2018/07/03

第195号:シンプルな経済学は危機を予測できる!

<コンテンツ>
この秋から始まる東京オリンピック不況
日本国に資本主義(市場経済)を維持するには
  ≪好事例の施策見通し例を並べてみると≫
  ≪これを経済学の法則に表せば 4つのステップ≫
  ▼(引用記事1)トランプは、北朝鮮を、同盟国(とくに日本)を置いてきぼりにして和解
  ▼(引用記事2)日本経済のウソを暴くとしているYouTube番組の紹介
保守派とかリベラルとかの色眼鏡をかけない経済学の歴史視点から

女性の労働分野進出、少子化対策の成功着眼点。
   【女性のArt域労働を加味することで、解決発展は進んでいる】

全体主義者の短絡的で耳ざわりの良い 嘘のスローガンとは、
____無教育な管理職と無知な労働者は、____
【嘘のスローガンに乗らないための知識=の例示】
   (1)事件事故、地震や火災で問われれば経済復興景気?
   (2)公共事業や公共投資は税金投入?
   (3)戦争があって戦後の経済復興はあった?

非正規社員が正社員との賃金格差 その裁定
 _____平成30年6月1日 最高裁第2小法廷



§この秋から始まる東京オリンピック不況
戦後を生きた、そして戦後に生まれた人のビジネス幻想は萎えてしまった。
というのは、今までのビジネスモデルが、ことごとく通用しない時代が来たという意味である。シンプルな経済学は危機を予測している。
確かに、
今後も新しい商品が供給され、その購買力に応じて需要が生まれることは間違いない。だが、「必要だ」という計画経済的な思い込みや着想による事業計画、すなわち巷の経営本や銀行に持ち込んだような代物の経営発想こそが無駄になった時代に突入したのである。
金融資本をはじめとする貨幣投資の流れは日本を避けている。過去日本が生み出したような made in Japan 商品は、ここしばらく現れていないし、その種の工業製品は当分の間(長く見積もれば50年)は産まれそうにない。
日本経済がそういった基盤に至ったのは、日本の社会経済体質によるものだが、そこには「この国民にしてこの政府あり」(19世紀イギリスのことわざ)の影響は非常に大きい。
加えてそこへ、
急展開している極東の経済関係の誕生(ただし昨年秋からの変化だが、日本のマスコミは報道しなかった)、切羽詰まった日本政府財政の見通し(内閣府や財務省の示す資料での)悪化の表れは、こういった経済のインテリジェンスintelligence情報を、“知らない”では済まされない事態を引き起こすことになった。
集票と選挙資金のために
政府財政破綻を自らの手法と計算で招き、頼みにしていた日本の軍事産業や軍事物資などの製造販売も、「トランプ様」に潰され、日本はその財源までもアメリカ様に貢ぐことにさせられてしまった。アメリカ様への貢ぎ物代金だから日本政府の購入予算すら決まっていない。
【そのインテリジェンスを後に記載した記事で紹介する】。


§日本国に資本主義(市場経済)を維持するには
日本の個別企業ごとの生産性を引き上げることだ。
金融資本や貨幣投資が、国内のものは海外に流れるからアテにできず、海外のものは日本を素通りするし、その規模には太刀打ちできない。
要するに、
過去のような経済産業省とか財務省の「日本計画経済投資プラン」に便乗して、個別企業は工場などの設備投資展開をしても見返りは無いということだ。
+個人は「いわゆる起業」を行っても成功しない、良好な成功基盤があっても3年以内に8割が廃業するわけだから。
したがって、
個別企業は、地域経済単位(中学校区またはその合同)での協働協力と一致団結で地域経済での事業を形成して、海外&国内他地域へ商品を出荷することである。形態が海外&国内各地域からの人を来てもらえるようになるのも同じことである。
そして、
今までに扱ったような商品の概念を捨てることである。ことに、何事も商品を貨幣価値で判断することをやめることだ。地方都市は花壇その他で絵画のような街づくりをする文化価値もその一つだ。一世帯2住宅の土日別荘の点在する街並み。都会人は超田舎に住めないからだ。

≪好事例の施策見通し例を並べてみると≫
a)地域経済的なセンスを持つ大手企業は、上手に変身して成長するだろう。
b)生活協同組合CO-OPがユートピア域を脱してTPPに対抗すれば成長するかも。
c)中学校区の地域経済単位の関係者と裏表の関係を持つ介護・医療・その他福祉施設は業務改善(文化価値商品形成)が進み、人手不足、パワハラ加害、セクハラ被害などの解消の道を歩む。
d)地方都市は花壇その他で絵画のような街づくりをする文化。
e)東京・大阪・名古屋の大都市から、片道1時間半程度の地方都市は、土日別荘の一世帯2住宅、定年リタイアの住処といったものが有望。

≪これを経済学の法則に表せば 4つのステップ≫
①Art域労働を加える、
今仕事で使っている労働力=スキルとかパフォーマンスに対して。そのことで、飽きのこない固有文化価値商品の仕様となる。原材料と設備費を除く労働全般価値が価格の50%を超える商品が、貨幣と交換できるようになる。そのための発想の転換・教育育成・生産工程の手直しは必要だが、それこそが地域単位で可能となる。現にフランスやイタリアそして北欧の至る所の商品とかサービスがそれだ。今日本人はそれをこぞって買っている。世界の需要は、安かろう悪かろう→安ければよいといった、生死をさまよう生存欲求状態での商品の需要は減りつつある。だからして、生死を維持するだけの「労働力」に限った労働提供も自ずと減っていく、それが文化進展だからである。
②地域に在るインフラ、
貨幣と交換できない使用価値を持つインフラや動産が存在している。これを有効活用して、前述①で述べた固有文化価値商品へと、その使用価値を転化することが出来るとの理論だ。公共事業による建築物や成果物を、過去のように“スクラップ&ビルドダブル”と称して無駄に価値を廃棄するわけではない。またそれは“災害や戦争による復興景気”といった、日本のような成熟地域を、まるで発展途上地域の過去教訓とすり替える詭弁ではない。
③原材料や半製品を、イノベーションによって供給。
固有文化価値商品を創製造するには、“より良いものがより安く製造”したところの原材料や半製品を必要とする。すなわち、工作機械及び原材料や半製品に新たな商品価値のステージを作り上げることになる。ここでの発想転換とは、原材料や半製品を出荷する国や地域と、固有文化価値を創製造する国や地域の住み分けが可能となり、国際貿易や商品交易を発展させることができる。(北朝鮮やロシアとの交易の有望性)よく見てみれば、江戸時代には、当時の文化価値の高い商品は、東アジア一帯から原材料を輸入して作り上げた品物は少なくない、今に残る工芸品のように。
④それに比べての、大都市圏の商品生産
その内での旧来概念で扱う商品は、その価値形成と価格形成は計画段階から不具合を生じている。スキルとかパフォーマンスといった労働力を確保する価格(賃金など)は、東京オリンピック不況とか金融危機で低減はするけれど、同時に商品に転嫁される労働価値も低くなり、商品需要が減っていく。
④-1 日本の都市部は今でも、労働力も品物も、安かろう悪かろうで悪循環しているから、投資額は借入金のことを考えれば採算が合わない。原子力発電システムはその典型だ、電気とは動力伝達システムのはずなのに。それらが克服できると思ってAI人工頭脳などへの投資を行ったとしても、現在のような管理経費倒れによる個別企業の借金累積は解決できない。賃金が高いからといって機械化をしても、真実のイノベーションができていなければ生産性が向上するわけがない。「働き方改革」法案の思考論理は、大都市向けに考えた、経済や経営学の300年の歴史の中での「失敗法則」の寄せ集めに過ぎないのである。そんなことはないと反論する諸氏は、どうぞ私に論戦してみればいい。
だから、
☆大都市圏にも地域経済単位(中学校区またはその合同)があり、一致団結で地域経済での事業を形作ることができるから、愚かな「計画経済事業とか販売流通」には、個人も個別企業も、徹底して付き合わないことだ。
(引用記事1)トランプは、北朝鮮を、同盟国(とくに日本)を置いてきぼりにして和解
7月の米露首脳会談が、6月の米朝首脳会談の後であることも、同盟諸国を恐れさせている。6月の米朝会談でトランプは、これまで「核問題」を理由に敵視してきた北朝鮮を、同盟国(とくに日本)を置いてきぼりにして和解(米朝首脳間で「義兄弟のちぎり」を締結)してしまった。北を敵視することで米国(軍産)が日韓を対米従属させてきた冷戦型の構造を、一度の首脳会談で破壊した。その後、北は核廃絶を進める気配がないが、そんなことおかまいなしに、トランプは北を支持し続け、中国は北への制裁を事実上解除し、韓国は北朝鮮との和解を進め、北敵視の国際構造の解体が進んでいる(日本は茫然自失)。そして、米朝会談を「成功」させた後、トランプは次なる「成功」を狙って米露首脳会談に取り組んでいる。
北敵視とロシア敵視は同じ構造を持っている。米国(ブッシュ政権)は、北を政権転覆すると脅し続ける一方で、北が核とミサイルの技術をパキスタンやエジプトなどから得ることを黙認し、北を核武装へと走らせて、米国と同盟諸国にとっての「和解不能な敵」に仕立てた。これは、ウクライナを政権転覆させてロシアをクリミア併合やドンバス支援に走らせて「和解不能な敵」に仕立てたのと同じ構図だ。トランプは、和解不能なはずの敵国の首脳と会談して「個人的に親密な関係」を作ったと宣言する。米国傘下の軍産や同盟諸国がいくら批判しても、最高司令官であるトランプは「金正恩もプーチンも習近平も、信頼できる立派な指導者だ」と頑固に言い続け、軍産的な敵視戦略を構造的に破壊していく。
(引用元)田中宇の国際ニュース解説会員版(田中宇プラス)2018年6月30日
http://tanakanews.com

(引用記事2)日本経済のウソを暴くとしているYouTube番組の紹介
  (ただし、全編は有料、でも価値がある内容。それは…)
国立国会図書館(国会議員の政策資料取り寄せ先)
~までが、「異次元金融緩和の失敗」を指摘する決定的状況など
証券会社出身のエコノミストが、内閣府や財務省の資料を以って論説している。
住宅ローン金利上昇、医療社会保障費急増、この秋から始まる東京オリンピック不況、そして歴史的経過までを語っている。少子化は、戦前戦後の経済システムを再び取り戻せない人口見通しとなり、歴史的根本からの転換を迫られている。それらは個別企業の事業展開その他への重要ヒントにまで及ぶ。
☆___私の希望は、
少なくとも政府統計から導き出される論理論説に、とりあえずメルマガ読者には目を通していただきたい。もちろん、全体主義者や王政復興論者そしてマスコミ評論家に見られる科学的学問的根拠ない代物とは大違いである。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=828&v=b33TPnz9YCo


§保守派とかリベラルとかの色眼鏡をかけない経済学の歴史視点から
イ)とかくその時代の新興勢力と言われている輩は、フェイク・イカサマ・ドサクサといった無法者の手段を使う者がいる。
ロ)19世紀、少なくとも保守派はどの国でも、市場経済の禁じ手を使う輩の姿に地獄を感じ観て、より市場経済(資本主義)を発展させた。
ハ)公務員試験に合格し、仮定の質問に仮定の答えを出す能力に長けた輩が全体主義を利用した。
ニ)社会保険制度の不備であった昔に戻すことは、マルクスの学説を知った上で、マルクスの生きた時代=テロ・暴動・暴力の時代を招く。
ホ)最終消費財商品にアートArt(審美でもなければパフォーマンスでもない)を組み込み、買い手の共感作用&共感精度に価値を求め、貨幣には限らない固有文化価値の商品を市場経済に発見した。(その発見で、工業デザインや芸術性が商品に組み込まれ、市場経済に根付いていった)。
ヘ)科学的裏付けのもとに、固有文化価値商品の創製造と交換の初研究論文(次のURL)も産まれた。
http://www.soumubu.jp/koyukachi.pdf

ト)以下に、とてもシンプルな経済学や経営学からの解説も展開する。


§女性の労働分野進出、少子化対策の成功着眼点。
欧米においての根強くシンプルな考え方があり、これが実体研究と符合している、
それは、
①「中産階級の女性は、同じような状況にある女性と出会って、有償労働の世界に入って個人的な充実感を味わうことから、家から出たがった」。
②「だが、労働者階級の女性は経済的必要性によって外へ働きに出された。彼女らは労働による心身の負担を強いられるから、妻として母として家庭的役割に時間を割くことを望んでいる」。
いずれにしても女性運動とか労働運動の側から見れば、
家庭に閉じこもることからくる女性の社会的孤立は、
「家庭から離れることによって改善される」とは言われるものの、労働者階級の女性は家に戻りたいのは事実である。ことに、その女性本人よりも、その女性の母親が階級から影響受けた考え方、すなわち中産階級か労働者階級かとの、母親の出身によって娘が多大な影響を受けている。
そこには、
欧州も日本の明治の産業革命でも、以来、産業労働者が家族の衣食住をまかなえたのは妻や子供も働いていたからであった。もとより農村においては妻も子供も働いていた歴史があったからだ。女性が主婦として家庭に閉じこもっていたのは、戦後の経済成長期の極一時期か、極一部の有産階級の妻だけである。
また、亭主関白とか夫のDVが
多発するのは労働者階級においてである、それは労働者階級の人口が多いという訳ではない。結婚形態の一夫一婦制による妻の差別抑圧は労働者階級において激しいからである。ここ百数十年の歴史の中でイザとなれば労働者階級が全体主義を支えたことも無関係とは言えない。
昔に比べて女性がいかに社会進出したか
といった比較研究ばかりが目立つが、今述べたような資本主義の進展による家庭内の変化に係る研究は、なかなか日の目を見ない。現代日本でも、こういった状況は似通っている。
女性問題や男女参画、少子化対策、
もちろん子育て保育も、
これに関する施策を行うのであれば_、そういった事情や希望を数字計測した資料が必要なのだ。しかしながら、筆者自身この50年間、行政機関がそれを考慮したことなど見たことがない。選挙目当ての政策とか主義主張は、ことごとく空理空論かつ場当たりにならざるを得ない。
それは、
個別企業の女性人材確保でも同様のことが言える。
女性の中産階級の場合と、圧倒的多数を占める労働者階級の女性との、それぞれの事情や希望を考慮することから、ひとくくりに「女性」と言って現場内実を誤魔化すのではなくて、具体的長期的な解決発展が見込まれるのである。
女性に対するセクハラも、そこから解決の糸口が見えるかもしれない。


【女性のArt域労働を加味することで、解決発展は進んでいる】
その要諦は、労働力(スキル)ではなくArt域労働の能力を向上であった。
(例)
☆服装は絵画、アクセサリーはアクセント装飾、
   それらはデザイン力向上
☆音楽リズムは話し上手、
   リズムと拍子は異なり、唄が仕事の品質を決める
☆詩は共感作用の物語、
   それは品物の意味を語る。コンテンツの芸術的表現
(地味に、地味に、そして最後は艶やかにまとめる、それが基本方式)
このURLに示す内容は、
Art域労働を念頭においての成功事例の集約なのである。
http://soumubu1.blogspot.jp/2017/08/#184-01


『利益は、やっぱり生産性向上から生まれる』
すべては「何を造るか&どうやって造るか」にかかっている。
・戦後の経済発展をもたらした物事は、
   プラスチック、抗生物質、農産物価格の半減の3項目が主要である。
・賃金カットは封建時代の手法で、市場経済にあっては生産性を落としてしまう。
・商業部門の賃金カットは収益性を落とす。
・圧力団体や既得権益の論理では、目先の表面的な理屈を耳ざわり良くはしているが、
 経済経営学的には生産性をダウンさせるものだ。

≪生産性向上のポイントはイノベーションの5項目≫
経済学者シューペンターによって解明されている。これは新商品を供給する場合も同じである。要諦は“思いもつかないもの”を結合connect(5次元思考)にある。
 One  新しい財貨、新しい物の発見
 Two  新しい生産方式の導入
 Three 新しい市場の開拓
 Four  新しい原材料、半製品の発見
 Five  新しい事業組織を(社内から社外にわたり)開発
労働者一人ひとりの生産が増えれば増えるほど、社会全体の資本が増える。
多くを生産すれば、価格も下がることによって消費者が益々労働者に対して期待を寄せる。
★『安ければ安い方が良い、安かろう悪かろう』
 といった悲観的な話が持ち出されるのは、生産性がダウンしてしまったときの、
 供給側の自己弁護に使われる言葉なのである。
☆オートメーションは1960年頃には
 “失業の主要な原因だ”と噂や中傷されていたが
 当時のオートメーションは実のところ、
 長きに渡って培われた省力化技術の進歩と改善が新しい名前をまとったに過ぎなかった。
★同じくロボット、今後のAI人工知能と言われるものも同様のことなのである。

☆生産の分野ばかりか、経営管理の4要素の残り、
 収益(販売)、労働意欲、効率面の分野に、経営管理の尽力を注ぐ必要がある。
☆この4分野は複雑に団子の塊として絡み合っているから
 分野ごとに管理セクション軸を(組織)配置して洗練(文明的)しなければ
 機能しないことも経済経営学で解明されている、ここが俗に言う間接部門の役割だ。

≪経済学の父アダムスミスの「見えざる神の手」とは≫
生産性のダウンしてしまった仕事は、発明や生産性向上によって生まれた新たな仕事に取ってかわられる、このような好循環のことを~
自由貿易や市場における、「見えざる神の手」と表現したのである。
★決して、自由主義なれば何かいい事を
 神が手招きしてくれるといった、神の手では無いのである。
★すなわち、新自由主義と言うものは、アダムスミスを曲解して、
 ここに述べたような経済の歴史や学問を学ばずに、
 ことさらシンプルな経済学を否定、細かな理屈をこね回してごまかす。
★ここしばらくのデフレ脱却と称する日本の金融緩和政策も、
 経済学の定理を無視しているからこそ、成功するわけがないのである。
 「信用は既に人が持っている。~いずれにしても
 借り手はもともと信用と共に銀行にやってくる」という定理だ。
§全体主義者の短絡的で耳ざわりの良い 嘘のスローガンとは、
見え透いた手練手管が非常に多い。口を開けば、
「具体的な手法で、…みんなの賛同を得なければ話にならない」などと。
それは、
力説するのか? 誤魔化すものなのか? その背景やベースに潜むものや長期的視野については、彼らは明らかにしないのが特徴だ。
挙句、
「(空虚なものを)決める」ことを達成することで
地位の保身さえできれば、どのような法的・制度的手段を用いて、その目的が達成されるのかという点は、彼らにはどうでもよく、関心すらないのである。これが特徴だ。

____無教育な管理職と無知な労働者は、____
インフレ・増税そして貧困になれば、無教養と無知が故に必ず飛びついてしまう。
もうこれ以上の転落を避けようと、
“目前のワラをもつかむ”境地なのである。もちろんそれは彼彼女自身の首を絞める。
だが苦しくとも必死であるから
家族や同僚を加害してでも働くのである。それは哀れな姿で、周囲も巻き込まれる。
さらには
非効率かつ非生産性な働き方に陥らされているから、
人間的にも“我を忘れる”ために妄想やウサ晴らしが必要となる。あるいはそれを与えられなければならないことになる。そうやって彼彼女の長期にわたる人生の希望と計画が遠のいていくのである。これは、この100年の世界の歴史は証明している成り行きである。

【嘘のスローガンに乗らないための知識=の例示】
(1)事件事故、地震や火災で問われれば経済復興景気?
修理や復旧に、「否応なしに財政出動となるから経済が活性化する」とのデマが流れる。こんな事は単純に考えれば嘘だとすぐわかる。その費用が修理や復旧に使われなかったら、その他の投資に使われたのである。他に使う予定の貯金が修理や復旧に使われただけで、新しく雇用量や労働量が加算されたわけではない。あなたの家庭での出来事を見れば一目瞭然だ。
経済学の父といわれるアダムスミスは、
「庶民の家庭で賢明とされる行動が、国にとって愚かな行動になることはまずない」
と300年ほど前に言っている。これが近代以降現在までの経済発展に役立った定理なのである。
「少しかじった者は非常識に向かう、深く極めたものは常識に向かう」とのことわざを、ここで連想することも人類の知恵(現代で言うところのカオス理論)である。

(2)公共事業や公共投資は税金投入?
民間の景気が不振だと言われると、決まって公共事業や公共投資が持ち出される。
経済特区だとか、東京オリンピックに、Osaka万国博といった代物も税金である。
だが、そこに使われる財源は税金であり、将来の税金を担保にした借入金である。
結論を言えば、そもそもは、___
「税金と引き換えに行政サービスは提供される。それは経済生産の促進とか保護をする働きがある」。
ところが彼らの行うことは、___
「それによって納税者自身が一番に必要とするものに使えたはずの金銭を、納税者は税金として取られただけなのである。そこには、富を生むための事業や投資、そこで用いられる雇用に資することといった、ぼんやりした怪しい話が山積みである。目の前の物理的なことにしか関心を持てない人には、全体主義者のスローガンには説得力がある。
ところが古今東西、___
ミサイル危機には迎撃ミサイル購入、電力不足には原発メンテナンスと周辺費用、領海侵犯には超大型護衛艦といった具合の短絡的な話なのである。
これらは必要性の有無もさることながら、___
細かな効果的具体策は必ずと言って存在せず、無用の長物の設備購入に使われるものばかり、それも理屈をつけるばかりであるのだ。戦争も同じことである。
ちなみに、「需要」と「必要」とでは意味が異なる。___
経済学でいうところの需要とは、必要と言うだけではなく、購買力があるかどうかが問題となる。日本の大手企業が進出しようとしているインド、アフリカ、中東地域などは、どこでも沢山の物が必要ではあるが、購買力がないのである。だから新しい産業が興隆しにくいのである。
かといって日本政府が海外投資___
したところで→それを日本企業が集金回収してしまえば、投資先での産業育成にはならず目先の浪費(よく話題になる戦前台湾への投資方法とは異なっている)でしかない。ましてその海外投資は納税者が何かを買えたはずの金銭である。要するに無駄遣いだ。
さらに、国民が耐え難い水準に達している税負担は、生産を阻害することを覚悟する事態にしかなりえない。戦争となれば、ありとあらゆる名目税の激増が伴う。

(3)戦争があって戦後の経済復興はあった?
戦争で破壊された“人と物”を取り戻すために、一気に生産を増加させるための経済政策が、再び未来の稼ぎを当てにしての借金で行われるだけのことである。
戦争とは、極端な言い方をすれば、
工場や設備が減価償却や老朽化によって資産価値が、帳簿上ではなく実体としてマイナスになっていない限り、爆撃や火災で破壊されるメリットは何もない。たとえ解体費用を考えてミサイルや爆撃破壊の方法は、さらに高くつく。
財産とか命を破壊されることは個人にとって痛ましい、国家を形成する個人の集合にとっても痛ましい、抽象的な言葉や論法で考えるから失敗するのであって、失敗すれば痛ましいのは当たり前なのである。
戦前戦後を通じて日本の全体主義者というのは
無用の長物の軍事設備購入に浪費をするだけで、国民の生命・財産・健康の保護を柱にした“身近な防衛ノウハウや技術など”といったものは、もとより念頭になかったし、現在もない。
これらの例示は、れっきとした科学的学問的な経済学・経営学なのである。


§非正規社員が正社員との賃金格差 その裁定
 _____平成30年6月1日 最高裁第2小法廷

(時事通信)
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20180606.html

【解説】
労働契約法第20条、これに反する賃金格差の初の最高裁判例です。
その判決骨子は、時事通信の報道によると
一、労働契約法20条は、期間の定めの有無による不合理な労働条件格差を禁止し、職務内容などの違いに応じた均衡の取れた処遇を求める規定
一、再雇用された労働者は退職まで賃金が支払われ、老齢厚生年金の支給も予定される。格差が不合理かを判断する上で、そうした事情を考慮するのが相当
一、労働条件格差が不合理かどうかは、賃金の総額を比較するだけではなく、賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきだ
____という。概ねこの通りだと私も読み取れました。
(だけど、時事通信の記者がこんな表現は出来るとは思えず、最高裁から教えてもらったのではないかな? 労働関係法的知識がないマスコミ記者の的外れな解釈よりよほど良心的だ)。

すなわち、どういうことかといえば
1.無事故手当、精勤手当、皆勤手当は違法~という名称では判断せず中身で判断
2.年金や雇用保険からの支給金も事情を考慮(ただし今回は、非常に特異な事例への判断)
3.社員のみ住宅手当を容認とは、「働き方改革法案」とは考え方の異なる判断だ
4.今回は最高裁判断ではあるが、裁判官の中で大異論があり、今後は、よく似た事情でも当該判例の表面的解釈とは異なる裁判例が予想される。
……要するに、
経営側と労働側いずれかの、優秀な弁護団の論述により裁判例が異なることになるというわけである。そして、この判例にしても決定的抜け道があるのだが、そこには国会議員その他、一般素人には見抜けないカラクリが残っているのである。それとは別に、ここでも「働き方改革」の政府法案は論理矛盾の浅瀬に乗り上げたことになる

【最高裁の、この判例の お話とは】

労働契約法20条とは
「職務内容などの違いに応じた均衡の取れた処遇を求める規定だ」との指摘。
そして、「格差が不合理かどうかは、「賃金の総額での比較のみならず、賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきだ」と最高裁が示したことだ。
(最高裁判所、未払賃金等支払請求事件)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87784
(最高裁判所、地位確認等請求事件)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87785

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