立に大きく自信を持っていた(事
 務次官発言)。給付は元のとおりの50%。保険料は20%から18.35%減
 だか、これは元より織り込み済みで調整の範囲。今の赤字を作ったの
 は昭和36年の国民皆年金の際の政治判断。そのときから破綻の指摘が
 されていた。今回の年金改革は、そんな事もこんな事も知っている専
 門家を審議会はじめ政府関係に寄せ付けず、素人と赤字の責任を取ら
 されそうな者たちで作戦を練って決めたようなもの。政府はここに来
 て、新制度なら移行経過措置の費用計算が必要と言い出してはいるが、
 本気で思っているなら年金制度の素人である。子供だましなら悪質で
 ある。いずれの立場でも年金の専門家ならば、こう即答する。「この
 給付と保険料だから財源はいくらかかる」。次に「財源を使い込みし
 た? 誰だ!」そして「横領なら弁済させろ。はっきりさせて後、税
 金投入を」責任ある専門家はこう答える。ところが、実は日本の大手
 4政党は「年金泥沼」での浸かり具合の差しかないのでモゴモゴとし
 か言えないのである。善良なる民間事業者は政府と言えどもインチキ
 な輩の言うことばかり聞いてはいられない。

2003/12/09

第20号

 労働基準法改正特集。平成16年1月1日施行。

 マスコミ、一般書籍に書いていない話を書きました。専門書にもほと
 んど書いていない話です。常に、最先端の現場での実績と30年余りの
 経験で以って、実務的に解説します。

 内 容 項 目 今月のメルマガは重要課題で大幅増量。
 解雇条文の新設 第18条の2関係
     今までの解雇条項では、何故不備が出るのかです。
     甘く見ると、大変な事件と出費を招く
     労働基準法、解雇条文の文言を解説
     就業規則の改定・周知徹底・届出がなければ無効です
     ある種、解雇に関する社会権が法律化
 短期雇用契約の注意点 第14条改正と第137条新設
 短期雇用契約書に新たに加える場合の文言内容
 派遣業が製造部門でも解禁。その狙いと見通し
 年金の論議、表面話題で、お盛んな世論操作

 ==============================================================
 改正部分(解雇)   労働基準法 第18条の2
 ==============================================================
 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認め
 られない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 ============================================
 今までの解雇条項では、何故不備が出るのかです
 ============================================
 (今までの、解雇規定の不備についての追条解説)
 なお、不備を満たす解雇規定は文末に再度このメルマガでも掲載しま
 した(解雇規定条項のみ著作権放棄)。労働局の動向から考えて10月
 号のものに若干追加しています。
 「第○○条 社員が次の各号の一に該当するときは、解雇する」とよ
 くあります。
 --------------------------------------------------------------
 ?社員の勤務成績または業務能率が著しく不良で就業に適さないと認
  められたとき
 --------------------------------------------------------------
  能力が平均水準に達していないとの事では理由になりません。従業
  員の個性や能力が重視されますから解雇の最低基準事項が必要なの
  です。マニュアル、研修、チェックリストなりで具体的に教育した
  のか、その上で配置転換もできなかったのかが問題とされるのです。
  「なぜ、著しく不良な人をあえて採用したのですか?」と、たださ
  れる訳です。
 --------------------------------------------------------------
 ?会社の服務規程に違反したとき
 --------------------------------------------------------------
 「服務規程」万能主義では作成方式の期待効果と「社会通念上相当で
 あると認められない場合」とが重複矛盾する、いわゆる企業社会概念
 との矛盾を抱えかねませんので不十分となります。服務とは英語で言
 うサービスのこと。仕事を遂行する上での、「立ち居振る舞い」や
 「心得」をさします。明朗闊達溌剌、社員一致団結、協調性、家族的
 温情、社会的シツケ、社風と伝統、信用保持などの条項は人によって
 判断が大きく異なり、曖昧さが残りますから非合理的とされます。
 「いつもモミ手で外部に笑顔の警備員」は採用の間違いであった可煤@性が高く「笑顔」が理由で解雇はできません。多種多様な教育をした
 後「改善の見込みがない」との事が必要なのです。
 --------------------------------------------------------------
 ?社員が精神または身体の障害により、業務に耐えられないと認めら
  れたとき
 --------------------------------------------------------------
 就労不能の医師の診断書が必要です。従業員が提出した医師の診断書
 は尊重しなければなりません。不況時のように雇用不安があると、病
 気の発覚による解雇を恐れ治療をしない者が出てきます。メンタルヘ
 ルス以前の課題です。高血圧、心臓疾患や糖尿病などでは、常時機嫌
 が悪い、態度が横柄、不備や瑕疵が多いなどの症状が出ます。病気を
 知った上で業務強化を強いれば「労働災害」です。このとき会社の専
 門医の受診するよう業務命令を出したのに、従業員が受診を拒否し続
 けたときは労務提供義務を怠ったとして解雇できます。そのときに
 「虚弱、疾病のため業務に耐えられない」との解雇規定が必要なので
 す。
 --------------------------------------------------------------
 ?事業の縮小・廃止その他事業の運営上やむを得ない事情により、社
  員の減員等が必要になったとき
 --------------------------------------------------------------
 「整理解雇の法理」(判例確定)の4要件を満たす必要があります。
 「やむを得ない事情」があれば可能なのではなく、4要件を満たして
 いなければ敗訴です。4要件のうちある程度は今回改正の法定法理内
 容と一致しますので、その部分は最低事項として具体的に解雇規定と
 しての作成が必要です。なお、整理解雇の4要件とは、
    A.人員整理の必要性
    B.解雇の必要性
    C.人選基準の合理性
    D.全員への統一的な解雇の説明協議
 の4つです。Dの説明協議は今回の改正で想定している状態より範囲
 が広いものですが、十分な説明義務不足や信義則無視があった場合、
 ほとんどの裁判では会社の敗訴です。そのとき正当に選ばれた従業員
 代表との協議すらなければ裁判どころではありません。退職金も絡む
 ため裁判に訴える事例は急増です。解雇ですから本人の意見を聞かず
 に首にするときの話で、希望退職や退職金個別上積合意退職などは含
 みません。
 --------------------------------------------------------------
 ?その他前各号に準ずるやむを得ない事情があるとき
 --------------------------------------------------------------
 従来判例から考えると、抽象的表現は手抜かりを招きますから具体的
 表現が必要です。要は裁判を起こされたとき記載が無ければ、即決敗
 訴、執行されるということです。しかしながら、想定していない事由
 はどうするのかとの問題が残ります。この点、国会での政府答弁も限
 定列挙とは言うものの曖昧でした。裁判のことを考えると準用規定の
 補強は必要です。

 ==================================
 甘く見ると、大変な事件と出費を招く
 ==================================
 解雇条項の改正(1月1日施行)を甘くは見られません。最低限、解
 雇理由を就業規則に具体的に定めておかないと、「客観的に合理的な
 理由」と主張しても法律上まったく認められません。かつ、それが
 「社会通念上相当である」必要があるのです。
 改正にともない労働者から申告や相談があったときの、監督行政の見
 直しが現時点(11月17日)でも進められています。あくまで監督官が
 即刻立ち入りするのか事前連絡するかしないかなど監督官の立場から
 見た最善の解決方法の範囲ですが。監督署の中には「労働基準法によ
 る解雇の手続を満たしていても、その解雇の有効または無効の判断は、
 最終的には裁判所の判断によることになることに注意する必要があり
 ます」と、ことさら、経営側にとって耳障りの良いことを話している
 監督官がいます。ところが、男女雇用機会均等法のときや基準法の過
 去の施行実例でも、判断の法律がなかったことから裁判官の中には判
 断を下さなかった者が居ましたし、監督官で判断を避けていた者も居
 ましたが、このような逃げ方が出来なくなった、との効果が今回の改
 正で生じるのです。監督官が判断を示し、その上で突っ込まれたとき
 に「最終的には裁判所が判断する」と監督官個人の責任逃れをするだ
 けの話、と見ておいてください。監督官は司法警察員、捜査もすれば、
 書類送検もするのです。先日の監督官労働組合(全労働)の調査発普@によると30%強の監督官は司法警察員の警察権に強い興味があるよう
 です。現場の監督官は強気のようです。また政府の行革論議で「基準
 法違反の書類送検」の件数でもって監督官の業務成果の判断がなされ
 ていますから経営側にとって話は甘くありません。国会議員で圧力を
 掛けようものなら現場の監督官の感情を逆なでし、洗いざらい徹底し
 て捜査されています。経営側は権力が無いので監督官以上の知恵で対
 抗するしかありません。激動時代、社会の知識と知恵を身につけなけ
 ればなりません。
 そして、就業規則の未整備は会社側の権利放棄と見なされ、何かにつ
 け提訴した労働者に有利に働くことになります。平成15年10月10日、
 「就業規則が拘束力を生ずるためには、内容を周知させる手続きがと
 られていることが必要」とする最高裁の初判断が出ました。(最高裁
 で判断されると行政指導通達になるのが通例) 解雇関連では期間雇
 用の法令整備がされ、期間雇用が不明確に更新されて4年目に突入し
 ていれば労働者は終身雇用(判例定着)とはっきりみなされることに
 も留意が必要です。どうするかは、このメルマガの短期雇用契約の注
 意点を見てください。

 ================================
 労働基準法、解雇条文の文言を解説
 ================================
 条文は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であ
 ると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とす
 る。」となっています。
 ----------------------------
 「客観的に合理的な理由」とは
 ----------------------------
 「客観的に」とか「合理的な」は論理的・科学的に判断しやすいかと
 思います。
 客観的とは外部の第三者が確かめられる事実で証明できるかです。
 合理的とは理由の事実が真実で解雇の正当な事実を証明できるかです。
 ------------------------------------------
 「社会通念上相当であると認められない」とは
 ------------------------------------------
 「社会通念」の概念は論理的にも解りにくいのです。よく社内の会話
 の中に「常識の無い」と言われます。ところが、文化、教育、商習慣、
 年代、地域そして社風によって常識は微妙に異なっているのです。こ
 れを世間一般にあわせようとするのを「社会通念」とひとまず考えて
 ください。「社会で広く受け入れられるであろう判断」では実務的に
 は曖昧です。個人保護、プライベイト事項、個人の基本的人権、男女
 雇用機会均等、コンプライアンスなども少数・異質であったとしても
 社会通念としては守らなければならない時代です。現代は価値観が多
 様ですから幅広く慎重に判断することが求められるのです。具体例を
 話します。
 たとえば「客観的に合理的な理由」を満たしていても総額30%の賃金
 切り下げが不服なら退職を迫るというのは「社会通念上相当であると
 認められない」に該当します。法令や司法の底流には、終戦以後一貫
 して、終身雇用の発想の無い時期から、「労働者は解雇された途端、
 非常に弱い立場に立たされ、対等に扱うのは非常に酷である」との、
 日本独自の社会的判断を取り入れているのです。余談かも知れません
 が厚生労働省告示に「…自らの労働条件を決めるに当たり、交渉上、
 劣位に立つことの無い労働者…」の具体的限定列挙に、資格とともに
 年収が1075万円を上回ることとしていることからも行政の考えをうか
 がい知ることが出来ます。
 茶髪は社会通念上相当と認められています。特異な髪形や色を禁止す
 るには業務遂行上特段の禁止事情が明確になっていることが必要です。
 ライブやパンクの社員の例では解雇をしていません。そのほかにも、
 風俗飲食業では飲酒は社会通念上禁止となっていません。
 じゃ、そのときどうすれば良いかですが、業務遂行上特段の禁止が必
 要な事情が社会通念上存在する事業であれば、その具体的な禁止の解
 雇規定を定めておけばよいのです。
 また、社会通念上問題であれば労働組合と協約を結んだからと言って
 条件をいくらでも切り下げることはできません。
 ------------------
 「その権利を濫用」
 ------------------
 この部分は、数ある法律の中でも独特で労働基準法での独自の類型を
 設定していて民法1条3項の権利濫用とは一致していません。民法と
 異なる「解雇権濫用法理」(今回の改正で法定法理ともなった)は弁
 護士でも間違えやすいところなのです。権利濫用の要件・判断基準も
 最高裁判決で確立しています。(なお整理解雇法理はまた別と考えて
 ください)
 又、この場合、事業主が権利の濫用をしていないとの事実を主張し証
 拠で立証しなければなりません。就業規則に具体的解雇項目の定めの
 無いときは論外です。事業主側の主張を裏付ける物的証拠も必要です。
 仮に現行とは正反対の医療過誤裁判での「病院には過失は無かった」
 と立証責任が課せられている状況を想像してください。従業員に「お
 前の筋が通ってるなら言ってみろ」と言えば、途端に事業主は敗訴で
 す。
 「規則を振りかざし守れなかったから首だ!」との機械的短絡的運用
 も敗訴です。「解雇は不当だ、定年まで首になる責任は無い!」と労
 働者が主張するのに対して、「この不都合の事実がありました。ウメ@ではありません。その証拠はこれです。だから就業規則第何条で解雇
 しました。」と証明をしなければなりません

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 就業規則の改定・周知徹底・届出がなければ無効です
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 就業規則に「解雇事由」の記載が義務化(第89条)されました。各事
 業所での変更手続きが無ければ、欠落事由は解雇の規定が無いものと
 扱われます。変更しないのも自由ですが、解雇規定が無ければ根拠が
 無いことから、規定欠落解雇は全て違法または無効になります。もと
 より事業運営での法的保護のある解雇権は合理性が必要で理由の曖昧
 さは許されません。具体性が無ければ効力の判断から不明朗となるこ
 とから、実務的には普通解雇条項での具体的限定列挙(書いてなけれ
 ば無効)の必要性が生じ、ここに客観性・合理性・社会通念性を保っ
 ていなければならないことになったのです。
 従業員から解雇理由の証明書の請求があったときは発行が義務(第22
 条)となりました。拒否すれば客観的合理的理由の無いものと疑われ
 ても仕方ありません。(拒否だけで30万円以下の罰金)
 懲戒(制裁)規定との関連ですが。懲戒とは、あくまで罪を問い罰す
 ることが前提で、本人にそこまで罪を問わないとき、罰する必要がな
 いときなどは適用できなかったのです。普通解雇と懲戒解雇は別物と
 考えてください。普通解雇規定の条項に「懲戒規定に該当するとき解
 雇」と決めると合理性を欠くことになります。
 パート、嘱託、期間雇用(今回の改正で注意が必要)アルバイトなど
 の対象者に、別に規定を定めるとして解雇規定などが欠落している場
 合があります。社員の規定を準用できませんから、解雇規定は無いと
 みなされますので注意してください。

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 ある種、解雇に関する社会権が法律化
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 なお、一般には気づかれてはいませんが、個別紛争解決の法律(紛争
 調整委員会のあっせん制度など)と相まって、この今回の条文が法令
 の範囲内においてのみ、従来の事業所内自治とか企業論理を認めなく
 なりました。ある種、解雇に関する社会権が法律化されました。「わ
 が社の自由」とか「わが社のポリシー」も具体的解雇事由で以って規
 制を受ける時代になったのです。すると、採用・解雇などの事業のお
 ける労働力需給の概念を変えるものです。年功序列や終身雇用をまっ
 たく想定しなくなります。これは実務上の大きな変化です。
 ところで、最後に念のため。運用実務上の話です。勧奨退職、希望退
 職、自己都合退職などは本人の同意が存在するので解雇にはなりませ
 ん。労基法にいう「解雇」とは、定年などの終身雇用を含め期間中に
 会社が一方的に雇用契約(労働契約)を破棄することです。合意した
 り本人の同意を得たものは解雇といいません。同意を強制したときは
 根本からすべてが無効になります。短期間雇用といっても雇用契約が
 4年目に突入すれば定年まで雇用したと裁判所の判例で扱われます。
 (短期雇用契約の注意点を参照)退職はただ単に会社を辞めることで
 す。希望退職に応じたものには職安出頭後7日の待機期間後すぐに失
 業手当の給付が始まりますが、雇用保険の失業給付が3ヶ月間の支給
 停止となるかどうかは雇用保険法の主旨から決定していますから解雇
 外だからといって同一には扱われないのです。

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 短期雇用契約の注意点 第14条改正と第137条新設
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 1年間の短期雇用契約についての中途解約はあまり問題にされてきま
 せんでした。今までは、「1年以上の拘束をして退職を禁止する」行
 為をさせないようにするところに労働基準法の主要な目的が有りまし
 た。それが、今回の法律改正で、期間雇用の概念が労働基準法の改正
 で変わりました。
 契約期間中の雇用の安定です。不合理不明朗な解雇の制限です。
 契約期間や契約更新の明示が無い場合や更新の判断基準が不合理・不
 明朗な場合は、以前にも増して雇用が4年目に突入した時点で定年ま
 での雇用をしたと、はっきり見なされます。別途解雇事由が無ければ
 解雇は認められません。なお、定年は法の定めにより60歳以上となっ
 ています。決めてなければ死亡退職までの雇用保障です。
 途中解約の損害賠償義務が、労使ともに請求できる根拠が第137条な
 どで加わりました。
 具体的には、1年の雇用契約を結んだ場合、その途中で契約解除した
 ときは1年までの残りの賃金を保障しなければならなくなりました。
 3年以内なら3年以内です。途中解除の正当な理由が前もって明示さ
 れていなければ残りの不就労日賃金の損害賠償の責めに応じなければ
 なりません。労働者は1年間の就労義務があり拘束されます。他に就
 職することはできません。そのときは退職により与えた損害を賠償し
 なければなりません。ただし、強制労働は禁止されています。圧力が
 かかったと訴えられる行為は強制・強要と見なされます。賠償請求を
 しても支払能力が無ければ取り立てることはできないのです。判決を
 もらって給料を差し押さえると言っても1/4までです。
 また、このほどの法改正による3年以内の雇用契約の場合では、事業
 主には3年以内の保障義務が必要となります。ところが、労働者は1
 年を過ぎれば何時でも途中解約できる権利を保障されていますから、
 労働者の就労義務は3年契約であっても義務は1年です。
 満60歳以上の高齢者は3年が5年と期間のみ長期に契約することがで
 きます。
 高度な専門知識の有る労働者は5年契約ができますが、弁護士などの
 資格要件と、加えて年収1075万円以上の賃金要件がありますから、実
 務に実例や影響は少ないのです。
 ですから、雇用の期間の設定と明示、雇用の更新、更新の判断基準を、
 雇用契約書等に追加して作成し双方の確認を取っておく必要がありま
 す。厚生労働省は民間の契約行為にまで介入できませんので、雇用条
 件の明示義務と表現していますが、実務的には雇用契約とか労働契約
 を文書で交わしておかないと「手抜かり」を生じさせます。
 平成16年1月1日から、更新とか開始する期間雇用契約から適用です。
 契約書は前もって明示が必要です。

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 短期雇用契約書に新たに加える場合の文言内容
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 A.(雇用の期間は3ヵ年までの期間で設定できるが)
 「この期間は退職禁止による本人の就労拘束期間ではなく、会社の解
 雇を制限する期間ではない。雇用の期間の終期の定めをしたものであ
 る。したがって、本人が希望したときには所定の手続きにより2週間
 後にはいつでも退職でき、就業規則の解雇の規定に定める事由のある
 ときは30日前までに予告して会社は解雇することができる。」
 B.更新の有無について、次のいずれかを明示する。
    ア.契約は自動的に更新する。
    イ.更新する場合があり得る。
    ウ.契約を更新することは無い。
 C.更新は次の4項目の基準すべてにつき判断して行う。
    1.契約満了の時点の業務の有無または業務量により判断する。
    2.本人の、職務能力、就労成績、健康状態、解雇の規定に定
      める事由により判断する。
    3.事業所の、経営内容、経営悪化や大量の業務消滅など経営
      状況により判断する。
    4.期間満了の1ヵ月前までに更新の手続きを完了する。

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 なお、リスク事前回避のため、貴社の就業規則改正を国家資格と経験
 を持ったものがグループで当たります。秘密は厳守いたします。まず
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    yogo@soumubu.jp
 引き合いを出していただければ、DATA送信用WEBをお知らせしますので、
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 般の解雇条項や期間雇用契約書作成をはじめ一通りの見直しをいたし
 ます。費用はおおよそ5?7万円までです。10数年ぶりの大改正です
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 則をホームページのダウンロードから無料配布しています。
 (お問い合わせ電話番号06-6946-9921)
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 派遣業が製造部門でも解禁。その狙いと見通し。
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 一部の派遣会社や違法の「偽装請負会社」は法律改正で大喜びしてい
 る。よく事情を知らない「人材派遣コンサルタント」たちは派遣業の
 ビジネスチャンスと触れ回っている。ところが、製造派遣に限っては
 そうではない。法律家では法令分の説明だけで、「見事に」説明でき
 ないのです。派遣業内部事情の表面的皮切りは昭和55年である。昭和
 61年に業務請負の業態が発生した。ここを説明せずして厚生労働省の
 意図は推測すら出来ない。(派遣法改正の実務解説は次回のメルマガ
 でします)
 では、その狙いは…製造派遣においては実態が派遣である偽装請負を、
 「公序良俗又は非経済的不合理派遣業者」の摘発抑制対策が狙いで、
 方法は派遣先ともどもで解決させようとのことであります。ですから
 期間は1年なのです。派遣先の安全衛生上で派遣労働者を保護させる
 のです。労災事故の管理監督責任は派遣先なのです。「物の製造」業
 務で派遣をするときだけは申請等で記載が必要なのです。この4項目
 と派遣社員への社会保険適用とで、以前から「偽装請負会社」が主張
 していた納得性は崩れてしまいました。指導監督業務を公共職業安定
 所から格上げして労働基準監督署の上級機関の都道府県労働局でもっ
 て司法警察権を使って進めようとしています。派遣先が気になる、指
 導監督リストの順番は通例からすると、No.1派遣労働者の事故や事件
 の解決をミスった派遣先、No.2新規に製造派遣の許可申請した業者に
 注文している派遣先です。
 まして、狙いが偽装請負対策ですから、厚生労働省は社会的コスト対
 策を熟慮はしていますが、個別契約にコスト軽減の配慮などありませ
 ん。派遣になればコスト急増で支払いは多くなります。製造派遣業者
 との付合経費が増えます。業務請負で「発注条件の整備」をした方が、
 現実的な解決になります。施行は平成16年3月1日。

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 年金の論議、表面話題で、お盛んな世論操作。
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 もっぱら厚生年金ばかりである。ところが厚生年金は脱退者が続出し
 ている。適用されてない人がパートや期間雇用の形で急増している。
 高卒・短大卒の女性社員はほとんどパートや派遣(この15年で900万人
 増加)に変わったため、未加入である。国民年金の若者保険料未納問
 題の原因はここにある。昔はよく問題にされたが、これらの議論はど
 こかに隠されている。社会保険事務所は、標準報酬月額より低い未加
 入者、保険収支の合わない事業所、保険料回収効率の悪い企業、など
 には手を付けないのを肌でヒシヒシと感じる。未加入者の遡及の確認
 申請に至っては、先日も必死で受け付けようとしない。「給料の安い
 人を社会保険から外し国民年金に押し付けると厚生年金は安泰?」と
 の悪い冗談にも耳を傾けてしまう。

2003/11/11

第19号

 選挙結果によって経済政策が大きく変わることはなくなった。日本は
 昨年のアジア経済戦争に負けた。バブリー中国、英会話のインドと2
 国に経済の地位を奪われている。これに対抗しての日本は国家として
 事を成そうとのこともなくなった。アメリカに経済進出や貿易の邪魔
 をされても、じっと我慢するだけになった。これも国民の選択なのだ。
 それではこれから事業を伸ばす方法は何かである。企業規模の大小に
 関係なく、国際経済に進出するか、それとも国内風土特化事業に限る
 かなど、いずれかの中途半端では成り立たない。商品や事業内容は、
  a.世界中を相手に付加価値の高い商品とか
  b.世界相手の高サービスに的を絞ることである。
 景気で思い悩むことはない。2005年3月末までは銀行への経済政策で
 民間企業への資金繰りは締め付けられるので経済は下降するばかりで
 ある。2006年までは不況は続けると総理大臣すら言い出した。この前
 提で企業経営の見通しを立てるしかない。やはり、ここ3年は世界の
 現実と事業の現場をよくよく見て、個別企業の組織的な運営に徹する
 ことである。

 IT化は組織運営の道具になるので、今のきびしい時代に、ホント、
 いろいろな分野で助かる。パソコンやITは40?50年前の自動車とよ
 く似ている。エンジンやメカに強くなければ途中で止まるような代物
 だったから運転できなかった。パソコンも便利な動かし方をしている
 と70%ぐらいしか動かない。ある弁理士さんが言うには「パソコンは、
 まだ機械じゃない」と。ところが、自動車でもパソコンでも、これで
 物や情報を運べば、他人より先に取引ができることには間違いないの
 である。顧客は見つけに行ったほうが簡単で、どんどん見つけにいけ
 る。仲間内の連絡も早いので、段取り良く意思の統一が図れ、内部管
 理費用がかからない。運送業界・情報産業業界、仕事がら観察できる
 が、扱う道具は異なっても、驚くことに、働いている人の気質は本当
 によく似ている。パソコンは自動車。使い道がわかれば「歩いて」行
 ってばかりでは居れないのは確か。そして昔も今も、機械好きはいて、
 商売(経営管理)よりも「メカの趣味」第一との「士」(さむらい)
 も居るものである。

 紛争調整委員会の「あっせん制度」は現実対応として、あっせん申請
 に至るまでもなく、納得性のある制度として社会に歓迎されている。
 都市部での紛争調整委員会への「あっせん申請」急増との各地の地方
 労働局からの発表が相次いでいる。
 斡旋や和解の解決方法は、実態では事業主や労働者の切なる願いで現
 実対応である。その証拠に今までは制度がなかったから労使双方が議
 員・暴力団・事件屋・示談屋の類に頼らざるを得なかった。…ところ
 が期待はずれも少しある。
 あっせん委員の法律や制度の趣旨に沿った養成が出来上がっていない。
 労働紛争調整官は受付や事情聴取段階での事務処理優先思考が強く、
 思い込み、決め付け、法体系処理の未熟さからの個人的判断、調整官
 と相談員ともに法律体系の無知、無自覚の職権濫用など、他の類似あ
 っせん機関と比べると未熟・頑固さが目立つ。
 「一度あっせんに応じたら譲歩しろ」と恫喝をかけるケースもある。
 問題は、これらを本省担当課では把握し切れていないところにある。
 そもそも、労働者・事業主の双方とも意見や気持ちは、専門家でもな
 いことから十分に表現できないのである。あっせん委員は期日の半日
 だけの聴取で、能力では非常に個人差が激しい。陳述書の提出を促す
 ことは少なく、調整官レベルでは事情の取り違えも多い。調整官は口
 頭で事情を聞くことに終始し、十分な背景まで聞き取れる訓練がなさ
 れていない。来年度から、企業に出かけて行って紛争実態把握の専門
 調査員を全国に配置する方針とか。だがサービスなのかな? 圧力な
 のかな? ちょっと怖そうな雰囲気である。制度と云うものは人の心
 に訴えなければ何事も長続きしない。
 そこで、加えて、制度の運用上の改善アイデアとしては、社会保険労
 務士とか弁護士の代理人制度を積極活用し、「あっせん」であるから
 といって端から問題をあいまいにするのではなく、双方が選択した主
 張は文書での陳述を促すなど内容面での合理性を工夫することで、納
 得性は増し当事者双方に資するのではないだろうか。

 労働基準法、解雇や期間の改正(1月1日施行)は甘く見てはならな
 い。就業規則の未整備は会社側の権利放棄と見なされ、全て提訴労働
 者に有利に働くことになる。10月10日、「就業規則が拘束力を生ずる
 ためには、内容を周知させる手続きがとられていることが必要」とす
 る最高裁としての初判断を示した。(ただし判例としては既に定着し
 ている。最高裁で判断されると、ほぼ行政指導通達が出されることに
 なる) 期間雇用が4年目に突入していれば提訴労働者は終身雇用
 (これも判例定着)となる。判例が定着すると以後の裁判では異なる
 判決が出ることはないので、法律が出来たのと同じ効果が出るのであ
 る。よって、労働基準法は読んだだけでは何の役にも立たないのであ
 るが…。
 先日の監督官の労働組合の調査発表によると30%強の監督官は司法警
 察員の警察権に強い興味があるようである。本省や地方労働局の官僚
 が甘いことを言っても現場の監督官は強気のようだ。また「基準法違
 反の書類送検」の件数で業務成果の判断がなされていては、経営にと
 って話は甘くない。国会議員で圧力を掛けようものなら現場の監督官
 の感情を逆なでし、洗いざらい徹底して捜査される。経営側は権力が
 無いので監督官以上の知恵で対抗するのが得策である。これもコンプ
 ライアンスだ。激動時代の社会の知識と知恵を身につけましょう。
 ※客観的合理的解雇理由についての記事は、メールマガジン第18号
  (2003/10/7発行)を。書式集の無料ダウンロードのページ、サン
  プル就業規則に解雇規程例を掲載しました。
     http://www.soumubu.jp/download/index.html

 年金問題。選挙が終わって国会議員の考え方は落ち着いた。「年金支
 給額は当面は現役月額収入の50%で、保険料負担は月額の20%を労使
 で折半。」(今の保険料は13.58%)
 厚生労働省がダンマリを決めて資料を出さないものだから、国会議員
 の素人たちは納得? してしまったようである。…たぶん、これで国
 民年金に続き、厚生年金も空洞化すると見た方が妥当。日本商工会議
 所の緊急アンケートでは厚生年金の保険料を引き上げられた場合は半
 数以上が賃下げの実施を示唆したとのこと。国会議員や官僚が決めて
 も民間企業は言うこと聞かない。厚生労働大臣が「年金を変わると言
 いそびれた人が18万人もいる。もう一度、届け出忘れをした人にチャ
 ンスをつくりたい」と届け出を忘れた人が申し出ればいつでも過去に
 さかのぼり記録を変更減額しない措置を検討していると、女性のパー
 トからも保険料を取るための懐柔策を発表したのは、この夏に流され
 たウワサ(メルマガ16号)のとおりになった。
 ※社会保険の本質に迫る記事は、メールマガジン第16号(2003/8/5
  発行)、第17号(2003/9/7発行)を見てください。

 夏から全国で爆発・火災災害が続発していることで関係省庁、地方労
 働局、労働基準監督署、経済団体、災防団体が動き出した。労働災害
 防止の要請が中心だが要請文では配置人員減少、熟練作業者退職など
 の「雇用問題」が生産性重視で安全管理水準低下を災害の要因とする
 内容が多い。厚生労働省は500人以上の製造業に安全管理に関する自主
 点検を要請。その実態も調査する。12月半ばに点検結果を回収し悪質
 事業所は監督指導をするとのこと。

2003/10/07

第18号

 労働基準法、解雇の条項が、大きく変わります。
 来年1月1日から施行です。

 (解雇) 労働基準法 第18条の2
  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認
  められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 最低限、解雇理由を就業規則に具体的に定めておかないと、「客観的
 に合理的な理由」と主張しても、法律上まったく認められません。従
 来判例から考えると、抽象的表現は手抜かりを招きますから具体的普@現が必要です。「服務規程」では作成方式の期待効果と「社会通念上
 相当であると認められない場合」とが重複矛盾する、いわゆる企業社
 会概念との矛盾を抱えかねませんので不十分となります。要は裁判を
 起こされたとき記載が無ければ、即決敗訴、執行されるということで
 す。今回の法律文は従来の事業所内自治とか企業社会論理を否定する
 内容になっていますから念のため。
 労働基準監督署の中には「労働基準法による解雇の手続を満たしてい
 ても、その解雇の有効または無効の判断は、最終的には裁判所の判断
 によることになることに注意する必要があります。」と、ことさら、
 経営側にとって聞くだけなら心地よいことを話している監督官も居ま
 す。ところが、男女雇用機会均等法のときでも、基準法の過去の施行
 例でも、判断の法律がなかったので、裁判官の中には判断を下さなか
 った者が居たし、あるいは監督官で判断を避けていた者も居たが、こ
 のような逃げが出来なくなった、という効果が今回の改正で生じるの
 です。監督官が判断を示し、その上で突っ込まれたときに「最終的に
 は裁判所が判断する」と監督官個人の責任逃れをするだけの話、と見
 ておいてください。今回の改正は労働側の勝利。経営側に好い顔をし
 ても浮いた話に惑わされません。監督官は司法警察員、捜査もすれば
 書類送検もするのです。
 それと運用実務の話。労基法にいう「解雇」とは、期間中に会社が一
 方的に雇用契約(労働契約)を破棄することです。合意したり本人の
 同意を得たものは解雇といいません。期間中といっても雇用契約が4
 年目に突入すれば定年まで雇用したと裁判所の判例で扱われます。な
 お、勧奨退職、希望退職、自己都合退職などは本人の同意が存在する
 ので解雇にはなりません。退職はただ単に会社を辞めることです。た
 だし、雇用保険の失業給付が3ヶ月間の支給停止となるかどうかは雇
 用保険法の主旨から決定していますから解雇外だからといって同一に
 は扱われません。
 就業規則の、客観的に合理的な理由とするための具体的例を、本メル
 マガの巻末に掲載!!!
 これで、本屋さんで買う必要はありません。無料でどうぞ。「おまけ」
 です。

 年金問題での現場の実態・実情を、このメルマガ、8月号に書きまし
 た。
 年金改革なんかどうでもいいさ!と口にする官僚たちの「理想」を示
 唆した記事を9月号に。
 真意を汲み取っていただいて、マスコミから流れる的外れなStoryに
 もてあそばれないよう、冷静になりましょう。

 個人の労働組合への個人加盟が急増。解雇や条件変更トラブルで。事
 件が拡大して経営側が不当労働行為で訴えられると、どんなに安い弁
 護士でも300万円の費用は必要。火に油を注がないよう注意しましょ
 う。経営の味方の顔をした労務屋とか示談屋には気をつけましょう。
 労務紛争解決機構など経験と教育と国家資格のある安全なところに任
 せましょう。

 景気回復?は経済数値のマジック。前時代の経済指標で今の経済は測
 定できません。まるで明治時代になってから、江戸時代の米の石高・
 大阪商人・両替商の経済指標数値を持ち出して的外れの話題をするよ
 うなもの。ポイントは、一番目に中小企業の海外輸出量、二番目に個
 人消費回復なのです。ヒントは、ITを駆使したマッサージチェアー、
 IT分析で開発された健康食品とかは海外国内に通用する商品になりそ
 うなところに。ターゲットは日本人と当初から限定してイタリアと北
 欧の商品が売れているが、海外進出など思ってもいない中小企業の初
 めての海外進出のヒントがありそうである。経済対策とは商品・販売
 に地に足をつけたことを言うのです。

2003/09/09

第17号

 国家政策として民間企業の退職金廃止を誘導している。個別企業での
 終身雇用とか長期安定雇用にストップをかけ社員の流動化を図ってい
 る。外部積立には損金算入が設けられ、平成14年4月から退職金引当
 金の内部積立損金算入は出来なくなっている。内部積立では税金がか
 かるので401Kとかの外部積立とすると、他企業に転職しても引き継が
 れることから、個別企業としての退職金の意味は無くなる。
 そもそも日本の退職金は大正時代に、他社からの引き抜きを防ぐため
 に3年や5年さらには10年の単位期間で始まった。戦後、高度成長時
 代に向けて社員の長期教育訓練の必要性から終身雇用とともに退職金
 制度が現在のように整備された。ところが大手企業であっても現実は
 社員教育の対象は40歳までであることから40歳以降の退職金を大概は
 惰性で決めている。若者の育成や定着を必要としない企業は、たとえ
 有名大手企業でも退職金は無きがごとしである。
 とはいっても退職金の内部積立は税制優遇措置のもと事業資金に流用
 していたのが現実で、流用できなくなった退職金引当金を課税されて
 まで、はたして退職金を用意をすることになるだろうか。原点にもど
 って、社員の育成・教育・訓練・定着の人事方針を持ってこそ退職金
 制度の意味が出て来る。だとするとハイテクかローテクかを問わず、
 いわゆる「開発型企業」に退職金制度は限られることとなる。相当の数
 を占めるその他一般企業で退職金制度は持ちこたえることが難しい。
 すなわち退職金制度は無くなり従業員の定着は悪くなる。

 昭和36年、「国民皆年金」とのことで国民年金の制度が始まった。当
 時は「財源の見通しが皆無」との事で賛成するのは厚生省と身内の関
 係者だけ。反対運動団体に裏金をばらまき、「ビルヂィング」を建築
 し裏でプレゼントまでして、圧倒的反対の世論を抑えて開始させた国
 民年金である。その後、厚生年金や共済年金と混ぜこぜにして国民年
 金の安定を図った。1000万円以上の所得が有って国民年金を納めてい
 なかった人たちがいるので「保険料徴収を強化…」とのことは、これ
 までサボりにサボってきた証明ではないのか?
 8月末に「国民年金を完納すれば倍以上年金が戻る」との発表があっ
 た。少子化、1/2国庫補助、年金資金切崩しと、官僚の手前勝手な
 架空計算である。財務省方式の経済成長には物価の引き上げ政策が不
 可欠だが、生活必需品物価を毎年3%ずつ上昇させる(3%複利計算)
 とすれば、保険料の13300円も40年満額年金80万/年も約3.3倍の金額
 にならないと…?「バカヤロー!2.4倍じゃ損するじゃないの!」…だ
 から試算は合わない。社会保険庁の素人集団が官僚のプライドで「策
 を弄して策におぼれ」、それでも金ヅルだけは離さない醜さと言われ
 てもしかたがない。
 社会保険労務士会は8月5日、日本で唯一の専門家集団として、年金
 問題での提言を発表した。老齢年金給付率を50%下限、総報酬負担率
 20%限度、3号被保険者と加給年金の制度を廃止、さらに給付と負担
 を被保険者単位とすることなど。厚生労働省の専門家らしき委員の居
 ない審議会と比べることもないのだが、4つのポイントだけで本質を
 押えて具体性があり、個別の現場を知った上での改革案であることか
 ら、議論の柱に値する。
 (社労士会ホームページ0812新着情報)
 http://www.shakaihokenroumushi.jp/

 black-humor??? こうすれば儲かる!社会保険事務所の営業???
 標準報酬月額の全国平均より給与の高い企業単位では強制適用と法律
 を振りかざして保険に入れる。
 平均より低い事業所は、難癖をつけて社会保険に入れない。…出費が
 多くなるから。
 保険料が未納になるようなら、数十人以下の事業所は、さっさと社会
 保険をやめさせる。
 倒産会社などの保険料が回収できない遡及加入手続きは、社保職員の
 出世にひびかせて遡及加入阻止。
 脅しに弱い大手企業の子会社を重点に、来年から実施の「パート加入」
 で保険料をかき集める。
 回収に手間の掛かる企業とか調査に時間の掛かる事業所はこの際、手
 を付けない。
 これらを10年ほど続け、社会保険は高給与優良企業ばかりにして、安
 月給劣悪企業は保険給付が持ち出しになるので被保険者と事業所を国
 民健康保険と国民年金に移してしまえば空前の利益金が出る。そのと
 き法律改正をするだけだ。
 年金受給者への資金が無くなれば支給額をカットするだけのことであ
 る。??えっ?そんな!「政府のやることか?」と国民に抗議された
 ら、社会保険を民営化して官僚も職員も丸ごと天下るだけ???(と
 倫理観のない話)

 9月は平成16年度の政府予算を固めていくヒアリングの月である。陳
 情、政府施策案とか予算要求は6月から本省へ持参し8月中には終わ
 らないと間に合わない。(陳情などは民間企業担当者でも可能で基本
 的には国会議員の口利きは要らない)。ことしは政治の話ばかりで、
 来年度の予算や経済再生化の話が出ない。まして「官僚機構」が話題に
 なっているのに、官僚の粛々なる予算作成について話題にしないマス
 コミは三文小説の著者(記者)なのだろうか。(所詮、文学部などを
 出て経済部や社会部の記者になる者だから基礎も知らなくて当然だが…)
 日本の国家財政は、一言で言えば「40兆の年収で80兆円使う」という
 こと。話題の年金資金や郵貯は使い込んだ。漢詩「国やぶれて財務省
 あり」である。
 総選挙は景気のどん底に合わせて行われてきた経緯もある。SARS、
 タバコ値上げ、水増按分などで、GDP国内総生産が水ぶくれした。
 国の官僚を除いて景気回復などと信じるものは誰もいない。2005年3
 月31日までは不良債権処理のため個別企業は基本的に景気の落ち込む
 経営環境にある。
 本質的には国家財政と民間経済は別物である。「国家財政は政府のも
 のへ、経済や豊国は民間のもの」が経済の本質。事業経営としては、
 現実には秋から本当の意味でのリストラをしたいところだ。出来れば
 社員は半減したい。「10年後の景気回復のときの融資が…」と銀行マ
 ンは嘘を言う。優良経営なら融資はすぐある。経営の実は今が必死な
 のだ。不良債権の返済のために会社を動かしているだけかも?…しか
 しながらジレンマだ。民事再生をかけるに掛けられない。労働債務を
 抱えすぎているのだが圧縮の方法がわからない。この堂々巡りの呪縛
 脱出にはドラスティックな決定打方針が要る。ズルズル行くと必然に
 労使面従腹背の有形無形対立で会社財産の取り合いに陥ってしまう。
 この正念場は作戦参謀としての総務担当の活躍にかかっている。「成
 長(商品)分野への進出で社員の士気向上」と「デフレ型業務遂行で
 収益改善」の2つが解決戦略の原点である。

2003/08/05

第16号

 国の年金制度は人件費のみならず、採用・労働力調達、社員の安定確
 保に多大な影響がある。今それが現場から崩壊が始まっている。社会
 保障が崩れ正直者か馬鹿を見ている。
 社会保険の脱退は20?30人の従業員規模だと国民健保と国民年金に切
 り替えることを条件に各地の社会保険事務所が黙認している。
 本来、法人は社長も含め本人の希望や事情を無視する強制適用加入と
 法律で決まっている。かたや社長と2人だけの事業所が加入を申し込
 んだところ「保険料が払えないのでは」と断られたが、社会保険労務
 士が加入手続きをさせた。
 社会保険の調査でパートの未加入が見つかった後に解雇すれば保険料
 の請求が来ない例。
 別会社へ社員を移す例。2社で給与を2分割し一社分のみ保険に入れ
 る例。
 外注契約・青色申告で社会保険を外す例。(使用サレル者の本省解釈
 通達の不備から生じる問題)。
 2年ごと事業所所在地を移転し調査を逃げる例。(適用促進努力は弱
 まり、社会保険事務所の調査は2年以内は無い)。
 賃金台帳・社員名簿を抜いて隠して知らん顔する例。(調査官はつじ
 つま合わせが無い)
 数千万の保険料未納はそこら辺の会社で存在。延滞利息14.6%は銀行
 のカードローンと同じ利率なので(銀行貸付金の実行利息のこの程度)
 毎月融資の資金繰りに予定している例。
 大手企業の子会社からの保険料徴収は、脅かせば本社が立て替えて即
 金ではいるのが実態。
 給与が下がっても、健保組合職員が当該事業所の給与規程解釈に因縁
 をつけて報酬月額を下げさせない健保組合。
 社員で本来強制加入なのに会社が加入手続きをしなかったが為に被保
 険者自ら申し立ても社会保険事務所職員が(会社に言え。証拠がない
 と)取り合ってくれない実態事例多発。
 社会保険の適用や保険料集金について、厚生省時代から、会計検査院
 や行政監察によって長年にわたり指摘されても改善が図られない。
 社会保険労務士が努力しても社会保険事務所が法令無視をするから
 「人を二階に上げておいてハシゴを外す」ようなものである。
 社会保険審査会もあきれる行政実態もあり次々と法令を守る旨の「社
 会保険事務所決定の取り消し」が裁定されている。
 先日は加給年金の24億円払いすぎと未払いを同時に起こしてしまった。
 こんな場合は回収がほぼ不可能なので間違わないための事前KNOW-HOW
 があるのだが…そして社会保険庁長官の処分も訓戒と極めて軽い。

 共通して言えることは、事実上保険料集金のため、保険の収支バラン
 スのため、意に沿わない専門家の意見を排除して、官僚の素人さで金
 銭次第の短絡業務に陥ってることである。なので社会保険事務所は
 (実体が)法治主義ではないから正直者が馬鹿を見ている。社会保険
 庁の味方をする人や、一部の職員OBの弁は「社会保険に逆らって何
 か得があるのか?」の恫喝が、とにかく第一声であるが…。
 これらが厚生労働省や社会保険庁の無能力と人手不足なのかと言えば
 そうではない。今年10月からの労働保険と社会保険の保険料徴収のた
 めなのか社会保険事務所には、春から既に研修中の職員が配置されて
 いる。
 電子申請に至っては美辞麗句で説明しても、IT好きの正直者から、
 民間の手間と経費と紙使用増加で、社会保険事務所職員もが悪評する
 素人仕立ての申請ソフトシステムを使わせてと、道具は粗悪で動機も
 不純と評されても仕方がない電子集金制度だが。いずれにしても社員
 の個人情報を政府の使いやすいようにデジタル化して、不本意な増税
 (保険料は税と同じ)に協力するほど、民間企業はおめでたくない。
 厚生年金保険と一体である国民年金は保険料集金が市町村から社会保
 険事務所に変わった。が、ちなみに3ヶ月保険料の支払いが遅れると
 個人宅まで夜の8時を過ぎて(サラ金法適用外なので)督促電話が架
 かって来るようになった。保険料の集金体制と事務の電子化準備だけ
 は突出して早い。
 しかし中央官僚が笛吹けど現場が踊らずで未納率は37.2%に跳ね上が
 った。国民の責任ではない。悪人はいつの世も何処にでもいる。冒頭
 から数々の実態を示したが社会保険事務所が悪行を放置黙認し、権力
 的窓口行政を進め、正直者か馬鹿を見る実態が多発し、そこへ年金資
 金の使い込みで穴が開き、ここから国民の信頼感がなくなったのであ
 って、これだけの事を防がなかった厚生官僚の不作為なのである。証
 拠を一つ。年収1000万以上の国民年金保険料(1ヵ月13300円)未納者
 が20万人存在していたとの記者会見。これが調査差押能力が在りなが
 ら不作為で増加させ、悪行の見本を故意に作り上げた証拠である。
 とりわけ社会保険庁や社会保険事務所は保険料の集計集金、調査計算
 と年金保険給付計算の体制及びそのKNOW-HOWは世界レベルで信頼性が
 高い。標準報酬月額での計算方式とか税務署以上の倒産情報収集機煤@など、こと事務やお金に関しては民間企業は比較にならない超高水準
 である。「なのに」なのである。
 パート等の厚生年金加入問題、来年春から実行しそうだ。年収65万円
 以上が対象になると被保険者は400万人増加、週20時間労働の雇用保
 険被保険者と同基準にすると300万人との増加政府見通し。穴を開け
 た年金資金の穴埋めが唯一の目的である。東京商工会議所(山口信夫
 会頭)は7月10日、厚生年金の短時間労働者への適用拡大には、強く
 反対の姿勢を示している。「労務倒産」の恐れがあり、「企業経営を
 大きく圧迫し、結果として雇用を縮小させる」と指摘。社会保障財源
 や税制を含めた検討が必要であり社会保険の安易な適用拡大は行うべ
 きではないとの考えを示している。さらに、流通、外食産業界でもパ
 ートタイマーへの厚生年金適用拡大に反対する動きが加速している。
 パートタイマーを特に多く抱える日本チェーンストア協会、日本フー
 ドサービス協会は反対要望書を厚生労働大臣に提出した。雇用縮小、
 事務手続きの煩雑化など企業への過重な負担増が引き起こす悪影響に
 ついて訴えている。
 パート加入問題の水面下では机上論・現場論のこんなウワサがある。
 パートは妻の立場の配偶者が多く国民年金制度上の不備から年金手続
 き(3号被保険者)をしていない者が多人数存在するので、(5年10
 年)さかのぼっての「特別無料加入措置しますよ?」と、抱き合わせの
 「パート厚生年金加入キャンペーン」を実施するのでは?…ところが
 保険料不要のカラ年金期間を算入すると保険給付は増加で収支が悪化
 する矛盾を抱えることになる…と。また「女性の年金権」をことさら
 アッピールすることで権利意識の強い女性をパート加入のけん引役に
 仕立てて世論を動かそうかな?…ところが(試算によると)年金権を
 根拠に保険料を集金しても支給額はさほど増えず、被扶養者で無くな
 ると夫の収入が減る、離婚をしたときは夫婦折半の年金額では単身で
 の生活維持は出来なくなるので、…「権利は正当な金銭利益を伴う」
 と正論を主張されると「女性の年金権」はウソの表現になる…と。
 (政府や与野党の意に沿わない年金政策を提言する専門家は幾人もい
 るが、意に沿わないので審議会候補から外すし意見も聴かないのが実
 態。メールで意見を聞くが数量ではなく質の問題である。女性の年金
 権確立は妻のカラ年金期間を離婚とともに実年金とし離婚年太りにな
 らないようにした上で最低保証をすれば老齢年金離婚は防げ給付者数
 も少ないので財源も確保出来ることで解決する現実策もある)。あな
 たの意見も是非お寄せください。
 ここまでお話したがマスコミや世論のごとく、国の年金制度や社会保
 障制度は制度疲労したとはいえないのである。他人事のように機能不
 全したとも言えないのである。運営方針と組織方針を素人官僚や厚生
 労働省出向(なので素人)の財務省官僚が「間違えた」と言われても
 仕方ないのである。いずれにしろマスコミは蚊帳の外である。「A新
 聞やY新聞は無知だから調子に乗るなら記事が書けないくらいに行政
 情報を流してやらない」と脅かした職員が何人か居たこともあった。
 保険料集金や財源穴埋のために、なりふり構わずと判断されても仕方
 のない事態である。「資金をこう使って穴あけました。辞めます」
 「後任の私が正直者が馬鹿を見ないように責任持ちます」といえば、
 ほとんどの日本人は良識があるので年金保険料を払う国民であるのに。

 司法制度改革推進本部は、東京地裁の裁判官や労使双方の弁護士など
 合計14人の司法関係者からなる労働訴訟協議会を設置して、労働裁判
 を進めるに当たって、当事者の主張の出し方、争点の絞り込み、裁判
 期日の設定などが効率的に行われず、審理期間が長期化している実態
 を改善。解雇事件については運用ガイドラインで労働者の早期救済を
 図るとの意見も。これに対して日本経団連は、政府が進めている労働
 裁判制度の見直しに対する企業意識調査をまとめ、労働事件で裁判所
 を利用した割合は約4割で、そのうち訴訟の進め方や判決内容への満
 足は3割に満たない。不満の原因の多くは、判決までの時間が長すぎ
 たり、裁判所が労働問題に精通していない点を指摘している。
 労働組合には労働委員会、個人には紛争調整委員会があっせん機関と
 して存在する。どんな改革をしても裁判所となると訴訟も調停も対決
 の構えを取ってしまい、戦わなければ負ける。トラブルを煽って訴訟
 に持ち込む弁護士もいる。不安を煽って火に油を注ぐ事件屋も数多く
 いる。この弊害を防ぐ為にもあっせん機関が出来た。事業の現場で後
 日の人事管理や組織運営のことを考えると、斡旋や調停は最低限でも
 表面対決は避けられるので、現代日本社会では受け入れやすいと思わ
 れる。4月からの法改正で今までは予想できなかった、「一時的に労
 働条件ですれ違いがあっても業務ライン外であっせん」すると円満解
 決でき再び能力発揮してもらえ職場の人間関係は壊れないとの事例が
 何件も発生している。ここは、裁判所、弁護士会、労働委員会、労政
 事務所、紛争調整委員会の縄張意識(弁護士も不況で仕事確保に弁護
 士会としても大変な様子。委員会や労政事務所は職員の雇用と組織の
 存続を気にせざるを得ない。東京都労政事務所は権限が無くても実績
 と実力で有名)をこの際押さえて、視野を広くするのが先決ではない
 だろうか。

 さて個別企業の、これ以上のことは読者の皆さんで察してください。
 ご質問はフリー相談にどうぞ。全国の総務部代理店や専門的分野の社
 会保険労務士を紹介できます。
 2005年3月末までの経済景気転落期限まで希望は捨てずに個別企業ご
 とにみなさんがんばりましょう。なお、政権交代したとしても救済策
 は発動されますが経済回復策は不良債権も存在するので、何よりもア
 ジア経済戦争で「国破れてしまったけど財務省ありの政策」から突然
 の急旋回政策は出来ないので、落ち着いて腹を固めましょう。

 時代の変革期です。用いられる用語は新聞や会社によっては意味もさ
 まざまです。このURLに「辞書にない会社用語」を設置しています
 ので利用してください。質問のあった用語を記載しています。で、解
 からない用語もリクエストしてください。
 http://www.soumubu.jp/contact/yougo-index.html

2003/07/08

第15号

 株価上昇? 昨年夏に予想されていた3月危機・6月危機の反発のよ
 うな「波打ち現象」。日本経済は凸凹しながらも谷底向けてゴロンゴ
 ロンと落ちていっている。マスコミの一喜一憂をしり目に、これまで
 好調だった企業でも、4月から軒並み売り上げが低下している。
 そこで中小では一挙に、人員削減・リストラに手を付け始めようとし
 ている。ところが、全員解雇して再雇用と考えたものの退職金が払え
 ない。そもそも退職金原資が無くなっている。バブル期に節税のため
 に退職金引き上げの措置を行った会社はなおさらである。こんなこと
 から、決死の退職金問題が急浮上してきている。決死になるのは当て
 にしていた資産売却価格が予想以上に悪化している現実に遭遇してい
 るからだ。
 このような時、経営側に事業の将来ビジョンが無ければ、いくら代替
 措置を社員に提供しても、「どうせ辞めるのだから」と社員は退職条
 件闘争に入り、会社の資産の食い合いになってしまう。「将来がない
 場合」は、対話を求めれば感情問題を起こし、妥協案は値切りと受け
 止められ、按排(バランスを配慮)する措置は強行的と受け止められ
 る。
 反対に、将来ビジョンには若者は夢を抱き、中高年はそれを見て一肌
 脱ぐ。元より仕事意欲のないものは、日ごろと違って多くの者がこの
 際の退職を選ぶ。企業再生と言うと資金・債務整理に対策が傾きがち
 だが、社員への事業ビジョンの具体策の浸透如何では、成長分野進出
 で士気向上し、デフレ型業務遂行で収益改善も出来ている。
 特に労働債務の縮小は複雑なので、手遅れになる前に、その道の「外
 部専門家」に依頼するしか無さそうである。巷では目先の売上げのた
 めに好都合な経済分析を素人ながら吹聴しているが、実は2005年3月
 末までは経済を落とし込む仕掛けになっている。「店を縮めるときは
 表座敷から取り壊す」との江戸時代のことわざが生きてくるのである。

 役所へ提出する書類の、電子申請の準備が民間企業の中でもはじまっ
 ている。事業をやっていて一般的によく通う役所は、職業安定所、社
 会保険事務所である。雇用保険、社会保険の事務はどうなるのか?
 10月開始を前に、パートをたくさん雇用している事業所、労働集約型
 の会社、これらは理由があって、電子申請開始やワンストップサービ
 スをとても嫌がっている。事務を取り扱っている中小企業団体の中に
 も「パソコンが出来ない?」との口実で頑強にいやがっている団体が
 ある。これらのところは社内の事務管理を、労働者名簿、賃金台帳、
 雇用保険被保険者名簿、社会保険被保険者名簿など、あえてバラバラ
 別立てで作っている。事実パソコンは速度が遅いかつ瑕疵点検に余分
 な手間が掛かるのではあるが。さらには社会保険事務所の職員の代り
 に民間企業が給与・設備費を負担しての入力作業をなぜしなければな
 らないのかとの苦情もある。点検時間・出力時間まで余分に掛かる上、
 紙代印刷費まで民間負担だ。
 ところが、本質は事務手数ではないのである。年金制度・政府機関や
 官僚を信用していないのに民間企業は協力する理由がない。理由の解
 からない年金保険料負担増。年金加入基準が週20時間働くパートか年
 収65万円の雇用者か、いずれにしても前もってそんな個人情報を政府
 の使いやすいようにデジタル化して、不本意な増税(保険料は税と同
 じ)に協力するほど、民間企業はおめでたくない。今の社会保険行政
 では「正直者が馬鹿を見る」との不信の目で民間は見ているのである。
 役所は実態を非公開・民間も非公開。まるで役所はキツネ民間はタヌ
 キの状況である。そうさせてしまった官僚の責任は大きい。
 これ以上のことは読者の皆さんで察してください。ご質問はフリー相
 談に。

 労働基準法改正。全般的には解雇制限の強化がされたこともあり労働
 団体側の勝利となった。連合、全労連ともに「成果を得た」としてい
 る。(6月27日成立)。年内施行の予定。
 主な変更の内容は、労働契約期間の上限を1年から3年に原則延長。
 就業規則に解雇事由の記載義務化。裁量労働など。特に、解雇につい
 てはどういう場合に解雇されるのかを、読んでわかるように具体的に
 記載されなければならなくなった。社会通念として合理的理由も必要
 とされた。違反するとどうなるのかと言うと、毎月の給与と賞与を払
 い続けなければならず、5%の利息とともに差し押さえまで至る事に
 もなる。「解雇ルールの法制化」とは、裁判判決を待たずに、監督署
 の段階でも、職権濫用解雇無効の判断が次々と行われるとの意味。ま
 た政府が整理解雇4要件の使用者側への周知を付帯決議した。整理解
 雇の4要件とは、(1)経営上の必要性がある、(2)解雇回避の努力を行
 った、(3)解雇者の選定が合理的、(4)労働組合や労働者との協議を行
 った、というもの。

2003/06/10

第14号

 SARSの流行地域へ出張させるとなると労働法令ではどうなるのか。
 東京や大阪では危機管理セミナーが予定されているが組織管理や労務
 管理からの視点はほとんど無い。業務命令を聞かず出張拒否しても会
 社の懲戒処分は出来ない。使用者には安全配慮義務がある。無理無謀
 をして雇用者を流行地域へ行かせ感染したときは業務遂行性があって
 も労災保険がいったん適用されたとしても、不法行為となり損害賠償
 となる。現地へ行ってもらうには、雇用者の志願の形を取るしかない
 のである。さて社内SARS対策はと言えば「保健所へ電話してから
 病院へ」と聞かされても不安が増すばかりである。理屈よりも、社内
 で風評被害を防ぐには、「つば・鼻汁の体液感染」ルートや一般人が
 取り扱える消毒薬(80%エチルアルコール、イソジン、台所にあるハ
 イターの100倍水溶液の三つ)の使用法を特に会社が文書通知するなど
 して不安を取り去ることである。月額5万円、10万円とかのSARS
 手当だけの問題ではない。

 サービス残業解消に向け、6月と11月に労働基準監督署が重点監督月
 間を設ける。申告や監督歴などを優先して指導を強める。大手企業や
 管内の多人数事業所から着手される。厚生労働省が打ち出すからには
 産業界の内諾は既に取ってあるとのことであり雇用拡大・個人消費拡
 大にプラスになると判断するくらいのことは考えている。ところで、
 紛争調整委員会の労使紛争斡旋制度があるが、法違反を含んだ事案の
 斡旋そのものを拒否すると基準や安定の各署所へ通報が入り即調査に
 入る地方が出てきた。今国会での労働基準法の改正でも経営側の主張
 (解雇権など)は与野党で拒否され成立しようとしている。これが社
 会の流れのようだ。

 りそなショック。旧大和銀行は関西が基盤。マスコミが分からないか
 ら書かないことを一言。大阪地方では…資産がすべて担保に入って取
 られる物のない企業は借金返済額を10分の1とか20分の1に減額する。
 なぜなら、りそな国営銀行になったから。「上方商人」は「お金は物
 資を廻し物作りするための道具」にすぎないとの倫理観を持っている。
 借りたものは返せとのサラ金並みの屁理屈に対してもモラルハザード
 などとは意識していない。これが経済を優先する関西の事実である。
 関西では今年3月決算が税務申告とは裏腹に、前年対比30?40%減の
 会社がザラである。借金返済よりも日銭稼ぎの消耗品投資、「生活安
 定資金?対策」、経営指南役との付合い優先、と腹を決めた経営者ほ
 ど強いものはないのである。

 適格退職年金(要は優遇税制)廃止で401Kなどへの制度移行が保険
 会社や金融機関主導で進んでいる。社員とのトラブル多発である。こ
 の夏から秋は制度移行のセミナーがラッシュ。その業務に必要な人材
 (ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士が対象)の養成講座
 が現在頻繁に行われている。ところが退職金制度の不利益変更は「退
 職金倒産する!」と言っても、従業員に訴訟を起こされると100%会社
 は負ける。規制緩和の「5/30の政省令」でも最低保証額を軸として
 いる。労働債務は一般債務より優先されるので差し押さえも弁護士が
 気軽に行う。松下電産も5月21日に訴えられた。この不利益変更問題
 は誰もが避けて通っている。厚生労働省は国会答弁でも不利益変更は
 駄目と言っている。保険会社のN社やT社は「私どもは御社の就業規
 則又は退職金規程が先ず在りまして、それに見合った金融商品を、お
 選びいただくもの。支払義務、不利益変更、受取額目減りに関与いた
 しません」と口をそろえて言っている。今、個別企業が抱える焦点は
 退職金倒産。401Kは中小企業がほとんどの約300社が現在の導入企業
 数。N生命の当面の契約目標は250社とかで超低低位目標の水準。大手
 企業は財務帳簿作成目的に401Kを導入することが多いと言う。中堅・
 中小企業で、退職金問題を形のうえだけでも解決しようと思えば、あ
 る程度の条件を考えて、必ず裁判や団体交渉の以前の段階で、有能な
 代理人に依頼して「あっせん」(都道府県の紛争調整委員会)に持ち
 込むしかない。

 労務紛争解決機構。この4月に代理人制度を認める法改正がなされた
 ことから実態の上で裁判外の道が開けた。大阪本町で、あっせん代理
 人(都道府県の紛争調整委員会の代理人)の国家資格と教育終了した
 10人が、受付機関を5月7日に設置した。この機構はもっぱら経営側
 の紛争解決に乗り出す。国の機関である紛争調整委員会で、労働条件
 変更などあらゆる労務問題をあっせん解決する。裁判などの対決を避
 け、当初から「あっせん」で円満解決を目指すことで弁護士や裁判か
 らの区別をつけている。必要となれば代理人団を組む。関西文化特有
 の、裁判所の判決は軽視する、怒ったら恐い、話し合い解決が商習慣
 ならではの方法などからして、大阪では依頼も名称も口コミで急拡大。
 「社内と言えども感情問題があり当事者では無理」「代理人を通じ公
 的機関へ非公開で持ち込める」などと好評である。人間関係や業務ト
 ラブルなど法律外に事案も斡旋の対象となる。夏から秋にかけての、
 リストラ、賃金切り下げ、退職金凍結など労務紛争が多発することが
 予想され期待が寄せられている。URLはこの下をクリック。
   http://あっせん代理人.com/

2003/05/06

第13号

 SARSのアジア経済とアメリカ経済への影響が注目され始めた。確
 かにショックではある。が、昨年のアジア経済戦争に負けた日本が中
 国経済の上位に返り咲くことはないのである。視察や観光案内にない
 現地の都市街中を知る事情通からすれば、この衛生インフラと労働調
 達環境は当初から織り込み済みのことで、その上の経済戦争敗戦認識
 なのである。当の中国経済リーダー本人たちは、病気で少し人間が減
 れば社会全般の矛盾・問題が解決して更なる経済成長ができると思っ
 ている始末である。この現実のポイントを知る日本の中国投資顧問会
 社が存在しないことも残念な話である。

 前代未聞の、労働行政。労働行政は、はっきり変わったといえる。
 雇用保険法が改正され5月1日から施行された。法案が国会に提出さ
 れて後、いつ成立し施行されるかによって、リストラの時期や解雇通
 告日を決めようと思っていた方が多かった。当初の予想は5月1日な
 のでそのまま念のために4月中に退職者を出した事業所は良かった。
 ところが、多くは社内事情や気の緩み、あるいは安定所付近からの10
 月1日説に振り回された。統一地方選挙状況で成立が左右されたとの
 ウワサもある。4月15日付帯決議つきで衆議院で成立。25日午前10時
 半ごろ参議院で成立。25日の夕方から「新制度パンフレット」が安定
 所で配布されている。厚生労働省WEBもミスを抱えながらもページ
 のトップに載せる。改正とWEBを知らせるメールがJIL労働情報
 が25日16時33分作成され即刻官民に一斉配信。土日をはさんで28日ほ
 ぼ全事業所に「新制度パンフレット」が到達。こんな一連の流れであ
 った。びっくりするのは、この段取り?良さ、参議院通過前からパン
 フを作成完備し後は配布だけと準備していたキップ?の良さ。IT化
 が進みイメージはますます変化するだろう。
  http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/04/tp0425-1.html

 個別労使紛争の斡旋をする紛争調整委員会の役割には、実際活用され
 てみると、目覚しいものがある。実例を挙げると仮払金を20数万円持
 ったまま退社して一切の連絡を絶って、その家族も取り合ってくれな
 い挙句、駄目もとの「あっせん」に応じて話し合いの窓口が出来たケ
 ース。退職金大幅減額問題で、入れ代わり立ち代り何人もが朝から夕
 刻まで幾度も、社長に面談に来ては堂々巡りの話し合いで仕事どころ
 ではなかった事態が、代理人をたて「あっせん申請」に入り、紛争調
 整委員会の事情聴取が事業所内で始まるや否や、業務は正常になった
 ケース。などなど。
 相手方を追いやってしまっては話合入口のきっかけすら出来ない。訴
 訟では相手が構えてしまい打開が計れない。ここを紛争調整委員会で
 道を開き、けっこう円満に解決できる手助けになっている。日本に無
 かった制度なので予想できなかったとは言え効果はおおきい。紛争調
 整委員会に引き出されて、悪行の居直り、仕事不履行の言い訳まです
 る社員はさすがに居ない。本人の不真面目やアイマイな態度で困る事
 案にも効果的である。
 ところで、司法制度改革推進本部は、平成16年設置をめざす労働調停
 制度の大枠を明らかにした。労働関係紛争を扱う新たな処理機関と位
 置づけ、最高裁判所が任命する専門調停委員が紛争解決に当たるとの
 こと。調停成立の見込みがない場合は、委員の意見などに基づき調停
 に代わる決定を積極的に行う考えらしい。やはり裁判所なので、斡旋
 とは異なり労使対決が前提となっている。弁護士としても「対決して
 戦い」その後「矢尽き刀折れ」調停に持ち込まないと仕事として成立
 しない。果たして「対決」が経営者や労働者の社会ニーズに存在する
 のでしょうか?切った張ったの対決姿勢は産業や生活を豊かにするだ
 ろうか。

 厚生年金へのパート加入?今の流れからすると、社会保険事務所は数
 年のうちに徹底させるようである。バラバラに流れ出る情報ではパー
 トへの適応はまだまだ先とか実態は未加入で逃げれそうに思いがちで
 ある。ところが、整理してみるとこうなる。15年前パートの社会保険
 加入を拒否する社会保険事務所は多かった。理由は保険料収支バラン
 スが合わなかったからとか。いま厚生年金資金は現在無いに等しい?
 とも…穴が開いてる?とも…年金資金運用悪用?。本年10月からは社
 会保険料と雇用保険料を電子申請によって一括支払してくれる政府に
 とって「ありがたい」事業所がいっぱい出てくるので集金の手間がそ
 う掛からない。週20時間働くパートは雇用保険に加入している。厚生
 年金も同じ加入基準で300万人の被保険者増だ。収入要件を考えると、
 パート時給相場=103万円÷30時間÷48週間だ。65万円÷20時間÷48週
 間=677円は大都市圏の最低賃金を超える。65万以上の年収パート加入
 とすると被保険者400万人増。2007年からの団塊の世代への膨大な資金
 支出には遠く及ばずとも年金資金の大穴埋めには積極的理由はなくて
 も魅力的財源なので「妥当」との審議報告が出そうである。パートの
 人件費総額も今から計算しておいたほうが良い。保険料追徴は2年分
 全額事業主負担になるので要注意。

 4月からの経済の落ち込みは激しい。経済統計を待つまでもなく肌で
 感じる。日本の産業を支えるあの部品メーカーもこの機械メーカーも、
 海外の代替が出来ないものを製造しているところも、ても資金繰りで
 ショートしそうである。さらに、アジア圏での経済戦争で中国とイン
 ドに負けたとの自覚で以て、日本にしか出来ない製品やサービスをや
 っている企業が資金金融不安なのである。約4兆円の個人消費消滅シ
 ョックによる6月以降の更なる落ち込みは給料の遅配までも随所で生
 み出すであろう。「月給日に給料がもらえてうれしい」との「喜び」
 の声を数十年ぶりに聞くことになるかもしれない。給与遅配の前に退
 職されると、退職金ショート+差押えのWで=民事再生を掛けるどこ
 ろではない。
 経済落ち込みや無秩序状態に対して労働関係法令の改正は遅く、まし
 て裁判所判例はほぼ昔のままである。さらに専門家でも間違いやすい
 ほど「時代についていけない企業」への負担急増や足かせの法改正が
 目白押しである。年金基金の脱退・解散とか、生保の説明責任を欠い
 た適格年金、これの廃止?だけでは焼け石に水だ。日本では、この70
 年間昭和恐慌以後は、問題を先送りすることで本当に儲かった。日本
 人の経営哲学や人生哲学はここから来ているのだが。差し当たり3年
 は政府に頼らず、自前で安心安全経済圏を相互に構築するのが良策だ。
 ITが無かったので同様とはいえないが江戸時代の信用創造方法は極
 端な教訓ではなさそうだ。現時点は、日本だけの製品・技能・技術を
 残すには当該企業が必要である。大切な企業で「社員の不満を解決し
 退職金を不支給」かつ「士気を落とさず」数年後経済回復兆しの見え
 たとき打って出る「準備を合法的」にする秘策の実行。ジェネラリス
 ト志向者の「そんな秘策信じられない」との質問への答えはこうだ。
 …人に言えない仕事内容ではなく、言われるがままの素人仕事でも無
 い。むやみに実行しないが条件がそろえば「つまずく前に腹をくくる
 事態が来ただけ」と専門家は自信を持っている。

2003/04/08

第12号

 サービス残業の摘発!監督行政ノウハウを開示
 東京労働局監督課長実名入りのインタビューを、旧労働省の専門新聞、
 週刊労働ニュース(全国の監督署や安定所に週刊配布)に掲載した。
 監督課長実名入りの記事を載せることは監督指導の教科書を公開配布
 したのと同じで、全国の監督官は手を抜くことは出来なくなる。
 東京労働局監督課長はサービス残業を7つのパターンとしている。
 3億円の時間外手当が遡及された金融機関の大手企業の事例も東京中
 央労基の話として載せている。
 (このメールの末尾に、7つのパターンと複数発覚の調査方法を掲載)
 東京中央労基第三方面主任監督官は「労働時間の把握を本人の裁量に
 委ね、時間外労働の申告が行われていないことをもって、労基法に規
 程する労働時間の把握管理の責務を免れるものではありません」と語
 る。
 この事例のきっかけは一枚の匿名投書。担当監督官は「投書一枚の情
 報提供…臨検端緒として軽んじることはありません」とのこと。監督
 行政の変更にも気づかず「どうせ来ない」と高をくくっていた会社担
 当者がいたにせよ、これは真にお粗末。
 このようにパターン化したり実例を示すことで、経験の浅い監督官の
 調査の実効向上に役立たせようとするもの。また監督官の労働組合
 (全労働)は、行政の手続きを正確にすることで国民の信頼を得ると
 の考えのようで、サービス残業の監督行政では監督署内では労使一丸
 となっているようだ。

 個人と会社の労働問題紛争のあっせん機関(紛争調整委員会)で、プ
 ロの社会保険労務士が代理人となれることになり、会社も労働者も
 「あっせん制度」を本格的に利用できるようになった。労使紛争が訴
 訟や弱み追及を覚悟するばかりでは無くなった。さっそく大阪では使
 用者側から退職金凍結紛争の「あっせん」が十数人の社員対象に申請
 された。労働者側の利用が多いと見られるが使用者側も大いに活用す
 る様だ。事業所内の私的自治に収められていた労使関係は個別個人の
 トラブルについては労使とも社会システムに頼った解決を望む声が広
 がりそうだ。
 ところで、あっせん代理人の養成セミナーも初めて4月12日(土)大
 阪で開催の予定であり、これも盛況である。この代理人グループは電
 子掲示板でノウハウの一部公開までしている。

 就業規則、36協定の「本社一括届出」が、可能に
 2003年2月15日付の通達で、内容が同一であるときは、就業規則と36
 協定を本社のある労働基準監督署へ必要部数(事業所数分と控え用に
 1部)と一覧表を出すことで届出が可能になり、事務の手間が省ける
 ことになった。但し、提出先の監督署が配送サービス代行をしてくれ
 るようなもので法律の「事業所単位」の概念が変更されたわけではな
 いので注意してください。何部も提出するときは、前もって監督署と
 相談したほうが無難でしょう(現場の監督官は不案内のときがある)。
 なお、受付ゴム印は、各事業所の分は一覧表に押印とのことです。日
 経連が旧来から要望していた企業単位届出の主旨は一貫して無視され
 ている。

 年金改革? 401Kの迷走! 社会保障や年金の専門家が政府の中核
 に配置されていない。これは意見の相違ではない。あまりにも基本的
 知識と実 務を知らなさ過ぎるのである。そこへ、大手企業の人事担
 当に圧倒的シェアを持つ戦前からの有名な労務専門R誌で年金と保険
 料シミュレーションの基本的マチガイをした。150万を超える賞与額に
 すると保険料節約になるというマチガイだ。これは保険料の標準(報
 酬月額または賞与)額制の知識が無いのだ。知識が無いと断定出来る
 訳は、標準額制は政省令以前の日本の年金計算の基本的枠組みであり、
 シミュレーション表で8箇所も同様のマチガイを起こし、[注]2で錯
 誤錯覚の解説にまで触れ、とても社会保険労務士の執筆したものとは
 考えられないのである。
 私の言いたい問題はここからである。R誌のマチガイを発見した人が
 少ない。社会保険事務所への問い合わせも少ない。食い違いに気づい
 た人が少ない。このメルマガ前回号の「まさかの話!」に関心を持っ
 ていた方が発見してくれた。日本一の権威を築き上げたR誌先輩記者
 の努力も空しく、R誌の閉鎖的な編集は先週でも「数字のミス」と答
 えている程度の苦情件数なのだろう。大手企業の人事担当は年金に関
 心が無いのか、知識が無いので読めないのか、世間が官僚のウソに振
 り回されるのも納得できる、お粗末な民間の実態である。なので、知
 識のある方、その立場にある方、がんばろう。

 不良債権処理策が昨年10月末から本格的に動き始めた。不良債権の最
 終処理の本格化である。これに伴い、これから景気は大幅に後退し、
 企業倒産リストラ頻発、失業急増となる。日本は、企業と労働者に技
 術力又は技能があるので世界経済に向けての底力はある。だが技術力
 又は技能を取りまとめ組織してきた企業が持ちこたえられない。潰れ
 るのである。政府がこの3年間、景気を落ち込ませるので、技術力又
 は技能の取りまとめを再組織するしかない。今は3年後の恐慌脱出期
 に踊り出れるかどうかが企業戦略の焦点である。

2003/03/04

第11号

 まさかの話! 厚生年金保険料の仕組みが変わるが、同額の保険料で
 も年金受取額に差が出る。4月1日からの厚生年金保険料は賞与から
 も同率の保険料7%弱が控除となるが、約1千万円の年収では、賞与
 の無い人は年金が減額される。50歳の人で試算すると、無賞与を10年
 継続すると月額1万1千円ほど少なくなる。これは社会保険庁が年間
 賞与を「3.6ヵ月」と仮設定し、賞与がこれ以下で賞与保険料減が生じ
 ると支給年金も減額する仕組にしたため。年間賞与は「3.6ヵ月」を超
 えても年金は増えない。役員報酬は年金減の直撃。年俸制は12ヵ月と
 15.6ヵ月で年金差額の変化である。このことは知らされていないも同
 様で、あなたの会社では対策を打ちましたか? 同額保険料なのに矛
 盾した話ですが…。

 倒産企業の元従業員の訴えに対して、社会保険審査会は「使用されて
 いた事実がある」として、遡って保険の加入を認めた(平成15年1月
 31日付社審発078号社会保険審査会裁決)。
 Y社会保険事務所は破産管財人の加入届(資格取得届)の受付をも拒
 否したもので、従業員らは社会保険事務所の怠慢として遡っての加入
 確認申請を行った。法律では翌月の賃金支払いより後は保険料を被保
 険者から遡って徴収できないので、約2年にわたり加入を認められた
 人は、2年分の保険料納入の必要なく、2年分の国民健康保険と国民
 年金の保険料も返還されることになった。

 支払い振込先の銀行口座が解約されている。これを知らずに送金する
 と振込料以外に手数料をとられる。(M銀行で2000円を送金。420円+
 630円)ところが、この大阪人は「ATMで引き受け表示が出た。手数
 料と言っても約款の表示が無いので、譲ったとしても630円払わへん!」
 と金融庁へ行政指導を求め、銀行とも交渉。銀行も約款の表示を欠い
 ていた為、4回の電話やり取りの上、非を認め無料とした。これから
 の社会を示唆するネギリの実態? 或いはネット社会での約款の形骸
 化?(約款とは料金や内容の契約規定みたいなもので明示義務がある)

 ハンガリー国のIT産業インフラの様子がNHKで放映された。100メ
 ガの光ファイバーではない。151メガのレーザー通信である。設備費は
 格段に安く、速度は1.5倍である。例えば、日本では三角点と言うのが
 網の目のように幾つもの山の上にあって日本列島などの伸び縮みを測
 るなど地図の測量をレーザーを使い何十年も前からやっている。三角
 点の頂上は少し平地になっていて樹木も伐採してある。…NTTの光
 ファイバー布設工事などは明日にでも中止してほしいくらいだ。

2003/02/04

第10号

 今年の1月半ばになり、売り上げ・販売・受注に目途の出てきた企業
 と、低迷困惑の続く企業とにはっきり2極分化して来たようである。
 日本はアジア経済戦争に負けて、今や中国やインドの下位にある。こ
 れからは超高級技術製品と高級技能サービスの2つで世界に羽ばたく
 道がある。この「目途」と「低迷」の差異はどこにあるのか?(後日
 分析してメルマガに掲載します)。とりあえず。

 退職金のためにと生命保険会社と適格年金の契約をしている企業は多
 いが、昨年春ごろから生保からの一斉「解約アドバイス」が行われて
 いる。専門家が詰め寄ると生保側は止めてくれとは言ってないと開き
 直るが、相手が社長になると生保はどこでも強気。私たちが何社かの
 相談に乗ってカラクリの概略が分かった。今話題の予想利率とは別の
 事態であった。
  《このメルマガ末尾↓へつづく……。》

 「病気と貧乏は同居する」。70年前の昭和大恐慌と比べると、今の経
 済指標は極端に悪い。ところが、悲惨さの少ないのは「人類の知恵と
 良識」の経済政策が活きているからなのである。70年前の「借金の保
 証人で破産」「騙されて田畑を取られた」などの話が、現代まで「こ
 とわざ」として残った。では平成恐慌ではどんな特徴があるのだろう?
 つまり、**マスコミでは社会経済情報が入らない→知らないうちに経
 済から取り残される→それも経済と世間から取り残されても自覚が無
 い→なので現実を発見するたびに不安ストレスを感じ精神的ダメージ
 を受ける**。ハッとしてしまう。「人+もの+金」の70年前の発想に
 加えて、現代は情報(特にインテリジェンス)とノウハウ(著作権問
 題がこれである)がとても大切になった。平成恐慌克服は、「情報&
 ノウハウ」を経営管理できるか否かに掛かっていそうである。

 介護職員のサービス残業で社会福祉法人の理事長が逮捕。東京羽村市
 で。労働基準法違反(不払い額1億円余)との報道。残業不払での逮
 捕はめずらしい。逮捕されるのは、脱税も1億円、賃金不払も1億円
 と見てよいだろう。但し、賃金不払額とは過去2年の累積金額を計算
 するので、月額四百万強が2年で累積1億円となるから要注意。

 経営管理手法の『発見‐開発』……ノウハウの蓄積は属人的で企業で
 の科学的管理は不可能とされてきた。管理職や技能者の職人性として
 蓄積計画に手が付けられる事もなかった。ところが、人事管理や経営
 とは畑違いの財政学の大学教授がこれを発見していた。「ノウハウ蓄
 積のプロセス」として私どもが企業向けに研究開発した。それを今月
 公開する。私どものHP【辞書にない会社用語】で、「の」をクリッ
 クしてください。
   http://www.soumubu.jp/contact/yougo-index.html
 〈このページには他にも、IT失敗の判断基準、売れる商品とは、管
  理と目前の仕事、芸術性(仕事・商品で)、サービス、新商品とは、
  衰退期(企業の)、問題点の把握、などなど経営管理・業務遂行・
  企画計画に使用する概念が便利に説明されている。このほど44件追
  加しています。〉

2003/01/07

第9号

 本年は、日本型リストラの柱である人件費の切り下げを狙った法律の
 改正施行が盛りだくさん。労働基準、雇用保険、労働者派遣、職安、
 健康保険、厚生年金、個別紛争解決促進法など。ここまで来ると、確
 実社会は変わる。個別企業の風土も変わる。1年たつと、当たり前の
 ごとく社会に定着するが、時代を見据えて、いかに先手を取るかで人
 件費が天国と地獄になる。

 日本の資産は1400兆円。借金や不良債権は1000兆円。通貨価値を数分
 の一にしてしまうHiパワーインフレをして借金棒引きするか、又は企
 業や個人を順に破産させて個々に不払にするか…。この程度の政策だ
 からアメリカ系ユダヤ資本は資産の買い付けに来ている。リゾート法
 適用第一号の宮崎シーガイヤは、投入2000億円、売り200億円の破格値
 だったので、外資系に「第三セクターが安い」とのウワサが立ってし
 まった。官僚の商売だから、これで相場は決まったも同然。国内の至
 る所に虫食いの様に外資が入り込むのは覚悟の上だ。とりあえず個人
 も民間も借金で下手を打たないように頑張ろう。3月と6月の経済危
 機は(第7号既報)節目となる。

 アジアでの日本の経済的地位は極端に低下。重厚長大産業、軽工業、
 コンピューター関連ともに中国とインドに物量も人材も負けてしまっ
 た。 無能な官僚のおかげで国際化は失敗! なので、次は a.世
 界中を相手に付加価値の高い商品とか b.世界相手のサービスに的
 を絞ると良い。教育、福祉、環境などの背景産業も欠かせない。イン
 ターネットなど世界への流通手段も必要。技能者と技術者を育てるに
 は労働分野へ先行して投資が大切である。個別企業も同じ事。本年は、
 悶々と惰性でやっている場合ではない。官僚には唯一「国敗れて財務
 省あり」とならないように期待するのみ。

2002/12/10

第8号

 今年の賞与の特徴は、3万、5万、10万の金一封の定額もさることな
 がら、決定時期が遅れていることである。来年への不安が先立つのと、
 ボーナスの融資がとてもきびしいところに原因がある。

 セーフティネットといわれるが、パート、アルバイトの割合が増えて
 いる中で、多くのところが雇用保険加入はしていない。小さな業務請
 負会社と専属契約している場合も保険加入はほとんどない。官僚の考
 えるセーフティネットとはこの程度のもので、個人消費を増やす上で
 も、法の主旨である治安対策も、「間の抜けた」ままである。労使喧
 嘩未然発生防止、ナゲヤリ的労働防止、解雇時の収入確保にギリギリ
 のところで、雇用保険だけは、現に役に立っているのである。

 年金改革の案がいっせいにマスコミ報道された。ところで最も前提と
 なる加入実態は公表されない。ほとんどの事業所が強制加入と言って
 社会保険を止められないはずだが、中小企業は「お金が無いから脱退
 します。国保と国民年金に入ります」と言えば即やめられる。都市部
 の社会保険事務所で起こっていることだ。社会保険労務士に頼まず脱
 退手続きをすると良いらしい。数千万円の保険料を滞納している会社
 は無数にある。社会保険事務所は「倒産する!」の言葉に弱いので集
 金担当は滞納の金額確定さえすればもう何もしない。保険料の減らし
 方も教えてくれる。細かいことに出費になる被保険者は事実をごまか
 してでも加入させない。30年前は極端な赤字企業とか経営の不安定な
 業界は「任意適用」の役所独自用語を乱用して排除してきた。この手
 法なら黒字転換するのは言わずと知れたこと。なぜそうしないのか。
 昔…財政投融資に使う厚生年金資金を増やす目的があった。その後…
 年金資金を不良債権にした。今…マトテ返す(原状回復)ために年金
 改革が必要なのだ。年金では正直者がバカを見ている!

 物の製造業務、いわゆる工場への人材派遣が、いよいよ認められる状
 況だ。派遣社員は社会保険と雇用保険加入が派遣に当たっての条件だ。
 今まで業務請負だった場合、その多くは非加入だ。派遣に切り替えた
 場合給与の14%ほどの粗利益が下がる。料金アップ又は手抜きが生ず
 る元である。業務請負社員は多くが国民健康保険は無収入者保険料の
 月額千数百円、国民年金は未加入だ。ところが派遣になると給料の14
 %ほどが控除される。いくらなんでも急な話で収入減は大きすぎる。
 ところが、官僚たちは派遣先の常用労働者化を図ろうとしているので、
 民間人のマイナスなど何のその、労働力の国家統制のほうが大事なの
 である。何の思慮も無く派遣対象業務拡大と言ってきた派遣業者の足
 元はすくわれてしまった。よく考えると独立性のある業務請負の方が、
 将来ともに安定している。

 特殊法人、地方自治体の人件費削減が進められている。ところが実態
 は外注費への帳簿の付け替えである。人材派遣と業務委託(請負)で
 直接人件費予算が減れば良いと言うわけだ。官公庁も労働者派遣法が
 適用なのに対象業務や期間を無視する人が多い。……この際、民間の
 方が労働力の品質が高いので、民間で受注しよう!

2002/11/12

第7号

 解雇ルールの労働基準法への法律明文化への政府の意図はどこに???
 民間の現状はこうだ……。整理解雇の四要件(経営悪化、解雇回避努
 力、公平解雇、説明納得性)を満たすより、民事再生の方が簡単であ
 る。期間契約雇用者が四年目の雇用に突入すると60歳まで雇ったこと
 になるのだが、三年も雇う予定が立たないのが現実である。コミュニ
 ティユニオン(合同労組)でトラブった場合、パートで100万円、社員
 で300万円ほどの解決金が必要である。地位保全の裁判を起こされると
 70万円持って専門の弁護士事務所に会社が駆け込まなければならない。
 着手金が50万円の弁護士は敗訴の覚悟が要る。労働者側弁護士は、東
 大や京大の学生現役司法試験パス組の宝庫であり、事情による10万円
 着手金後払いはザラである。解雇を撤回して組合員がひとりでも残る
 と団体交渉でプロを相手にすることになる。労働組合には刑事免責、
 民事免責をフルに使った行動が出来るので会社には「無視の仕様」が
 無い。労組に、たいがいの事をされても監督署、安定所、警察でも結
 局は手は出さないことになっている。…これが現実。
 昔々の労働省には企業育成の発想があったが、今は「事なかれ主義の
 官僚統制」で民間を子ども扱いしているとしか見えない! 希望退職
 を募り3年分の年収を退職金に上乗せして10年分の人件費を払わなけ
 れば7年分お得なんてな単純発想は今では通用しない。
 事業の柱と会社の石垣は築くのには何十年もかかる。

 労働力の切り替えが進んでいる。二つの流れがある。ひとつは、パー
 トや業務請負。二つ目は最近芽が出始めた個人請負(委託)とかSOHO
 である。個人請負は契約の名称に関係なく指揮命令、専属性、時間管
 理の順で労働者かどうかの判定を下される。現に条件付出来高性労働
 契約は存在している。SOHOはスモールオフィス・ホームオフィスとい
 ってるが、昔ながらの内職そのもの。専門職業のプロは「事務所」を
 開く。実態把握は必要だが研究は既に終結している。厚生労働省は家
 内労働実態調査として発表している。所得は労働に対する工賃なので
 ある。世界に目を向けてみると、個人請負と家内労働(SOHO)はILO
 (国際労働機関)で10年も前から討論されている事項であり、今にな
 って注目される背景には、日本での労働力調達と労働の工程管理の後
 進性によるものがある。

 イラク戦争で景気はどうなる?… イスラムの文化・社会・経済への
 進出が出来なかったアメリカが貿易や資本進出したいだけのこと。と
 冷静に見てみれば何がどうなっているのか良くわかる。その点、今の
 日本は経済進出し放題である。13億人ほどのイスラム地域への「アメ
 リカ経済進出の岐路」ではあるが、アメリカを先頭に先進国と言われ
 る国でイスラム教が激増している事実は見逃せない。

 来年の日本経済の行方… 政府は産業育成再生ともに対策をしないよ
 うだ。内需拡大もしない。この政策を専門的には新古典学派というが、
 実は100年前の幼稚な理屈そのもの。経済恐慌は金融に及びそうな一触
 即発。三月は年度のしわ寄せが出てくるので経済危機がくる。六月の
 危機はとても厳しい。健康保険、雇用保険、年金、介護保険などなど
 個人消費減少で直撃。その額は四兆円弱となる。今の経済力だと、97
 年橋本消費税5%のときの3兆円個人消費ダウンの際の、数倍の経済
 不安を生む。これは会社の売上を激減させる。
 ことあるごとに、多くの年寄りや年金生活者は「私たちを政府が見捨
 てることは無い」と発言する。「子供たちはかわいそう」と言う。こ
 れだけ口を揃えて言うのには、戦前からの人生経験がそうさせるのか
 もしれない。「国破れて破れて、財務省あり!」なのだ。

2002/10/08

第6号

 ペイオフ延期は、日本経済の相当な低迷の証拠。
 ところで政府のデフレ対策とは、単に通貨供給量を増やして通貨価値
 を目減りさせるだけのようだ。

 社会保険料と労働保険料をまとめて徴収するとか、政府の電子申請の
 来年実施、ワンストップサービス…など、一見素人目には便利な改革
 やIT化が進められているが、よくよく研究してみると、企業経営に
 とっては損な話が散らばっている。さらにインターネット詐欺で銀行
 口座から預金が消えたりのトラブルは続発。今の法律からすると、銀
 行は責任を取らないことになっているので、取られ損!…。
 政府までが集金第一指向になってしまって、本来の政策目標である国
 内労働力の安定供給が危ない。先ず採用のリスクが増えて、事業には
 痛手だ。国の管轄する保険料は税金。なのにリスクは民間に?

 国内産業育成策や輸出拡大策が成果をあげないうちにデフレ対策とし
 て通貨価値を落としたときは、国内1400兆円の「貯金など」に消費を
 頼らざるを得ず、瞬間消化型の「サービス業や商品」が幅をきかせて
 いる現状の社会では、売れる売れないは、消費者の「快?愉快か不快」
 に頼ることになる。
 とすると、労働力の雇用形態は瞬間消化型の労働力を増やすことにな
 り、採用には、消費者が「快?愉快」とするキャラクター能力が重視
 される。事業の労働力戦略は変化する。民間のメリハリと底力が肝心
 である。

 ASP方式の社内ネット構築商品完成。オーダーメイドで費用は百万
 円以内。社内運用ノウハウ積み上げ方式は、営業販売ノウハウや会社
 組織運営を知りつくした専門家によるもので、国内に同様レベルの商
 品は見つからない。現在パッケージソフトやパッケージASPは使い
 物にならず、700万以上の投資及び運転管理者まで必要なERPからす
 ると、格段に進歩して、便利になった。
 <参考サイト→ http://www.soumubu.jp/contact/free/f005.html >